会社概要
苅田俊幸氏:社長の苅田でございます。今日はお忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。早速ですけれども、オカダアイヨンの会社説明および決算の概要を説明させていただきたいと思います。
オカダアイヨン株式会社は、大阪が本社の建機メーカーでございます。建機といいましても、作る方ではなく、壊す方(の建機)を製造している会社でございます。
昨年(2017年)、熊本にある林業機械の南星機械という会社をM&Aで100パーセント子会社にいたしまして、林業分野にも進出したところでございます。資本金は22億2,100万円、従業員は430名の部隊で、東証一部に上場させていただいております。
主力商品
まず、主な商品をお話しいたします。オカダアイヨンの方でございますが、解体機(油圧ショベル先端部分)です。油圧ショベルの先に取り付けて、ビルの解体、鉄骨の切断などを行います。まず荒く潰して、下に落ちたものを細かく砕くのが、大割機・小割機です。ここ(スライド)に鉄骨カッターとあるのが、大きいハサミでございます。これらが挟んで解体するものです。
ここ(スライドに油圧)ブレーカとありますけれども、従来は叩いて壊しておりました。騒音規制がきつくなりまして、日本ではこのブレーカよりも圧砕機が主体になってますが、海外では騒音規制がさほど厳しくないということで、未だに油圧ブレーカの方が主でございます。
環境機械は、従来からオカダアイヨンで展開しておりました。みなさんもよくお聞きのバイオマス発電所が全国に何十ヶ所もありますが、その燃料のチップを作る機械でございます。ウッドホグとビッグバスは、ヨーロッパやアメリカからオカダアイヨンが輸入して販売しており、メンテナンスも行っています。(環境機械は)従来から20年にわたって取り組んでおります。
この(スライドの)右下が、昨年(2017年)買収しました南星機械の機械で、林業用のグラップルやクレーンです。例えば、八ッ場ダムのダム工事などでの基礎づくりを展開している会社でございます。
事業概要
オカダアイヨンの100パーセント子会社であるアイヨンテック……東京・池袋から15分ぐらい行ったところに朝霞というところがありますけれども、埼玉県の朝霞工場で主力機種を作ります。
また、協力工場に図面を出して指導して作ってもらい、オカダアイヨンが販売とメンテナンスを行います。海外につきましては、アメリカにある100パーセント子会社のオカダアメリカを通じて売っており、その他の地区では、その地区ごとの代理店を通じて売っています。
一方の南星グループは、南星機械、南星ウインテック……これは、ウインチを使ってダム工事などを行っている会社ですが、それに加えて暁機工です。南星グループは自社工場が熊本にありまして、ショベルメーカーとエンドユーザー……これはオカダも一緒でございますが、こういうルートで売っているということです。
グループ国内事業拠点
事業拠点でございます。ブルーがオカダアイヨンで全国12ヶ所。先ほど言いました工場は埼玉県朝霞(にあります)。南星機械グループは全国10ヶ所で、工場は本社のある熊本県泗水町(にあります)。ご覧いただきますと(わかると思いますが)、わりと拠点が重なっております。このあたりは、来年(2019年)に向けての統合作業ということで、進めていかなければならないところでございます。
海外事業拠点
一方、アメリカです。(オカダアメリカの)本社はオレゴン州ポートランドで、西海岸に本社がございます。従来の営業所はオハイオ州クリーブランド……エリー湖の南側にクリーブランドという大きい町があり、その近くに営業所があります。なぜここかというと、他の建機メーカーもだいたいこのあたりに集中しているからです。コマツさんやキャタピラさんも、アメリカの拠点はこのあたりが本社ということです。
トランプ旋風ならずと……この前、中間選挙が終わりましたけれども、ラストベルトということで、アメリカの重心は北から南に移っています。いまは、南の方がものすごく活気を呈しているということで、私どもも一昨年(2016年)の1月に、南部のテキサスの中核都市であるダラスにテキサス支店を出しました。これが非常に功を奏しまして、アメリカの売上も堅調です。
ヨーロッパ(への展開)は去年(2018年)の秋です。まだ現地法人までにはなっていませんが、オランダのロッテルダムに欧州事務所を設けて、日本人も2人ほど駐在させております。儲けるために(現地に)拠点を置く効果は非常に大きいと痛感しております。
海外販売先比率('19/3期 2Q)
売上構成でございます。国内が65.4パーセント、海外が19.7パーセント、南星の占める割合が14.9パーセントです。最初(の販売比率の目標)は3割でしたが、オカダアイヨンの中で、とりあえず2割にしようということで頑張ってきました。分母(として南西事業)が入りましたので、(海外事業の比率が)19.7パーセントです。少し足りませんでしたが、南西を除くと23.1パーセントと、ようやく懸案だった20パーセント越えができ、海外はいま、順調に伸びております。
海外の中で、(販売先比率は)圧倒的に北米です。100パーセント子会社があるのに加えて、アメリカの懐は大きいということだろうと思いますけれども、海外の中の約7割が北米で、あとはアジア、ヨーロッパです。
当社は、中国には販売しておりません。従って、建機メーカーさんはこの下期にかけて、中国貿易戦争のあおりを受けて中国向けが減っています。既にそういう数字が現れていらっしゃる会社もありますけれども、当社は直接の影響はないということでございます。
当社の強み
当社の強みを表にしてみました。開発から製造・販売・修理と、我々は一気通貫と呼んでおります。作るだけ、修理だけという会社はありますが、このすべてを担っている会社は日本では当社だけです。
修理部隊についてですが、営業拠点12ヶ所をお示ししましたけれども、その営業所には営業マンだけでなく、修理する部隊であるサービスマンも揃えております。これがオカダアイヨンの信用と力になっています。
我々の一般生活における常識は「機械は精巧で壊れない」です。時計、パソコン、車、家電などは、なかなか壊れないというのが常識だと思いますが、我々の世界では機械は壊れるんです。しょっちゅう壊れて、すり減ります。従って、修理部隊を置くというのは非常に大きい。これが自慢でございます。
'19/3期2Q 連結業績(要点)
第2四半期の要点をまとめてみました。売上高は87億7,300万円で、前年同期比で30.1パーセント増えました。経常利益は9億1,700万円で、(前年同期比で)29.2パーセント増。売上も利益も、およそ3割増えたということでございます。詳細は、次のページからお話ししたいと思います。
売上高 過去推移(過去5年間)
(スライドに)増収と書いておりますが、中間決算が過去最高となっております。リーマンショックの後に大赤字を出しましたが、その後、9期連続で売上は右肩上がりを堅持しており、ずっと過去最高を更新しております。
'19/3期2Q 売上高増減要因
前期の(売上高の)中身です。「オカダアイヨンが日本一=世界一だ」と誇る動画を先ほどお見せしましたが、圧砕機のところで増えています。環境機械は、前期が排ガス規制の影響を受けて減りましたけれども、その反動がなくなったことで順調に伸びたということです。
海外も伸びました。南星が加わりましたから当然増えるわけですけれども、南星を除いても、きっちり1割以上増えております。
経常利益 過去推移(過去5年間)
利益も過去最高を記録できました。これも、南星の部分を除いてもきっちり増えております。
'19/3期2Q 経常利益増減要因
中身でございますが、粗利は国内、海外で増えています。これはやや見にくいですが、南星の粗利と南星の経費の差額……7,700万円が南星の部分として乗っています。その南星を除いても(前年同期比で)18.3パーセント(の伸びです)。表面上は29.2パーセントの伸びでございますけれども、南星を除いても18.3パーセント伸びているということです。為替はほとんど影響なく、ニュートラルです。
主力製品とその国内シェア('19/3期 2Q)
では国内シェアはどうかということで、お示ししていますが、オカダアイヨンの得意とする大割機、小割機、鉄骨カッターがだいたい4割強です。私は何度も会社説明会をやらせていただいていますが、数年前までは4割ですよと申し上げてましたけれども、もう4割5分といってもいいのではないかと思います。ブレーカは、だいたい15パーセント前後ぐらいで今回は13パーセントです。
首都圏 主力商品とその国内シェア('19/3期 2Q)
その中で、発展が著しい首都圏は全国平均をさらに上回りまして、56パーセントです。4~5年前は、首都圏は5割ですよと申し上げましたけれども、現在の首都圏は55パーセントぐらいまできておりますといっていいのではないかなと思います。大変大きなシェアをいただいております。
売上構成比('19/3期2Q)①
これがオカダアイヨン全体の機種別の(売上)構成でございます。やはり圧砕機が大きなウエイトを占めています。部品(販売と)修理で14パーセントぐらいありますけれども、さきほど申し上げましたように、建設機械は壊れる、しょっちゅう修理があるということでございます。
売上構成比('19/3期2Q)②
一方、買収しました南星ですけれども、林業機械、鉄のスクラップ関係、クレーン、ケーブルクレーンは工事関係です。一部商社機能もございますが、これが取り扱い商品のシェアになっております。
機種別(セグメント別)売上(2Q推移)
より細かい数字をお示しいたしました。これが第2四半期の数字でございますが、ブレーカが減りました。ただし、前々期から比べると増えています。前期に、「205J」というブレーカの新製品を出しまして、キャンペーンをやりました結果、前期が高かったということで、ならしてみれば増えています。
圧砕機は相変わらず当社の核で、順調に増えています。環境機械も増えましたけれども、その前(2017年3月期第2四半期)がけっこう高く、非常に波が大きいということです。しかし、平均するとだいたい15パーセントぐらいの割合を占めております。
補材・修理は減っているじゃないかというご指摘もあろうかと思いますし、確かに減っています。我々も関心を持って対策しているのですが、この要因として、ある程度イミテーションが出ていること。また自慢ではないのですが、TSシリーズ……数年前までは「TS-W」といっていまして、4~5年前から「TS-WB」となり、Bシリーズといっていますが、要は性能を上げたといいますか、部材に壊れない強力な部品を使って、その効果が出ていると、(製品を)作っている方はいっています。
実際に「オカダの機械はよい」ということで信用を上げており、全体で見ると収益的には当然プラスです。若干、物が壊れにくくなっているという影響がございます。
オカダ解体用機械 地域別売上(2Q推移)
地域別はどうかということですけれども、やはり関東が増えています。東北の津波や震災の影響はほぼ終焉していまして、東北全体のマーケットが少し減っていると思っております。逆に九州は昨年度が高いということで、前期は熊本の震災の影響がありますので、平常に戻ってきているということでございます。
セグメント別推移
(売上高は)国内が10パーセント、海外が13パーセントで、全体では30パーセント(の増加)ですけれども、南星を除いても、11パーセントぐらい伸びており、業界対比で大きく上回っていると思います。