2018年12月期第2四半期決算説明会
泉陽一氏:お暑い中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
まず第一に、みなさまにお詫びでございます。弊社の代表取締役である伊勢が足のケガをしてしまい、こちらに来られなくなりました。そこで、本日は経営企画を担当しております私、泉が説明をいたします。大変申し訳ございません。
なお、本日いただいたご意見やご質問、弊社の代表に対するご要望などがございましたら、持ち帰りまして、回答させていただきます。また本日の内容について、今後の経営に活かしていこうと思っていますので、よろしくお願いいたします。まずお詫びをさせていただきました。
本日の内容ですが、こちら(目次)にありますように、1番目が、すでに開示はしていますが……弊社は12月末決算で、上半期が終わりましたので、その決算の概要を説明させていただきます。2番目は、上期の状況を受けまして、(2018年)12月末までの通期の業績予想、株主還元について説明させていただきます。3番目は、今後の弊社の方針・方向性を説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
2018年12月期第2四半期業績
まず、上期が終わりましたので、12月期第2四半期の業績報告でございます。すでに開示をさせていただいておりますので、ご存知の方も多いと思います。この表の2018年第2四半期累計実績のところが、上期の実績でございます。
売上高に関しては13億9,300万円、連結で前期比12.5パーセント。その横(右側)が当初の計画に対する数字でございまして、3.4パーセントのプラスという結果になりました。
売上の総利益については、前期比では4.6パーセントプラスですが、計画に対してはマイナス1.9パーセントとなっています。
販売費、一般管理費については、前期比で3.5パーセントのプラスで、計画に対してはマイナス8.1パーセントとなっています。こちらの内容については、後ほどまた説明をさせていただきます。
経常利益については、前期比6.8パーセントのプラス、計画に対しては13.9パーセントのプラスとなっています。(親会社株主に帰属する四半期)純利益については、(前期比で)16.1パーセントのプラス、計画に対して40パーセントのプラスとなっています。
連結売上高、経常利益推移
こちらが、連結の売上高と経常利益の推移でございます。向かって左側が、昨年(2017年)の第2四半期と今年(2018年)の第2四半期の比較でございます。棒グラフのとおり、経常利益は、17.5パーセントあったものが16.6パーセントに下がっています。
要因については、後ほど出てきますけれども、製品群別の売上の比率がかなり影響しています。弊社(の売上)は、半導体、液晶関係で40パーセントぐらいですが、製品群別で(見ますと)、どちらかと言うと高利益率の製品よりも、スポット的に利益率の低いものが多く販売された結果となります。
右側(のグラフ)が、四半期の推移でございます。2017年の第4四半期が落ち込んで、そこからまた持ち直しています。昨年の第3四半期から第4四半期にかけて、他社さん、大手の機器メーカーさんからの受注が多くなりました。
あるメーカーさんによっては「納期は来年です」といった状況でございます。最近は少し落ち着いてきていますが、相変わらず半導体は景気がいいものですから、納期の難しさはまだございます。
そのあたりで、装置に組み込まれる機器メーカーさんなどの需要に追いつかなかったりというところで、弊社にもその反動のようなものがあり、若干受注が落ち込んだ影響はございました。それでも、今期の第2四半期については、ここ1年の四半期で見ていくと一番多く、7億2,200万円の売上を達成できました。
地域別売上高
地域別の売上高です。
向かって左側のグラフですが、国内の売上高については、8億3,300万円。前期比で17.1パーセント(増加です)。国内の売上が伸びました。トータルすると海外も伸びてはいますが、海外比率……全体に対する海外の比率は落ちています。昨年の第2四半期と比較すると、国内が伸びて、海外は微増となっています。
右側(のグラフ)にありますように、とくに売上が大きいのは韓国です。子会社がありまして、売上のほとんどは半導体と液晶です。今は有機ELや太陽光など、そちらに注力してまいます。
中国については、昨年(2017年)同期と比較すると若干下がっています。こちらについて、深セン地区には一昨年(2016年)から支店を出していたのですが、スマホ絡みの大口の受注が取れなかったため、売上が思ったほど伸びなかったということです。よって前期比を若干下回っています。
また、日本円で換算していますが、為替の影響も予想していたものとほぼ変わらずでした。よって、こちら(中国)については単純に、売上の伸びが悪かったということになります。
製品群別売上高
製品群別の売上高です。左側のグラフにあるように、弊社の主力製品であるコンバムと吸着パッドで売上高の80パーセントを占めています。括弧内のパーセンテージは、昨年(2017年)同期比の内訳になります。ほとんど変わらないですが、吸着パッドは約2.7ポイントぐらい下がっています。弊社の吸着パッドの粗利率は、一番影響がございますので、この2.7ポイントがけっこう響きます。
また、半導体業界や電子部品業界での装置に組み込まれる圧力センサについては、比率も1.2ポイントほど上がっています。その他の中には、液晶装置に組み込まれる大口の浮上搬送ユニットが入っており、そこの比率が上がったこともありまして、粗利率が計画を下回ったという結果になっています。
右側のグラフを見ていただくと、こちらは製品群別の全体の売上高ですが、吸着パッドとコンバムは売上は上がっています。しかし比率で見ると、吸着パッド、コンバムは下がっています。
連結財務状況①
財務状況です。
こちらは前年(2017年)末との比較ですが、流動資産については、たな卸し資産の増加と売上債権の増加……売上債権についてはタイミングもありますが、たな卸し資産の増加の要因は、納期対応です。
これは日本だけではなく、海外の子会社の在庫についてもデリバリーを良くするために、在庫の流れ品……いわゆる「よく売れる製品」については、在庫の積み増しを計画的に実施しています。そういった影響で、たな卸し資産が増えています。また大口の浮上搬送ユニットの案件に対する原材料なども(たな卸し資産の増加に)影響を与えています。
流動負債については、法人税の影響もありますし、賞与引当金の減少……支給時期を変更したため、タイミング的にこのような結果になっております。
自己資本比率については、昨年から3.1ポイント上がって、89.5パーセントとなっています。
連結財務状況②
続きまして、連結のキャッシュフローでございます。営業キャッシュフローについては先ほど説明したように、たな卸し資産の増加によってお金を使っているところです。
投資キャッシュフローですが、こちらは有形固定資産の取得ということで、設備投資等を積極的に行ったため、その部分でキャッシュによる支出が多かったです。
財務キャッシュフローのところでは、新株予約権の行使ということで、第三者割当を(2018年)2月から実施しまして、その自己株式の処分による収入で、プラス8,100万円と出ています。現金および現金同等物の期末の残高については、昨年の第2四半期と比較するとマイナス2,900万円となっています。以上が、上期の業績の報告になります。
2018年12月期業績予測①
続きまして、2018年12月期の業績予想……上期を受けての期末の予測と、株主還元についてお話をいたします。
2018年12月期の業績予想ということで、下期も予算を修正させていただきました。上期の状況が良かったことと、下期に見えている状況を勘案しまして、修正させていただきました。
売上高については29億2,600万円で、もう少しで30億円に手が届く状況でございます。前期から比較すると、3億1,200万円の増となっています。
営業利益については(前期比)5,400万円増、経常利益(前期比)5,800万円増ということです。経常利益については、久しぶりですが5億円に手が届く予想です。(親会社株主に帰属する)純利益については、3億7,400万円(の予想)となっています。
次にいきます。今回の売上高、予想については、前期比111.9パーセント。国内が119.9パーセント増。海外については微増となっています。国内の売上高が大きくなった要因としましては、先ほど来話していますけれども、一部大口受注がございます、液晶ガラスの搬送関係の浮上搬送ユニット。こちらの関係が大きく寄与をしています。
2018年12月期業績予測②
海外の売上比率は37.8パーセント。前々から中期で50パーセントを目指していますので、こちらについては後ほどまた説明をいたしますが、海外の中でもまだまだ伸びしろが大きいところを、会社としてスピードを上げて拡販していいます。中期50パーセント超え(を目指して)、国内も底上げしつつ、海外をより伸ばしていく方向で実施していきたいと考えています。
国内については依然、電子部品とそれに関わる半導体装置、液晶関連のところで、各半導体装置メーカーさんが好調です。よって強気のところがまだまだありますので、それに準じて弊社の売上もある程度のところまで見えている状況でございます。
株主還元
株主還元についてですが、棒グラフが配当金、折れ線グラフが配当性向となっています。
期初は「中間4円、期末に6円、計10円」としておりましたが、中間配当については1円増配させていただいて5円です。今のところの予測では、期末配当が6円で、年間で11円とさせていただきます。
なお、この7月にまず、単元を1,000株から100株にしました。それと同時に株式併合も行いまして、5対1とさせていただいています。よって期末の配当は、表記上は5倍で「6×5=30円」とさせていただきます。その代わり、株式数が5分の1になるわけです。こちらについては、(資料のほうでは)わかりやすいように、株式併合していないものとして記載をさせていただきました。
これから先を見据えると、まだまだ設備投資として、工場の増築や老朽化したものの建て直し、設備の入れ替え等々も(ありますので、それを)勘案しまして、配当性向については25パーセントという目標とさせてもらっています。今の中間時点では、折れ線グラフのとおり22.1パーセントと、若干低めですが、利益が出た分、低めになっています。
今後の方針①
続きまして、今後の方針でございます。
スローガンは「コンバム パッド ナンバー1」。弊社の主力製品である2つをより強化していこうというところを掲げて取り組んでいます。これは、代表が伊勢に替わってからずっとこの目標です。
一時期、2,000万円や3,000万円という装置を組み入れていましたが、機器メーカーとして特化していこうということで、3~4年くらい前に、そういった装置の受注・製作からは手を引いています。とにかく機器に特化していこうという戦略でございます。
中国の売上が、ここ5年ぐらい伸びが悪いのですが、市場規模が大きいためもっと拡大していこうということで(中国拡販に)取り組んでいきます。長期的には、海外比率が50パーセント(を目指しています)。中国の売上を伸ばして、その他海外についても同様(に伸ばし)、国内も海外も売上を積み増していこうというかたちです。
今後の方針②
昨年(2017年)から述べていますが、戦略的には業界シェアの拡大ということで、業界ごとにニーズに応えた新製品を投入して、一つひとつの業界で売上を伸ばす(戦略です)。もう1つは、中国市場を拡大して、海外比率も拡大していこうと(いう戦略で)取り組んでいます。
こちらが、業界シェアについてのグラフです。大きくは、まだ今のところ変わっていません。向かって左の円グラフが現状の数値です。右側が、今後取り組んでいこうとしている目標でございます。
とくに、ロボットに関するハンド部分。弊社の強みを活かして、その比率を上げていきます。さらに、食品包装についても(比率を)上げていくという取り組みが、このグラフに表れています。
今後の方針 【1】業界シェアの拡大①
ロボット関連です。
ロボットについては、今後ますます注目されますし、各ロボットメーカーさんもかなり力を入れています。とくに食品包装業界については、大手ロボットメーカーさんも注力しています。弊社に対しても、そういった食品関係の自動化に関するロボットの引き合いが、ここ2~3年で増えています。
なぜかと言いますと、やはり人手不足です。食品工場は人がやるか、もしくは専用機が必要です。かなり費用がかかってしまうのですが、そういったものの汎用性をもっと高くするために、もっとロボットを導入しようというところです。しかし、結局ロボットメーカーさんが苦戦しているのは、なかなか人に代わる動きができない点です。
弊社の場合は手の部分なのですが、そういうところで、ロボットに置き換わるスピード感がまだまだ出ていないのが実情でございます。今後、ロボットのハンド部分……弊社もかなり力を入れていますので、ロボットメーカーさんと協力しあって、こちらを開発して世に出していくということに取り組んでいます。新製品も毎年1~2つ出ています。
今後の方針 【1】業界シェアの拡大②
また、次のページに移りますけれども、(2018年)10月の「TOKYO PACK展」でも、大きくブースを出しまして、この新しいロボット関係のハンドを、新製品も含め、デモ機とロボットとを組み合わせて紹介させていただきます。妙徳のブランドイメージ、「コンバム =吸着パッド」で、ロボットのデモ機と合わせてみなさまに見ていただき、認知度を高めるとともに、新製品の拡販を進めてまいりたいと思っています。
今後の方針 【1】業界シェアの拡大③
半導体と液晶装置関連です。
とくに吸着パッドについては、弊社の中でも高利益率製品でございます。こちらの研究の特化と新製品の開発は、今後もますます力を入れていきますし、研究開発と設備投資も力を入れてまいります。
新しい製品をいくつか出しています。(スライド)左側のものですが、こちらは静電破壊対応で、チップの破損などを防ぐための吸着パッドも、かなり実績を積んでいるところです。岩手工場にLABOを新しく作りまして、そちらで開発を日々進めています。
(スライド)右側が、12~13年前から取り組んでいる、液晶ガラスの浮上ユニットでございます。多孔質体からエアを出して、薄い液晶ガラスやフィルムといったものを、ノンストレスで浮かせて運ぶ独自の技術。こちらも今、受注していて、来年(2019年)にかけてもまだまだ横展開できそうです。中国・韓国・台湾含めて、最近ではベトナムにも営業展開をかけています。こちらを横展開してやっていこうという取り組みでございます。
今後の方針 【1】業界シェアの拡大④
こういったかたちで、材料研究の部屋を作りまして、投資をしています。最新の機器を揃えて、社内の基礎研究や新技術製品の開発だけでなく、新しい装置を作るときに、どうしても問題点がいろいろございまして……材質の問題、あとはワークに接触する部分での問題等々があります。
そういったものも、これらの機器を利用しまして、お客さまの要望に応えるデータをお出ししたりして、弊社の製品を使ってもらい拡販しようという取り組みであり、基礎研究部分で技術力を上げる取り組みでもあります。今は常時開発者が2~3名、この部屋で開発をしているところでございます。
今後の方針 【1】業界シェアの拡大⑤
自動車関係ですが、中国でもまだまだ大手自動車メーカーさんが設備投資を実施している状況です。国内においてはもちろんですが、北米にも子会社を設立していますし、アジア、インドにも展開しています。そういったところの自動車関連工場に対して、新しい製品を投入していこうと考えています。
タイについては、上期でも前期比20パーセントほど上回りました。それは自動車関連の吸着パッドの需要が増えている、スペックインが増えている状況でございます。あとはプレス関係で耐熱仕様……高い温度にも耐えられる吸着パッドや、ゴムだけでなく、樹脂素材を利用した吸着パッドの開発シリーズを増やしていくというところで取り組んでいます。
今後の方針 【1】業界シェアの拡大⑥
こちらは2年前から着々と進んでいますが、大手半導体装置メーカーさん等々の設備に導入するにあたって、IoT対応で一括管理(しています)。工場の一元化ということもあるのですが、そういったネットワークに対応するセンサです。またこれまでは、コンバムの主要部品については内製ができていないところがありましたが、主力製品を内製化するために、自社製の開発を進めています。
こちらを内製化する理由は、1つはコストダウン、もう1つは自社技術の蓄積とリスク管理の部分です。自社で内製化して作れるよというところで、今、一生懸命開発を進めています。2020年には、そういったものを搭載した、新しいコンセプトのコンバムをお披露目するために進めています。
今後の方針 【1】業界シェアの拡大⑦
研究開発と生産体制につきましては、足元よりも将来を見据えた設備投資を実施していこうと取り組んでいます。今期(2018年12月期)も上期・下期にかけまして、一部老朽化設備もありますし、品質向上のためと生産効率の改善のために、新しい機械を入れています。一番大きいところで言うと、やっぱり機械加工になります。
旋盤機であったり、マシニングであったり、そういったものの設備を新しく導入しています。また、労働環境の改善ということで、新しい設備を入れたりすることによって、労働環境の改善にもつなげているという取り組みです。
先ほどLABOの話もありましたけれども、新製品の生産のための設備導入……各種の計測機器や金型等々を新規で導入したり、切り替えたりということで設備投資を行っています。下のグラフにありますように、研究開発費で1億3,200万円、設備投資で2億6,500万円という費用を投入して、実施していきます。
今後の方針 【2】中国市場の拡大
次に中国市場の拡大です。
中国市場については、現状(の売上は年間で)2億5,000万円ほどです。(スライド)右下のグラフは、弊社の推測もあるのですが、中国における真空機器の市場規模のグラフです。向かって左のグラフは、全部含めまして150億円です。中国については、コピーメーカーが相当数ありますので、なかなかその実態をつかむのは難しいのですが、このくらいはあるだろうと考えています。
向かって右下のグラフ、右側が国内の(真空機器の)市場規模でして、約120億円くらいです。左側のグラフの濃い青の部分が中国の現状ですけれども、まだまだです。それを10億円規模に拡大することが、一番早道ではないかと思っています。また(スライド)右上にある営業所は、現在4つ、上海・深セン・武漢・重慶に設置しています。
まず営業体制の強化ということで、販売網についても見直しをかけるところからやっていきます。中国は広いものですから、実際に売っていただいている販売店様も含めて、有力な販売店様に協力してもらい、この広い地域で(営業を展開していきます)。あとは、それぞれの業界に適した販売店様、強みを持っている販売店様がいます。入れ替わりが激しい部分もありますが、強い販売店様との取引を積極的に進めていきます。
もちろん与信の問題もございますけれども、そういったところも考えながら、再構築していきます。あとは、新規の獲得で需要を広げていこうと考えています。ただし、まだまだグループ全体のバックアップ体制が整備されていないということで、グループ内の営業が中国に行って教育したり、人の補充も考えて、この下期(2018年12月度第3四半期)から来年(2019年)にかけて取り組んでいこうと考えています。
人員について、中国国内の営業所はまだ4つしかないため、こちらも2020年にかけて営業所を増やしていきます。ただし、人員の確保がまず第一ですので、来期(2019年12月度)にかけて取り組んでいき、教育をしていく。そして、これからのバックアップ体制(を整える)ということで進めてまいりたいと思います。
また、弊社のコンバムブランド、吸着パッドのブランドが、まだまだ認知度が低いということで、展示会についても積極的に、上海・深セン・武漢・重慶で今期も実施しています。戦略的にはコピーメーカーが多く、安く売られているのですが、お客さまにしてみれば日本製の妙徳ブランド、本場のブランドの需要がございます。
コピーメーカーに対抗して安く売るのではなく、あくまでも妙徳ブランドで、いい製品を適正な価格で供給していき、売上を拡大していくのが戦略でございます。
会社概要
あとは会社概要になっています。子会社も、韓国については営業所を増やしていまして、大手の液晶関係・半導体装置関係の工場などの近くにも、営業所を増設しています。
説明は以上になります。