01. ハイライト

宮嶌裕二氏(以下、宮嶌):今日は、二部構成で進めさせていただきます。

まず20分から30分ほど、私と深井から第2四半期の決算説明をさせていただきます。そのあと、みなさんのお手元に資料があるかと思うのですが、ブロックチェーン関連サービスの「Uniqys」の詳細のご説明と、ご質問をお受けしたいと思います。

まず、決算説明からです。

ハイライトです。決算は、四半期営業利益で過去最高を更新しております。非常に良かったです。ブロックチェーン関連については、このあと詳細をご説明いたします。

今回非常に業績が良かった要因ですが、これは端的に申し上げて「ステーションメモリーズ!」が、4周年記念キャンペーンにより売上高が非常に好調だったということ。また、このあと広告費のデータが出てきますが、広告費を抑えたにも関わらず、デイリーアクティブユーザーは過去最高を更新しております。つまり、ユーザーが増え、しかも売上が上がったと(いうことです)。

この売上が上がった1つの大きな要因は、(2018年)3月にガチャの方式をちょっと変更しまして、買い溜めができないようになりました。その改善の効果が、まだ前の決算ではあまり説得させられるようなデータが出てなかったのですが、(第2四半期で)この過去最高の四半期営業利益を出すことができたのも、やはりガチャの仕組みの変更の効果が、非常にあったのではないかと考えております。

これ以降は、CFOの深井から、詳細のご説明を差し上げます。

02. 決算概要|四半期売上⾼/営業利益推移

深井未来生氏:深井です。ここから先は、私が引き取って、より詳細なご説明を申し上げたいと思います。

まず、今宮嶌からもありましたけれども、この第2四半期に関しましては、四半期ベースで営業利益は過去最高を更新しております。

その大きな要因は、やはり当社の位置情報ゲーム。中でも「ステーションメモリーズ!」、略して「駅メモ!」です。このタイトルが、数字を牽引しているということです。

3ヶ月前のこの決算説明会の場で、第1四半期の決算説明をしたのですが、そのときには「駅メモ!」というか、位置ゲームのほうで「課金にちょっと課題がありました」というお話をさせていただきました。その課題(に対して)は、この第1四半期の終わりから第2四半期にかけて施策を入れまして、その結果が数字にあらわれたのかなと考えております。

02. 決算概要|四半期損益計算書

このあたりは(スライドの)数字を見ていただくとおりなので、割愛いたします。

02. 決算概要|四半期売上⾼推移

四半期毎の売上高の推移です。当社の場合、今はソーシャルアプリサービスとコンテンツサービスの、2つのサービス形態でやっております。この2つがどのくらいの割合なのかというのが、(スライドを)ご覧のとおりでございます。

ただ、1つだけ補足すると、濃い青の(グラフの)ソーシャルアプリサービスは、配信元の変更により、売上高合計になります。

以前は外部のフジゲームスさんが「駅メモ!」を配信していたのですが、第1四半期末に(変更して)当社グループの子会社のジーワンダッシュから配信を開始したことによって、ちょっと会計基準を変えました。

その結果、今まではネット計上だったものを、グロス計上に変えている。その効果もあります。ただ、ネットからグロスへの変更を加味しても、この第2四半期は、かなり数字としては良かった四半期になりました。

02. 決算概要|四半期売上⾼内訳

ここも割愛いたします。

02. 決算概要|四半期位置ゲーム売上⾼推移

先ほど申し上げたような(「駅メモ!」の配信元変更による売上高増の)ところが、11ページに書いてあります。DAUは、過去最高を更新しました。先ほど宮嶌からもありましたけれども、広告費を抑えているにも関わらず、この第2四半期もまたDAUの数字を更新することができました。

02. 決算概要|四半期売上原価内訳/推移

これはちょっとマニアックな話なのですが、売上がグロス計上されたことによって、コストの原価が(グラフ上では)その分伸びているように見えます。これは、想定内です。

02. 決算概要|四半期販売費及び⼀般管理費内訳/推移

この四半期でもっとも申し上げたいことが、(グラフの)いちばん下の濃い青の、広告宣伝費に当たる部分です。過去の(2017年12月期の)第3四半期や第4四半期を見ても、1億4,000万円とか1億5,000万円とか、そのくらい使っていたのですが、この(2018年12月期)第2四半期は、1億円を割るぐらいのプロモーション費用になりました。

それにも関わらず、「この第2四半期はDAU(の過去最高値)を更新することができました」というのは、やはり我々のもっとも強みである広告媒体……プロモーション効果の精査が、この第2四半期に関しても、非常に影響したのではないかと考えております。

03. 事業概況|サービス状況①

事業概況に移ります。

「駅メモ!」に関しては、相変わらず他社さんと、いろいろなかたちでコラボしております。今日は一部だけ持ってきているのですが、サンリオさんと組んだ「SHOW BY ROCK!!」の(コラボイベントの)第2弾があります。

(スライドの)右側は、北神急行さん……これは神戸の鉄道会社さんですが、こちらとスタンプラリーのコラボをすることによって、ユーザーさんが楽しめるようなイベントを、また運営することができました。

03. 事業概況|サービス状況②

これは「駅奪取シリーズ」です。「猫耳さばいばー!」という、ジープラさんという会社のコンテンツですが、こちらもコラボ(しました)。

あるいは(スライドの右側は)セガゲームスさんと組ませてもらった、「セガ・ハード・ガールズ」というコラボです。

このような他社のIP、あるいは自治体さんや鉄道会社さんとのコラボについては、今後も「駅メモ!」のエンゲージメントを高めるために、非常に有効な策だと考えておりますので、今後も継続して行ってまいります。

04. 今後の方向性|将来の取り組み

今後の方向性です。いちばん上のブロックチェーンに関するところは、このあとご説明申し上げます。

足元の数字は、当社はブロックチェーンではなく、やはり位置情報ゲームで業績を稼ぐという方針そのものは、変わりません。したがって、短期的にも中期的にも、今まで掲げていた「国産の『位置情報ゲームNo.1』企業を目指す」という目標や、あるいは「自治体さん・鉄道会社さんとのコラボを継続します」といったことは、今後も短期的・中長期的に行ってまいります。

04. 今後の方向性|具体的取組み①

ブロックチェーンの具体的なところは、このあと申し上げます。

04. 今後の方向性|具体的取組み②

位置情報ゲームとコンテンツに関しましては、先ほども申し上げたとおり、機能改善やROASをしっかりと管理するところ。ここがやはり、当社の肝だと思っておりますので、これからも続けます。

「レキシトコネクト」というサービスをやっているのですが、そのサービスに関しては、今日(2018年7月25日)発表させていただきまして、9月19日にクローズすることが決まりました。

位置情報ゲームも、当社はいろいろなタイトルをやっているのですが、「レキシトコネクト」に関しては、なかなか「ステーションメモリーズ!」ほどの実績を上げることができませんでしたので、このタイミングでいったんクローズという決断をさせていただきました。

私からの、第2四半期の決算に関するところは以上でございます。ブロックチェーンに関するところは、引き続き宮嶌から、「Uniqys Network」についての今後というかたちでお話しさせていただきます。よろしくお願いします。

Uniqys Projectとは

宮嶌:スマホでもうすでに、実はサイトが見られるようになっていますので、みなさんもこの「Uniqys(ユニキス)」というキーワードを検索しても……出てこないかな?「Uniqys.net」というURLを叩いていただければ、出るかな……検索エンジンに「Uniqys」を入れても、ちょっとまだ非稼動……? すべての情報は、この「Uniqys.net」に掲載してありますので、詳しくはそちらを見ていただきたいと思います。

今回、弊社でやろうとしていることを簡単にご説明します。AppleさんとMicrosoftさんとGoogleさんが今までやってきたことを、弊社がやります。

この、ブロックチェーン業界。(何があったかと言うと)具体的には、例えばMicrosoftさんが、インターネット上にWindowsというOSを作りました。その上でユーザーは、例えばインターネットエクスプローラというブラウザを使って、インターネットのあらゆるサービスにアクセスできました。

(ほかにも)例えば、AppleさんはMacOSを作りましたよね。MacOSでPCから、彼らが作ったブラウザのSafari経由で、インターネットへ普通にアクセスして、Macユーザーはあらゆるサービスを使うことができました。

(さらに)Googleさんは、これは検索エンジンから入っていますが、インターネット上に多くのあらゆるサービスがあったときに、まずGoogleで検索する行為が発生しました。そのあと、彼らはChromeを開発しています。

結局ここから言えるのは、これらの3社は、まずインターネットのあらゆる情報をユーザーが探すためのサービスを提供し、かつ、インターネット上に情報を提供するデベロッパー側向けのサービスも提供していたんです。

Uniqys Networkで実現できるもの

それと同じことを、僕らはブロックチェーンで開始します。簡単に言いますと、「Quragé(クラゲ)」。これは先ほど言ったように、例えばSafariなどのようなブラウザです。簡単に言うと、検索エンジンみたいなものです。

これから、ありとあらゆる会社が、分散型アプリを作る世界がきます。多分……どうでしょう、2年後から5年後ぐらいかなとみております。

つまり、20年前のインターネットを思い出していただければと思うのですが、当時はいろいろな企業がホームページを作っていませんでしたか? そういう時代が、数年後にきます。

確か、楽天さんが上場したのが2000年なんです。1997~1998年にかけて企業がホームページをいっぱい作って、それから2〜3年で、インターネットがユーザーとのすごく重要なタッチポイントになったんです。

それからどんどんインターネットが進化して、例えばECなどに使われるなど、そういう時代が来ます。この数年後に。僕たちは、今後、そういう分散型アプリをあらゆる企業が持つようになる世界を見ています。

じゃあ、ユーザーはどうやってそれにアクセスするんだと。それには、検索エンジンが必要じゃないかと。当然僕らは、まずそれを用意します。これが、ユーザーとの接点なんです。

次の「Uniqys Kit」は、デベロッパー側のツールです。分散型アプリを作るためのツールです。技術的な説明をすると、「Ethereum」というブロックチェーンがありまして、これは世界2位の仮想通貨です。ただ、実は仮想通貨というだけではなくて、分散型アプリのプラットフォームなんです。

ただ、非常に大きな問題が3点あります。1点目が、モバイルで使えないこと。今はほとんどのネット上の活動が、モバイルで行われているんですよ。それなのに、「Ethereum」を使ったアプリはPCでしか使えない状況にあります。それを僕らは、まず「Quragé」というスマホ用のブラウザアプリで解決します。

「Ethereum」の2点目の弱点は、Gasが高いということです。「Gas」とは、手数料のことです。2週間ぐらい前、「Ethereum」で猫を売り買いする、「CryptoKitties」というゲームが流行りました。

1匹の猫を売り買いするのに、例えば猫自体が3万円だとしますと、手数料はいくらかかると思います? これ、3,000円ぐらいかかっているんです。だから、弱点の2点目は、非常に手数料が高いということです。

僕らのつくった「Uniqys Network」は、「Ethereum」の技術的には、サイドチェーンというかたちをとります。だから、独自のDAppsのプラットフォームではありません。「Ethereum」の弱点を補完するフレームワークです。

先ほど言ったように、「Ethereum」の弱点の2点目に、「Gasが高い」というものがありましたが、僕らのサイドチェーンでは、Gasを無料にできます。ただ、これはデベロッパー側で自由に設定が可能です。無料にもできますし、有料にもできるように作っている、ブロックチェーンのサイドチェーンです。

(弱点の)3点目です。「Ethereum」は、世界中に多くの開発者がいます。おそらくこの分散型アプリを作るには、世界最大のプラットフォームであり、現実的にはもうOSみたいなものだと思います。

つまり、20年前にWebというものが出てきて、2009年にAppleが出したのがiPhoneなのですが、App Storeが出て……そこからは、ネイティブの時代が始まりました。そして、さらに10年経って、ブロックチェーンの時代がきている。

おそらく「Ethereum」は、「Web3.0」……3世代目のインターネットなんです。その3点目の弱点は、「Solidity」という特殊な開発言語で書かないといけないこと。これはデベロッパー側からすると、非常にめんどくさいんです。その「Solidity」という言語を学ばないと、アプリが書けないんです。それって不便でしょ?

僕らは、その3点目(の弱点)を解決しました。どんな言語でも書けます。どんな言語でも、分散型アプリを作ることができます。今回は、そういうフレームワークを作りました。

あと注目すべきポイントは、独自トークンというところかな。以前は「独自の仮想通貨を発行します」と言っていましたが、今回は独自トークンというものにさせていただいています。こちらに関しては、日本国内向けと海外向けに分けて書かせていただいています。

まず、弊社の用意する「Uniqys Network」で、独自トークンを流通させることが可能です。これはどういうイメージかというと、先ほど「あらゆる企業が、分散型アプリを作れるようになる時代がくる」と言いました。例えば、5万名とか10万名のユーザー規模を持っているような会社さんがあったとすると、その5万名とか10万名のユーザーが使うサービス向けに、自分たちの独自トークンを「Uniqys Network」上で流通させることが可能になるように作ったんです。

ただし、金融庁さんをはじめとして、いろいろな縛りがあります。現状、日本国内向けに関しては、独自トークンの流通・提供については、今のところ実施時期やスキームなどは未定でございます。具体的には、交換用の免許が必要かどうかという、いろいろな課題がありまして、今のところ実施は未定でございます。

ただ、一方で海外向けに関しては、また違う話でして、独自トークンを現地のコンプライアンスに合わせて発行し、流通させることが可能です。海外向けに関しては、独自トークンを発行し、流通させる予定でおります。

ロードマップ

ロードマップです。今日(2018年7月25日)、もうすでに、「Quragé」のAndroid版が公開されております。「Uniqys Kit」の、プレビュー版も公開されております。実際に「Uniqys Network」の仕組みを味わうことができます。これは、GitHubにもアップされております。

先ほど申し上げたように、「Uniqys.net」というサイトにもリンクが貼ってありますので、エンジニアの方は見れば、「おお、こういうふうになってるんだね」と味わっていただけるのではないかと思います。

今後の正式公開が、2019年の1月以降となっております。この間の期間につきましては、どんどん開発を進めまして、Testnetなどでいろいろな検証などをいただきながら、どんどん改善していきたいと考えております。

まとめますと、モバイルファクトリーがやろうとしていることは、検索エンジンを作り、OSを作り……ということですかね。なんだかブロックチェーンって、バズワードみたいなところがありますよね。ただ、深く趣旨を踏まえると、もう新しいインターネットそのものなんです。今の第2世代のインターネットというのは、もう完全にネイティブアプリです。

たぶんみなさんが、通常スマホを使っていて、ほとんどネイティブアプリしか使っていないと思います。Webを見るのは、たぶん10パーセントとか。だから、(ネイティブアプリとWebの比率が)9:1ぐらいになっちゃってると思います。

その世界が今後数年で、たぶん普通のユーザーは、例えば3~4割ぐらいが分散型アプリ……弊社は「DApps」と呼んでいますけれども、Decentralized Applicationsの略です。DAppsを使う時代がくると。

そのための羅針盤を用意し、さらにその分散型アプリを作るための道具も、デベロッパー側に用意しました。これは、日本限定ではありません。世界に向けて提供します。だから、もしかしたら10年後とか20年後、弊社がMicrosoftとかGoogleみたいな企業になるかもしれない。

それはわかりませんが、ただ、今はどちらもない状態なんです。ユーザーもあまりいないし、分散型アプリを作るデベロッパーも、それほどいない状態であると。でも、弊社が提供するこのツール及びブロックチェーンを使えば、簡単に分散型アプリを作ることができます。

過去のインターネットのサービスって、海外からきたものばかりじゃないですか。ずっと悔しかったんです。海外製のものを日本人が使うって、当たり前のように受け入れてましたが、このブロックチェーンの状態で、「こんなに日本人が仮想通貨をアクティブに買っている状況があるのに、なんでこういうブロックチェーンのテクノロジーの部分まで、日本人が舶来のものを使えるようにならなきゃいけないのか」。根底に、そういうものがありましたよね。

「僕らはこんなにやれるのに、誰も作らないじゃないか。だったら、モバイルファクトリーが作ってやる」という気持ちで、作っています。うまくいくかどうかはわかりませんが、誰もやらないなら、うちがやろうと。

この分散型アプリを、あらゆる企業が提供する時代が数年後にくることを、私は確信しています。そのための道具及びバックエンドシステムを提供するところから、開始したという感じです。

だから、とくに投資家の方が注目しているブロックチェーンゲームというのは、あくまでもその一部分でしかないんです。ブロックチェーンゲームというのは、新しいインターネットであるブロックチェーンの可能性の1つでしかないんです。

僕らはもともとゲーム会社ですから、当然、ブロックチェーンゲームを期待されるのもわかります。でも先ほど言ったように、ほとんどのユーザーがモバイルで遊んでいる状況なのに、PCでしかアクセスできないとか、バトルを1つするのに3,000円の手数料がかかるとか……それじゃあ、広がらないんです。普通のユーザーが使えるようには、ならないんです。

だから僕らは、モバイルでも遊べて、手数料がかからないシステムを作り、どんなゲームでも書ける。それはインターネットでは当たり前なのですが、「Ethereum」では当たり前じゃなかったんです。

その3つが解決されたときに初めて、ユーザー側もデベロッパー側も普及する条件が整う。だからそのために、まずはこれをやるんです。

数年後に、新世代がくると思います。モバイルファクトリーが日本でやった意味があると思っていますので、ぜひ、今後の「Uniqys Network」の発展にご期待ください。