会社概要①
佐藤昌平氏(以下、佐藤):本日はお集まりいただき、ありがとうございます。株式会社エクストリーム代表取締役社長CEOの佐藤昌平でございます。それでは、2018年3月期通期の決算説明を行いたいと思います。
まず、簡単に会社の概要です。
会社は株式会社エクストリームと言います。東京の池袋に本店がございまして、名古屋に支店がございます。(スライド記載の)従業員の数に関しましては4月末現在をカウントしておりまして、345名というかたちになっております。2018年3月期の3月より若干増えている状況になっております。
会社概要②
当社はクリエイティブな開発スキルを有する、デジタルクリエイタープロダクションです。
昨年度から、我々の会社を一言で表せる言葉としまして、デジタルクリエイタープロダクションというようなワードを使っております。約350名の内、300名がクリエイター&エンジニアというかたちになっております。いわゆるデジタルなクリエイター&エンジニアをたくさん抱えておりまして、社員をいろんなプロジェクトに張り付かせています。社内も社外も含めてそういったかたちで運営しているという会社ということで、デジタルクリエイタープロダクションというワードで言い表しております。
事業内容は、ソリューション事業とコンテンツプロパティ事業の2つで構成されております。
ソリューション事業はBtoBのサービスです。我々から各企業様にサービスを提供しているというかたちです。コンテンツプロパティ事業は、我々のコンテンツ、主にゲームタイトルですとか、我々の開発したエンジンだとか、そういったものをライセンスをしたり、ゲームそのものをサービスしたりという事業になっております。
エグゼクティブサマリー①
それでは、2018年度3月期のサマリーを簡単にご説明差し上げます。
連結の売上高は32億6,100万円です。前期比が99.2パーセントというかたちで着地いたしました。営業利益に関しまして2億9,500万円。こちらも前期比が67.7パーセントというようなかたちになっております。それぞれの理由については、追ってご説明さしあげていきたいと思います、
エグゼクティブサマリー②
トピックスについてご案内いたします。
ソリューション事業に関して、WEBのサービス関連顧客の取引が順調に拡大しております。2014年12月に我々は上場したんですけれども、それまではゲーム会社が顧客のほぼ90パーセントを占めてました。それが、2018年3月期に関しましては非エンタメ系の売上高が、全体のソリューション事業に占める割合として、約4割まで伸びてきたという状況になっております。
また、昨年度4月に入った段階で、子会社を吸収合併いたしました。これは、先ほど申し上げたとおりクリエイター・エンジニアという1つの塊がございます。そのヒューマンリソースを、社外へ出ていく人、社内のプロジェクトに関わっていく人といったかたちでシームレスに動かしていったほうがいいだろうという判断の元で、子会社を吸収合併いたしました。
あと、我々の会社の存在をたくさんの人に知ってもらうために、企業広告投下によって採用を強化していきました。始まったのが下期からになっていまして、下期以降は、採用も増えてきました。とくに効果として現れたのは第4四半期以降になっています。そういったかたちで企業広告を強化していったということが、ソリューション事業のトピックスになります。
コンテンツプロパティ事業に関しましてはライセンスサービスを中心に展開いたしました。「改造町人シュビビンマン」のパッケージソフトの復活、メサイヤ版権レトロゲーム8タイトルのダウンロードの販売開始、「桃色大戦ぱいろん」のスマホアプリのライセンスアウト、生誕25周年記念というかたちでの「超兄貴祭」の開催をいたしました。業績面に関しては、人材事業は採用計画未達ながらも売上高に関しましては前期比5.3パーセント増でした。ただし、営業利益は給与水準見直し等の影響で、9.7パーセント減ってしまいました。連結ベースでの営業利益は期初予想どおりに着地いたしました。
FY2017 通期決算概要①
それでは通期の決算の概要をご説明いたします。
売上高は予想値に対して99.8パーセント、営業利益は(予想値に対して)112.6パーセントで着地いたしました。ただし、前期対比では売上高・営業利益とも減少し、課題を残した結果となりました。
売上高に関しては人材採用難による人材ソリューション事業の伸び悩み、あとは子会社における新規案件の失注等がございました。営業利益に関しましては、企業広告を多く投下する等の施策を行いまして低下しました。もともと予測として低下する見込みのまま始まっていたのですけども、結果として、営業利益が前期より低下したというようなかたちになっております。
FY2017 通期決算概要②
続きまして、貸借対照表のサマリーをご紹介いたします。
特筆すべきところはないですけれども、のれんが安定的に減ってきているというかたちです。のれんそのものは子会社をM&Aしたときに発生したものでして、減損の兆候はございません。
FY2017 通期決算概要③
続きまして連結売上高・営業利益・営業利益率の推移をご説明いたします。
連結売上高・営業利益は四半期ごとの動きは安定して推移しております。営業利益率は10パーセント前後で推移しており、今後もそういったかたちで安定的に推移していく見通しとなっております。
給与水準の見直し等で労務コストが上昇しております。派遣単価になんとか転嫁させていくことが、我々の施策の大きなポイントとなってると思います。働き方改革等により、一般的にも労働コストが上がっていってる現状にありまして、それをなんとか弊社の売上高に転嫁していきたいと考えております。
FY2017 通期決算概要④
ソリューション事業というのは我々のBtoBの事業なんですけれども、さらに2つのカテゴリーに分けております。1つが人材ソリューション。もう1つが受託開発です。
ここでは、人材事業の月次売上高の推移をご説明いたします。
当初は採用難で、売上高がなかなか上がりにくい傾向にございました。ただ、先ほど申し上げたとおり第4四半期以降、当社の採用も順調に回復しだしまして、回復傾向にございます。顧客の需要は引き続き旺盛でして、ゲームソフトもそうですし、ゲームソフト以外の分野でも需要が非常に増えてきました。業界的に言うとテレビ局ですとか、WEBのBtoCサービスをされてる会社で、我々の技術に対するニーズが高まっております。
FY2017 通期決算概要⑤
続きまして、人材事業のKPIである、月次のプロジェクト数と稼働単価の推移をご覧いただきます。
月次プロジェクト数に関しましては、前期4,240プロジェクトであったのが今期は4,428となりまして、4.4パーセント上昇しております。派遣単価は、当初計画していたのは(スライド記載の)青い折れ線グラフですけれども、1月を除いて計画を上回る実績となりました。順調に推移しております。しかしながら、上期の採用難による影響が期末まで影響しまして、プロジェクト数に関しては未達というような状況になりました。
FY2017 通期決算概要⑥
続きまして、主要のKPIの棒グラフです。
取引先数はWeb系顧客の開拓効果などで拡大しましたが、人材採用と供給が追いつかず、プロジェクト稼働数とエンジニア数の数が伸び悩みました。ただし、クリエイター、エンジニア数に関しましては今期、(2018年)4月末に関して上昇傾向に転じており、今後は増えていくと考えております。
FY2018 見通しと戦略①
続きまして、今期、2019年3月期の見通しと戦略についてご説明いたします。
2019年3月期の予想は、売上高56億9,000万円、営業利益1億6,300万円、経常利益1億6,500万円、当期利益は1億円です。
売上高に関しては、前年度比174.5パーセントと大きく伸長を見込んでおります。営業利益と経常利益に関しては、少しへこむというようなかたちで予測をしております。売上高の内訳のイメージとしては、ソリューション事業の人材のカテゴリーの部分に関しては34億円と、前期比で127.1パーセントの伸長を見込んでおります。広告の効果による採用が順調に進む兆しが出てきましたので、そういったかたちでプロジェクト数の増加を想定しております。
受託事業は、旧ウィットネスト社を取り込んでテックファンド事業本部というかたちで、1つの事業本部にしてあるんですけれども、ここの売上高に関しましては前期比で52.2パーセントです。前期で伸び悩んだところがありましたので、もう1度1つの会社にしてテコ入れをしていこうというかたちで考えております。
受託事業のEPARK関連事業の売上高に関しましては20億円を見込んでおります。
営業利益の考え方としては、人材確保のために広告宣伝を昨年度強化いたしました。企業認知活動に注力したため、利益は前年比割れとなりました。今期に関してもこの施策は継続させていこうと思いまして、まず会社の認知度を上げ、それによって我々に興味を持ってたくさん入社していただくというような施策を、よりドライブをかけてやっていこうと考えております。そういった理由で人材の事業の営業利益が落ち込んでおります。
EPARKに関しましては売上高が20億円と大きく見込んでいるんですけれども、まだ立ち上げたばかりの会社ですので組織、システムの構築投資を行うために利益貢献は限定的というかたちで考えております。そういった部分でEPARKに関しましては大きくは利益を見込んでおりません。
FY2018 見通しと戦略②
続きまして通期予想に対する我々の考え方を、さらにご説明差し上げます。
人材事業に関しましては、これまでの実績を踏まえ、合理的な積み上げ予測に基づいて推定される収益を計上しております。具体的なKPIを次ページ以降でまたご説明いたしますけれども、我々がこの事業に関しましては設立以来ずっと行ってきた事業です。もう14年目に今入っておりまして、かなり予測を綿密に立てることができるようになってきております。そういった予測に基づいて推定される収益を予想しております。
続きまして、受託事業の持ち帰り型です。過去の子会社のウィットネストがやっていた事業ですけれども、売上種別を3つに大別してそれぞれの受注確度、受注済案件の積み上げによって予想値を算出しております。
1つは売上高の新規獲得、「売上高1」です。1つの会社になったということで、我々の既存の人材事業のお客さまにも新しく営業をかけて、まず新規の獲得を増やしていこうというかたちで考えております。新規で獲得したお客さまの案件を社内に持ち帰って開発して、それを運営フェーズに入ってそのまま安定的に運営をさせて「売上高2」を作っていきます。ストック型ビジネスとして考えているんですけれども、その売上高2から、関係しているプロジェクトに対してまたさらに新しい新規開発を取っていき、それを「売上高3」というかたちで考えております。この3つで受託事業の持ち帰り型の計画を立てております。
最後に受託事業のEPARK事業に関しまして、資本業務提携に基づいた開発委託契約に基づいて予想値を算出しております。初年度の具体的な受注水準は20億円と見込んでおります。どういったことをやるかなんですけれども、EPARKというのは今、会員が2,000万人おります。そこの基幹システムの開発をEPARKテクノロジーという、我々とEPARK社の合弁で作った会社で行おうと考えております。
FY2018 見通しと戦略③
続きまして人材事業、ソリューション事業の人材カテゴリーの部分なんですけれども、月次プロジェクト数と稼働単価の推移です。
(スライド記載の)折れ線グラフにあるのが月次のプロジェクト数です。395件から始まりまして、来年の期末には669件まで伸長していく計画を立てております。
一方、稼働単価を上げていくというのは我々の大きな使命の1つではあるんですけれども、今期は年間を通して若干下がるという予測を立てております。
この理由についてご説明差し上げます。プロジェクト数なんですけれども月次ペースで9件から、月によっては25件の増加ペースを見込んでおります。
採用状況は3月以降、回復傾向にあります。採用基準を見直しました。その代わり当社の社内での教育研修のシステムをもっと充実させて、お客さまに迷惑をかけずにやっていくということで採用の基準をちょっと下げました。それによりたくさん採用ができるようになってきました。
現状で非稼働が出てるかというと、非稼働は一切出ていません。我々の教育研修のプログラムが順調に始動していると考えておりまして、非稼働を一切出さずに人員が増えています。ただし市場に出る時に過去の経験がないので、単価を上げにくい傾向にあります。ですので、まずトラックレコードを積み上げていかないと単価が上がっていかないというかたちで見通しを立てております。ただし、将来的にはそれが良いかたちで結果として現れてきて、段々単価が上がっていくというかたちで考えております。
FY2018 見通しと戦略④
続きまして、受託事業のEPARK事業の見通しと戦略に関して、ご説明します。
(2018年)5月11日の資本業務提携ならびに第三者割当増資による新株式の発行および支配株主の異動に関するお知らせのとおり、当社と株式会社EPARKにおいて、パートナーシップ体制を構築し、当社の子会社となった株式会社EPARKテクノロジーズが、EPARKに係わる基幹システムの開発業務を担う取り組みです。
みなさんEPARKというサービスはご存知でしょうか?
例えば回転寿司とか、ファミリーレストランなどで、端末が置いてあって、何分後に席が空きますよという端末が置かれています。あとは、歯医者さんの予約のシステムが携帯のアプリからできたりだとか、そういったシステムをいろいろサービスされているのが、EPARKというサービスになります。
そのEPARKというサービスがありまして、いろいろ業種・業態に向けて予約のシステムが行われているんですけれども、その基幹の部分、予約のシステムを作る、あるいは会員になっていただいたお客様にアドオンで新しいサービスをご案内するというサービスを開発しています。そういった基幹システムを一緒に作りましょうというかたちで、今回EPARKテクノロジーズという会社をEPARK様と設立しました。
会員が約2,000万人、店舗登録数が約10万店舗です。PC・スマートフォンなどから無料で利用できまして、業種的には、飲食店・ヘアサロン・駐車場・リラクゼーションのサービス、あとは歯医者さん、薬局もあります。生活に密着したかなりいろんなサービスをやられてますので、たぶんみなさんもどこかでは利用されたこともあるかもしれないですし、目にしたこともあるかもしれません。あとは三井アウトレットや、ららぽーとなどの大きな商業施設に向けても導入が進んでいってるような状態となっております。
FY2018 見通しと戦略⑤
合弁でこういった会社を作った目的なんですけれども、大きく6つございます。我々から見た、資本業務提携をなぜ進めようと思った大きな目的が6つございます。
1つが、EPARKテクノロジーズの子会社化によるEPARK関連開発業務の受託というかたちで、我々が今までいろんなお客様と、いろんなお仕事をさせていただきました。そういった技術を大きく花開かせる1つのプラットフォームとして、EPARKというものをさらに伸ばしていきたいと考えております。
2つ目はEPARK基幹システムの安定的かつ継続的な開発業務の受託による売上高の取り込みです。
3番目はグループ間における技術人材の交流です。
4番目は、知名度の高いサービスの開発を担うことによる当社グループにおける技術人材採用力強化。
5番目は、当社グループにおける受託開発サービスの高付加価値化。
6番目は、1~6の相互作用による当社グループの成長基盤の確立と企業価値の拡大です。
今期においては、売上高は非常に我々の会社には貢献いたします。ただ、先ほど申し上げたとおり、組織を今から、新しい会社として機能させていかなければいけません。そういった中で、まだ人的投資、組織に対しての投資にいろいろかかりますので、営業利益に関しましては、すぐ結果が出るものではないとは考えておりますが、将来的には大きくここが飛躍してくると考えております。
FY2018 見通しと戦略⑥
配当です。
当社は上場以来、20パーセントを配当性向の目安といたしますというお話を、ずっとしてきております。ここに関しましては、現在もそう考えているんですけれども、このEPARK事業がまだ若干最終的にどこに着地するかというところもございますので、未定というかたちで発表させていただきました。
事業紹介/ソリューション事業①
事業紹介、顧客分布の推移です。
2015年度から2017年度にかけて、我々に関しましては、エンタメ系の顧客は、全体からすると段々減ってまいりました。ただし、スマートフォンアプリに関しましては、どんどん伸長しております。家庭用ゲームに関しましても、増えています。とくに顕著に減ってきているのが、遊戯機器、パチンコ・パチスロです。業務用の、いわゆるアミューズメント施設向けのゲームの開発も減ってきました。
非エンタメ系では、2014年度は、10パーセントでした。今は40.3パ-セントほどまで上がってきたという状況になっております。
事業紹介/ソリューション事業②
最後に、我々のお客様のロゴマークをざっと並べたページです。
基本的には、大きくお客様の数・種類等は変わってないんですけれども、前期においては、ゲーム系でいうとコナミさんですとかに新しくお取引をさせていただくことになりました。
あと、業種的にEC系をやられているところ、あとはBtoCをやられているリクルートさん、ぐるなびさん、ミクシィさん、サイバーエージェントさん。
テレビ朝日クリエイトさんだけのロゴを出させていただいてるんですけれども、放送業界も、わりと満遍なくお取引をさせていただけるようになりました。
IT系顧客、こちらは、古くからSIerと呼ばれるような企業様が並んでるんですけれども、CTCさんだ、あとセコムさんも新しく入ってきたお客様となっております。
簡単ではございますが、2018年度3月期の株式会社エクストリームの決算説明を行わせていただきました。ありがとうございました。