連結販売台数

白柳正義 氏(以下、白柳):白柳でございます。本日は弊社決算説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。それでは、2018年3月期の決算につきまして、ご説明をいたします。

当期の連結販売台数は896万4,000台と前期に比べ7,000台の減少となりました。但し、スライドの1番下に記載のございます、総小売台数につきましては、前期に比べ19万台の増加となっております。連結販売台数と小売台数との差は、主に小売台数には中国の合弁事業の台数を含んでいることによるものでございます。

連結決算要約

当期の連結決算につきましては、売上高29兆3,795億円、営業利益2兆3,998億円、税引前利益2兆6,204億円、当期純利益2兆4,939億円となりました。

当期純利益には米国、税制改正による増益影響がおよそ2,500億円含まれております。これは主に法人税率の低下に伴い、米国の金融子会社が技術車両の加速度償却によって計上をしておりました、繰延税金負債を取り崩したことによる影響でございます。営業利益はご覧の通り、前期に比べ4,054億円の増益となりました。その要因についてご説明いたします。

連結営業利益増減要因

まず、為替変動の影響で2,650億円の増益となりました。

内訳につきまして、スライド左下の1をご覧ください。

輸出入等の外貨取引分は主に米ドルが3円の円安、ユーロが11円の円安となった影響で2,150億円増益要因となりました。また、海外子会社の営業利益換算差が250億円、外貨建て引当金の期末換算差他で250億円の増益要因となっております。原価改善は原材料市況の上昇があったものの、それを上回る原価改善活動により、1650億円の増益でございます。販売面では北米の販売報奨金が増加したことにより1,000億円の減益。諸経費につきましては、品質関連費用の減少により600億円の増益となりました。尚、為替スワップ評価損益等の影響を除いた営業利益は1,250億円の増益となりました。

第3四半期時点の見通しと比較しますと、1,800億円の収益改善が進捗をいたしました。

所在地別営業利益

次に所在地別の営業利益についてスライド左側から順にご説明をいたします。

まず、日本の販売台数はプリウス、シエンタ等の販売が減少し、前期を1万9,000台下回る225万5,000台となりました。営業利益は為替変動の影響に加え、モデル切替時の原価改善努力及び、営業面の努力などにより前期を4,557億円上回る1兆6,618億円となりました。

北米の販売台数はラブフォーなどのSUVは引き続き販売が増加したものの、カローラ等の乗用車系の販売台数減少により前期を3万1,000台を下回る280万6,000台となりました。営業利益は前期を1,987億円下回る1,321億円となりました。これは主に、カムリの切替時に日本でのバックアップ生産を実施したことによる、現地生産台数の一時的な減少や販売報奨金の増加によるものです。販売報奨金は主に、金利の上昇によるお客様の割賦、リース支払額の増加を低減するために充当をされております。

欧州の販売台数はCHRやハイブリット車全般の販売台数増加により、前期を4万3,000台上回る96万8,000台となりました。営業利益は前期を889億円上回る771億円となりました。これは主に、原価改善の努力や諸経費低減の効果によるものでございます。アジアの販売台数は前期を4万5,000台下回る154万3,000台となりましたが、中国での販売が好調なことや原価改善の努力などにより、営業歴は前期を43億円上回る4,288億円となりました。

その他地域の販売台数はハイラックスやエティオスが好調な中南米での販売台数増加により、前期を4万5,000台上回る139万2,000台となりました。営業利益は前期を547億円上回る1,181億円となりました。これは、主に台数増を始めとした営業面の努力や為替の影響によるものでございます。

金融セグメント営業利益

続きまして、金融セグメントの営業利益についてご説明をいたします。

金利スワップ取引などの評価損益を除く営業利益は、前期比434億円の増益となる、2,839億円となりました。これは、主に融資残高の増加や貸し倒れコストの減少及び、米国のリースビジネスにおける残価損失が減少したことによるものでございます。

株主還元:配当金

次に、株主還元についてご説明をいたします。

普通株式につきまして、当期の期末配当金は1株当たり120円とさせていただきます。

これにより、当期の配当金は中間配当100円と合わせ、年間では220円となり前期比で10円の増配です。この結果、今期の配当性向は26.1パーセントとなります。今後も引き続き連結配当性向30パーセントを目安に、業績の変動に大きく左右されない安定的、継続的な配当に努めてまいります。

なお、米国税制改正による純利益の一時的な増加部分を除きますと、配当性向は29パーセントとなります。

株主還元:まとめ

株主様への還元額をまとめた表でございます。

配当総額につきましては普通株式とAA型種類株式を合わせ、年間で6,501億円となります。自己株式取得につきましては、期末還元分として3,000億円、5,500万株を上限として実施いたします。既に中間期の還元分として2,499億円取得済みでございますので、通期では最大5,499億円、8,800万株となります。

この結果、配当と自己株式取得を合わせた総還元額は最大1兆2,01億円となり、当期の総還元性向は最大48.1パーセントとなる見込みでございます。ご参考ですが、米国税制改正の影響による純利益の一時的な増加部分を除きますと、総還元性向は53.4パーセントになります。

連結販売台数見通し

続きまして、2019年3月期の見通しについてご説明をいたします。

連結販売台数につきましては、2018年3月期から1万4,000台の減少となる895万台の見込みです。タイを中心にアジアでの販売増を見込む一方、新車効果が一巡する日本及び中近東での販売台数減を見込んでおります。

連結決算見通し要約

次に、連結決算の見通しです。

前提となる為替レートにつきましては、米ドル105円、ユーロ130円といたしました。

2018年3月期に対し、米ドルは6円の円高、ユーロは変動なしの前提となります。

通期の連結決算につきましては、売上高29兆円、営業利益2兆3,000億円、税引前利益2兆4,500億円、当期純利益2兆1,200億円を見込んでおります。

連結営業利益見通し 増減要因

営業利益の見通しは前期比で998億円の減益となりますが、その要因をご説明いたします。

まず、前提為替レートの変動影響で2,300億円の減益となります。これは主に、米ドルの前提為替レートを105円と前期から円高に想定した影響によるものでございます。

原価改善につきましては、前期に引き続き原材料のコストアップの影響がありますが、しっかりと改善活動に取り組んでいくことで1,300億円の改善を見込んでおります。また、販売面は北米での金利上昇に伴い販売報奨金が増加すると見込んでおり、500億円の減益要因になると見ております。諸経費につきましては、品質関連費用の減少等により、500億円の増益要因になると見込んでおります。

この結果、為替スワップ評価損益等の影響を除いた営業利益は1,300億円の増益となります。更なる収益改善に向けて、全社を上げてTPSの徹底と原価低減に取り組んでまいります。

最後になりますが、今回の決算は、弊社製品をご愛好いただいたお客様を始め、販売店、仕入先、全てのステークホルダーのみなさまのおかげであり、厚くお礼を申し上げます。今後も一層の原価低減により、稼ぐ力を磨き、将来技術に積極的に投資をおこなってまいります。そして、自動車会社からモビリティカンパニーへの変革を成し遂げてまいりたいと思っております。みなさまのご指導、ご支援を引き続きよろしくお願いいたします。

これで説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。