2018年3月期決算説明会
浮城智和氏(以下、浮城):みなさま、こんにちは。ベガコーポレーションの浮城でございます。お足元の悪い中、多数の方にご参列いただきまして、誠にありがとうございます。ただいまより、ベガコーポレーションの2018年3月期決算説明会を始めさせていただきます。
さっそくですけども、アジェンダにつきましては、決算概要、今後の展開、ならびに今期の業績予想という流れで説明させていただきます。およそ40分程度説明をさせていただきまして、残り20分程度を質疑応答という流れで進めさせていただければと思います。
決算概要
さっそくですけども、まず数字でございますが、売上高が129億7,000万円で、前期比で118.4パーセント。営業利益につきましては5億6,100万円で、前期比67.8パーセント。これは、増収減益という決算になりました。経常利益につきましては5億8,900万円、前期比72.9パーセント。
当期純利益につきましては、前期は繰延税金資産等の関係がございまして、(前期比)43.1パーセントとありますけども、3億3,800万円の着地となっております。
売上高推移
こちらが、過去8年の売上高です。これは単体の事業になりますけども、売上は順調に右肩上がりで推移をしたと思います。2014年ぐらいまでは、どちらかと言うとショッピングモールでの拡大を主にしておりまして、「LOWYA」以外のいろいろなテイストの店舗を増やしながら、売上を増やすフェイズです。
2015年以降は、「LOWYA」にもう少しブランディングを強めながら(進めていくフェイズです)。旗艦店の話をさせていただきますけども、実は2015年にロゴを変えるなどにより、ブランドイメージを刷新していくことに着手しています。3年かかってきてますけども、ようやくその効果が上がってきている感じがしております。
営業利益推移
そうは言っても、利益につきましては、当初発表した数字を達成することができず、みなさま方にたいへんご心配・ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございませんでした。
課題解決に向けて
通期につきましては、ちょうど第1四半期の終わり……(2017年)6月中旬ぐらいから10月前半ぐらいまでの価格競争等による機会損失分を、通期において挽回するには至りませんでした。しかしながら、四半期ごとに見た場合に、第4四半期には、それはほぼもう解消されたと考えております。
それまでは、(価格競争が起こりやすい)ショッピングモール店で売上をどんどん積んでいくかたちをとっておりましたけれども、当初より早めに(価格競争に巻き込まれにくい)旗艦店の売上を伸ばすように、第2四半期の結果を見ながら舵取りを変えさせていただきました。
旗艦店は、今まで「本店」という呼び名をさせていただいておりましたけれども、もう月商もいよいよ3億円程度になってきておりますし、正式に我々の「旗艦」店舗として、外部に(対しても)この名前とさせていただきたい。
主に第2四半期は、値下げによって原価率・配送費が上がってしまった。10月以降に価格の見直し等を行いまして、第4四半期には、そこはほぼ解消された。
しかしながら、業界全体の課題になっておりますけども、物流費。我々(にとって)も大型商品の運賃の値上げは、日々業績に影響している状況でございます。実は(いったん)せっかく解消されたんですけども、(2018年)4月以降に、また運賃の値上げが始まっております。そのぶん、このままだと2ポイントほど運賃が上がってしまうんじゃないかということで、引き続いてここは注視していく必要があります。
今期以降は、ショッピングモールで売上を拡大するところから、ショッピングモール以外の旗艦店のアクセルを踏みやすいところのみで、売上を伸ばしていく。ショッピングモール店につきましては、現状維持をしながら、利益率を高めていくことを考えております。
平均購入単価につきましては、ショッピングモール店の1万3,000円に対して、旗艦店は2万1,000円ほどということで、約1.5倍ぐらい高いという傾向がございます。また、固定費・変動費につきましても、旗艦店の方が安く済む傾向でございますので、今後は売上が増えても、利益構造は今までと大きく変わってくるのではないかなと考えております。
販管費前期推移<比率>(研究開発は収支純額ベース)
その戦略に伴って、今までよりも唯一上がるのが、広告宣伝費です。従来、ショッピングモール出店時は、そこのロイヤリティ分が広告宣伝費だと思って、あまり広告宣伝費を使わない戦略をとってきました。今後につきましては、アクセスを獲ったり認知度を上げたりするために、当面の間は、広告宣伝費を積極的に投資していくフェイズになると考えております。それでも、変動費・ロイヤリティを払うよりは、長期的に必ずコストは下がってくるだろうと予測しております。
四半期別販管費<比率推移>(研究開発は収支純額ベース)
こちらは、四半期ごとの販管費の推移でございますけども、そんなに大きくは変動がないと思っております。
貸借対照表
こちらは貸借対照表です。現預金・売掛金・商品ともに、だいたい1ヶ月分の月商強ぐらいです。これもだいたい想定内というか、いいかたちで推移している。
引き続いて、自己資本比率が63.9パーセントということで、まだまだ経営を安定的にやりすぎている感は否めないんですけども、ここの資本効率を高めながら、今後はもう少し積極的に攻めた経営をしていくことが課題だなと考えております。
キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローにつきましては、ご覧のとおりです。また後ほど、ご覧いただければと思います。
経営指標
KPIにつきましては、ご覧のとおりです。アクセス人数が前期比122.8パーセント、客単価が102.7パーセント、コンバージョンレート(CVR)が88.9パーセント。
ここをちょっと補足をさせていただきたいんですけども。今、コンバージョンレートが前期比で割っています。この要因としまして、旗艦店はショッピングモール店に比べると、現状はコンバージョンレートが低い傾向にございます。
と申しますのは、ショッピングモール店には、あらかじめ買いたいお客さまが来られるということで、購入者さまのアクセスが多い傾向にあるんですけども。旗艦店の場合は、買うと決めてるわけじゃなくて、例えば家具の情報を取りに来た方とかもたくさんいらっしゃいます。どうしても、そこのアクセスが伸びてくると、コンバージョンレートは下がっていく傾向にあるということです。今後旗艦店が増えれば増えるほど、平均コンバージョンレートは前期より下がっていく可能性があります。
旗艦店自体のコンバージョンレートにつきましては、もう少し頃合いを見ながら、開示をさせていただきたいと思います。
続いて、商品数です。商品数は1,958、新商品投下数は163。今期以降につきましては、商品数を足して売上を増やす戦略よりも、旗艦店のアクセスおよびコンバージョンを伸ばしながら売上を増やすことになっていくと思います。本進行年度以降は、新商品投下数は「量よりも質」という流れに進んでいくかなと思います。
平均決済レートは110円ほどでございました。従業員数は、こちらの(スライドの)とおりということです。
LOWYA事業の今後の展開
今後の展開です。ここ(スライドの「ブランド認知」の期間)にちょうどありますけれども。将来的な……将来的と言いましても、2021年の3月くらいまでですけれども。(将来的に)こういうふうに推移していくのではないかというところを、今回初めて、数字で開示させていただきました。
ちょうどここが、一番ご説明差し上げたいところなんですけれども。(スライドの)左側の縦軸が売上高です。ちょうど100億円のラインに薄い黄色の部分が(ありますが、これが)ショッピングモールの売上高。ご覧のとおり、向こう3年、ショッピングモールでは著しい拡大を目指さない方がいいのではないかなと。その代わり、同じ売上高をもって利益率を高めることに、ショッピングモール店ではチャレンジしていきたいと思っています。
一方で、売上高につきましては、(赤色の部分の)旗艦店でアクセルを踏んでいきます。来期以降……今ちょうどここで来期(2020年3月期)が200億円、再来期(2021年3月期)が300億円となっていますけれども。社内ではもっと高いところを目標数値に挙げて、挑んでいくことになるのかなと考えています。
一番下(の灰色の部分)に販管費率とあります。旗艦店が伸びていくと、おそらくいろんなもののコストが下がっていく。旗艦店では、やっぱりショッピングモールよりコストが下がるので、売上は伸び、コストは下がるという構造になっていくのではないかと考えています。
LOWYA旗艦店強化によるメリット
(ショッピングモールと旗艦店で)どれくらいコストが違うかと申しますと、現時点では販売手数料および、クーポン利用料やポイントなどの販促費といったもので、ショッピングモール店と旗艦店では、約8パーセントほどコストの開きがあります。ここから、広告宣伝費や、旗艦店にかかるプラスアルファのコストを差し引いた分が(投資などを)何もしなければ、営業利益に残っていくと。
ただ、そこからまだまだ投資したいところがありますので、全部を営業利益に回すかどうかは、それはその都度、臨機応変に考えていければなと考えています。
LOWYA旗艦店強化①
LOWYA旗艦店強化の方法です。「アクセス強化」と「ブランド作り」という2軸かなと考えています。
LOWYA旗艦店アクセス推移
まず、基本となるアクセス強化です。後ほどグラフでも出ますけれども、アクセスにおいては広告宣伝……Web広告が、今は非常にうまくいっています。まず、前期につきましては、第3四半期・第4四半期にWeb広告の投資を強めました。今年度につきましても、そこの投資額と同じ額(の投資)を行っていきたいなと。プラス、他の媒体等につきましても、本格的な……今年(2018年)は(福岡ソフトバンク)ホークスの広告をやめたんですけれども。その分の予算を他に回すなど、社内でいろんなことを検討中です。
我々らしい、また意表をついたプロモーションをやっていきたいなと考えている次第です。また、Webサイトの基本となるSEOも、引き続いて、力を入れてやっていきたいなと考えています。
旗艦店(の年間)アクセス数につきましては、前期比で3月比ベースになりますけれども、4倍強くらいの329パーセント増になっています。ある程度、旗艦店(の強化)は踏み込むつもりだったんですけれども、これは正直、当初の我々の想定よりもいい数字で、アクセス数を獲得できたなと考えています。
四半期別売上高推移(旗艦店・モール・DOKODEMO・その他)
その結果、売上比率につきましては、当初上場時(2016年)はたぶん6パーセントくらいの旗艦店比率(折れ線グラフ)だと思います。今は、もう20パーセントくらいは、旗艦店の売上になっていますよということです。今後は、この比率がどんどん増えていくとご理解いただければなと思います。
LOWYA旗艦店月次売上高推移
これも初めて(資料として)出しましたけれども、旗艦店の月商です。(2018年)3月は、ちょうど3億円弱くらいのところに着地しています。これでおそらく、リアル店舗を持っていない会社の家具店の旗艦店売上……要は、モール店じゃないところでは、我々が一番日本で売っている状態になったんじゃないかなと。
もちろん、(大型店さまに)ニトリさんとかがいらっしゃいますので、ニトリさんはもっと売っていらっしゃると思うんですけれども。そういう大型店さまを除けば、おそらく我々の規模では、家具業界において、旗艦店(本店)で一番売っている会社になったんじゃないかなと思います。
LOWYA旗艦店強化②
(LOWYA旗艦店強化の)もう1つは、ブランド作りです。やはり、継続的にお客さまに支持していただくようなファン構造の構築ができない限り、アクセスを獲得しても新規でご購入いただいて終わりで、売上の増加には見込めないということです。やはり、このブランド作りが重要になっていくであろうと(いうことです)。
LOWYAポジショニング
例えばアパレル業界ですと、「ファストファッション」という言い方がございます。家具・インテリア市場に置き換えると、我々は「ファストインテリア」というジャンルになっていくのかなと考えています。ファッション性の高いトレンドを追いかけながら、格好いい商品を低価格で実現できる、唯一のブランドを目指していきたい。
安い家具を作れる会社はたくさんあると思いますし、トレンドを追いかけたようなところもあるのかもしれないんですけれども、「この価格でこのクオリティ」というか、そのようなところを明確に、今後は定義していきたいなと思っています。
LOWYAブランドプロミス
(LOWYAブランドプロミスを)言葉にすると、「魅力的なライフスタイルと商品を魅力的な価格とクオリティで提供する」とありますけれども。これはうまく言えないんですけれど、要は「市場の中で一番格好いい、イケてるものが『買える!』という値段でずらっと並んでいる店があったら、買いますよね」ということを、世の中に提案していきたいなと考えている次第です。
僕たちがそこの見本に置いているのは、ZARAさんです。ZARAさんって僕も行くんですけれども、やっぱり明らかに尖ったイケてる商品が、買える値段でずらっと並んでいるイメージがあって。ファストファッションの中でも、やっぱり業界最大手というところで、ああいう姿を目指していきたいなと考えています。
やっぱりインテリアでもトレンドがありますので、しっかりいろんなトレンドを追いながら、かつ我々の製造クオリティもしくはマーケティング等の力をもって、どんどん日本中の家を、低価格でおしゃれにしていけるようなブランドになっていきたいと思います。
例えば、これら(の商品)とか。商品に価格がありますけれども、基本、全部自社商品で並べているわけでございます。これだけ見ると、まだまだ、もっと改良するところがあるなと思うわけでございます。
ですけれども、やっぱり「現実的に買える値段で、これだけおしゃれにできる」というユーザーさんがどんどん増えていって、それがネットでどんどんどんどん拡散されていけば、我々の認知度ももっと上がっていって、売上増加につながっていくのではないかなと。その売上がモール店ではなくて、基本的には旗艦店に落ちていくという構造を考えています。
ファン構造構築による取り組み結果
このようにいろんな試みをやってくる中で、現状のLOWYA旗艦店は、滞在時間や一人当たりPV数は、過去に比べると大幅な増加傾向にございます。離脱率やアクセスのうちの再訪問ユーザー数も、数年前に比べて格段に上がってきております。もっといいブランドを目指して、がんばっていきたいなと考えております。
LOWYA認知度推移
こちらの(LOWYAの)認知度の目安なんですけども。本当はこの説明会に合わせて(2018年)3月の認知度をご紹介したかったんですけど、ちょっと数字が間に合わなくて、直近の3月は出てないんですけども。おそらく半年前の第2四半期後に比べて、3月の認知度って上がってるんじゃないかなと(考えております)。今後3年につきましては、この認知度を半年ごとに追っていきながら、売上と認知度がセットでついていっているかを確認しながら、開示していきたいなと考えております。
旗艦店は、いったん軌道にのってしまうと、そこから先はけっこうブルーオーシャンになっている傾向があります。今期順調にいけば(という目標として)初めて1,000億円(の流通)という数字を出させていただきましたけども。
経産省によると、インテリア雑貨等を含めると7.2兆円ほどの市場があります。そのうち、家具・インテリアが2.5兆円あるわけですけども。1,000億円って、全然普通にやっていかなければいけない数字なんじゃないかなと思っておりまして。逆に、それぐらいのニーズを獲得できないと、「何やってんだ」という話になると思うんです。そこのシェア獲得に向けて、まずはそんなに遠くない将来に、1,000億円の流通を目指していきたいなと考えております。
新規事業(越境ECプラットフォーム)市場規模①
続いて、新規事業でございますけども、今は「DOCODEMO(ドコデモ)」という越境ECと、まだリリースできてない「Laig(ライグ)」という家具インテリアのプラットフォームの2つを行っております。
まず、DOKODEMOの現状をお伝えしたいなと思います。DOKODEMOにつきましては、ご覧の通り来日旅行者をじっくり見ています。来日旅行者が順調に推移しているわけでございますけども、前年(2017年)につきましては、2,870万人が来日している。このペースでいけば、オリンピックの(2020年には)4,000万人(の来日旅行者数の達成)が、可能なのではないかなと思っております。
それに合わせて、インバウンド市場や越境EC市場も順調に拡大を続けているというところです。我々のDOKODEMO事業につきましては、日本商品をそのまま海外のユーザーにどんどん売り込んでいけるような(ものです)。これは、ECの究極の挑戦だと思っているんですけども、いよいよ人口減が始まったときに、我々だけはすでに海外ですごい(購買意欲の高い)ユーザーを(数多く)獲得しているという状態を、長期的に考えながら戦略を考えている事業でございます。
新規事業(越境ECプラットフォーム)市場規模②
こちらの資料のご説明は割愛しますけども、先ほどの資料と同じように、越境EC・来日旅行者(・旅行消費額が)ともに伸びていますよというところになります。
DOKODEMOがやりたいことは、インバウンド市場であったり越境EC市場であったり、そういったところで、日本がまだまだ良い商品を物理的な要因・情報格差によって機会損失が起きているであろう市場を開拓しながら、消費の市場をつくっていくということを、目的としているわけですけども。
新規事業(越境ECプラットフォーム)ビジネスモデル
ビジネスモデルの特徴としては、日本にサーバーを置いて日本円で日本から直送するというところを、今はやっております。最初の頃に比べると、けっこうDOKOCEMOも、ようやくアポイント・商談とも順調にいくようになってきておりまして。
けっこうどこの企業さん・メーカーさんも、海外に出たいけどもなかなかきっかけがなかったり、いきなり現地法人を作る資本の投下に踏み切れなかったりといった状況がございます。その代わりに我々がECシステム・マーケティングを使ってやっていきたいというのが、狙い通りでございます。
新規事業(越境ECプラットフォーム)流通の推移
数字につきましては、直近では1ヶ月の流通が8,000万円ぐらいになってきております。流通だけを追っているわけじゃないんですけども、この流通をもっと伸ばすこともできますし、まだまだ未開拓な状態だなと。とはいえ、まだ効率のいい方法で、もっと飛躍的に売上・流通を伸ばす方法もあるんじゃないかなということで、この事業は、まだまだ模索のフェーズかなと言わざるを得ないと。
私の中で、もう何年かかってもこの事業を作りたいという思いもありますし、そのぐらいやっぱり世界の35億人に向けたEコマースというところで、「我々の実力が、それに通用するのか?」ということにもなりますし。きっと、日本の企業さまのお役にも立てるんじゃないかなということで、もっと高いところを目指して、この事業を完成させていきたいと思います。
しかしながら、赤字額が去年(2017年)と同じ1ヶ月2,000万円ということで、これは広げることなく、守っていきたいなと思います。
新規事業(越境ECプラットフォーム)配送実績
配送実績につきましては、今はまだアジアが多いわけですけども、米国・カナダ・オーストラリアなどの英語圏も、去年(2017年)に比べて配送実績が少しずつ増えておりまして、現状78ヶ国への出荷実績があるということでございます。
新規事業(越境ECプラットフォーム)今後の展開
ここも、まだまだDOKODEMOとして例えば来日した後のリピートオーダーの仕組みや、海外から日本に来られる前のO2Oやリアル店舗の送客、買ったお客さまからの口コミとか、いろいろまだできていないことがたくさんあると思ってます。このあたりは韓国の会社さんのやり方が上手いなと思うこともあるので、いろんな世界のいい企業さんを見習いながら、引き続いて流通を拡大させていただきたいと。
新規事業(越境ECプラットフォーム)会員登録数の推移
会員数を目標にしているわけじゃないんですけども、世界に35億人がいるのであれば、それほど遠くない将来に1,000万人ぐらい(の会員登録数)を獲得していかないといけないんじゃないかなと思っておりまして。現状、1ヶ月に2万人程度(新規)会員数が増えていっているという状況で、(2018年3月期末で)ようやく20万人に近いところまでは、きているということでございます。
以上が、DOKODEMOのご説明です。
家具・インテリア業界における現状
最後が、家具・インテリアプラットフォームの「Laig」です。ここは「まだリリースがもうちょっと、もうちょっと」って続けて、「第2四半期に出します」と言いながら、今期に入ってしまって(現時点で)出せてないんですけども。そもそもLaigで実現したい世界観を、もう一度ここで整理させていただきたいと思います。
家具・インテリア業界って、けっこうまだアナログな状態でございました。また、物(商品)が大きいので、どうしても展示スペースの問題とかもありますし、(お客さまが)週末に見に行くにしても、あちこち行かないといけないっていう、けっこう億劫な業界になっているなと。
情報があちこちに散らばっていて、「自分が欲しい商品は、いったいどこにあるのか?」と。「インターネットにあるのか、近くの店舗にあるのかわからない」という状態だと。私も家具を買うときに、リアル店舗に行ったり、いろいろと見たりするんですけども。
リアル店舗に行ったときに、土日の丸2日を使ったんですけど、いいものがなかったみたいなことも、けっこうありまして。そういうふうにならないように、あらかじめインターネットで情報を整理して、「どこに行けば実物が見られる」とか。あるいは「その場で買わなかったけど、買っとけばよかったな」と(いう場合に)、家に帰ってすぐに注文ができて、その週には届くみたいなこと。そういうことが、これだけ情報化社会になっているんであれば、本来は家具業界として、なっておかないといけない姿かなと思います。
現状、家具・インテリアのEC化率はおよそ1割ぐらいじゃないかと。これは正しい数字がないので、いろんなところの数字を合わせて、我々が推測しているだけなんですけれども。まだまだEC化って、進むだろうなと思っております。
ですので、情報整理をされてないところの会社さまとどんどん提携していって、その情報をインターネットにどんどんあげていって、情報のシェアをしながら、効率のいいお客さまの来店やECの流通の促進とかをやっていく、プラットフォームがあってもいいんじゃないかという問題提起になります。
ユーザー消費行動の変化
スマートフォンの普及に伴って、ずいぶん世の中の買い物の仕方が変わってきたなと。ほかの業界であれば、例えば「これは店頭に行かずに、ネットで買ってしまおう」とか「店舗で確認しながら、家に帰ってECで買おう」とか。いろいろけっこう整備されている業界もあるのかもしれないんですけれども、まだインテリア業界は、そうなっていないなと。
家具・インテリア業界における課題
この円グラフにありますけれども、(今は)ほぼほぼ、まだ右側のグレーの円(「認知していない」)。本当はもっと、この円って莫大だと思うんですけれども、「消費」ってものを考えた時に、今までは本当に自分が欲しいものって、出会う情報量が乏しいんじゃないかと考えております。
日本中の家具が……もしくは、世界中かもしれないですけれども。僕もいろんな工場に行ったり、いろんな展示会に行ったりするんですけれども、無数に「モノ」っていうのがあって。でも、その無数な「モノ」とユーザーが、まだネットで紐付いていないっていう状態ですね。
それが、全部インターネットに情報があがることによって、メーカーにとってもユーザーにとっても、効率のいい消費を起こす方法があるんじゃないかなということを、家具・インテリア業界でやってみたいというところが、この事業のテーマになります。本当の意味で、自分が好きなものと出会う、自分がしたい部屋に変えていくという世界を作っていきたいと。
新規事業(家具プラットフォーム)①
Laigの(名前の)由来というわけじゃないんですけれども。「さまざまな『Lifestyle is Good』を選択できる世界」ということです。「Lifestyle is Good」なので「Laig(ライグ)」っていうんですけれども。そのままあれ(省略)すると「LiG」とかになっちゃうんで、「AIを使いますよ」ということで、真ん中に「AI」って入れてるんですけれども。
自分なりのインテリア系のライフスタイルを見つけようというところに対して、ユーザーさまにとって「選びやすい」というか、「本当に買いやすいか?」というところで見ていて。
新規事業(家具プラットフォーム)②
もう平たく言うと、「ここ(Laig)を通って買っていくのが当たり前」という世界観を作りたいんです、という話ですね。何かをするときに、ここに行ったら全部解決できるよっていう、間口を目指していきたいな。
ただ単に「家具を売りますよ」という話でもなく。今回、クリス-ウェブ佳子さんとかの(インタビュー)記事も決定して、もう(実際に)記事ができているんですけれども。読み物系というか、こういう「憧れの人のライフスタイルを覗いてみたいな」というところを、定期的に情報発信する。そういったものが、こちらを通じてスマホで確認できるとか。そういったことも、ユーザーさまには楽しんでいただけるのかなと思います。
僕たちはオンライン企業でありますけれども、やっぱり家具は「実物を確認したい」っていうニーズが、とくに強いなと思っておりまして。とくに、ソファーとかベッドとか、柔らかいというか心地良いものに関しては(ニーズが強い)。
もちろん、ソファーをネットだけで買う方もたくさんいらっしゃるんですけれども、実物を見たいという方が多い傾向にあるということです。要は、ユーザーさまにとって、「オンラインでも買えるし、オフラインで確認して(からで)も買えるし」ということを、シームレスにできるプラットフォームに、なっていかないといけないんじゃないかなということです。
今は、GPSを使ったら近くの位置情報も(わかるような状況が)ありますし、店舗さんの在庫情報と連携することができれば、そこの在庫情報も確認できると。(店舗に)行って「在庫がなかった」ということが、なくなるんじゃないかなと。それを、我々IT事業者がやっていかないといけないということが、業界の課題の解決なのかなと考えているわけでございます。
新規事業(家具プラットフォーム)③
あと、ここに先ほどの(ご説明にあった、クリス-ウェブ佳子さんの)記事広告がありますけれども。あとは長瀬(次英)さんの記事とか。もともとInstagramの方(日本事業代表責任者)ですけれども、そういった方のライフスタイルの価値観の記事とか。僕もけっこう楽しみに、裏側で読ませてもらったんですけれども。そういったインテリアにまつわるものを、全体で扱えるようなサービスを目指していきたいなと考えております。
新規事業(家具プラットフォーム)④
今のところでございますけれども(2019年3月期)第2四半期をめどに、リリースをしたいなと考えておりまして、現状では20社さまにつきましては、もう契約が終わったという状態ですね。本当は今日発表したかったんですけれども、各社さまのコンセンサスがなかなか取れませんでしたので、いったん、今回は20社でローンチするという回答にさせていただきたいと。
商品数につきましては、2,000とか(を想定しています)。3,000まではいけないかなという感じではありますけども、ある程度ボリューム感があるスタートを切れるかなというところです。ちょっとそういうディテールにもこだわって、どんどん(ローンチの)時期が遅れてるんですけれども。まだコミットではないというところで、一応めどはこれくらいで考えております。
売上につきましては、DOCODEMOのリリース時はほぼ無料でやってたんですけれども、Laigにつきましては、流通が立った初月時点で、利益が発生する予定になっております。ですので、今期の業績には織り込んでいないんですけれども、いいスタートが切れれば、ここの業績については、もしかすると業績が若干押されてくる可能性もあります。
2019年3月期 業績予想
最後に、今期の業績の予想でございます。
いったんは(売上高は)158億円ということで、開示をさせていただきました。営業利益につきましては、7億3,000万円。経常利益につきましては、7億5,000万円。当期純利益は、4億6,000万円。1株当たりの当期純利益が44.87円というところを、目指していきたいなと思っております。
これは、物流費がある程度上がると見込んだうえでの予測となっております。あまり値上げをしなかったとしても、これぐらいの利益を当然目指していきながら、開発等も行っていくうえで、このぐらいの数字はやっていきたい。
逆に、もし(売上高で)158億円を達成できたときは、旗艦店の売上が、さらに3倍ぐらいに伸びていたという前提になります。これも達成できると、おそらくその次……2020年3月期、2021年3月期の(それぞれの売上高目標である)200億円とか300億円とか、そういったところまで上がっていくことになるので。モール店が著しく下がらない限りは、そういったP/Lが、今後展開されていくんじゃないかなと考えております。
以上で、2018年3月期の決算説明とさせていただきます。ご清聴どうもありがとうございました。
質疑応答:旗艦店とモール店の商品・顧客属性の差は?
質問者:旗艦店とモールでかなり客単価に違いがあるというお話なのですけれども、それをもう少し詳しくうかがいたいです。購入件数じゃなくて、購入の際の1品あたりの単価において、かなり高いものが買われているということでいいのでしょうか?
もう1つは、そもそも買われている商品がぜんぜん違うという認識をしていいのでしょうか? また、買われている方の顧客属性が、モールと旗艦店ではかなり違うのかということについて、教えてください。
浮城:ご質問ありがとうございます。旗艦店とモールの属性等の違いでございますけれども。
まず単価につきましては、1つあたりの購入商品の単価も高い傾向にありまして、合計の1注文あたりの単価も高い傾向にあります。
その理由としましては、おそらく「(買えれば)なんでもいいんだ」という、こだわらない層の方は、楽天さんであったりAmazonさんであったり、そういったところで商品を買われるのかなと。
そこに欲しいものがない方が、インターネット上をぐるっと回りながら旗艦店等で買われるのかなということです。おそらく顧客属性は、モール店のお客さまよりも、本店(旗艦店)のお客さまの方が「こだわり層」になるのではないかということで、じっくり考えてじっくりかっこよくしていく。その分、値段のこともそんなに気にされない傾向にあると、我々は分析をしております。
<続きは近日公開>