総括

藤本哲也 氏(以下、藤本):みなさん、こんにちは。株式会社マツダの藤本でございます。当社の決算説明会にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本日はまず2018年3月期の実績、および2019年3月期の見通しについて、ご説明いたします。

その後、社長の小飼さんより今後の取り組みの方向性につきましてご説明申し上げ、最後に皆さまからのご質問をお受けいたします。

実績および見通しの、総括でございます。

2018年3月期の実績は、グローバル販売台数が対前年5パーセント増の163万1,000台と、過去最高の販売台数を達成いたしました。

新型CX-5がグローバルで台数増加に貢献したことに加えまして、販売好調な中国、タイが台数成長を牽引いたしております。昨年の8月以降、本社工場や防府工場でクロスオーバー系の車種の生産能力を拡大した事を受けまして、販売をサポートしてございます。

売上高は、3兆4,740億円、営業利益1,464億円、当期純利益1,121億円と増収増益でございます。続きまして2019年3月期でございます。グローバル販売台数は対前年2パーセント増の166万2,000台、売上高も3兆5,500億円と過去最高を更新いたしますが、営業利益は1,050億円、当期純利益は800億円と減益の見通しでございます。

商品改良モデルの投入によります商品競合力の強化や新型CX-8を新たに海外展開することに加えまして、防府第2工場を2018年8月より2直化することで、よりフレキシブルな生産体制を構築いたします。

事業環境の変化に対応しながら、時勢大商品や新商品の開発・導入など、将来に向けた主要施策を着実に推進してまいります。年間配当予想でございますが、前年と同額の一株当たり35円でございます。

2018年3月期 グローバル販売台数

それでは、2018年3月の実績でございます。

冒頭で申し上げました通り、グローバル販売台数は過去最高の163万1,000台となりました。2017年の年初に導入いたしました新型CX-5が通年で寄与しまして、グローバルで販売増加に大きく貢献いたしております。

地域別にはMazda3やクロスオーバー系の車種の販売が好調でございます中国、Mazda2が好調なタイなど、ほとんどの地域で販売が増加いたしまして、販売台数は対前年5パーセントの増加となりました。

日本

主要市場の販売状況でございます。

まず日本でございますが、販売実績は対前年4パーセント増の21万台、登録者シェアは0.2ポイント増の5.1パーセントでございます。新型CX-5が通年で貢献し、前年の販売台数を上回りました。3月に商品改良モデルを導入しておりますが、引き続き堅調に推移いたしております。

3列クロスオーバーSUVの需要を創出しました新型CX-8は、12月に販売以降も計画を上回る受注を継続いたしており、特にハイグレードモデルが高い販売比率となっております。

北米

続きまして北米でございます。販売台数は、43万5,000台と対前年で1パーセントの増加となりました。

内、米国では対前年1パーセント増の30万4,000台の販売です。米国は、厳しい販売環境が継続しておりますが、セダン系車種の需要縮小や競合激化によります販売台数の減少を、クロスオーバー系の好調な販売でカバーいたしました。

特に新型CX-5は、対前年29パーセント増の24万6,000台、CX-9は対前年28パーセント増の2万7,000台と需要を大幅に上回る販売となっております。カナダが対前年5パーセント増の7万5,000台、メキシコが対前年2パーセント増の5万5,000台でございます。

欧州

続きまして、欧州でございます。

対前年3パーセント増の26万9,000台の販売となっております。新型CX-5は販売を本格化して以降、欧州各国で販売が順調に推移しております。前年より17パーセント増の8万7,000台と全体の台数増加に貢献をいたしました。

ドイツでは対前年8パーセント増の6万8,000台、ロシアでは対前年20パーセント増の2万7,000台と好調でございます。英国ですが、需要縮小に伴いまして、対前年15パーセント減の3万8,000台の販売となっております。

中国

続きまして中国でございます。対前年11パーセント増の32万2,000台となり過去最高の販売台数を達成いたしております。小型車減税政策の終了後もMazda3は好調な販売を継続しております。

Mazda6につきましても、前年を大幅に上回る販売となりました。CX-4、新型CX-5などのクロスオーバー系車種の販売も好調に推移いたしております。

その他市場

その他市場でございます。対前年5パーセント増39万4,000台の販売です。

オーストラリアでは、11万6,000台と対前年で2パーセントの減少となりましたが、メーカー別販売台数では第2位を継続いたしております。特にCX-5、CX-9の販売が好調で、CX-5はセグメント別の販売台数では第1位を維持しております。

タイはMazda2の販売が好調で、対前値31パーセント増の5万6,000台となっております。

ベトナムは関税撤廃前の影響もありましたが、対前年で14パーセント減いたしました。

しかし、ASEAN全体では対前年11パーセント増の11万6,000台でございます。

その他、ニュージーランド、チリ、ペルー、こういった国々で過去最高の販売台数を達成いたしております。

2018年3月期 財務指標

次に財務指標についてご説明いたします。

売上高は対前年8パーセント増の3兆4,740億円となりました。営業利益は対前年16パーセント増の1,464億円、経常利益は1,721億円、当期純利益は19パーセント増の1,121億円と増収増益でございました。

為替レートは平均で1ドルで111円、1ユーロ130円と前年に比べまして、ドルで2円、ユーロで11円の円安となっております。

2018年3月期 営業利益変動要因①

続きまして、前年からの営業利益の変動、207億円の増減要因についてご説明いたします。

左から台数構成ですが、主に米国での出荷台数の減少、販売台数の減少、販売費用の増加によりまして、240億円の悪化となっております。為替につきましては、ドル41億円、ユーロ170億円、オーストラリアドル98億円の改善など、ほぼすべての通貨で改善いたしまして、400億円の増益要因でございます。

変動コスト領域につきましては、コスト改善活動の効果など原材料価格の高騰を一部相殺し、NETいたしまして、105億円の改善です。研究開発費は次世代技術や商品の「開発強化によりまして、91億円増加いたしました。

その他固定費は、33億円の改善でございます。

2018年3月期 営業利益変動要因②

次に2月公表からの変動でございます。

36億円の減少となっております。台数構成では、販売費用が増加し、20億円の未達でございます。

開発費は効率化を加速しまして、40億円の改善となっております。その他固定費、53億円の増加につきましては、主に品質対応費用によるものでございます。

2019年3月期 グローバル販売台数

続きまして2019年3月期の見通しについて、ご説明いたします。

2019年3月期のグローバル販売台数は、前年から2パーセント増の166万2,000台の見通しでございます。クロスオーバー系の販売好調な北米、および日本、タイ、ベトナムを中心としたASEANが販売台数を牽引する計画でございます。

車種別ではMazda6やCX-3の商品改良モデルを投入し、新型CX-8の海外展開などを行います。次世代商品の第1弾を年度末に導入する計画でございます。一部地域にその入れ替えに伴いますローンチ営業もございますが、引き続きクロスオーバー系車種の拡充による販売増を目指してまいります。

2019年3月期 財務指標

続きまして、財務指標でございます。

売上高は3兆5,500億円、営業利益は1,050億円、当期純利益は800億円の増収減益の見通しでございます。

為替前提につきましては、実勢レートを考慮いたしまして、ドルは107円、前年に対して4円の円高。ユーロは前年並みの1円130円としております。

為替レート

次に主要通貨の為替前提でございます。

カナダドルを84円、オーストラリアドルを84円とそれぞれ2円の円高。ポンドは1円の円安という前提を置いてございます。

2019年3月期 営業利益変動要因

続きまして対前年の変動要因のご説明でございます。

まず左から台数構成でございますが、30億円改善の見通しです。出荷台数は5万台増加いたしますが、米国金利上昇等に伴いますインセンティブの増加やOEM車両の減少などによりまして、30億円の改善にとどまります。

為替影響は220億円の悪化を見込んでおります。カナダドル40億円、オーストラリアドル50億円に加えまして、その他通貨、主に円高に大きく動いておりますロシアルーブル90億円の悪化によるものでございます。

変動コスト領域では190億円の増益要因です。アルミなど市況悪化が想定されますが、コスト改善活動を加速いたします。

研究開発費は将来に向けた成長投資として、70億円の増加です。

次世代商品の開発がピークを迎える中、売上高比で4パーセント以内とすべく、効率化を進めて参ります。その他固定費は米国の販売ネットワーク改革への投資、および欧州でのCO2ペナルティーなどの環境規制対応費用、減価償却費、それぞれ100億円程度、規模を見込んでおります。合計で334億円の増加となります。

まとめ

ここまでのまとめでございます。

2019年3月期は構造改革ステージ2の最終年度となりますが、ご説明いたしましたように、経営指標につきましては、グローバル販売台数は165万台達成の見込みであります。

しかしながら営業利益率は、3パーセントと目標の5パーセントに届かない見通しでございます。主に米国での台数、収益の未達、環境対応コスト、および成長に向けた販売改革費用がその主な要因です。

なお、財務基盤強化につきましては、ネットキャッシュを実現いたしまして、自己資本比率も44パーセントとわずかに目標未達の見通しでございますが、着実な改善が進んでおります。

配当につきまして、安定配当を継続してまいります。今期は収益改善のアクションをさらに強化いたします。商品改良モデルを導入し、次世代商品の第1弾となります新商品を年度末に投入します。

さらに2018年、防府第2工場を2直化しまして、クロスオーバー系車種の生産フレキシビリティーを強化いたします。同時に今後の成長に向けた地場固めとして、米国の販売ネットワーク改革や次世代商品の導入に向けた開発などを着実に進めてまいります。