Executive Summary
田中良和氏(以下、田中):よろしくお願いします。それではグリー株式会社、2018年6月期第3四半期決算説明会を始めたいと思います。
エグゼブティブサマリーになっております。
決算は売上高179億円、営業利益28億円、EBITDA32億円となっておりまして、売上高は未達でございましたけども、営業利益は計画を上回って進捗しております。
事業概要です。海外展開や新規タイトルのリリースが続いております。北米版『DanMachi』のリリース。『NEWSに恋して』『ぷちぐるラブライブ!』という国内向けのリリースが続いております。また既存タイトルにつきましても、運営を強化しまして、その成果が出始めているというところでございます。直近、第3の事業分野としてライブエンターテインメントに参入を発表させていただきました。こちらは日本のみならずグローバルに展開したいと思っております。
第4四半期の業績予想は売上高185億円、営業利益22億円、EBITDA25億円となっております。引き続き運営を強化して、海外展開や新しいタイトルのリリースで伸ばしていこうと思っております。通期の業績は前年度比で増収増益を計画しております。
今回、ライブエンターテインメント(への参入)を発表させていただきました。グリーはゲーム事業、広告・メディア事業、そしてこのライブエンターテインメント事業の事業分野で成長を目指すということを考えております。
ゲーム事業は、エンジン、IP、グローバルを伸ばしていきたいと考えております。
広告・メディア事業は、さまざまなバーティカルなメディアを作っていくというところ、ライブエンターテインメントはVチューバー(バーチャルユーチューバー)を中心とした戦略を構築しておりまして、直近はこの3分野を大きく伸ばすことに特化したいと思っております。
連結決算の概要につきましては、秋山が説明します。
1. 連結決算概要①
秋山仁氏(以下、秋山):6ページ目、連結決算の概要になります。
売上高は2月の予想からは未達になってしまいました。こちらの中身については、後ほどまたご説明させていただきます。
伸びが止まっているということよりは、どちらかというとタイミングのずれが大半でございます。ネイティブゲーム、モバイルのゲームの運営強化を進めており、第3四半期で数字が効いてくると想定をしていてたんですけれども、一部のタイトルが第4四半期以降になってしまったというのが1つの要因です。また、私どもの「ファンプレックス」で買取をやっているんですけれども、買取りが遅れてしまったというところで、売上への寄与がずれてしまったこともあります。3つ目は、私どもが撤退した北米の事業のタイトルは継続して運営しているんですけれども、こちらが想定よりも(数字が)いかなかったというところでございまして、減速しているものはございますけれども、基本的には第4四半期にずれてしまったというところでございます。
数字的に未達になってしまったことは大変残念なんですけれども、本質的には減速ではないと考えておりまして、これからご説明いたします第4四半期の予想も、売上高はまた上昇に転じるという数字になっております。一方で、コストの削減が進みました関係で、売上高は予想に対して未達でしたけれども、利益は予想を上回るかたちで着地をしております。
1. 連結決算概要②
7ページ目、営業利益の推移です。 売上高が下がっても、利益が上がったというところで、マージンは久しぶりに15パーセントを超えてくるかたちになっております。
1. 連結決算概要③
8ページ目、営業利益の分析です。
第2四半期の実績から第3四半期の実績に、どう変化したのか。(スライドのグラフを)左から右にまいりますけれども、売上高の減少は16億円弱ございましたが、支払い手数料、レベニューシェア等の減少と、広告宣伝費の減少を合わせて変動費はほぼ売上高の減少と同じぐらい減りました。固定費が減った分は5億円ほどございまして、この固定費の減少分がほぼすべて営業利益の増加につながっているかたちの構成になっております。
1. 連結決算概要④
9ページ目、費用構成です。3点ご説明させていただきます。
まず最初に広告宣伝費は新しくリリースしたタイトル等も、期末だったりというところがあり、そまた効率的な運用を心がけてまいりましたので、(宣伝広告費は)大きく減少いたしました。
2つ目、支払い手数料につきましては、売上が減少したところで大きく減少になっております。
3つ目、いちばん下の「その他」のところです。外注費等が減少したところで10パーセントほど減少しました。
この3点の結果、費用が合計で20億円の減少になりまして、151億円になっております。
1. 連結決算概要⑤
冒頭にも申し上げましたけれども、業績予想のところ、10ページ目です。トップラインは今回終わった第3四半期よりも微増の185億円と予想させていただいてます。こちらにつきましては、今までと予想の仕方を変えておりません。足元で既存のタイトルにつきましては、トレンドラインをベースにしております。
これからの後半でも個別にご説明いたしますけれども、海外展開が始まったところは、今のトレンドをちゃんと入れ込んでおります。直近リリースしたタイトルについては、足元の本当に何日しか経ってないところもございますけれども、今のトレンドをなるべく保守的に見積もるということで、その3つの折り込みを混ぜて、今185億円で予想させていただいております。
利益は、一部広告宣伝費等はこの四半期は積極的に扱っていきたいと考えておりまして、この運営強化が第3四半期からずれてしまったものなども、しっかりやっていきたいところはございます。メディアでも一部広告宣伝費をまた使い始めるところがございますので少し増えるというところで、売上高増加しますけれども、利益は微減で予想しております。
事業概要はまた田中からご説明します。
2. 事業概要:サマリー
田中:事業概要についてご説明します。 第3四半期は、引き続き事業の成長戦略としてどの事業分野にフォーカスするかを考えておりましたけれども、ライブエンターテインメントに参入すると決めて進めておりました。
モバイルゲームは、エンジン、IP、グローバルとやっておりますけども、海外版のリリースも好調ですし、国内版のリリースも好調で、いくつものタイトルが成功しつつあると思っています。また後ほどご説明しますけども、既存のタイトルについても成長を軌道にのせていくところが見えてきました。
コンソール等は、先日発表させていただいた『アナザーエデン』をコンソール向けに向けに作ろうというところも考えて進めておりました。
広告・メディアは、引き続き順調にメディアとして拡大し、それにともなった収益化が進んでいるところでございます。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 モバイル①
具体的なところ、まずモバイルゲームでございます。
こちらは第3四半期は下がっているんですけれども、リリースしたタイトルが、3月の後半にかけて伸びていまして、第4四半期から寄与するかたちになっております。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 モバイル②
パイプラインです。
(スライドを指しながら)こちらの通りになっておりまして、今承認されたものだけで6本ほど開発が進捗しております。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 モバイル③
従前からご説明している成長のイメージなんですけれども、まずリリース陣が盛り上がっていき、そこを経て運営を強化していこうと考えております。また海外に展開することで売上を伸ばすというのが、我々の成長戦略というか、個別プロダクトの成長等をイメージしておりました。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 モバイル④
具体的なところです。『アナザーエデン』でございます。
こちらもともと(2017年の)4月にリリースされまして、かなりいけそうだと私は考えました。そのあと人員の増強を図るんですけれども、その彼らをこのゲームの運用に適した体制にしていくというところに、数ヶ月間かけるのと、コンテンツの投入ペース、いろんなイベントであるとか続編であるとか、そういったものを内部的にリリースしていく作業というのを、徐々に体制を作っております。それが実際に定期的にリリースに入ってきたのがこちらに入ってからと、それに伴って売上が伸びていくという状況になっております。
必ずしも単純な問題ではないんですけれども、イベントの回数やコンテンツのボリュームと質とを、我々が思っているとおりにリリースすることができれば、高いポテンシャルで成長することができるということを確信したできごとでございました。この成功パターンというのをほかのコンテンツでも再現するということで、今、がんばっております。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 モバイル⑤
2つ目が海外展開で伸ばすというところです。『DanMachi』の事例です。
こちら(2018年)4月の初め、というか3月の終わりに北米版がリリースされました。直近、日本版を上回るような売上が立ち始めてまして、ゲームやっていただければわかるんですけれども、一見、とくに日本のユーザー向けに作られているようなんですけれども、基本的には言語を翻訳して出せば北米でも売れるというところが証明されたと思っています。
あくまで今回、北米版のみのリリースというかたちになってまして、今、アジア地域および欧州地域でのリリースの準備を進めております。市場の大きさから考えた時には日本、北米に引き続いて、欧州とアジアがさらに上積みされるということがありますので、我々としては、こういうかたちでできるという実例を作りたいと思っております。
ここでかたちができれば、日本でリリースして売り上がったものが、海外で何倍も売れるということが、我々なりに手ごたえが掴めます。今後も『DanMachi』は北米に引き続きましてアジア、欧州でもリリースしていきますけれども、『DanMachi』以外のさまざまなコンテンツについてもグローバル化するということで戦略を立てておりますので、結果につながると思っております。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 モバイル⑥
実際のゲームの中身なんですけれども、『アナザーエデン』のほうは、先ほどご説明したとおり、定期的なアップデートを実施しております。『DanMachi』につきましてもアップデートのほうを実施しておりまして、バージョンアップをしているというところでございます。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 モバイル⑦
『SINoALICE』なんですけれども、こちら(2018年)3月にコラボイベントを行いまして非常に好調でございました。『シンフォギア』はライブ等のイベントというのをやってまして、こちらも好調になっております。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 モバイル⑧
新しいタイトルです。
1つ目が(2018年)3月27にリリースの『NEWSに恋して』は、ジャニーズさんとの共同の事業のようなゲームになっておりまして、NEWSの方々と恋愛ができるというようなシミュレーションゲームになっております。ユーザーのレビューも好調で、セールス面も直近で17位というところまで上がっておりました。
ゲームをやっていただけるとわかると思うんですけれども、シナリオを追加していけば追加するだけ、当然そのシナリオがおもしろければという前提がありますけれども、より継続的に使っていただけるようなサービスのゲームデザインになっております。あとは定期的にコンテンツを追加していけば高いところで売上になると考えております。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 モバイル⑨
次に(2018年)4月24日、最近ですけれども、『ラブライブ!』の新作の『ぷちぐるラブライブ!』というゲームを、サンライズさんとの協力によりリリースしております。
こちらもユーザーレビューが好調というところと、セールスランキングが、まだ始まったばかりではありますが30位程度となっております。こちらも我々としてはいけるという感覚を掴みつつありますので、さらに体制を強化して、イベントのペースを増やして売上の維持を狙うことが、直近の目標となっております。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 コンソール等①
さらにモバイルでは運営を強化していって、海外でさらに伸ばすという方程式をやっと推し進めることができてきましたけれども、これに加えてコンソールゲームに力を入れるということを、引き続き続けております。
以前『釣り★スタ』のニンテンドースイッチ版を発売することを発表させていただきましたけれども、次は『アナザーエデン』についてコンソール版を作っていくということを社内的に決めております。こちらも全世界で早く大規模にリリースしたいと思ってますので、今、検討を細かく進めております。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 コンソール等②
VR関連ですけれども、イオンファンタジーさんの施設の中でVRのゲームを楽しめる筐体を一緒に作っておりまして、こちらも無事に遊ばれているというような状況になっています。VRの、ゲーム以外の利用というところでは、採用活動への展開も進めておりました。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 ライブ等①
大型のトピックスとしては、ライブエンターテイメント事業へ参入していくということを進めたいと思ってます。
ご存知の方多いと思いますけれども、昨今、バーチャルユーチューバーというかたちで非常に流行り始めている、新しいかたちのYouTuberがありまして、我々としてはこのバーチャルユーチューバーとライブエンターテイメントをかけ合わせたようなところには非常にビジネスチャンスがあるということを思ってまして、これを大規模に事業化しようということを決めております。
事業化は3つ考えておりまして、1つ目はプロダクション事業というところでございますけれども、さまざまなVチューバーの発掘・育成、マネジメント、また番組を作るというところをやってまいります。またVチューバー関連のテクノロジー、キャプチャーの仕組みであるとか専用のスタジオを作るであるとか、そういったことにも参入してまいります。
またこういったVチューバーをキャラクターとしたさまざまなグッズ展開、ゲーム化であるとかにも参入していきたいと思っておりまして、このプロダクション、配信、IP展開という3つの基軸で大きな事業にしたいと思っております。
2. 事業概要:ゲーム・エンタメ事業 ライブ等②
最近そういったVチューバー関連ベンチャーみたいなものがあるとは思うんですけれども、大規模に関連事業をやれるのは我々ならではの強みかなと思っております。
1つ目が、Vチューバーを作っていくところもしくは運用していくところというところでは、まず技術力という意味で、実際に3D表現を魅力的に見せるというところがあるんですけれども、これには、我々がずっとやってきているVRであるとか、ゲームのノウハウが活きると非常に思ってます。
2つ目が、そのキャラクターをずっと継続的に運営するという部分です。こちらにつきましても、我々がずっとゲーム、VRで、そういったビジネスをずっと運営するというところでやってきましたので、そういったサービスを運営する力というようなのも高いものがあると思ってます。
3つ目がまた重要なんですけれども、今、Vチューバー関連事業に、さまざまな有力なIPを持っている方やIPOを作り得る方々が興味を持たれています。しかし、なかなか組みスジがないというところがございまして、そこを我々がサポートしていってビジネスにするといったところです。ゲームビジネスで、さまざまな版権権者の方々と一緒にビジネスを作ってきましたので、我々の強さが活きるかと思ってます。
我々の、もともと持っていたノウハウの蓄積と共に、現在の資金力、収益力をかけ合わせて、大規模に高いレベルでやれば、このビジネスは非常に大きなものになると確信して進めております。
2. 事業概要:広告・メディア事業
最後、メディア事業です。
まずはメディアを大きくしないことには始まらなので、引き続きメディア規模は大きくなっている状況でございます。直近も『aumo』という旅行のアプリがあるんですけれども、iOS、Android両方とも旅行のジャンルで1位に近いランキングになっておりまして、いろんなジャンルでバーティカルなメディアを作っていくことも、今四半期も着々と進んだと思っております。
(スライド右に記載のある)クライアントさんの拡大については、メディアの成長に伴っていかに収益化するのかというところがテーマなわけです。スライドが記載されている会社さんは1例ですけれども、さまざまなクライアントさんに広告として利用していただけるような状態が広がっており、こちら順調に進んでおります。
説明は以上になります。