第19期の総括
長谷川和夫氏:平成30年2月期決算説明を、みなさまにお配りの資料に基づいて、説明をいたします。
最初に、第19期の総括として、売上については、女性ファッション専門店「WHY NOT」というお店を昨年(2017年)の4月に出しました。そのWHY NOT緑店は、順調に推移をしています。
他に昨年の出店ですと、3月に工具専門店の「工具買取王国」というお店を西春という場所に出したました。10月に桑名にも工具買取王国を出しました。また、家電の売場を拡張しました。メディアでの商品の売場が縮小してきましたから、その売場を家電や、一部、場合によっては、家具なども入れて、売場を変えてきました。
その他の部門においては順調に、売上も収益も(上方に)推移をしました。(期の)前半、非常に順調にいっていましたけれども、後半以降から、既存店の主力商材であるファッション部門の数字が伸び悩みました
衣料品(の売上)が落ちた原因はいろいろあると思うんですけれども、高単価の商品の売上構成比が少し下がるようになっていて、低単価の構成比が少し上がるようになりました。その要因もあり、粗利率は前年(2017年2月期)と比べて少し向上をしたと思います。
以上の結果、当事業年度の売上は46億7,800万円、前年同期比4.7パーセント減。営業利益は1億2,700万円、前年同期比435.6パーセント増。経常利益は1億3,800万円、前年同期比322.3パーセント。当期純利益は6,900万円となりました。
第20期の課題 ①商品政策
今期20期(2018年2月期)の課題としまして、取扱商品においては、非常に優勝劣敗が起きていますから、何を進めていくのかを決めて、攻めるもの・守るもの・育てるものを明確にしていきます。
当然、売上構成比の高いファッションは、今後いろいろな仕組みをつくったり、注力する体制を作っていきますから、ファッションやホビー、および工具を攻めるものとして力を入れていきます。ブランドやトレカ、アウトレット衣料を徹底して守ります。
それから、家電や、しっかりとやれば非常に収益が出るスマートフォンは、(これまで)あまり一生懸命やっていませんでしたが、そこに仕組みを入れて、(こららの事業を)当たり前にして行っていくことによって、売上利益を拡大していきます。
全体商品の調達力を高めるために、昨年(2017年)の10月から出張買取チームを単独に作りまして、実際にお客さまのところへ行って、買取をするということを今、一生懸命やっています。
やはり、家電などの商品を中心に、買取が非常に順調に増えてきているので、それをどのように取っていくかということが、今、私どもの課題になっています。店頭だけではなくて、他の販売先も展開していかなければいけないなというところに来ています。
そして、同時に、今までは、ほとんどの仕入を店頭のお客さまからだけ、というかたちで行ってまいりましたが、それ以外に、法人買取として、企業さまから余ったものを買い取る。
また、各デパート等で衣料品を引き取って、それに対して、エコ(への貢献)というかたちで、商品券を配って買い取るということを、いくつかの企業さんがされています。
そういう商品の引き取りも、私どもでさせていただいて、より(法人買取の調達力)高めていきたいと考えています。
第20期の課題 ②店舗政策
店舗政策におきましては、以前から、一部既存店の業績の回復は見られましたが、未だに店舗格差があります。POSシステムを導入して、(業績の向上が)できていないところは、なぜできていないのか。また、(業績の)いいお店と比べて、商品の置き方がどのように違うのか、ということが、ようやく明確にわかるようになってきました。
売価在庫を並べ方によって、結果が出ているお店と、出ていないお店が明確にわかるようになりましたから、今期は、まず在庫をきちんと揃えて展示するということを、進めています。
同時に、それだけ(在庫を)揃えても結果が出ない時もありますから、ほとんどの商品は単品管理されていますから、それを見ながら、早期に商品の回転をしていくということを進めています。
なかなか(売上が)上がらない店舗に関しては、今まで、例えば7店舗、8店舗をもっていたスーパーバイザー、私どもはエリアリーダーと言っているんですが、そのような人が指導していました。それでは、なかなか集中的に業績が上げられないということで、一人当たりの持っている店舗を少なくして、集中的に短期間で数字を上げていくということをはじめました。
新店舗につきましては、「買取王国豊田248店」を豊田市に1店舗、(2018年)3月23日にオープンいたしました。加えて、今年は工具買取専門店を5店舗出していこうということで、5月に岐阜に1店舗、来月に出店をするそれ以外の店舗は、まだ契約の段階にいたっていませんので、発表はできないのですが、何店舗かが候補として挙がっていて、そこに積極的に出店していこうと考えています。
第20期の課題 ③顧客開拓政策
お客さまの開拓ということで、メール会員化や、店舗管理システムおよびSNSの活用。要するにネット上で、お客さんをお店に動員するための仕組みを作ったり、お客さまのデータベース化をして、お客さまに、よりお得な情報をしっかりと繋げていくということを、一生懸命行っています。
補足資料
補足資料として、こちらに各指標を書いていますが、数値のことですから、後ほど質問あれば質問をしていただきたいと思います。
今期(の売上高は)46億7,835万5,000円ですけれども、来期(予想)は49億5,502万8,000円です。売上高は伸びますけれども、収益的には20パーセントほど落ちるだろうなと(予想しています)。
それは、前期(2017年2月期)はあまり出店していませんから、前期と比べて出店コストが、今期はだいたい1億8,000万円くらいになってきますから、その分やはり、収益的には少し落ちると見込んでいます。
説明は以上にいたしまして、ご質問があれば、お答えしていきたいと思います。
質疑応答:メルカリの影響はあるのか?
質問者1:よろしくお願いします。2点ほどご質問をさせていただければ。
メルカリ等がC to Cを展開していて、(リユースの点で)関わりがあるかと思いますが、御社にとっての影響を、どのようにご実感されているのか、ということが1点。もう1点は、今さまざまな業態開発に取り組んでいらっしゃるかと思うのですが、どの辺りの業態にチャンスがあると感じていらっしゃるか、この2点を教えてください。
長谷川:今のご質問は、メルカリがどのような影響をするかという?
質問者1:メルカリに限らず、C to Cの影響はどうでしょうか? 現状の感触を教えていただければと。
長谷川:リユースのマーケットを見ると、全体として、はまだ成長しています。メルカリは今後も伸びていくと思いますが、よくトレジャーさんやLEOさんなど、いろいろな方とお会いして、お話を聞くんですけれども、業界としては、基本的に小売りのマーケットを、大手が今、順調に伸ばしていると。
しかし、買取が減っているわけではないと思います。ただし、メルカリが出てくることによって、今まで我々のところに売りに来ていたお客さんが、そこから違うほうへ流れるということがありますから、その意味では非常に脅威に思っています。
個人的にはメルカリ伸びると思いますが、(取引に)たいへん手間もかかって、また、ゲーム感覚で今非常に伸びているのかなという面もあると思っています。
今後、C to Cのマーケットは非常に大きくなると思いますが、私たちの事業としても、B to Cであったり、C to Bという方法もあると思いますので、それはいろいろと工夫して、考えていかなければいけないし、実験もしていこうと思っています。
ですから、ネットを考えずに、今後ビジネスが成長していくとは思えない。そのような危機感をもって、いろいろなところで実験をしていきたいなと(考えています)。
現状は、例えば、出張買取をするようになったり、宅配買取をするようになって、まだまだ商品を買い取っていく、商品を集める手段はいっぱいあります。その部分を強めていきながら、次の準備をしていかなければいけないなと感じています。
今、少し(政策を)考えていますけれども、まだ発表できる段階ではなく、まだ頭の中で考えはじめて、工夫している最中です。
ビジネスチャンスはどのようなところがあるかと思うと、やはり今まで行えていなかったこと。例えば、今回、出張買取チームをつくって、お客さんから連絡もらって買いにいくと。金額以前に「早く処分したい」「整理をしたい」というニーズが多くあって、それを精査して、出張買取という作業を簡素化することがチャンスかなと思っています。
だから、ビジネスチャンスというと、我々の今の中古の商材に限らず、(お客さまのところで)余っているものを、どのようにして簡単に現金化をして、お手伝いができるか。そのような事業をつくっていくことが大切かなと(思います)。
抽象的な回答になりましたけれども、よろしいでしょうか?
質問者1:ありがとうございます。
質疑応答:今期計画の前提について
質問者2:今期計画の前提について聞かせていただきたいと思います。既存店はだいたい売上をどれくらいで見ていらっしゃるかということ。今期の新店ですけれども、買取王国1店、工具専門店5店の計6店ということでよろしいでしょうか?
長谷川:はい、現在のところ、今言われたとおりで、買取王国1店、工具専門店5店となっています。既存店の(売上の)伸び率は昨対ベースで101パーセントです。
質問者2:(売上が)伸びるのは買取王国の既存店が回復するという想定でよろしいですか?
長谷川:はい。非常に伸びているお店と、一部極端に落ちている店があって、その落ちているところが全体を引き下げてきていますから、そこに集中的に人を動員して、(業績を)直すということを、これからはじめますので、それで問題が解決できるだろうと思っています。
質問者2:既存店(の売上高の伸び率)が昨対で101パーセントで、それに新店(の売上)が乗るという想定でよろしいわけですね。
長谷川:はい。
質問者2:買取ですけれども、実際に店舗買取が何割ぐらいで、出張買取・宅配買取・法人買取が何割ぐらいあるかを教えていただければと思います。
長谷川:店頭買取(の割合)は、元々もっと高かったんですが、今は少し低くなって、それでもも94パーセントぐらいです。法人買取や出張買取は、まだウエイトが非常に低い部分で、4〜6パーセント。これが少しずつ増えていくと考えています。
質問者2:法人買取は今期から新たにはじめられるチャレンジでよろしいでしょうか?
長谷川:いえ、違います。それは前期(2017年2月期)からも行っていますけれども、前期に効率の悪かったものはやめます。それから、例えば株式会社ワールドさんが「eco romo」というサービスで、全国のデパートでお客さんが持ってきたものを集めて、いろいろな企業に出すということを行っているのですが、その一部を私どももいただいたりしています。
加えて、メーカーさんやGMSで、衣料を扱っているところがあって、それらと提携をして、我々のところへ売りに来てもらったら、その商品をそれらの店舗で販売するという実験もはじめています。
質問者2:前期からはじめられたのを、今期からより本格的にということですか?
長谷川:そうです。ただ、全体としたらまだまだ小さいですが、今までよりも力を入れます。
質問者2:ありがとうございました。
質疑応答:広告宣伝費の数値について
質問者3:全店・既存店の前期比および店舗数ですけれども、既存店の売上が、(2017年)9月までは100パーセントを超えていますが、10月以降に急激に93パーセントというかたちで落ちていってまして、あと、販管費のうち広告宣伝費についても、前期同期比で57.5パーセントに削られているということですが、これは何か具体的な方策があって、このようになっているんでしょうか?
長谷川:今言われたのは、「広告宣伝費が前年同期比で57.5パーセントになっているのはなぜか?」という質問でよろしいでしょうか?
質問者3:はい、そうです。
長谷川:それと、前年同期比で10月から(既存店の売上が)落ちてるのはなぜかと。
質問者3:はい。
長谷川:一番大きな要因としては、衣料品の落ち込みが大きいんです。季節の変わり目のときに、ストックがある(衣類の買取がある)わけですが、そのストック、商品側の供給が少なく、店頭で思うような在庫を持っていなかったという点が(影響として)一番大きいです。
ストックしたものを早く売りすぎて、店頭(在庫)が薄くなったということがあったのと、その時期に、買取に関しての意識が非常に弱かったと思います。その意識を高めていくことに、ずっと時間がかかっていますけれども、今は少しずつ改善しています。
販管費に関して、(2018年2月期の広告宣伝費が)前年同期比57.5パーセントとなっていますが、これは宅配買取の事業を拡大するうえで、非常にお金をかけたのですが、コストだけかかって、結果が出なかったので、やり方を変えて、販促コストや物流コストなど、いろいろなコストがありますが、その見直しをして、採算の合う状況まで直しています。
ですから、規模的にそういう部分のCMは減った、前年同期比ベースで言うと、垂れ流していたものを見直して、そこからスタートするということです。
質問者3:ありがとうございます。