フリーランス1年目の過ごし方

頼藤太希氏(以下、頼藤):こんにちは。

高山一恵氏(以下、高山):こんにちは。

頼藤:ゆる~くマネーについて語るラジオ、マネラジ!

(両者拍手)

頼藤:第42回ということで、今回も前回に引き続きまして、スペシャルゲストを呼んでの特別バージョンです。

高山:楽しみ。

頼藤:株式会社Waris代表取締役・共同創業者で、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の理事を務めていらっしゃいます、田中美和さんをお迎えしての後半です。ぜひ楽しんで聞いていただければと思います。

(フリーランスの)働き始めは難しいですよね。

田中美和氏(以下、田中):そうですね。フリーランス1年目の過ごし方はけっこう、みなさん試行錯誤されてます。

頼藤:不安になるのは、「断ったら(もう依頼が)こないんじゃないか?」という。

高山:友達のフリーランスは、そういう方が多いですね。「安いなと思っても、引き受けなきゃ」とか。

田中:そういう方が多いですね。1年目はとりあえず食わず嫌いせず、いったんは(依頼を)お引き受けする。2、3年目あたりからは少しずつ調整して、ご自分の中で「こういう仕事をもっと増やしたい」「こういうクライアントさんとお仕事したい」みたいなところで、少しずつ取捨選択され始めていくのかなと思います。

高山:最初はしょうがないよね。私たちも、なんでもやったよね(笑)。

頼藤:石田純一方式みたいな(笑)。

高山:「お仕事、断りません」みたいな感じで(笑)。

一人ひとりが、能力という花を咲かせる社会に

田中:(笑)。でも本当、そうですよね。私は前職を辞めたあと、1年ちょっとフリーランスだったので。その時はやっぱり、いただくお仕事は全部基本的にオーケーする方針でやっていたので、1年目のフリーランスの方の気持ちがすごくわかるんです。

頼藤:せっかくなので、田中さんがどういうふうにして働いてきたのか……。

高山:確かに、キャリアをお聞きしたいなと。

頼藤:参考になると思いますので。

田中:ありがとうございます。高山さんがさっき(前回の放送で)「日経ウーマン時代に出会って」というお話をしてくださったんですけれども。『日経ウーマン』という雑誌の記者をしていたんです。

頼藤:新卒でですよね?

田中:はい。新卒で出版社に入りまして、日経ウーマン編集部に配属になって、来る日も来る日も、働く女性のみなさんを取材するという毎日を送っていたんです。そこで自分自身が非常に感じたのは、日本の女性たちが、とてもジレンマや葛藤とかを抱えながら働いているんだなということなんですよね。

なので、なんとかしてそういう働く女性たちに寄り添って、具体的に女性たちが生き生き働き続けられるような社会をつくる仕事がしたいなと、思うようになりました。そう思ったんですけれども、自分になにができるかその時点ではよくわからなかったので、いったん(会社を)辞めてみようと思いました。そして、まず2012年に、フリーランスのライターキャリアカウンセラーになったんです。

そのあと、女性が生き生き働き続けることを応援するようなことがしたいなと思って、いろんな方にお会いしてたんですけれども。その中で、今の会社の共同創業者たちと会いまして、2013年4月にWarisを創業したという感じですね。

頼藤:Warisの由来も、聞いていいですか?

田中:「Waris」というのはアフリカの(ソマリアの)言葉で、「砂漠に咲く花」という意味があるんです。

頼藤:おー! 素敵ですね。

高山:素敵!

田中:私たちは女性3人で共同創業しているんですけれども、最初に会社をつくろうとして、名前をなににしようか……となった時に、共同代表の河(京子氏)が「これがいいんじゃないか」ということで、教えてくれた言葉です。

まさに「人生100年時代」って、砂漠のようにいろいろな環境変化が激しいと思うんですけれども、その中で「一人ひとりが能力という花を咲かせて生きていけるような社会をつくっていきたいね」ということで、この名前をつけました。

高山:すばらしい。

頼藤:いいですね。

高山:(共同代表の)米倉(史夏)さんと河さんは、お子さんがいらっしゃるんでしたっけ?

田中:米倉は子どもが2人おります。河も実は今(2017年10月)産休中でして、再来月出産予定です。

高山:経営者の方自らが、多様な生き方や働き方を実践しているみたいな感じですかね。

田中:そういったところもけっこう共感していただけるみたいで、このあいだも河が産休に入るので、お客さまに……。

高山:見ました見ました!

田中:ありがとうございます! みなさまにご報告ということで、ご案内を出したんですけれども、けっこういろんな方から「いいですね」「がんばってくださいね」という激励の言葉をいただきました。自分たち自身も、多様なライフイベントと働くことを両立させていきたいと考えているので。

頼藤:すばらしいですね。

田中:ありがとうございます。

頼藤:どんどん大きくなって……。ついていきます(笑)。

高山:最後乗っかっちゃったね(笑)。

人生の最後は、みんなフリーランスになる?

田中:キャリアの話とお金の話って、すごくリンクしてきますもんね。

高山:うちは女性のお客さまがほとんどなので、最初はお金の相談に来ても、結局「働き方をどうしようか」って。そことセットじゃないとマネープランは立てられないと、すごく思うんですよね。

田中:わかります。本当にお金の話とキャリアの話って表裏といいますか、表裏一体ですよね。

頼藤:ですよね。あとは、長生きするようになってしまったので、昔は(定年から)10年くらいで亡くなっていたのが、30年ぐらい生きるようになっていると。そうするとやっぱり、お金を貯めておくの難しいじゃないですか、どうしても。右肩上がりに年収が上がっていくわけじゃないし、マイナス金利だし……というわけなので、働き続けるのとお金を増やす・お金自身に働いてもらうということを、やっていかないといけないのかなと思います。

田中:おっしゃるとおりですね。これからの時代は以前のように、60歳できっぱり引退・リタイアというわけにはいかないので。まさに『LIFE SHIFT』って、リンダ・グラットンさんも書かれていますけれども、おそらく我々も、70歳とか75歳ぐらいまでは働かないといけないと思います。

そうすると週5のフルタイム・フルコミットでその年齢まで(働く)というのは、なかなか難しくなってくると思います。私、人生の最後は、みんなフリーランスなんじゃないかなと思うんですよね。最後は個人事業主というか。ますます個人事業主・フリーランスというのは、身近になってくる時代なのかなと思います。

高山:そうですね。40歳とかになると、本当に体力がガクッと落ちてきて。私も31歳で起業したんですけれども、「あの頃のパワーはどこへいったの、10年前はもっとがんばれたのに」みたいなのがやっぱりあるので、働き方のコントロールは、すごい大事だなって。「長く働かなきゃいけない」と思ったら、より大事だなというのはありますよね。

田中:そうですね。やっぱりサステナブルというか、持続可能な働き方をいかに自分でつくっていくかみたいなのが、キーワードですよね。

高山:そうですね。

フリーランスと家庭のバランス

頼藤:高山さんも(お子さんを)お母さんに見てもらうことがあるんですよね。

高山:うちの母は、フル活用ですね(笑)。70歳過ぎの母をこき使いまくってます……。

頼藤:両親や祖父母に見てもらうという環境がないと、働き続けるのは難しいですよね。子育てとの両立というのが。

高山:今はそういう社会になっちゃっているような気はしますけど、そういう助けが得られない人でも、できるようになるといいなと思いますね。登録者の方を見ていて、そのあたりはどうですか? 親のサポートが受けられるか受けられないかという。

田中:そうですね。見ていると、やっぱりみなさんは多様な手段を活用しながら、乗り切ってらっしゃるという感じですね。保育園はもちろんですけれども、シッターサービスとか。働くうえでは欠かせないのが、病児保育ですね。

高山:チビの頃は本当に、しょっちゅう熱を出してね。

田中:フリーランスになりますと、納品責任と言いますか、業務を遂行することに対して責任がありますので、さすがに毎回「(子どもが)病気なので……」ということでお休みするわけにもいきません。それは、クライアントさんと調整するとか、そういった病児保育サービス等を使って、ご自身で調整をつけるとか。そういった責任は、どうしても発生してきますよね。

高山:そうですよね。

頼藤:そのあたりがこれからの課題であり、向き合っていかないといけないところですね。

田中:そうですね。働き方を変えることで、けっこうパートナーの方との話し合いも、非常に重要だなと思います。

高山:確かに、男性の協力度ね。

田中:そこもけっこう話し合われて、よりいいかたちに変えていくとか。人生のステージごとにキャリアのあり方も変わっていきますし、家庭のバランスですよね。

この時期は、どっちかが一時的にワンオペ育児になってしまうことはあるとは思うんですけれども。それがずっと続くということではなくて、バランスを家族間で取っていくことが大切なのかなと思います。

高山:確かにそうですよね。子どもが3歳未満の時期の離婚が、すごく多いんですって。そこって、子どもが一番手のかかる時期じゃないですか。そこでパートナーがどれだけ寄り添ってくれるかどうかで(離婚率が)決まるらしく、その時期までですごく高いと、友達の弁護士が言ってました。(パートナーの影響は)大きいなと思いますね。

田中:そうですね。フリーランスの方からよく聞くお悩みが、「自分がフリーランスになったことで、余計パートナーの方が育児・家事に参加しなくなってしまった」という声です。フリーランスなので、時間と場所の自由度が高いですし、おうちで作業をすることも増えますので、女性がフリーランスに移行すると、より「育児・家事ができる人」という見られ方を、家族内で……。

高山:それ、悩む方が多いかも。

田中:けっこう悩まれますね。なので、女性だけが働き方を変えるだけですと、根本的な解決にはならないので、やはりパートナーの方とよく話し合っていただくとか。「働き方改革」と言われていますけれども、社会全体で働き方を改革していかないと、なかなか根本的な解決にはならないのかなと思うんですよね。

高山:おっしゃるとおりですね。男性のみなさんも聞いてますかね?(笑)。

頼藤:聞いてますか?(笑)。なかなか大変ですね、これからを生き抜くのは。

『LIFE SHIFT』の勉強会が好評

頼藤:Warisさんでは、『LIFE SHIFT』の勉強会をやられているということで。

高山:毎回盛況みたいです。

田中:そうですね。今年(2017年)3回ほどやらせていただきました。あ、4回かな。失礼しました(笑)。まず『LIFE SHIFT』の本を読んで感じたことを互いに共有するとか、「『LIFE SHIFT』を読んで、自分はこんなことを始めてみたよ」というご自身の変化とをお互いに共有するという会をさせていただきました。すごく盛り上がりましたよ。

頼藤:楽しそうですね。これからもやるんですか?

田中:直近は、とくに予定はないんですけれども。

頼藤:でも、お知らせがありますよね。気になった方は、ぜひFacebookのページとかで……。

田中:Facebookも「Waris」でご検索いただければありますし、Twitterもやっておりますし、ホームページなどもございます。

頼藤:『LIFE SHIFT』を読んで、どんな取り組みをされていますか?

田中:私自身は『LIFE SHIFT』を読んで、まさに私たちWarisが創業の頃から取り組んできたことだなと感じて、(著者の)リンダ・グリットン先生に背中を押されたような気持ちになって、すごくうれしかったですね。

人生100年時代になると、それだけ長く働き続けなければいけないので、フェーズごとに自分自身が主導権をもって、キャリアを切り開いていくことが必要になります。そういう意味で、私たちが今行っているプロマッチング事業やワークアゲイン事業は、多様な生き方・働き方を創出する事業だと思っているので、まさに「ライフ・シフト的」かなと、勝手に自分たちでは自負しているんですけれども。

高山:職種的には、どういうのが多いんですか? プロマッチングというと。

田中:文系の総合職と言っているんですけれども、具体的に言うと広報・マーケティング・人事・経理・財務系あたりですかね。

頼藤:登録は、どうやってすればいいんですか?

田中:ご登録は、ホームページからしていただけます。

頼藤:「Warisパートナーに登録」ですか?

田中:そうですね、「Warisパートナーに登録」というところをクリックしていただければと思います。

高山:職に困ったら、ここに登録しよう。「あれ、これ見たことある人だね」みたいな(笑)。「ファイナンシャルプランナー希望」って書かなきゃ(笑)。

田中:今、平均年齢が38歳くらいの方がご登録されてますね。ちょうどご経験が重なってきて、そろそろ次のステップへ……というような方たちです。

高山:なるほど。

頼藤:リスナーで気になった方は、Warisのホームページで「サービスについて」というところに、個人向けサービスというのがあります。(「Warisパートナー」に)登録するページがございますので、そちらよりご登録いただければと思います。

というわけで、お時間もけっこうきてしまいました。田中さんはご著書もあるということで、せっかくなので宣伝も。

田中:ありがとうございます。『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』というタイトルで、本を出しております。いわゆるクリエイターではない方……先ほど言ったような広報・マーケティング・営業・企画など、そういう文系のお仕事でフリーランスになりたいと思っていらっしゃるような方の、ご参考になる情報が詰まっている1冊になりますので、よければぜひ手に取っていただけるとうれしいです。

頼藤:Amazonリンクをのちほど(動画に)貼っておきますので、そちらをクリックしていただいても大丈夫だと思います。出版社はディスカヴァー・トゥエンティワンさんで、価格は税込で1,512円でございます。

なにか、聞き逃したことはありますか?

高山:今日は本当に、いろいろ勉強になりましたね。働き続けるということがこれからのテーマなので、いろいろといいことを教えていただいたなと思います。

田中:ありがとうございます。楽しかったです。

頼藤:ありがとうございます。最後、リスナーの方にメッセージだけ、いただければと思います。

田中:本当に、人生100年時代ということで、「これからの自分のキャリアを、どんなふうに組み立てていったらいいんだろう」と不安に思っていらっしゃる方って、とても多いと思うんですよね。

1人で考えていると、なかなか道が切り開けないと思うので、そういった時に私たちWarisとしては、少しでもお力になれればと思っています。なにかご一緒できることがあれば、うれしいです。

頼藤:ありがとうございます。というわけで、お時間もきましたので、頼藤太希と。

高山:高山一恵と。

田中:田中美和が。

全員:お送りしました。またねー、See you!