Warisの田中美和氏がゲスト

頼藤太希氏(以下、頼藤):こんにちは。

高山一恵氏(以下、高山):こんにちは。

頼藤:ゆるーくマネーについて語るラジオ、マネラジ!

(一同拍手)

頼藤:第41回目の本日は、ゲストを呼んでのスペシャルバージョンということで。

高山:楽しみですね。

頼藤:本日のゲストは、株式会社Waris代表取締役・共同創業者で、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会理事を務めていらっしゃいます、田中美和さんです!

(一同拍手)

田中美和氏(以下、田中):こんにちは、よろしくお願いします。

頼藤:よろしくお願いいたします。今「人生100年時代」というのが、キーワードになっているかと思いますけれども。田中さんの会社は、100年を生きる時代の多様な生き方の支援事業をされている会社です。田中さんは、メディアにひっぱりだこなんですよね。

高山:美和ちゃんはずっと、日経ウーマンの記者をやってたんですけども。そのときに、取材でお知り合いになったんですよね。

田中:そうですね。もう何年前ですかね? 下手したら、10年ぐらい前かもしれません。7、8年前とか?

高山:そうですよね、それぐらいのときですよね。そこでお世話になって仲良くなったんですけど、あれよあれよという間に会社を立ち上げてから、どんどんご活躍に。

頼藤:ひっぱりだこでね。

高山:すごいなと思って。

田中:いやいや、本当にありがとうございます。

頼藤:では、自己紹介をお願いします。

田中:はい、ありがとうございます。今ご紹介いただいたんですけれども、Warisという会社を共同で経営しております、田中と申します。

私たちWarisは、2013年の4月に立ち上げたばかりのベンチャー企業です。何をやっている会社かというと、多様な生き方・働き方を応援する、作っていくというような事業をやっています。具体的には、今大きく2つのことに取り組んでいます。1つがプロマッチング事業というもので、2つ目がWarisワークアゲイン事業というものなんですよね。

頼藤:プロマッチングとワークアゲインですね。プロマッチング事業というのは、外部のプロ……?

田中:そうですね。この2つのサービスは、少しずつ対象が異なるんです。プロマッチング事業は、総合職経験10年以上ぐらいの広報・人事・マーケティングのスペシャリストの女性たちに、社員ではなくフリーランスというかたちで働くお仕事をご紹介しています。

フリーランスなので時間や場所にとらわれにくく、専門性を活かしていただけるようなプロジェクトを中心にご紹介をしています。

もう1つのWarisワークアゲイン事業は、これは現在離職中の女性たちの、復職支援事業になっています。昔は総合職としてバリバリやってたんだけれども、育児とか介護が理由で5年や10年ぐらい、お仕事から離れてしまったというような女性たちですね。

そういう女性たちに対して、復職のためのカウンセリングや、あるいはインターンというかたちで企業さまとお引き合わせして、よければご採用いただくという事業を行っています。

一見すると(この2つは)ちょっと異なる事業なんですけれども、2つを通じて人生100年時代の多様な生き方・働き方を応援していくという思いで、今こういったサービスをやっています。

高山:すばらしい。

頼藤:今、何名ぐらい登録されていらっしゃるんですか?

田中:そうですね。ご登録者さまは、今4,000名以上です。

頼藤:4,000名! すごいですね。

田中:そうですね。企業さまも、今1,300社ほどお付き合いさせていただいているんですけれども。

高山:やっぱり、ベンチャー企業が多いんですか?

田中:そうですね、7割ぐらいが中小ベンチャー企業さまですね。

高山:やっぱり、即戦力を求めている会社が多いんですかね? 中小ベンチャーとかだと。

田中:おっしゃるとおりですね。中小ベンチャー企業さまですと、やっぱりこの時代の変化に合わせて、いろいろと新しい試みをやっていきたいんだけれども、なかなかそういった専門性の高い人材が社内にいないとか、採用しようとしてもなかなか採用できないとか。

あるいは、そういったことができる方にスピーディに来ていただきたいというニーズがあります。そうすると、社員の方を採用するよりも、外部のプロ・フリーランスの方に3ヶ月や半年とかで関わっていただくほうが、よりスピード感を持って対処できると考えられていますね。

頼藤:フリーランスだと、個人が弱いじゃないですか。でも、Warisみたいな会社があることで、後ろ盾があってちゃんと交渉もできるということで。

田中:そうですね。実際に、ご登録者さまのうち1割から2割弱ぐらいが、すでにフリーランスでご活躍中の方たちです。やっぱり、ご自分だけではなかなか到達できない多様なクライアントさまと出会う場として、Warisを使っていただいています。

あとは、私どもが間に入ることで、今おっしゃったような報酬面や諸条件に関して……交渉と言いますか、企業さまとより対等な立場でお取引ができるということもあって、ご登録いただいていますね。

頼藤:すばらしいですよね。

高山:やっぱり女性は、結婚・出産や親の介護とかで、いろいろ役割とかも変わってくると思うし、ずっと働きたいと思っても働ききれないとか、いろいろあるので。柔軟な働き方の場を提供しているのは、すごいなと思いますよね。

田中:そうですね。ありがとうございます。

フリーランスは1,120万人を超えている

頼藤:フリーランスという働き方も、最近の働き方ですよね? 昔から、あったとは思うんですけど。

田中:そうですね。最近、とくに数が増えていますね。ランサーズさんという会社がやられている調査によると、すでに1,120万人以上ですかね。明らかに右肩上がりで増えているというデータが出てるんですよね。

頼藤:これからは、フリーランスが大多数を占めるかもしれないですよね? 可能性としては。

田中:そうですね。実際、昨年(2016年)厚生労働省さんが、8月に「働き方の未来2035」というレポートを出されているんです。未来予測のレポートなんですけれども、「今後は、正社員という働き方が変化していかざるをえないだろう」ということが書いてあります。よりプロジェクト型の働き方ですね。

高山:なるほど。

田中:人が、企業・組織の内外を行き来するような、そういう働き方が今後、より増えていく・主流になっていくんじゃないかという未来予測が展開されています。すごく今ならではというか、隔世の感がありますよね。

頼藤:そうなってくると、社会保障制度とか気になってきますよね? 正社員だと、守られてるじゃないですか。健康保険や厚生年金保険とか。そういったところは最近、「国内初のフリーランス賠償責任保証付きベネフィットプラン」とか……。

田中:はい、ありがとうございます。そうですね、私が理事をさせていただいています、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会という団体がありますね。そちらで、フリーランスのみなさまにということで、ベネフィットプラン……福利厚生プランですね。こちらをご用意しているんです。

その中で、フリーランスのもしも・さまざまなトラブルに備えるための損害賠償責任保険を(提供しています)。これは、日本初の内容になるんですけれども。

頼藤:すごいですね。

田中:大手損害保険会社さまと共同開発させていただいて、ご提供しているんですよね。やっぱりフリーランスの方も、自分の身は自分で守る。自分の身もそうですし、自分のクライアントさまのことも考えながら守っていくという、1つの手段なのかなと思います。

高山:例えば、どんなことが補償されるんですか? その保険というのは。

田中:そうですね、ありがとうございます。ベネフィットプランの中には、いろいろなベネフィットをご用意しているんですけれども。中でも大きいのは、先ほどお話ししました、損害賠償責任保険です。

これは1万円の年会費をお支払いいただくと、自動付帯で付いてくる内容になります。フリーランスとしてお仕事をされた場合の、例えば納期の遅延とかですね。あとは、ご自身が意図したものではないかもしれないんですけれども、著作権侵害をしてしまったとかですね。

高山:ありがちかも。

田中:そういうような、業務を通じて損害を与えてしまったことに対して、お話し合いだけでは終わらずに訴えられてしまったとか、損害賠償請求されてしまったというときに、その損失を補償する内容になっています。

もちろん、業務遂行中にどなたか傷つけてしまったとか、物を壊してしまったとか、そういう対人・対物の損害はもちろん補償するんですけれども。それだけではなくて、いわゆる業務にまつわるさまざまな損害もカバーするというところが、新しさなんです。

高山:そうですね。なかなかないよね。

田中:そうですね。

頼藤:全額ですか? どれぐらい補償されるんですか?

田中:そうですね、その内容にもよってくるんですけれども(笑)。

頼藤:なるほど。たしかに、よくありますもんね。ライティングしている人は、業務委託契約書に書いてありますもんね。

高山:著作権はね。

田中:そうですね。あと保険と、福利厚生もいろいろご用意しています。例えばフリーランスの方って、会社員の方と違って、なかなか健康診断とかに行っていない方が多いと思うんですけども。

高山:たしかに、行ってない(フリーランスの)友達多い!

田中:例えば人間ドックなどが、少し優待価格で受けられるとか。あと、簡単なキットで血液を採取していただくことで、ご自宅にいながらご自身の疾患がわかるようなものも、ご提供してますね。

それも一般的にご購入いただくよりも、フリーランス協会の会員であれば優待価格でお使いいただけます。ぜひ健康維持という意味でも、そういったところも意識していただくといいのかなと思います。

頼藤:すごいですよね。100年を生きるためには、長く働き続けることが重要になってくるじゃないですか。そのためには、健康が大事ですもんね。

高山:大事ですね。

田中:そうですね。

頼藤:(リンダ・グラットン氏の)『LIFE SHIFT』にも書いてますからね。

フリーランスにとって「幸せ」とは

高山:まあね(笑)。それに加えて最近思うのが、私の周りにママ友とか多いんですけど、「フリーランスになった方が、子育てとの両立もできるかな?」「フリーランスになろうかな」と言ってる人がいるんです。ただ、周りを見ていて、フリーランスでずっと活躍し続けるというのも、それなりの技術が必要なのかなという思いがあるんですけど。

じゃあ、フリーランスで活躍し続けるのって、けっこう難しいのかなと思っちゃうんですけど……どういう人だったらフリーランスでずっと活躍し続けられるかというのを、教えていただきたいなと。

田中:そうですね。「活躍」の定義って、いろいろあると思うんですけれども、やっぱり最終的には、みなさん幸せになりたいじゃないですか? 「幸せに生きたい」「働きたい」という欲求って、強いと思うんですね。そういう意味で、私どものWarisで今年(2017年)、アンケート調査をしたんです。

非常に幸福度が高く、幸せに活躍されているフリーランスの方と、幸福度が低い方とを分けている要素ですね。何が分けているのかというところで、非常に興味深かったのは、実は稼働時間の長さ・短さや、得ている報酬が高い・低いこととの関連性は、そこまで見られなかったんですよ。相関関係がなかったんです。

高山:意外かも。

田中:つまり、非常に報酬を稼いでらっしゃっても幸福度が低い方は、やっぱりおられるんですよね。むしろ相関関係が強いと見られたのは、「今の自分が、なりたかった自分かどうか」というポイントなんですね。

高山:おお、すごくいいこと言う(笑)。まさに。

田中:そうなんです。なので、私たちも調査していてビックリしたんですけど。なんとなくフリーランスになるのではなくて、フリーランスになることで、ご自身が何を手にしたいのか。優先順位やビジョンが明確な方のほうが、フリーランスとして幸せに活躍できるのかなと思ってます。

「ビジョン」と言うと、「すごく難しそう」「私、ビジョンなんてないです」とおっしゃる方がいるんですけれども、ぜんぜん難しいことでなくてもいいんです。「フリーランスになって時間の自由度を高めて、毎日夕飯を子どもと一緒に食べたいな」「家族で夕食の席を囲みたいな」とか、そういうことでもいいんです。そういうイメージをクリアに持っていただくことが、とても重要なのかなと思っています。

もちろん、フリーランスとして活躍するにあたっての専門性や知識は大前提になるんですけれども。それだけではなくて、そういうマインドの部分も非常に重要なんだなと、改めて感じています。

高山:なるほど。確かに、いっぱい稼いでいても幸せじゃないと言う人もいるし。

田中:そうですね。フリーランスってどうしても、ハードな働き方……「ハード」というのは時間の長さではなくて、精神面で独立して、ご自身でやっていかないといけませんので、かなりタフさが求められるのは事実です。やはり、なんとなく(フリーランスに)なってしまうと、「こんなはずじゃなかったのにな」と思われる方も中には、おられますね。

高山:そうですよね。やっぱり、向き不向きみたいなのがあるのかな。

先が見えないことにワクワクできるか?

田中:あると思います。向き不向きで言うと、けっこう自立性が求められるんですよね。ご自分で判断して業務を進める力が求められますし。例えばタイムマネージメントも、ご自分で判断してスケジュールを組み立てていかなきゃいけないので。自立して進めるとか、セルフマネージメントが得意な方には、向いてるかなとは思います。

あとは、フリーランスというと、一匹狼でやってらっしゃるイメージを持たれている方が多いんですけど。実はフリーランスになればなるほど、より多様な方たちとのコミュニケーションとか巻き込み力が求められるので。けっこうコミュニケーション能力が問われますので、そこにすごくストレスを感じやすい方だと、なかなか難しいなと思われるかもしれません。

あとは、楽観性も重要かなと思います。先が見えないのがフリーランスです。ただ、それは良さでもあるんです。「来月とか来年、誰とどんな仕事をしているか」って、決まっているわけではなく、全部ご自分で決めることなので、そこにワクワクできるかどうかも、大きな要素かなと思います。

頼藤:楽観性、すごく重要ですよね。

高山:報酬が約束されてないからこそ、それを前向きにワクワクできるか。

頼藤:毎日の時間の使い方、(今では)わかるんですけど……僕も最初起業しているので。最初って、仕事がなくて不安じゃないですか。「(今この仕事を)断ったら、次はもらえないかもしれない」となると、必然的に働く時間が増えちゃうので、働き始めは難しいですね。

田中:そうですね。やっぱりフリーランス1年目の過ごし方は、けっこうみなさん試行錯誤されてますね。

頼藤:そうですよね。そういったときにWarisがあると、本当にありがたいですよね。

田中:そうですね(笑)。いろいろ、ご相談に乗らせていただいています。

頼藤:ということで、(今回の放送では田中さんのお話の)前半をお聞きいただきましたけど、どうでしたか?

高山:本当に、人生100年時代を迎えて、いろいろ働き方を考えなきゃいけないと思うんですけど……すごく勉強になりました。

頼藤:そうですね。田中さんはご著書もありまして、『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』ですね。ディスカヴァー・トゥエンティワンから出ておりますけども。

高山:これ、実は私も読んだことがあるんですよ。フリーランスで活躍するためのノウハウがいっぱい詰まっていて、すごく勉強になる本なので、これからフリーランスのことを考えている方には、ぜひ読んでいただきたい本です。

頼藤:フリーランスは、クリエイティブやITとかだけじゃなくて、営業・人事・企画・広報としてのフリーランスの生き方もあるよという本なので、興味を持った方は、ぜひ買っていただければと思います。本当に、田中さんの声に癒されましたね。

高山:本当、アナウンサーかと思った。上手でした。

頼藤:では、ここでお知らせをしたいと思います。実は、新刊が出まして。

(一同拍手)

頼藤:今回僕たちは、著者じゃなくて監修なんですけども。僕と高山さんで出しました。タイトルは、『1000円から増やす積み立て投資術』

(一同拍手)

高山:サブキャッチは、「ほったらかしでもお金が倍になる!」という。

頼藤:standardsさんから出していただきまして、定価は1,200円ですね。これから「つみたてNISA」も始まります。「初心者が始めるんだったら、株式投資などの一括投資じゃなくて、積み立てて投資していこう」という流れに、ますますなっているんですけれども。それを先取りして出したという本です。どうですか?

高山:やっぱり、一般の方がコツコツお金を貯めるには、積立投資が一番かなというのは実感しますね。多くのお客さまを見させていただいていても、それで成果を出している人は多いなと思いますね。

頼藤:今や、積み立ては投資信託だったら100円からできますので。正直、ずっと100円でやってても、そんなにお金が貯まるわけじゃないんですけれども。

高山:それは、正直ね(笑)。

頼藤:ただ、投資を始めるきっかけとしてはいいんですよ。100円とか1,000円とか3,000円とか。(横山光昭氏の)『3000円投資生活』というものもありますけども。なので、そこをきっかけに投資とちょっと向き合っていただいて、そのあと慣れてきたら金額を増やすという方法を、ぜひ試していただければ……という話を書いております。

収録している内容は、NISA・つみたてNISA・iDeCo。こちらもバシッと解説していますので、よろしければぜひお買い求めいただければと思います。

高山:よろしくお願いします。

頼藤:よろしくお願いします。お時間がきてしまったということで、頼藤太希と。

高山:高山一恵が。

頼藤・高山:お送りしました。またねー、See you!