2018年3月期 第2四半期中間決算トピックス①
井岡周久氏:それでは、決算報告を説明させていただきたいと思います。
こちらは、第2四半期の中間決算のハイライトでございます。売上高に関しましては、対前年同期比で30.4パーセントの増収です。
以下の各段階利益につきましても、ご覧いただいているような内容でございます。外部環境が非常にいい中で、昨年(2016年)から続けておりますPAC16と、今期のPAC17。細かい積み重ねですが、こういったところの社内の努力が奏功しまして、このようなかたちになっております。
セグメントの状況に関しましても、地域別ではこちらに記載させていただいている通りでございます。
2018年3月期 第2四半期中間決算トピックス②
こちらも、セグメント別のトピックスでございます。ライン品・補給品は、建機の部分です。それから、プロセス・産業とセールス。こういったところのセグメントに関しましても、ここに記載させていただいている通りでございます。建機を中心にしたところは、新車向けのライン売上・補給品の売上。
これは、中国を中心にした成長ドライバーのところで、旺盛な需要がございます。こういったところが、売上の増収につながっております。
プロセス・産業のハイライトです。例えば、プロセスに関しましては、国内外の液晶フィルタの売上の増加がありました。産業用のフィルタの売上につきましては、新幹線のコンプレッサ(の需要がありました)。こういった需要等がございまして、それぞれ、対前年同期間比で増えております。セールスのセグメントとしましては、昨年と比べまして、すべてが増収ということになっております。
為替等に関しましては、後ほど説明させていただきたいと思います。
2018年3月第2四半期決算ハイライト
第2四半期の振り返りです。当社決算の特徴・P/L分析となっております。こちらにつきましては、詳細の説明は省略させていただきます。いずれにしても、外部環境および社内の利益体質の強化・取り組み。こういったものが、うまく相乗効果を表しまして、非常に良い決算となっております。
こちらに関しましては、第1四半期のところから始めているのですけれども、第2四半期で改めました。経営の質(を重視します)。これから中期的なところで、今は600億円の時価総額を1,000億円、さらにはその先というようなところで、大きな成長フェーズに入ってきております。
売上の拡大と同時に、経営の質を重視するというところで、会社としては、いわゆる「EVA」。Economic Value Addedについて、ヤマシン流に造語を考えました。
「Maximizing Added Value of Yamashin Filter Spread」です。規模の拡大を合わせまして、質の向上を見える化する指標を作っております。
MAVY’s ~企業価値向上に向けた取組~
これを踏まえまして、当社としては、大きく3つのポイントがございます。今後第3四半期以降、改めまして説明資料をブラッシュアップしていきたいと思っております。ポイントになりますのが、Key Goal Indicator、KGI。Key Performance Indicator、KPI。それから、Key Success Factor、KSF。
この3つを軸に置きながら、定性・定量的なところの資料の説明。こういったものを、さらに深掘りをしながら作っていきたいと思っております。
ポイントになるのは、この中の「MAVY’s」です。このポイントになる、ROIC・WACC。また、以前から開示させていただいております、ROEやROA。
このあたりも、今回は昨年の実績と今期の実績を記載させていただいております。ターゲットについても、今後は収益性・投資の効率性の分析を改めて、説明資料の中にわかりやすく盛り込んでいければと思っております。
今後、このMAVY’sのツリーを積極的に活用しながら、市場と対話していきたいと思っております。
2018年3月期 2Q決算サマリー(前期比) -QTD-
第2四半期につきまして、決算の数字を説明させていただきたいと思います。
こちらは、見ていただいた通りでございます。昨年の第2四半期の比較でいきますと、外部環境は大きく変わっております。そういったところで、トップラインも昨年の同期間に比べて、大きく伸びております。
また、段階利益も売上が伸びていると同時に、PAC17の取り組みが奏功して、このような結果になっております。
売上高の増減要因(前年比較) -QTD-
次のページが、売上と営業利益の階段グラフになっております。
売上高に関しましては、昨年の第2四半期以降、引き続き堅調です。とりわけ今年は、第1四半期からより明確になってきておりますけれど、新車の販売台数が非常に増えております。
あわせまして、建機の稼働時間が非常に堅調なところで推移しておりますので、補給品が売上としても、非常に安定的に伸びております。新車に関しましては、中国を市場ドライバーにしながら、私どもの主要得意先6社が非常に良い状態でございます。これが第2四半期の昨年との比較の中で、大きな特徴でございます。
営業利益の前期比較による増減要因 -QTD-
営業利益でございます。ここに関しましては、例えば、為替による影響等が出ています。実績からしますと、営業利益に関しましては、売上高に伴う増加が非常に大きいです。
それから、PAC17です。これは販管費・原価あたりのプラス要因です。さらには、為替による影響が出ております。
為替に関しましては、全体の7割が円取引です。残りがドル取引になるのですけれども、ドル円でいきますと、円安の方向にぶれているものですから、当社の方向としては円安にいくと、ドル仕入が増えるということです。
利益にはネガティブに出てくるということが、今までの特徴でした。一方で、ペソ仕入というものも、比較的多くございます。ペソ円に関しますと、円高という結果になります。そういう意味では、全体的にみますと、営業利益はプラスに出てきているということです。
たしかに円安ということで、売上も増収というところには貢献しておりますけれど、為替のところとしては、そのようなかたちになっております。
2018年3月期 2Q決算サマリー(前期比) -YTD-
次に、累計の比較でございます。
こちらに関しましても、大きな変化というものはございません。外部環境が非常によかったです。ラインフィルタの売上に関しては、補給品が非常にいい状態で続いております。
向こう3ヶ月のフォーキャストも、非常にいい状態でございますので、足下は非常に確かめやすいということを、私どもは感じ取っています。各社のフォーキャストに関しても、同様です。
売上高の増減要因(前年比較) -YTD-
それから、ここも先ほどの第2四半期(のグラフ)と同じように、新車の生産計画の実績が非常によく、累積台数も増えているということです。稼働時間との関係で、補給品の交換頻度・売上高が、非常にいい状態で続いております。
営業利益の前期比較による増減要因 -YTD-
営業利益です。このあたりの為替による影響は、先ほどお話しさせていただいたものです。
実績と当初の予算に関しましては、このあとの販管費も、非常に多くの人件費等を組んでいた結果、このような状態になっております。実際の第2四半期までの実績に関しましては、為替マリーの効果です。
弊社はほとんど影響がございませんが、プラスでこのような数字となっています。それから、原価ならびに販管費です。このあたりのPAC17の効果がございまして、営業利益も約10億円近い結果になっております。
2018年3月期 2Q貸借対照表
こちらは、BSでございます。ハイライトとしましては、商品・製品のインベントリが増えておりますが、これは売上が非常に増えてきている関係上、(2017年)9月末のところで、在庫の持ち高がその分多くなっているということです。
それから、無形固定資産に関しましては、主にERPの影響があります。
2018年3月期 2Qキャッシュフロー
それから、キャッシュフローです。詳細な説明は省きますが、通期で言いますと、EBITDAで20億円を超えるところまできております。こういったところは、資金の効率的な運用をさらに進めていこうと思っております。
有効な投資と同時に、株主のみなさんへの還元も踏まえながら、質の高い経営を磨いていきたいと思っております。
為替マリーの状況 -YTD-
こちらは、為替マリーです。4月から9月までの、グループでの通貨の取引の状態です。見ていただきますとおわかりのとおり、基本的に円取引です。これが、全体の約7割に近いです。ドル・ユーロ・フィリピンペソ・タイバーツ等がございますけれども、私たちが為替の影響を受けるところでは、ドルが非常に多いです。
ただ、ドルも、この半年の中で入ってくるドル・出てくるドルがあります。ほぼ、マリーができているような状態です。アウトスタンになっているのは、フィリピンペソです。
ここに関しまして、日系の企業様に対しては円取引、外資系に対してはドル取引。こういったものの通貨の切り替え等も含めて、交渉しながら進めております。
全体としましては、こちらに記載をさせていただいている通りで、1円為替が円高になった場合、(営業利益影響額は)約350万円(増益)・為替感応度は約0.4パーセントです。こちらは昨年以前よりお伝えさせていただいている通り、非常に為替の感応度が低いということです。
為替の影響はほとんど受けないような、グループ内の商流管理ができておりますので、これは下期以降にも、さらに維持強化していこうと思っております。
設備投資及び減価償却費 年度別推移
設備投資でございます。こちらに関しましては、第2四半期のところで金額を出しております。ここに関しましては、少し投資計画が遅れているのですけれども。新素材のあたりの投資が数億円単位で入ってきており、今期が投資の金額からすると、1つのピークになってきております。
ERPの投資も入ってきておりますが、来期以降はこういったものがなくなってきますので、ここが今期の特徴の1つだと思っております。
2018年3月期 通期業績予想 ~前期比較~
次に、通期の業績見通しです。売上高が125億円。営業利益が17億5,000万円です。最終利益として、11億8,000万円をみております。
ここに関しましては、営業利益を上期に比べ、下期を非常に低く保守的にみております。
販管費の中で、人の採用というところを、当初の予定よりも多めに見ております。下期で、1億2,000万円強です。
ここに関しましては、とりわけ新素材の開発に向け、R&Dに関して、広く国内の優秀な人材をハンティングしていこうという考えに基づいた予算等がございます。ここが、まず1つ大きな販管費の増加要因となっております。
下期見込まれる追加コスト
また、下期につきましては、販管費で約3億円強の追加の費用を見ております。まず、人件費です。新素材の開発要員等です。
減価償却費は、ERPが(2017年)10月から自主的なカットオーバーで始まりましたので、このあたりの費用です。それから新素材の機械の投資が第3四半期で終わりますので、こういったところを踏まえまして、上期に比べて8,000万円弱増えております。
ERPも、本社・重要子会社のCEBU・アメリカの3拠点に関しましては、10月から自主的に運用が始まっております。その都合上、ERPの導入サポート費用として、約9,000万円ほどを見込んでおります。
来年(2018年)の4月、グループ全体で残ったところを、今スケジュールどおりにトレーニングを始めております。こういったところで、サポート費用を考慮しております。
その他の2,000万円の、事業再編費用は、いろいろな新しい事業ポートフォリオをとりにいくときに必要なリサーチの費用等を含めています。
トータルで3億円強の販管費が、上期に比べて増えているというかたちになっております。
2018年3月期 通期売上高見通し
それを受けまして、売上を見ていただきます。通期では、当初110億9,000万円を見ていたのですけれども、ライン品の売上増加・補給品・プロセス・産業。このようなかたちで、通期の見通しを125億円と上方修正させていただいております。
足元の状況も、非常に堅調に推移しております。私どもはこういった数字に関しましては、必達というところで動いておりますので、期待に応えていきたいと思っております。
2018年3月期 通期営業利益見通し
営業利益も、先ほど販管費の主要なところをご確認いただいたとおりでございます。3億円強の(追加コストという)要因がなければ、本来は20億円を超える営業利益が出ているのですけれども。来期以降の非常に重要な、今後の成長の要素として、研究開発の要員を含めた人の採用が、大きいところです。
それからERPのサポートも、随時社内でオペレーションしたうえで、熟練するに従いサポートフィーも大きく低減していきます。これが来期以降、大きくあるということです。
変わらない部分というと、減価償却費。このあたりは今期から来期に、継続して発生していきます。こういった要因が、通期業績見通しの販管費の減少要因ということで、ご理解いただければと思います。
PAC17 達成率・進捗率 -連結-
28ページでございます。PAC17の取り組みです。
製造原価に関しましては、下期の(2017年)10月以降のところで、ターゲット金額が大きく増えております。私どもが使う部材のなかで、ステンレス・合板といった、非常に仕入金額の高いところの仕入業者の見直し等を進めております。品証の最終確認も終わりました。
こういったところが、下期は大きな原価低減としてPLにインパクトしてくることになりますので、原価利益率・最終的な財務指標の売上総利益率の改善も、1・2ポイント変わってくるのではないかと思っております。
販管費に関しましては、昨年(2016年)かなり(削減を)やっておりまして、今期に関しましては、比較的多く使っている通信費で、プロバイダー等の見直し・効率的な取り組みをしています。通期で、2億5,000万円のターゲットを設けております。
進捗としましては、下期に関しましても、上期同様、きちんとスケジュールどおり買い取っていくというところで進んでおります。
人件費:最適な人員構成
1億円を超える人件費で採用等を予定しているということでございますが、こちらを見ていただきますと、開発の部分が、構成比からすると19.8パーセントと、未達になっております。
ここのところに、有用な人材を積極的にヘッドハンティングをしながら入れていき、既存の技術の革新・新素材といったところを踏まえ、開発要員を積極的に増やしていこうということです。
あわせまして、コーポレートガバナンス報告書にも記載させていただいておりますが、会社としましては「ダイバーシティ」ということを掲げております。
また、グループ全体のタレントマネジメントの制度設計・そのあとのシステム設計を、来期に向けてやっていこうと思っております。
こういったところの取り組むべき課題として、一つひとつテーマを決めながら、成長のフェーズに向かって有用な基盤づくりをしていきたいと思っております。
(参考)セグメント情報(製品別)見通し
最後に、参考資料のところです。基本的に、昨年と大きな変化点はございません。セグメント別でいいますと、建機の売上がだいたい88パーセント・産業が4パーセント・プロセスが8パーセントになります。
建機用フィルタ売上のなかで、ライン品の売上は約40パーセント・補給品は60パーセントということでございます。
(参考)四半期別業績推移(地域別売上高推移)見通し
売上の地域別に関しましても、大きな変化点はありません。国内が約50パーセント・北米が17パーセント・中国が12パーセント・アジアが12パーセント・その他が9パーセント。各主要得意先別の売上構成比率も、大きな変化点はございません。
以上が、第2四半期の決算の説明となります。