第2四半期トピックス

矢田峰之氏:みなさんおはようございます、社長の矢田でございます。本日はお忙しいところお越しいただき、ありがとうございます。

さっそくではございますけれども、当社の2018年3月期中間の決算説明会ならび、今後の戦略説明というかたちでお時間を取らせていただきます。

まず、当社は2つの事業をしております。プレスリリース配信のPRの事業と、あとレンタルオフィスのサービス。トピックスとしては、売上高は過去最高でした。

あと、営業利益。利益が最大であったというよりも、正確には営業利益率がかなり伸びましたよというような、この2つが数字のトピックスでございます。その後、業績予想と配当予想を修正させていただきます。

連結業績ハイライト(2Q累計)

数字のご説明でございます。

連結のところにつきましては、売上高が13億7,200万円、経常利益が1億7,500万円。前年同期比を見ていただきますと、売上高のトップラインについては17パーセントぐらいで増収ですが、利益はまさに、営業利益のところで67パーセントと非常に利益率が向上しています。

事業のポートフォリオとしては、メイン事業は2つ。

1つ目は、ニュースワイヤー事業と銘打っております。内容としてはPR・広報、こういうマーケットに対して、プレスリリースの配信代行サービスを主としてやっております。一方、インキュベーション事業につきましては、いわゆるレンタルオフィスのサービスを提供しております。

トップラインのポートフォリオとしては、(資料を)ご覧のとおり、(売上高は)ニュースワイヤー事業が6億6,900万円、インキュベーション事業が5億8,700万円になります。両者とも前年比で成長率が(ニュースワイヤー事業が)17パーセント、(インキュベーション事業が)18パーセントと、ポートフォリオのウェイト自体は変わっておりません。

また、それぞれの事業の主要なKPIと、我々が現場で追っている数字のご説明でございます。こちらの資料には、メインになっているところをピックアップして表示しております。

(まず、ニュースワイヤー事業の)プレスリリースの配信数については、(前年同期比で)12パーセントぐらい増。将来のプレスリリースの分をボリュームディスカウントして、「何枚か先に買ってくださいよ」というような営業展開をしている背景があります。お客さまに対しての、プレスリリースの配信です。

ここでは、当社はオリジナルで「チケット」と言ってますけど、このチケットを複数枚買っていただいていると(いうことです)。そのうち、使ってくれた分は売上高に計上しますけれども、使っていない分は会計上は売上高ではなく、預り負債になっています。

我々としては、使ってないものがどのぐらいあるかというものは、(チケットには)1年間の有効期限がありますので、将来1年間に必ず売上に上がる枚数というのを、カウントしています。

当社の組織的な営業現場におきまして、実は営業行為というのは、チケットを将来のものを提案して売り、チケット未使用残高というものを増やしていきます。

なので、こちらの資料を見ていただくと、9,122件のプレスリリース配信がありまして、この段階で8,523枚、使っていないものが我々にあるということです。これはおおむねですけれども、「半年分ぐらいの売上高はすでに確保していますよ」という見方になろうかと思っております。

もう1件、クリッピングのサービスもしております。基本的には、プレスリリースをして、より多くPRのお手伝いをさせていただき、それが新聞・テレビ・雑誌等、いろいろなメディア。こういうものに掲載されたあとの、掲載調査をしております。

掲載調査の結果的には、納品物です。「ここに載ってましたよ」というかたちでクリップして、納品するというサービスでございます。

こちらにつきまして、どのぐらいのクリッピングの案件のオファーがあったのかというと、案件数が5,755件。(前年同期比では)12パーセントぐらい上がっています。

したがいまして、(後ほど)部門別の説明をするときにグラフで表示しますけれども、基本的には業績としては好調で、かつ将来先行指標となる未使用残高というものも、それなりに補充できています。

一方、インキュベーション事業のレンタルオフィスサービスに関しましては、非常に明確です。何席が稼働しているかについて、カウントをとっております。

ご覧のとおり、前年同期比を国内と海外で分けてますけれども、現時点(2018年3月期上期)において伸びているのは、国内でございます。ここの「海外」というものは、実は複数の国をまとめて表示しています。ただ、複数の国をまとめても、席の全体のボリュームでいきますと、現時点では国内の方がボリュームは大きいです。

売上高(Q推移)

(売上高の)トップラインをクォーター単位で見ていただきますと、このグラフのようになります。第2四半期のクォーター単体のところを、色付きで表示しています。基本的には大きな増減というものがとくになく、美しい右肩上がりになっています。ビジネスとして、我々としてはストック性を極めて追求しているので、それが非常に絵になっています。

(2015年3月期から2018年3月期までの)3ヶ年半をここに記載していますけれども、(さらに)遡って過去5年6年を見ても、おおむねこのようなかたちをとっています。こちら(赤い吹き出し)には「過去最高」と書いてますけれども、基本的に毎回過去最高になるに決まっていて、社内の調整ができています。

販管費率と営業利益率(Q推移)

一方、販管費率と営業利益率でございます。

今回に関しましては、ちょうど販管費率の抑制というところでした。基本的には売上高が上がると、なんらかの人力の作業が当然社内にあります。こちらを、この半年強、AI技術を使ったものを自社開発しました。作業効率を上げるというものを、自社開発で導入いたしました。

結果的に売上が上がっても、人の補充と言いますか、そういうものを必要としませんでした。あとは、胸を張って言う話ではありませんけれども、ある程度の自然退職というのも、当然会社では出てくるわけでございます。

それに対しての補充も必要なかったというところで、このちょうど第1四半期ならびに第2四半期は、人件費の増加を抑制する部分が、仕組み上できています。

したがいまして、社内の内部的には、1人あたりの生産性・売上高。こういうものが格段に上がっています。とりわけ、売上高と人の数が比較的リンクしやすい事業としましては、前述しましたニュースワイヤー事業です。

とくに、プレスリリース配信サービスです。こちらに関して投入したところ、非常に早く効果が出まして、結果的に販管費が抑制できました。もとより、抑制をする前からニュースワイヤー事業は利益率の高いものでございましたので、さらに利益率を上げることができています。

営業利益(Q推移)

こちらは、営業利益高です。利益高をクォーター単位で出しております。一目瞭然でございますけれども、直近133(1億3,300万円)となっているニュースワイヤー事業の利益額(オレンジ色の部分)が、あきらかに過去3ヶ年半と比べると、非連続的な上がりをしています。

ニュースワイヤー事業(Q推移)

ここからは、セグメント単位で細かいお話をさせていただきます。

まず、先ほど申しましたニュースワイヤー事業。左側のグラフが、売上高とセグメント利益です。売上高は棒グラフですけれども、右肩上がりで比例のようなかたちになっています。そして、折れ線グラフがセグメントの利益額のグラフでございます。

過去から比べますと、あきらかに第1四半期・第2四半期のところが非連続的にグングンと上がってきているのが、見て取れます。多少繰り返しになりますけれども、(ニュースワイヤー事業の)プレスリリースの配信サービスというのは、お客さまのプレスリリースをご入稿いただいて、機械を通して配信すること。

大きな流れでは、そういうトランザクションをしているんですけれども、その間に原稿校正をするとか、どのメディアに送るのが的確なのだろうかという判断を全部人間が丁寧にやるんだということ。これが実は、我々がやっているプレスリリースサービス「@Press」でございますけれども、それを生業にしてまいりました。

つまり、業歴で言うともう10年以上、毎日毎日プレスリリースの原稿校正を人間がして、プレスリリースの内容にマッチしたメディア宣伝も人間がするということをやってきました。これを、機械学習を含めて自動化をしたということが、1点でございます。

「(自動化したから)人間がいらないんだよ」というかたちではないです。日本語の校正・揺れのチェックは、品質をチェックするために、ある程度人間がやるようにしています。しかしながら、大幅に工数を削減した(運用効率を上げた)ということが1点でございます。

また、「AIの技術を活用するとなんでもできるか?」というと、なかなかそうもいかないのが世の常でございます。我々のチームというのは、1人でやっているわけではありません。うん十人が流れ作業のように、この担当は誰がやる、この担当は誰がやるとなっています。

しかもプレスリリースという性質上、これは非常にありがたい話で、先ほどのチケットもそうなのですけれど、同じ会社の方に何度か使っていただけるという性質があります。

だとするならば、例えば我々のソーシャルワイヤーで、「ソーシャルワイヤー株式会社代表取締役社長矢田峰之」というのも、「矢田」と「峰之」の間に半角スペースを空ける(矢田 峰之)とか、例えばこういうチェックを全部するわけですね、原稿校正というのは。

でも、1回やってしまえば、次はだいたい同じですよねという話になるわけです。1回誰かが作業したものは、クラウド技術によって2回目がもうできあがっている。(人間は)チェックだけにするとかですね。

なので、ビッグデータをもとにAI技術を活用して、クラウド技術を活用した業務システムを自社開発して導入しましたよ、というのが正確なところでございます。

(これにより)生産効率がどのくらい急激に上がったのかというと、現実問題としてはたぶん、1人あたりで2倍以上になりました。

したがいまして、このチームは「隣に座っている人が今すぐいなくなっても大丈夫」くらいの生産効率になったというのが、率直な瞬間風速的(な成長)になりました。

しかしながら、その人たちを急にレイオフさせるつもりもございません。そのリソースを別のところに向けるというかたちで、現状我々は新規の顧客開拓活動にこのリソースを向けています。

これとともに、その活動のプロセスにおいて、今までやっていなかったようなこと(にリソースを割いている)。いろんな気づきがありましたので、さらなる商品開発に躍起になっているというかたちでございます。

なので、今後このニュースワイヤー事業というのは、新規顧客を増やす活動と、新しいアイテムを(出していく活動)。「アイテム」というのは、プレスリリースのオプショナルになるような商品・サービス。もしくはちょっと別ブランド、姉妹ブランドと言いますか。別の商品・サービスをどんどん出していくというところに、リソースを傾けています。

この上期でも何個かリリースさせていただいていますけれども、「小さく生んで大きく育てる」という言葉を使いますと、小さく生む機会。まさに種まきの機会に、このリソースを使わせていただくというかたちでございます。

一方、資料の右側のグラフは、プレスリリースの配信数です。この棒グラフが、会計上の売上高に直結するKPIでございます。そして折れ線グラフが、タイミングにおける期末残高ですね。タイミングにおける(チケットを)使っていないものの残高というかたちでございます。

スケールを合わせていますので、先ほど申し上げましたように、この中間の期末においては8,523回分の前受金をいただいているというかたちでございます。これがどのくらいに相当するものかというと、ちょうど今年度における半年分くらいというかたちでございます。

こちらは、さらに右上にストレッチするというような方策も1つあろうかと思います。先ほどの商品開発や新規開拓をあわせ持っているならば、ここは当然(グラフを)右に上げていくというかたちの営業活動はするものの、プレスリリースのチケットをオプションとかに昇華させると言いますか、チケットを早く使っていただくという力学を、この商品開発によって積極化していこうと考えています。

ここまで急激に右肩上がりできていますので、実は営業力には、比較的自信があるところでございます。しかしながら、営業力が強すぎて一定ラインを超えると、今度は押し売りになってきてしまいます。

アイテムがプレスリリース配信プラスアルファのオプションしかないと、当然これが昇華しなければ売りにくいというかたちです。今この下期にかけましては、アイテムを増やして、「このアイテムを使うことによってこのチケットを振り替えられますよ」というかたちに昇華させるという方向性を(とる)。

中長期的にというつもりはないですけれども、この下期は、ちょっとそこに力を入れようかなと考えております。

インキュベーション事業(Q推移)

続きまして、レンタルオフィスサービスのインキュベーション事業です。こちらは、棒グラフが右肩上がりに上がっております。

利益(折れ線グラフ)につきましては、前期よりも多少下がっているように見えますけれども、会社全体の規模感からすると、それほど大層な影響をもたらさずに、現時点では全社の利益で吸収できる範囲内で投資を先行させて、広げているというかたちでございます。

単年度だけの話を申し上げますと、ちょうどこの上期に渋谷(レンタルオフィス「CROSSCOOP渋谷」)を出して、調子がいいので増床して、シンガポールも増床してというかたちでやっております。下期に関しましては、現時点では大きな投資というものは計画しておりませんので、出したものを埋めるという作業を現場でやっているというかたちでございます。

一方、右側のグラフは稼働席と稼働率ですね。いずれにしても過去最高と(なっています)。一撃でたくさん出すと、稼働率はぎゅっと下がってしまい、利益にものすごいインパクトを与えてしまいますが、高稼働を維持した状態で増席して販売していくというかたちのバランスをとっております。

連結損益計算書

次は、財務諸表でございます。

PLに関しましては、先ほど申し上げたものと被っておりますけれども、大きなトピックスとしましては営業利益率が、前年度(2017年3月期)が中間及び通期でみても9パーセントくらいだったものが、(2018年3月期上期累計で)13パーセントくらいになりましたよというかたちでございます。

しかもこちらにつきましては、なんらかのコスト削減をしてこれを実現したというよりは、増える力学を抑制することによって実現しているということでございます。

比較的持続性のある利益率の向上の仕組みにより、全体の利益率が4パーセント変わっております。一定の構造が変わったというところで、ご理解いただければと思っております。

連結貸借対照表

次のスライドは、バランスシートでございます。

変化につきましては、レンタルオフィスを出した時の固定資産系が増えているというかたちでございます。あともう1点は、プレスリリースのチケットを販売すれば販売するほど預り負債が増えるという意味で、負債が増えているというかたちでございます。

とりわけ全体に大きく影響を及ぼすような変化は、この中間においてはとくにないかな、というかたちでござます。

業績予想の修正

業績予想でございますけれども、今回の中間で比較的いい構造に改革できたということもありまして、こちらをもって通期の計画を修正しているというかたちでございます。

売上高に関しましては(増減率は)5パーセント弱でございますけれども、利益ベースではこちらのように、営業利益3億5,000万円、経常利益3億4,000万円というかたちで、おおむね30パーセント程度上積みとしているというかたちでございます。

剰余金の配当(中間配当)の決定と期末配当予想の修正

さらに、配当でございます。

配当につきましては、中間で分割しているので少しややこしく見えてしまいますけれども、分割前の話で言いますと、もともと年間で18円ですと予想を立てておりました。

それを(分割して)中間と期末で9円・9円にしましょうというところを、今回の修正で9円・9円を10円・10円にしましょうということで、修正をしているというかたちでございます。

業績の上方修正が、だいたい3割くらい。税引後になりますと35パーセントくらいにしていますけれども、実は配当の上振れ分というのは10パーセントちょっとというかたちでございます。

こちらにつきましては、財務状況を多少健全化するというところに、内部留保をちょっと多めにさせていただくというところを考慮しているという事項でございます。

この修正後の配当と業績予想、これで比較すると、だいたい配当性向でいきますと25パーセント程度というかたちの水準でございます。

当社の配当の還元方針は30パーセントを努力目標として、持続的にというかたちで考えておりますので、その水準には即しているかたちでいるかなと考えております。

プレスリリースサービス(アットプレス)

これまでが(2017年)9月末までの数字の説明でございますけれども、先ほどのお話にあった、「新規開発と新規顧客開拓に舵を切っている」というところの説明をさせていただきます。資料にはごちゃごちゃいっぱい書いてありますけれども、ご了承ください。

まず、プレスリリース配信サービスの「@Press」というブランドでございますけれども、先ほど申し上げましたビッグデータという技術を使って、運営効率改革をしましたと。このリソースを新規顧客増に向けた開拓活動が1点、商品開発ということで1点と、この2つに向けております。

顧客開拓活動に関しましては、これを宣伝広告費に出すとかいろんなパターンがあると思いますけれども、基本的にはプレスリリース配信を使うであろうお客さまをたくさん抱えているところと、連携をしていくというかたちで進めていっております。

ちょうど(2017年)7月からこの10月直近にかけて、当社内のトランスマート株式会社という子会社もありますけれども、決済代行をやっているソフトバンク・ペイメント・サービス株式会社さん。こちらの顧客にECサービスをやっている会社がたくさんいるため、「その集客にプレスリリースを使ったらいかがですか?」というものを、ソフトバンク・ペイメント・サービスさんと連携して進めていくというかたちでございます。

あとは福岡市・大阪市・仙台市と、いわゆるスタートアップもしくは会社の創業を積極的に支援している行政と連携して、そこに対してのセミナーであるとかPR・集客活動に、これを使いませんかとご案内をしているというかたちでございます。

(会場に配られたチラシを指して)お手元に、今日こういうものがあると思います。これはサンプルでもなんでもなくて、先ほどの(お話の)提携したもので、例えば福岡市でセミナーをやったら「プレスリリースを使ってみませんか? お試し1回分無料ですよ」とか、こういうことをやっているわけです。1回使ってくれたらリピートさせる自信があると社内では考えているので、お試しで配っているというかたちでございます。

今日みなさんのお手元にある、このチラシ。サンプルでこういうのを配ってますよというつもりではまったくなくて、みなさん自身がというよりは、みなさんがどこかに取材に行く会社とかそういうところで、これを渡していただいて使っていただければと思っております。

このように集客・プロモーションというかたちで、お試しでぜひ使ってくださいという活動をしているというのが、こちらでございます。新規顧客ネットワークを広げている活動というかたちでございます。

新規サービス「asagake(アサガケ)」

続きまして、商品開発です。こちらのページには新規サービス「asagake(アサガケ)」と書いてますけれども、どういうサービスかというと、プレスリリースとはまったく関係ないサービスです。

企業が新しい商品、もしくは古い商品でもいいです。先ほどの@Pressをお試しで使ってくださいと言っているのとまったく一緒でございまして、お試しで使ってくださいと。(asagakeに)登録するとそこにコンシューマーがきて、お試しでサンプルをもらう。「これを使ってみた」というのを、SNSで投稿する。この流れをプロデュースする、マッチングサイトをつくりました。

昨今ネットでは、iPhoneだったら最近だとiPhone10とか新しいもの、「iPhone10のサンプル使ってみた!」とかそういうギークなブログとかに、人気が出ます。Googleの検索も、昔みたいに被リンクばかり貼るとSEOがいちばんにくるという時代はとっくに過ぎ去りました。最近ではいわゆるレビューというもの、実際にこれを使ってみてどうだったというものが、けっこう上位表示されるような傾向になってきております。

少なくとも、インターネット上の情報をきれいに美しく並べるんだというGoogleの思想を考えるならば、もっとも高品質な情報というのはなんなのか? というと、お金の金銭対価、ステルスマーケティングにならない、実際に使った人のレビューなのではないかというかたちで、徹底的にレビューを増やすような演出をするサイトを立ち上げました。

まだ、立ち上げたばかりでございます。ここに載っている商品は、実際は@Pressを使っていただいて非常に仲良くさせていただいているお客さまに、「こういうサイトを立ち上げたいから、協力してほしい」というかたちでやってみています。

宣伝広告はいっさい打っておりませんけれども、意外や意外、SNSを使っている投稿者にあたる方がけっこう世の中にいらっしゃいました。プレスリリースは1回しか打ってませんけれども、何個か使っていただいて、投稿していただいた商品を提供している・ここに掲載している企業側の、非常にいい反応を得ています。

どういう人が使ってくれてるのかというのは、現状リリースといいましてもまだまだテストマーケティングの範疇を超えていませんけれども、他社の名前を言いますと、株式会社オールアバウトさんが「サンプル百貨店」というものをやっているんです。

オールアバウトさんの宣伝をするわけじゃないんですけれども、オールアバウトさんはたぶん、サンプル百貨店が好調だから上方修正とかされているんです。要するに、世の中は意外に、サンプルとか体験版をほしがる人がけっこう多くて。この方がそれをもらうと、「おいしかった」「まずかった」「行ってみたけどサービスがとてもよかった」とか、レビューをどんどん打ち込むんです。

「一家に1台車」「一家に1台テレビ」という昔がありましたけれども、「1人に1台スマホ」、最近だと「1人に1アカウント以上のSNS」をもっているのではないかと。こういう人たちは、すぐに書き込むわけです。

実は、サンプルとか体験版を得たい人というのは、けっこう世の中にいるんだなというのがわかりました。なので、現状我々としてはアイテムがぜんぜん足りてないです、このサイトは。だから、広告をあまり打っていない。なぜかというと、既存のお客さまの一部仲良くしている人に、協力をお願いしたからと(いうことです)。

もう1つは、先ほどの@Pressというプレスリリースのサービスは、新しいアイテムじゃないと通用しないと。「なにかが新しく出ました」「新しくこういう試みをします」「こういうキャンペーンを新しくします」というものが、プレスリリースのネタになるものなんです。

こちらのお試しというのは、実は過去のものであっても十分できると。むしろ、過去のもののほうが大事ですよね。発信したあとの営業・運営そのものです。例えば今この(資料の)中にあるのは、伊豆かどこかの旅館の「お試しで泊まってみてくれ」というものです。

要するに、新しくつくったホテルでプレスリリースするというよりも、すでにしたあとの営業・運営の活動において、日常的な活動において、SNSを使ったマーケティングをする。お試しで使ってもらうことを支援するというかたちでございます。

スマホで@Pressのサイトとかを見ていただくとわかるんですけれども、実は@Pressというのは、プレスリリースの配信をしたあとに、バックナンバーとしていろいろまとめてます。

プレスリリース配信代行をして、発射したら売上が立って終わりなんですけれども、バックナンバーは過去何年分が全部固まっていると。このアイテムは、まだ小さい状況でございますけれども、2つのポイントが当社の中で戦略的に隠れていると(いうことです)。

1つは、広報から脱却しているところです。マーケットとしては広報マーケットというよりも、宣伝販促のマーケットになります。したがいまして、わざと「asagake」という、これはうちのオリジナルのものなんですけれども、@Pressのオプションという言い方は、いっさいしていない。別のドメインとして立ち上げたと。

サイトを見ていただくと、書いてあるんです。「使ってみて」とか「食べてみて」とか「来てみて」とか、「何々してみて」という表現をしています。何々してみてというのはいくらでもありますので、ひょっとしたら、いろんなものの販促ができるのかなという感じです。

もう1つは@Pressで培った過去のデータ、タイムラインとしては過去のもの。過去の商品の販促に、くっつけることができるというかたちでございます。

ちょうど昨日(2017年10月31日)の夜、@Pressのバックナンバーページがリニューアルをしています。地味なリニューアルですけれども、実は我々にとっては非常に意味のあるリニューアルをしています。

画像をそのままデジタルアナライズして、関連している画像から別のリリースをご案内するとか。これも実は@Pressの過去のデータ、もしくは過去のお客さまのバックナンバーを使っていると。

1つはマーケットを変えること、もう1つは@Pressの過去のアイテムを売るお手伝いをしていること。この2つを、ここで再現していると。

したがいまして、asagakeに関しての拡大と、@Pressの過去のお客さまですとか、もしくはasagakeのオリジナルのお客さまの販促活動を、こっちで得たネットワークにぶつけていきたいと考えております。

クリッピングサービス(アットクリッピング)

続きまして、「@クリッピング」というクリッピングのサービス。こちらも、ニュースワイヤー事業でございます。地味な内容でございますけれども、とりわけ上場会社もしくは大企業が、いわゆる反社会的チェック・反市場的チェックというものを取引先にやっていると。

これを支援する、簡単にできますというサービスを、@クリッピングの過去のデータとか日々のトランザクション、PR後の掲載調査のプロセスで得たものを、こちらに使いませんかというサービスを提供し始めました。ニッチではありますけれども、比較的引きは強いです。

なお、引きが強いと言いましても、我々の解釈としては、大企業のアカウントを取る施策として考えているというかたちでございます。

レンタルオフィスサービス(クロスコープ)

続きまして、(レンタルオフィスサービスの)「CROSSCOOP」は、好調につき増床していますという話です。

クラウド翻訳サービス(トランスマート)

最後、新規事業「TRANSMART(トランスマート)」という翻訳のマッチングサイトを、1年半くらい前に子会社化しました。去年(2016年)1年間は赤字でございましたけれども、今年(2017年)は無事黒転しました。さらに先ほどの、@Pressで原稿校正とか人工知能がどうのこうのというのを、今度は翻訳型にもつっこみました。翻訳家の方がこちらで読み込んで翻訳をして、ここに校正をかけると。

プロの翻訳者の方とお話をすると非常に明確で、翻訳者の方は作業の半分は翻訳です。じゃあもう半分はなんなのか? というと、やっぱり原稿校正をやってますと。

世の中で翻訳というものに関しましては、機械で全部できるのではないかということで、テクノロジーが進んでいると。ところが専門翻訳は、実は文章の校正にすごく時間がかかっていると。

平たくいいますと、プロの翻訳者って、実は半分ぐらいの人は株式会社ジャストシステムさんの「Just Right!」という原稿校正ソフトを使うことがあるんです。要するに、校正というものがものすごく大事と。

この校正も一発でできますというのを、今回作りましたと(資料に)書いています。今は翻訳者向けですけれども、企業向けですとかそういうところに使ってもらうように拡張予定として、作り込んでいるというかたちでございます。

いずれにしましても、レンタルオフィスを除いて、とにかく蓄積されたデータを使ってマネタイズするという商品開発の方向性、かつマーケットをずらすと。大きいマーケットを取りにいくようなアイテムに、今進んでいるというかたちでございます。

今年度のセグメント方針に対しての進捗

期首に、「今年度はセグメントに対してこういう方針にします」ということを言いました。社内でも前に話をしている内容でございますけれども、今半年ぐらい経ってどうなのかと。

(ニュースワイヤー事業の)大企業顧客の獲得に関しては、どのぐらい獲得できてますよと言いたいところではありますけれども、残念ながら現時点では、こういう商材を使ってやるというところが進んでいますと。

ビッグデータ分析とか商品開発は、運営の効率化を達成しています。これを新しい商品開発、先ほどのasagakeとかと提携して、新規開拓に向かっていますと。

インキュベーション事業と新規事業におきましては、アジアでの翻訳サービスは今現在準備をしております。先ほどのダッシュボードの機能(TRANSGATE)を作りまして、ビッグデータ分析・AI開発を活用した商品開発をやったりとか、これをそのままアジアにもっていったりとか。そういうこともできるかなというかたちで、中間時点で期首に考えていた方針は、着々と進めているというかたちでございます。

中期ターゲット

最後に、中期成長戦略でございます。2020年度までに、年商50億円規模、今の倍ぐらいまで上げていきたいと。営業利益は5~10億円水準と書いています。

今回の構造改革で利益率が上がってしまいましたので、もう少し大丈夫かなとは思いますが、利益というものは追いかけるというよりも、経営者として現場を統制する立場としてはついてくるものと考えておりますので、まずはトップラインを増やすところに、注力していきたいと考えています。

3つの基本戦略

(持続的成長のための)基本戦略は、「Stock」であると。お客さまをストックしていくかたちのビジネスモデル、もしくは先ほどのチケットみたいな販売モデルしていく。

あと、メディアとしては、「Asia」を1つの面としてとらえていきたい。

我々の十数年の事業の中で、「M&A」というものがひとつ、非常にいいサービスで、実績も出ておりますので戦略にしていく。

持続的成長イメージ

過去、プレスリリース配信サービスを買収して、レンタルオフィスサービスを買収して、クリッピングサービスも買収して、クラウド翻訳サービスも買収した。それぞれを、小さく資本提携して大きく育てるというかたちでやってきております。

2020年度に向けて、(2015年に)上場してから約5ヶ年度ぐらいで何個かサービスを立ち上げています。これを資本提携によって増やすこともあるでしょうし、自社内でつくるというのもあるでしょうけれども、ストック型で増やしていくかたちで考えております。

アジアBPOプラットフォームへ

最終的には、あらゆるサービスをアジアの面のところでぶつかってくるような、つまりソーシャルワイヤー株式会社というものを知らなくても、それぞれの@Press・CROSSCOOP・トランスマート・@クリッピング・RISK EYES・asagakeというサービスのブランドを前面に出して、そこにお客さまがぶつかってくるというかたちで面展開をしていきたいというのが、中長期的なビジョンに向かっていく方策でございます。

以上、中間の報告・商品開発に力を入れているということと、中長期的な考え方というものをご説明させていただきました。ありがとうございました。