2018年2月期第2四半期決算説明会
佐藤衛氏:みなさん、こんにちは。スター精密の佐藤でございます。本日は中間決算発表会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
今回の中間決算なのですけれども、すでに8月21日に上期と通期におよぶ上方修正の発表をさせていただいております。
9月も過ぎて10月に入る中で、弊社では海外販社の場合は、7月、8月、9月がすでに第3四半期の対象期となっております。
そのような時間軸の中で、投資家のみなさまのご関心も終わってしまって、中間決算の業績もそうなのですけれど、基本的には、今回上方修正させていただいた通期の数字が、どのような市場の背景、どのような根拠において成り立っているかということに大きなご関心がおありだろうと思っております。
従いまして、本日の発表会においては中間決算の実績については対前期比を中心に簡単に説明させていただいて、主に上方修正させていただいた通期の数字、市場の状況、その数字の成り立ち等について多く時間を割いて説明させていただきたいと思っております。
当第2四半期の概況
お手元の資料2ページをご覧ください。こちらに中間決算の大きなサマリーが書いてあります。
ひと言で申し上げて、中間期は工作機械の記録的な受注・販売に支えられた実績であると思っております。
売上高は281億円。営業利益は23億円。経常利益は26億円。親会社に帰属する当期純利益が17億円という実績になっております。
売上高の281億円は、上方修正値に対して2億5,500万円、営業利益は6,100万円、経常利益は6,900万円上振れた数値になっております。
逆に、当期純利益は上方修正させていただいた数字に対して、約1億6,000万円減った数字になっております。
その理由は、(スライド)一番下に書いてあるとおり、タイの製造子会社SMPT(スターマイクロニクス プレシジョン タイランド)の精密部品事業部において、主力のハードディスクの受注状況が思った以上に減速しております。
もしかしたら、来期以降は0になるかもしれないという状況の中で、やはり収益性が低下しているため、SMPTにおいて2億8,600万円の特別損失を計上してしております。
従いまして、経常利益までの伸びに対して、当期純利益が上方修正より下がっております。
通期の見通しについては、2億8,600万円の(マイナス)影響があるからと言って、これを通期の見通しから減じてはおりません。
それは後から説明する工作機械の受注状況、あるいは市況等から鑑みて、このくらいの減は容易にカバーできるであろうという見通しに基づいたものであります。
財務情報
それでは上期の状況と通期の見通しについて、もう少し詳しく説明させていただきます。資料3ページをご覧ください。
上期の実績が281億500万円。前期に対して、約51億2,600万円の増加となっております。
2016年の8月期と2017年の8月期は、為替の影響について簡単に触れさせていただきたいと思います。
下の方に2016年と2017年の為替レートがございます。USドルにつきましては、若干の円安になっておりますけども、ユーロ・ポンド、スイスフランの欧州通貨については、軒並み円高の状況となっております。
従いまして、欧州通貨の円高を受けて、売上高では6億円減る為替の影響を受けております。営業利益につきましては、同じく為替で1億5,800万円減る影響を受けております。
とくに売上で為替の影響を大きく受けているのが、工作機械事業です。工作機械事業のところで約4億円。プリンターの特機部門で売上が2億円減る為替の影響を受けております。
営業利益では、機械事業部で約1億8,000万円。特機事業部では約2,400万円益が出る方向に動いております。
従いまして、為替の影響では売上・営業利益ともに減る方向に動いている中での増収増益の結果だったと考えていただいてよろしいかと思います。
上期は工作機械が非常に大きな伸びを示しております。売上高201億3,300万円は上期として史上最高の実績となっております。
プリンター(の特機事業)についても、為替影響で2億円ほど売上を減らす中で、(上期実績が)58億7,500万円ということで、前期に対して約2億6,000万円増収となっております。
精密部品ところが8,200万円ほどの減収となっておりますけれど、後に説明させていただく、日に時計が非常に苦しい状況になっています。
営業利益は工作機械が牽引してくれました。対前期対8億5,500万円の増収となっております。
プリンターにつきましては、売上は上方へいっておりますけれど、営業利益につきましては約1億6,000万円の減です。2,400万円の為替の追い風があった中で減っておりますので、ここのところは競合関係を中心に、やはり苦戦の状況が出てきたと見ております。精密部品は横ばいの状況となっております。
消去又は全社のところが前期に対して約2億円ほど増えております。ここの主なところは、弊社で転身支援という早期退職を優遇するような制度を展開しております。
本社のスリム化をまだ継続しているということなのですが、その部分で約7,000万円。それと今、本社屋の建設を進めておりまして、それに対する償却の増加分が約1億3,000万円ほどございまして、その2つで前期よりも2億円ほど償却費が増えています。
そちらを差し引いても、営業利益は対前期比で約4億8,000万円増加。経常利益は11億2,600万円の上振れとなっております。こちらは前期に約4億5,000万円ほどの為替損が発生しております。
今の中間期におきましては、逆に約2億円ほどの為替の益が出ておりまして、前期と比べると通算で6億円ぐらい為替で上の方の結果が出ており、経常利益がその分前期に対して大きく増額となっております。
当期純利益は、先ほど申し上げたタイの工場の減損2億8,600万円の影響を受けて、対前期比で6億2,000万円の増加になっております。
以上が中間期の現状となっております。
次に、右の通期のところを見ていただきたいと思います。8月21日に上方修正させていただいた数値となっております。今回、個別にどのような上方修正をさせていただいたか詳しくご説明させていただきます。
今回、通期で(売上高)565億円の目標を立てさせていただいております。
4月の公表数値よりも一番増えているところは、もちろん工作機械のところです。通期に405億3,000万円の見通しを立てておりますが、期初が344億円というところで、工作機械だけで61億3,000万円の上振れをさせていただいております。逆にプリンター、精密部品のところは、当初の公表値より少し下げさせていただいております。
プリンターの当初の公表値が122億4,000万円。今回が117億2,000万円ですので、5億2,000万円・約4パーセントほどの売上の減。
精密部品のところも、当初45億円の売上を予定しておりまして、今回42億5,000万円というところで、2億5,000万円の売上減を見通しとさせていただいております。
クラウドサービスは、当初下期に6,000万円の売上を計上しようという計画を立てておりましたけれど、システム構築の遅れ等もあり、こちらの6,000万円(の計画)は下期から外させていただいております。こちらは来期以降の実績となってくると思います。
(通期の売上高目標の)565億円ですけれど、当初計画が512億円でしたので、(当初計画に対して)合計で53億円・約10.4パーセントの増収を見込んでおります。
営業利益につきましても、当初営業利益の公表値が46億円でございました。それに対して、今回51億円ということですので、営業利益で5億円・約11パーセントの増収となっております。
事業別に見ると、こちらも工作機械が大きく牽引しております。当初48億円の営業利益に対して、今回は60億2,000万円。当初計画に比べて、約12億2,000万円の増益となっております。
ただ、プリンター、精密部品のところは、売上と同様に営業利益も当初計画より減じております。プリンターの当初計画は、営業利益17億2,000万円でしたが、今回15億4,000万円ということで、1億8,000万円の減少。
精密部品の当初計画は、営業利益4億7,000万円を見ておりましたけれど、今回2億9,000万円ということで、1億8,000万円の減少となっております。消去又は全社が当初22億9,000万円、今回25億3,000万円で、2億4,000万円ほど増えております。こちらは、先ほど言った早期退職の優遇制度と本社の償却のところが主な要因となっております。
これを受けまして、営業利益は当初計画46億円でしたが、5億円増えて51億円。経常利益は当初計画48億円でしたが、7億円増えて55億円。
最終利益もタイの減損を十分に吸収いたしまして、当初計画37億円でしたが、今回41億円という数字となっております。
個々の事業部の数量的な市況の説明等は、各々の事業部のところで説明させていただきます。この通期の見通しを受けまして、計画が達成できればROEは9.5パーセントとなります。
配当金につきましては、今のところ50円配を予定させていただきたいと思います。こちらは7年連続の増配となります。
DOEにつきましては、前期の4.1パーセントから4.3パーセント。目標としている4.5パーセントに非常に近しいレベルまで、回復してくるという状況でございます。
それでは、事業部別に今、市場の動向がどうなっているか。その市場に応じて、どのような数字の変更をさせていただいたご説明をさせていただきたいと思います。
特機事業
資料5ページをご覧ください。特機事業でございます。まず(スライド)右上の地域別販売台数を見ていただきたいと思います。
地域別販売台数の下の地域別売上高について、例えば、前期に比べて売上高が110億円から117億円に増えているのに、地域別販売台数が減少しているという、少し歪(いびつ)な形になっています。
こちらの説明なのですが、当初プリンターの販売台数は63万4,000台を見通しておりましたが、今回55万6,000台に減っております。
減った要因は1つ大きなものがございまして、中国で展開しているキャッシュレジスタ―向けに供給している、ドットのメカニズムがございます。こちらは単価が3,000円から5,000円くらいの非常に安価なものです。
今期はここのところが予想外に動かず、当初は通期で8万9,000台の販売を見ておりましたが、今の見通しでは4,000台ということで、8万5,000台減となります。こちらが緑色のアジアのグラフ(の数字)に非常に響いております。
ではそれ以外、とくにmPOSプリンターの見通しはどうかといいますと、こちらは当初計画より増えております。
当初21万9,000台を見込んでいたmPOSプリンターの販売ですけれど、今回の新しい計画では22万9,000台とさらに1万台プラスした見通しを立てさせていただいております。
とくに伸びているのがヨーロッパでプラス5,000台です。あとは非常に順調に推移している国内市場でプラス7,000台。ヨーロッパと国内合わせて約1万2,000台の増加を見込んでおります。
従いまして、mPOSプリンターを中心に、総合的な販売台数はそこまで落ち込んでいないし、依然として増加を見込んでいる数値だと思っていただきたいと思います。
今度は売上高を見ていきます。当初計画では、プリンターの部分が122億4,000万円ございました。今回117億2,000万円ということで、5億2,000万円ほど減らしました。その要因は何かといいますと、先ほど申し上げた中国向けのドットプリンターの部分で約2億円の減少となっております。
また、実は国内でモバイルプリンターの大口案件が少し延伸しているということで、こちらの分で1億円(の減少)。それとアメリカでの販売が約3億5,000万円ほどスローダウンしております。こちらの3つが、プリンター部門の当初計画の減少の要因となっております。
地域別の市況ですが、アメリカでは日系の大きな競合さんとの競争が激化してきております。
ヨーロッパでは、まだmPOS需要が始まったばかりというところで、まだ持っていたシェアが奪われてしまうという状況にはありません。mPOS全体の伸びに応じて、弊社の販売台数も伸ばしていくというところです。
国内では、Airレジ等を展開する大手のお客さま向けに競合も対抗機を出して、相見積を取るような事態にはなっているのですが、そこのところで(シェアを)大きく奪われたということにはなっておりません。
mPOS需要を中心に競争が激しくなっているとはいえ、まだまだ数字が伸びている状況になっております。
ただ、アメリカの競争が一部激しくなっていることと、ブラジル、アルゼンチンといった南米で、主に中国メーカーの台頭により非常に苦戦している状況です。
それと、これは季節的な要因があるのですが、アメリカの代理店で、一部在庫調整の影響も含めてアメリカのほうは、当初計画より約3億6,000万円ほど減らしたということです。
逆に欧州は、当初計画よりさらに1億円増えております。これは競争があると言っても、先ほど申し上げたように、mPOSの需要そのものは順調に拡大しております。先ほど、当初計画に比べて1万台に増えてると申し上げましたが、その半分の5,000台が欧州の増となっております。
それとロシアで調整用のプリンターの需要が順調に伸びておりまして、こちらも欧州の数字を押し上げる要因となっております。
アジアは当初計画に比べて、2億700万円ぐらい減らしておりますけれども、先ほど申し上げたように、中国向けのドットプリンターの部分で約2億円減っておりますので、その分が影響しております。
東南アジアは、順調に数字は伸びているという状況ですけれども、やはり中国向けの落ちが激しかったということになります。
国内は一番順調に伸びておりまして、前期が18億6,000万円、今期19億4,000万円を見通しております。
ただ、当初の見通しに比べて3,800万円数字を減らしているのですが、これは先ほど申し上げた、モバイルプリンターの大口案件が延伸になったことが影響しております。
その部分を除けば、mPOSプリンターは国内が一番取数字を伸ばしている状況となっております。
今後の施策といたしましては、この状況の中で、日系の競合、あるいは中国メーカーとの競合が激化する中で、とくに日系の競合さんとの間では、プリンターのデザインや機能等で、競合さんのほうが優位性を持つ製品も出てきておりますので、そこに向けて競合機種を投入していくことを考えております。
中国のローコストプリンターに対抗するためには、今現在、我々もモバイルプリンターはタイと中国のENSを通じて供給してもらっているわけですけれども、中国のENSメーカーに作っていただいたプリンターを中国に直接流していくなど、そのようなサプライチェーンの変革をしながら、この価格競争になんとか対抗していきたいと考えております。
中国で工作機械が伸びた理由は、大連の工場で生産した工作機械を中国の代理店さんに直販・直送する体制を引きはじめていて、それにより価格や納期が劇的に改善できたことが要因になっております。そのような発想のもとで、プリンターにもぜひ力を入れていきたいと考えております。
また、国内販売が約20億円に届くところまで順調に伸びてまいりました。
これも東京営業所を開設して、鋭意拡販に努めているところの貢献が大きいということで、より国内販売の体制を強化していきたいと考えております。
工作機械事業
続きまして、6ページに移りたいと思います。工作機械は、おかげさまで非常に高い数字となっており、売上高の通期見通しは、405億3,000万円となっております。
2008年2月期は403億円の売上高で今までの最高値だったのですが、それを上回る、史上最高の売上高の数値となります。
右の地域別販売台数では、今回(2018年2月期は)3,364台の販売を見通しております。当初計画が2,719台でしたので、645台の大幅増ということです。
今までの最高値は、2016年2月期の2,734台ですので、そこを大幅に上回る、3,000台の販売予想となっております。
しかも特徴的なのは、全世界の全仕向地で、当初の公表値を上回る見通しとなってきております。具体的にそのあたりの数字を説明したいと思います。
一番右の棒グラフの黄色い部分がアメリカの販売となっており、316台でございます。当初計画が300台でしたので、プラス16台の増加となっております。
その下の欧州は656台の見通しとなっており、当初は593台の見通しでしたので、欧州で63台の増加となっております。
どこが大きく増加しているかというと、スイス販社経由がプラス42台。イギリスがプラス15台。ドイツがプラス4台。フランスがプラス2台。全仕向地で増えておりますけども、スイス販社経由の新興国向けの販売が大きく伸長しております。
具体的に申し上げますと、製造業の中では比較的新興国として見なしているのですけれども、とくにイタリア向けが大きく伸長をしております。
このイタリア向けの2016年の年間受注台数は67台でした。今回、2017年の1月から8月までの8ヶ月間ですでに100台となっております。
今、イタリアでは工作機械をはじめとする自動機器への先端投資に対する補助金が出ておりますので、ここを追い風にした販売増となっております。
それと、このエリアで大きく伸びているのはやはり東欧のチェコ、ポーランド、ハンガリーといった国々です。
チェコは去年1年間の受注が7台しかなかったのですけれども、今回は1月から8月までの8ヶ月間で倍の14台。
ポーランドにつきましても、去年1年間で14台だったものが、1月から8月までの8ヶ月間で8ヶ月で22台。ハンガリーも1年間でわずか4台の受注だったものが、1月から8月までの8ヶ月間で11台と大きな伸長を果たしております。
ドイツ等の大陸自動車メーカーの拠点が、コストダウンも含めて、チェコ・ポーランド・ハングリーなどの東欧に進出しておりますので、そういうところの需要が拡大しているということを背景にした販売増となっております。
それとおもしろいのは、この欧州需要の中で、例えば、中国向けの電気自動車のいろんなユニット設計が、欧州で展開されています。需要そのものは中国の需要になりますけれども、欧州における受注増につながる案件も出てきているという報告も受けております。
それと、一番大きく伸びている地域はアジアで、今期の見通しが1,899台という数字になっております。当初計画が1,424台でしたので、ここは475台増と非常に大きな伸びとなっております。
この475台の伸長の中で一番大きいのはどこかというと、やはり中国でして、475台中、中国の伸びは358台で、非常に大きな伸びとなっております。
中国のもとの販売台数は795台でしたが、今回の新しい見通しの中では、358台増加の1,153台となっております。
韓国・台湾も伸びておりまして、ここはプラス88台。当初計画の454台が、今回は542台でございます。
東南アジアも長らくの不振を通り抜けて、自動車を中心に需要が戻ってまいりました。当初計画は175台、今回は204台見ておりますので、約29台の増加となっております。
それと今、中国政府が「中国製造2025」というスローガンのもとに、2015年から2025年までの10年間で製造業の躍進する計画を鋭意進めているのですが、ここの影響が非常に大きいと考えております。
この「中国製造2025」は、IT、NC工作機械、ロボット、航空、海洋、鉄道、自動車、電子、農業、素材、バイオというところを10年間で製造業として革新していこうという流れです。
これらのものをすべて最新鋭の機械に置き換えていくためには、やはり中国では作れない。日本やドイツなどの最先端の工作機械を導入しないと10年間の革新が果たせないというところで、内製の機械にこだわるよりかは、外国、とくに日独の高性能の工作機械をどんどん取り入れて、製造の革新を図っていこうという流れが非常に強くなっています。
とくにこの工作機械の導入については、省によっては補助金が出たりといった推奨策が展開されていると聞いております。
そしてさすがに中国も賃金が高騰している中では、我々のCNC型の自動旋盤というのは無人で動く機械ですので、ロボット化の投資と同様に扱われる商品でございます。そういう中で、ここも受注が進んでいると思います。あるいは高齢化社会になっていく中で、医療機器等の需要増もあるかと思います。
国内も順調に伸びておりまして、当初計画が402台。今回が493台ですので、国内もプラス91台と非常に大きな伸長を遂げております。
国内はもともと自動車が牽引しておりますけれども、最近は空圧機器や建機等、需要の裾がかなり広がってきているという流れになっていております。
アメリカは当初計画が300台。今回が316台でございます。アメリカについては、弊社の場合は医療関連が中心となっておりますので、ここのところも医療が順調に伸びて16台の増加になっております。
今言ったように、全仕向地向けにかなり大幅な上方修正をさせていただいております。
では、この大幅に上方修正した数値に向けて、直近の受注状況等をご説明させていただきたいと思います。こちらは6月、7月、8月の3ヶ月間の受注台数ですけれども、6月が398台、7月が348台、8月は276台でございました。
9月の数字は今は言えないのですが、趨勢は衰えていないという状況になっております。3月が400台、4月が340台、5月が286台ということで3ヶ月の合計は1,026台。6月、7月、8月の3ヶ月の合計は1,022台ということで、一月平均300台を優に超える受注のレベルが継続して続いている状況でございます。
今後の施策につきましては、このように月産300台を超えるところが視野に入ってきておりますので、今までは中国・タイ・国内で、月産でだいたい250台体制を目指してまいりましたけれども、今は明確に300台体制を構築するということで鋭意動いております。
中国の大連で200台、タイで80台、国内で20台くらいのレベルに持っていくべく、人員の拡大・設備投資等の工作機器の導入等を鋭意進めているところでございます。
今申し上げたように、中国のレベルが年間1,153台。それから韓国・台湾のところも542台ということで、足すと年間1,700台くらいが中国・韓国・台湾という東アジアを中心にした需要となっております。
大連のところを月産200台・年産2,400台くらいとなりますと、大連をこの中国・韓国・台湾を中心とした、アジア販売の単純なアフターサービスも含めた一大ハブに転換できるというレベルになってまいりました。
というところで、ここのところが中国に特化した生産拠点というふうに持ってこれますと、最近進めているモジュラー生産のところも相まって、機械事業部としてコスト競争力がより高められる体制に持ってこれると考えております。
精密部品事業
続きまして7ページ。精密部品事業部に移りたいと思います。
精密部品事業部につきましては、当初計画が45億円。それに対して、今の見通しが42億5,000万円で、2億5,000万円の減少となっております。
(スライド)左の表の売上高の、濃い青色のグラフが時計部品の売上高となっております。こちらは当初計画18億6,900万円に対して、19億800万円で微増でございます。
問題なのは、非時計部品売上高です。今回23億4,100万円を見ておりますけれども、当初計画が26億3,000万円でしたので、2億8,900万円の減少となっております。
非時計部品が苦戦している1つの要因は、先ほど申し上げたハードディスクです。こちらは、うちのタイ工場が主力で作っていたものでございます。
それと日系のALPINEさんやPioneerさんに納めていた、カーオーディオ部品の需要減が大きな要因となっております。
ハードディスクにつきましては、来期以降は非常に不透明な状況となっておりまして、よって2億8,600万円の減損を立てたわけでございます。
非時計が苦戦しているもう1つの要因というのは、先ほど申し上げたように、弊社の工作機械が中国のユーザー向けにものすごい勢いで売れています。
中国に機械がどんどんいっているということは、中国の競合がどんどん拡大しているということになります。
例えば、注文などの引き合いをいただくと、当然お客さんは中国の引き物屋さんと相見積をとったりするわけです。
そのような日系の機械を入れた、しっかりした品質を持った引き物屋さんが台頭してきている中で、この部品事業そのものが苦戦しているという構図にもなってきております。
非時計部品の各品目別に推移を並べてありますけれども、自動車部品は、当初計画に比べて1,200万円減の7億8,000万円。医療関連は、1,700万円減の2億8,800万円。
ハードディスクが一番大きくて、当初計画は4億円を見ていましたけれども、1億7,000万円減の2億3,000万円で、非常に苦戦しています。
このような中で、何をやっていかなければいけないかというと、非時計部品は今、大連、上海、タイの3工場でやっておりますけれども、ここのところの余剰設備の再編を図っていくことにより、コスト競争力をより高めていく。こちらの3工場の再編は、必須の状況になってきていると思います。
以上が事業の説明となります。
設備投資/研究開発費
続きまして8ページ、設備投資を簡単にご説明させていただきます。2018年2月は、合計で46億1,900万円の設備投資を予定しておりますけれども、灰色(のグラフ)は、新社屋建設にともなう建設投資となり、そこが25億2,800万円でございます。これを除いた事業部の設備投資は、20億9,100万円となります。
右のオレンジ色(のグラフ)は減価償却費ですけれども、これが22億5,100万円ですので、弊社といたしましては、設備投資は基本的には償却の範囲内で行っていくという筋書きに沿った20億9,100万円というレベルの設備投資を予定しております。
とくに大きくお金を使っていくのは、12億3,500万円と書いてある、工作機械の増産対応です。それにともなう五面加工機、アルミ筒研削盤等、新鋭機を導入していきます。
部品も5億5,000万円となっておりますけども、これは時計部品の熱処理工程を、新しく我々のほうで行うということで、札幌工場に設備を導入して、熱処理工程を行うことによって、売上を高めていくということをやりたいと思っております。
貸借対照表
貸借対照表でございます。
弊社は従来、ネットキャッシュ比率25パーセント以上、自己資本比率75パーセント以上を1つの指針として経営を行ってきたのですが、昨年度からレバレッジ経営に切り替えようということで、CBの発行および借入金を増やすことによる自社株買いを機動的に行ってまいりました。
17年の2月期までには、合計で509万株の自社株買いを行って、今回も8月から9月の初めにかけまして30万株。金額にいたしまして、5億4,500万円ほどの自社株買いを完了いたしました。
それにともない、やはり新しい機能、ネットキャッシュ比率、ここのところは14.5パーセントと、総資産が730億円ある中で、現金が212億円から借入25億円とCB81億円を引いたものから出された数字が14.5パーセントということになりますけども、これもネットキャッシュ比率。それと自己資本比率についても、50パーセントというレベルになっております。
純資産のとこですけども、期末で447億円を予定しておりますけども、自社株買いで、だいたい4億円使って、あと配当が9億円ほどと、それから為替の調整勘定が約4億円ほどへこむ17億円の減要因があるんですけども、それも利益増でカバーして、なおかつ純資産が増えております。
キャッシュ・フロー
10ページは、キャッシュ・フローでございます。工作機械の好調もあり、営業活動によるキャッシュ・フローは74億円と非常に大きなキャッシュ・フローが出ております。
ただし、下の緑のグラフ。先ほども説明いたしましたが、新社屋の建設等の設備投資が40億円強ありますので、そこの投資活動によるキャッシュ・フローのアウトで43億円。従いまして、フリーキャッシュ・フローは31億円になります。
主な経営指標
11ページは、主な経営指標でございます。2018年2月期の業績から、EPS(1株当たり当期純利益)が110.36円。ROE(自己資本当期純利益率)は9.5パーセントに伸ばす予定となっております。
弊社といたしましては、従来ROEの目標をWACC(加重平均資本コスト)の2倍を想定しております。
我々のWACCは2015年、2016年、2017年の3年間で平均6.09パーセントぐらいでしたが、ここの2倍ぐらいのROEを目標にしていきたいということで、12パーセントに設定しております。それに向かって、2018年2月期は9.5パーセントという状況になります。
株主還元
12ページ、株主還元です。従来、弊社は配当性向を4割でやらせていただきましたけれども、前回(の決算説明会で)、今期が始まるところから、配当プラス自社株買いを加味した総還元性向50パーセント以上を実現していきたいと説明させていただきました。
今回、配当につきましては(中間)25円、(期末)25円の50円でやらせていただきます。また、先ほど申し上げたように、8月から9月の初めにかけて、30万株・5億4,500万円の自社株買いをやらせていただきました。
これを計算すると、配当が1株50円で、約3,700万株ぐらいの配当対象株がございますので、18億5,000万円ぐらいとなります。それと、自社株買いが5億5,000万円ほどありますので、総還元は24億円。
これを当期純利益41億円で割りますと、資料に書いてあるように、今のところ総還元性向58.5パーセントを計画しております。
ただ、これは工作機械の受注等、想定以上の上振れをした状況で進んでおりますので、期末になって当期純利益がどうなるかによって、柔軟性を持って対応させていただきたいと考えております。
説明は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。