1-2. 要約四半期連結損益計算書

西山光秋氏:これがPLの要約となっております。

(資料の)中ほどの、第1四半期実績の欄(青い部分)ですが、売上高は2兆886億円。前年同期と比較いたしますと、417億円の減少。2パーセントの減収となっております。これの理由は、ポートフォリオの再編。すなわち株式会社日立物流・日立キャピタル株式会社・日立工機株式会社のポートフォリオ再編の影響で、減収となっております。

ただし、為替とポートフォリオ再編の影響を除きますと6パーセントの増収となり、オーガニック成長している状況でございます。

次の、調整後営業利益は1,318億円。営業利益率が6.3パーセント。これはポートフォリオ再編の影響をカバーしまして、44パーセント、403億円の増益となりました。ポートフォリオ再編の影響等を除きますと、68パーセントの増益であります。

その結果、EBITが1,432億円。親会社株主に帰属する四半期利益が、750億円。186億円、33パーセント増益となりました。

1-3. 売上収益・調整後営業利益の増減要因(前年同期比)

次に、ウォーターフォールチャートの形式で、売上と営業利益の増減のマクロの分析を記載しております。

まず、売上高です。ポートフォリオ見直しの影響が、1,700億円のマイナス影響。これは先ほど申し上げましたように、日立物流・日立キャピタル・日立工機のポートフォリオ見直しの影響であります。為替の影響が、130億円のプラス。それらを除いた事業拡大等が、1,153億円の増収となります。

この1,153億円の中身には、日立建機による、ブラッドケン社・H-Eパーツ社のM&A買収。それから、日立化成株式会社によるフィアムエナジー・テクノロジー社の買収。これらが入っておりまして、建機・化成のM&Aの買収による貢献が370億円。残りの783億円が、ピュアなオーガニック成長部分となります。

次に、営業利益です。ポートフォリオ見直しの影響で、150億円のマイナスの影響がありました。為替の影響がプラス20億円。残りは、収益性改善等で533億円のプラスとなります。

この533億円には、日立建機・日立化成によるM&Aの影響が30億円入っています。それを除いたピュアなオーガニック成長部分が、503億円となります。

1-4. 国内・海外売上収益

国内・海外地域別の売上を記載しております。資料のいちばん右の欄、前年同期比をご覧いただきますと、国内が93パーセント・海外が103パーセント。合計で98パーセントとなっております。(2017年度第1四半期の)海外売上高比率は53パーセントと、2ポイント増加しております。

これも、ここに記載はございませんが、為替の影響とポートフォリオの影響を除いて補正しますと、国内が101パーセント。海外の生の数字(資料上の前年同期比の数字)が103パーセントのところ、(補正すると)111パーセントとなります。

中国を含めたアジア合計が(前年同期比)112パーセントのところ116パーセント、中国が(前年同期比)113パーセントのところ119パーセントとなります。

ASEAN・インドほかが113パーセント。北米が103パーセント。欧州が102パーセント。その他の地域が125パーセント。合計で、106パーセントとなります。オーガニック成長は全体の6パーセント。そのうち、海外が伸びた分が、オーガニックには10パーセント伸びたかたちです。

この中でとくに伸びたのが中国です。これは日立建機、それから自動車部品事業がとくに伸びました。

それから、中国を除くASEAN・インドほかですけれど、ここは株式会社日立ハイテクノロジーズ・株式会社日立国際電気の、半導体製造装置が大きく伸びました。

北米が3パーセント、欧州が2パーセント。その他の地域で大きく伸びておりますのは、日立建機によるブラッドケンの買収が貢献したためです。

1-5. 要約四半期連結財政状態計算書、キャッシュ・フロー計算書

ここに、バランスシートの要約とキャッシュ・フローを記載しております。

資料のいちばん上の総資産ですけれど、これは前年の末と比較しまして、あまり大きく変わっておりません。9兆6,914億円となりました。

資料の下から3行目の運転資金手持日数CCCですが、67.9日となりました。これは、前年度末が72.2日。これと比較して4.3日短縮ですが、前年同期2016年第1四半期末が61日でしたので、ここからは少し増えてます。

これは、IEP(イギリスの都市間高速鉄道計画)の運転資金の増加で増えています。ただ、第1四半期末の計画は73日でしたので、そこからはオペレーションで、5日ほど改善しているという実績であります。

親会社株主持分比率が31.1パーセントと、0.4ポイント改善。D/Eレシオは0.30倍と、ほぼ横ばいでありました。

資料のいちばん下の、フリー・キャッシュ・フローが223億円であります。営業キャッシュ・フローは1,269億円です。投資キャッシュ・フローが前年同期に比べますと、855億円ほど支出が増えたかたちになっています。

これは、前年度第1四半期には、日立物流の再編に関わる収入がありました。また、今年度第1四半期にブラッドケンのTOBの支出がありました。そのため、支出が増えた格好になりましたけれど、223億円と黒字を確保いたしております。

1-6. 事業部門別売上収益・調整後営業利益・EBIT(1)

次に、事業セグメント別の売上営業利益を示しております。

なお、旧セグメント中の、その他のセグメントは日立物流の再編、金融セグメントは日立キャピタルの再編で減益となっています。しかしそれ以外の7セグメントはいずれも、前年同期比で増益となりました。

かいつまんで特徴点を申し上げます。まず、情報通信でありますけれど、前年同期では売上が横ばい。これはストレージ、あるいは国内ATMの販売が減少いたしましたが、国内のシステムインテグレーションが堅調に増加しました。そのため、ほぼ売上は横ばいでありました。

一方、営業利益は事業構造改革の効果(で増益)。とくに、ITのプロダクツ系の構造改革の効果(がございました)。それから、国内のシステムインテグレーション事業の堅調。これの収益性も改善しておりまして、149億円の増益となりました。

149億円の営業利益の増加に加えて、事業構造改革関連費用の減少がありまして、EBITも251億円と大きく増加しております。

次に、社会・産業システムでありますけれど、売上が若干減りました。これは鉄道システムの、イギリスでの増加がありましたけれど、産業流通分野による程収益事業の撤退と絞り込みをやっておりますので、ここは減らしたかたちであります。

それから産業機器事業。これはオイル&ガス分野中心に若干減りましたので、トータルで99パーセントであります。

次に、営業利益が90億円増益となっておりますけれど、この理由は3つあります。1つ目は、産業・流通分野における低収益事業の撤退の効果。2つ目は、産業機器事業の収益性改善。それから3つ目は、鉄道システム事業の増収にともなう増益。この3つでもって、90億円の増益となっております。

それに加えてEBITは、為替の影響・持分法損益の改善等で、トータルで226億円改善しております。

1-7. 事業部門別売上収益・調整後営業利益・EBIT(2)

次に、電子装置・システムです。日立国際電気・日立ハイテクノロジーズの、半導体製造装置の販売が増加いたしました。ただ、日立工機の売却の影響がありまして、4パーセント減収となりました。一方で、日立国際電気の増益がありましたので、(調整後営業利益は)58億円増益となっています。

また、建設機械(が増益)ですけれど、この理由は2つ。1つは中国等での販売の増加。

それから、もう1つはブラッドケン・H-EパーツのM&Aの効果によりまして、売上が31パーセント増加しております。営業利益は売上の増加にともないまして、143億円増益となっております。

1-8. 事業部門別売上収益・調整後営業利益・EBIT(3)

次に、高機能材料です。ここは日立金属株式会社・日立化成とも、日立エレクトロニクス株式会社の関連製品(の販売増加)。それに加えて、自動車関連製品も販売増加しております。

さらに、日立化成によるフィアムエナジー・テクノロジー社の連結子会社化、M&Aの効果によりまして、12パーセント増収となりました。これにともない、営業利益が37億円増加しております。

次のオートモティブシステムですが、これは中国・国内とも販売増加して、5パーセントの増収。それにともないまして、(調整後営業利益は)31億円の増益となりました。

1-9. 事業部門別売上収益・調整後営業利益・EBIT(4)

次に、生活・エコシステムです。海外、とくに東南アジアでの需要低迷がありまして、売上収益は前年同期比94パーセントとなりました。ただ一方で、コスト削減が進みまして、(調整後営業利益は)14億円の増益となりました。

先ほど申し上げましたように、その他のセグメント・金融サービスのセグメントは、それぞれ日立物流・日立キャピタルの再編の影響で、利益が減っております。

1-10. トピックス

トピックスを少々申し上げます。まず「Lumada」事業の進捗であります。資料の中ほどにありますが、2017年度第1四半期の売上の実績(青い部分)です。Lumadaコア事業・Lumada SI事業を合わせまして、(売上収益は)2,040億円となりました。

これは、年度の見通し9,500億円に向かって、増やしていこうという計画を立てております。進捗を評価しますと、計画で第1四半期は、だいたい20パーセント弱の売上かなと思っておりました。これは進捗率21.5パーセントで、おおむね計画どおり、あるいは計画以上とみています。

それからもう1つのトピックスは、サルエアー社の買収であります。これは(2017年)7月12日付で買収を完了いたしまして、第2四半期から売上利益を取り込むことになります。これは第2四半期で、ドルベースで1,245ミリオンドル・円貨にしまして1,380億円の資金支出になります。

また、2017年度に取り込む業績についてご説明します。売上高は300億円、営業利益は5億円を取り込みます。ただし、5億円の中には無形資産の償却と一時費用が入っております。無形資産の償却が29億円、一時費用が21億円入っております。したがいまして、一時費用の21億円を除くと、営業利益は26億円、営業利益率は8.7パーセントとなります。

2018年度のフルイヤーベースでは、売上高は約500億円。営業利益率は一時費用がなくなりますので、無形資産の償却後でも10パーセントを計画しております。

2-1. 2018年3月期 連結決算の見通し

前提としております、第2四半期以降の為替レートは、ドルが110円。これは前回の見通しから変えておりません。ユーロは、120円としております。

ユーロは前回、(2017年)5月12日には115円としておりましたけれど、実勢が少し円安傾向ですので、120円に変えております。なお第2四半期以降の、1円の変動に対する為替のエクスポージャーですが、営業利益ベースでドルが20億円、ユーロが10億円です。

年間の見通しは、各事業とも第1四半期は良いスタートだったと認識していますけれど、セグメント別見通しを含め、今回はまだ前回の公表値を据え置きました。第2四半期までは堅調な環境が続くと思っていますけれど、年度後半は見通しが難しいということで、予想を据え置いております。

ただし、リスクの折り込みは為替、ユーロの見通しの前提を変えた分だけ50億円増やしまして、営業利益で300億円、EBITで750億円としております。

先々の第1四半期は、第1四半期でみますと、過去最高の営業利益の額、6.3パーセント。営業利益率も過去最高と、いい滑り出しでありましたが、先々の世界経済の不透明感がなかなか消えません。

しかし、こうした環境においても中期計画の戦略どおり、Lumadaを中心とするソリューション事業の拡大と収益構造の改造を進めまして、継続的な収益性向上と資本効率の改善を図っていきたいと考えております。

ご説明は以上です。