岡部グループの事業領域

廣渡眞氏:まず最初に、当社の事業領域をご説明いたします。当社は、創業以来営んでおります、建設関連製品事業をコア事業としております。また今年から、自動車関連製品事業もコア事業と位置づけることといたしました。ホテル事業につきましては、昨年に売却を完了し、事業の選択と集中を進めております。

国内・海外売上比率

また、こちらは国内・海外の売上比率でございます。国内が約75パーセント、海外が約25パーセントとなっております。経常利益ベースでは、海外が約30パーセントとなっております。中期経営計画にもうたっておりますとおり、今後40パーセントまで引き上げたいと考えております。

中期経営計画 2017-2019 NEXT100~Exciting Future~

こちらが中期経営計画で掲げております当社のビジョン、すなわち将来像であります。

建設関連製品、及び自動車関連製品のメーカーとして、技術力を持ったグローバル・メーカーになることを目指しております。また、組織風土についてもビジョンを設定し、わくわくするような組織風土のある会社を目指しております。詳しくは、こちらの資料をご覧ください。

2017年第2四半期サマリー

まずはじめに、2017年12月期第2四半期連結業績概要についてご説明いたします。当第2四半期までの状況を、サマリーでお伝えします。プラス要因としましては、国内の建設関連製品事業において、構造機材製品・土木製品の売上が増加したことや、米国において建設資材商品の販売を担当しておりますOCM社が、引き続き伸長したことが挙げられます。

一方、マイナス要因としては、自動車関連製品事業において、円高による為替換算レートの影響を受けたこと。また、多角化事業において、魚礁の大型案件が翌四半期以降にずれ込んだことが挙げられます。

なお、特殊要因として本年は、ホテル事業を昨年譲渡した影響により、前年の売上高・営業損失が計上されております。よって前年比で見ますと、売上高にはマイナス、利益にはプラスの影響がございます。

セグメント別・製品別売上高 【前期比】

このような状況において、業績をセグメント別に見ていただきます。建設関連製品事業において、売上高は前期に比べ5.2パーセント増加し、239億2,500万円となりました。

自動車関連製品事業におきましては、現地通貨ベースの売上高は微増となりましたが、円高による為替換算レートの影響を受けた結果、売上高は前期に比べ2パーセント減少し、45億7,000万円となりました。

多角化事業におきましては、資料に記載のとおりでございます。

なお、ホテル事業につきましては、昨年度に事業譲渡したことにより、本年度は売上高が計上されておりません。

合計は資料に記載のとおりです。ホテル事業を除いた前年と比較しますと、前年同期の売上高は279億3,300万円となりますので、本年度は3.3パーセントのプラスとなります。

セグメント別営業利益 【前期比】

次に、セグメント別の営業利益を見ます。建設関連製品事業におきましては、前期に比べ7.2パーセント増加し、17億2,100万円となりました。

自動車関連製品事業におきましては、前期に比べ11.3パーセント減少し、4億5,000万円となりました。

多角化事業におきましては、前期に比べ4,500万円悪化し、7,500万円の損失となりました。

なお、合計は資料に記載のとおりです。ホテル事業を除いた前年と比較しますと、本年度は0.6パーセントのプラスであり、ほぼ横ばいとなります。

連結業績概況 【前期比】

この結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は288億5,700万円。前期に比べ、4.9パーセントの減少。

営業利益は20億9,500万円。前期に比べ、7.7パーセントの増加。

経常利益は21億1,500万円。前期に比べ、5.4パーセントの増加。

当期純利益は12億7,800万円。前期に比べ、9.8パーセントの増加となりました。

連結財務状況 【前期比】

次に連結財務状況につきまして、ご報告いたします。当第2四半期の純総資産は、前期末に比べ22億1,700万円増加し、536億2,200万円となりました。また自己資本比率は、前期末に比べ0.2ポイント減少し、62.6パーセントとなりました。

2017年下期(7~12月)の外部要因見通し

続きまして、2017年12月期、連結業績の見通しについてご説明いたします。なお、すでに発表しております通期の業績予想については、変更はございません。

こちらは、2017年下期の外部要因の見通しです。プラス要因として、コア事業の建設市場において、首都圏の大規模再開発等の着工により、着工床面積が引き続き堅調に推移することを見込んでおります。

一方懸念材料としましては、鋼材価格の上昇や、北米における建設関連製品事業及び自動車関連製品事業における、円高の影響が挙げられます。

2017年 建設着工床面積 推移

こちらは、2017年における建設着工床面積の推移でございます。この数値はS造、RC造、SRC造の床面積の合計であり、折れ線グラフが2016年、棒グラフが2017年の数値となっております。

見ていただきますとおわかりのとおり、2017年度は前年と比べ堅調に推移しており、1月から6月の累計では、前年比104.4パーセントとなっております。これらは、建築確認申請ベースの数値でありますので、実際に現場が始まるのは、おおむね3ヶ月ほど先となります。よって、下期に向けて良い兆候と考えております。

アクションプラン

このような外部要因との想定を踏まえまして、上期からの引き続きの施策となりますが、下期のアクションプランのご説明です。

建設関連製品事業におきましては、提案型営業の強化による需要の取込みをしっかり行いたいと考えております。また、鋼材価格上昇対策と適切な価格転嫁を図ってまいります。なお、提案型営業につきましては、この後、少し補足の説明をさせていただきます。

自動車関連製品事業におきましては、ウォーターグレムリン社において、すでにシェアが高い北米にて、営業を強化することによる地位の確保。また、好調が続く欧州にて、引き続きシェアの向上を図ってまいります。

工法に対応した提案営業の取り組み

ここで、先ほどのアクションプランの1つとして挙げた、提案型営業について具体例を説明させていただきます。まず、工法に合わせた提案型営業の具体例ですが、近年採用が増加しているプレキャスト工法に対しては、弊社の機械式継手であるOSフープクリップ工法等の提案を行っております。

なお、プレキャストコンクリート工法は、工場にて加工したコンクリートブロックを現場で組み立てる工法であり、機械式継手はそのブロックをつなぐために必要な材料となります。

省力化工法の提案営業の取り組み

また、東京オリンピック・パラリンピック関連施設向けに、OSリング・スタッドジベルなどが納入予定となっております。また、近年のトレンドであります職人の高齢化・不足に対応するため、当社の省力化製品でありますパンチングフォーム、クラウンパイルアンカー工法、OSリング等、数多く現場に提案しております。

おかげさまで、多くの採用をいただいており、これらの製品の売上は堅調に推移しております。

OSリングにおける提案営業の取り組み(CRSS)

OSリングにつきましては、検討コラボレーションサイトシステム(CRSS)というシステムを構築し、販売促進のツールとしております。OSリングの販売には構造計算が必要となりますが、設計変更のたびにやり直しとなるため、弊社、そしてお客さまにとっても非常に手間のかかることが課題でありました。

しかしこのシステムにより、お客さまとリアルタイムに情報を共有することで、設計変更の際の煩雑なやり取りが不要となりました。検討の迅速化、利便性の提供が可能となりました。こういった取り組みもあり、OSリングの売上は大きく伸びております。

耐震・免震・省力化工法

ここに掲げておりますのは、当社の主な耐震・免震・省力化工法でございます。今後も建設現場のニーズを捉えた新製品を投入し、営業の強化を図ってまいりますので、ご期待いただければと思います。

下期セグメント別・製品別売上高予想 【7月~12月】

それでは、数字のご説明に戻りたいと思います。先ほどご説明いたしました外部要因・アクションプランを勘案し、2017年下期の売上高をセグメント別に予想します。

建設関連製品事業は、前年に比べ10.1パーセントの増加となる、274億7,400万円と予想しております。

自動車関連製品事業は、前年に比べ2.8パーセントの増加となる、44億2,900万円と予想しております。

多角化事業は、前年に比べ59パーセントの増加となる、12億3,900万円と予想しております。

なお、合計は資料に記載のとおりでございます。ホテル事業を除いた前年と比較しますと、下期の売上高予想は10.3パーセントのプラスとなります。

下期セグメント別営業利益予想 【7月~12月】

次に、2017年下期の営業利益予想をセグメント別に見ます。

建設関連製品事業は、前年に比べ16.9パーセントの増加となる、27億2,800万円と予想しております。

自動車関連製品事業は、前年に比べ22.5パーセントの増加となる、6億2,900万円を予想しております。

多角化事業は、前年に比べ160.8パーセントの増加となる、2億4,500万円と予想しております。

昨年譲渡したホテル事業につきましては、下期に利益が出やすい事業でありました。昨年度は下期に約6億円の利益を計上いたしましたが、今年度からはホテル事業の利益がないということになります。これを他の事業の利益にて補う計画を立てております。

なお、ホテル事業を除いた前年と比較しますと、下期の営業利益予想は22.5パーセントのプラスとなります。

下期連結業績予想 【7月~12月】

このような下期予想の結果、2017年度の下期の連結業績は、売上高は331億4,200万円。前年に比べ0.9パーセントの増加。

営業利益は36億400万円。前年に比べ0.6パーセントの増加。

経常利益は36億8,400万円。前年に比べ2.3パーセントの減少。

当期純利益は23億6,100万円。前年に比べ64.7パーセントの減少となる見通しであります。

なお、昨年度は当期純利益が過去最高となりましたが、これはホテル事業の売却益の約60億円を計上したためであります。

連結業績予想 【年間】

この下期予想と上期における実績を通算いたしまして、2017年度連結業績予想のご説明です。

売上高は620億円。前年に比べ1.9パーセントの減少。

営業利益は57億円。前年に比べ3.1パーセントの増加。

経常利益は58億円。前年に比べ0.3パーセントの増加。

当期純利益は36億4,000万円。前年に比べ53.7パーセントの減少となる見通しであります。

なお、通期のセグメント別・製品別売上高予想・営業利益予想につきましては、ご参考資料としてお付けしておりますので、別途ご覧いただければと思います。

資産収益性について

次に、当社の資産収益性についてご説明いたします。先ほどご説明させていただきました業績予想と、予想バランスシートに掲載した、2017年期末の予想ROA及びROEでございます。

ROAは6.9パーセント、ROEは7パーセントとなっております。今後も成長分野への投資活動等を通じて、財務の健全性を維持しつつ、資産収益性の持続的な向上を図ってまいります。

配当について

次に、株主還元につきましてご報告いたします。当社グループの配当政策は、安定的な配当を継続することを基本として連結業績を考慮、併せて企業体質の強化と将来の事業展開に備えるための内部留保の充実などを勘案して、決定する方針を採用しております。

このような基本方針のもと、2017年12月期の配当金額につきましては、普通配当24円に加えまして、100周年の記念配当として中間3円・期末3円の、年間6円の配当を実施します。その結果、年間配当は30円となる見通しであります。