2017年4月期通期決算説明会

友松功一氏:フルスピード代表の友松です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。それでは私より、2017年4月期通期の決算概要について説明させていただきます。

FY2017通期 実績

通期の業績になります。売上は180億6,500万円、営業利益は8億5,000万円となりました。

業績ハイライト

業績ハイライトになります。売上高は前年比約20パーセント増となっています。大きくはアドテクノロジー事業の「AdMatrix DSP(アドマトリックス・ディーエスピー)」というプロダクトと、アフィリエイト・プラットフォームの「afb(アフィビー)」というサービスがあるのですが、両方とも順調に成長しておりまして、売上高を大きく押し上げるドライバーとなっています。

インターネットマーケティング事業についても、とくにSNSを使ったソーシャルメディア関連のマーケティング・コンサルティングの需要が引き続き好調で、これらの需要を取り込みまして、前年比で若干プラスとなりました。

営業利益は8.5億円ということで、残念ながら減益となりました。こちらは4月に発表させていただいておりますが、当社の大口の取引先である㈱グロワール・ブリエ東京とグループ会社の多額債権が取立不能となりました。(同社が)4月に破産の手続きを開始しましたので、こちらの損失インパクトが約4.5億円ありまして、減益となりました。

合わせて一過性の損失というところで、営業外費用で1億円、特別損失で8,000万円を計上させていただいています。

特別損失は、(スライドに)「アドネットワーク事業拡張による、旧資産に対する減損」とありますが、もともとはスマートフォン向けのアドネットワーク事業を買収したものを動画向けの事業モデルに転換したこともあり、こちらの旧資産を減損というかたちで処理をしたことにより、特別損失を8,000万円計上しています。

FY2017通期実績 業績予想との差異

4月7日に修正予想を出させていただきましたが、そこから若干減益となりました。

アドテクノロジー事業中心の収益・利益構造への転換

事業に関しましては、アドテク関連の事業がだいぶ成長してきていますので、売上高は約60パーセントのシェア率、売上総利益は72.9パーセントのシェア率となっています。

インターネットマーケティング事業中心の展開からアドテク事業への転換が進んできているかと思います。

売上高の増減分析(前年比)

連結売上高の増減分析になります。アドテク事業が約24億円のプラス、インターネットマーケティング事業が約5億円のプラスとなっています。その結果、連結売上高は180億円で着地しています。

営業利益の増減分析(前年比)

連結営業利益の増減分析になります。アドテク事業の売上総利益が5.5億円のプラス、インターネットマーケティング事業の売上総利益が約5,000万円のプラスとなっています。

先ほどお伝えした、(㈱グロワール・ブリエ東京とグループ会社の)多額債権が取立不能ということで、4.5億円のマイナスとなっていまして、前期の(営業利益)9億5,500万円から約1億円の減益となっています。

健全な財務状況

キャッシュフローは順調に積み増してきています。こちらは引き続き安定的な財務体質を実現できていると捉えています。

“JPX 日経中小型株指数”へ採用

会社全体のトピックスになります。2016年の12月、日経の中小型株指数に採用されました。

“伸びる会社MIDDLE200”へ選定

もう1点は、直近の4月に日本経済新聞社の「新興市場に上場する中堅企業の成長力ランキング」にもピックアップされています。それによってお客様からお問い合わせをいただいたり、PR用の取材をいただいたりということで、影響があったかと思います。

FY2018 業績予想

2018年の業績予想になります。売上高は200億円、営業利益は16億円とさせていただいています。

2017年4月期は、特殊要因にはなりますが、貸倒れ損失の引当がありましたので、若干減益となっていますが、事業は順調に成長しています。

当初の2020年の目標に対する計画は2018年も変わらず、予定どおり売上高は200億円、営業利益は16億円とさせていただいています。

フルスピードグループが目指していること

今はアドテク事業が成長の柱になっていますが、マーケティング事業と合わせて、“テクノロジーカンパニー”として、既存で立ち上げている事業をより拡大していきます。来期(2018年4月期)もそのような方針で進めていきたいと考えています。

アドテクノロジー事業

2017年までのアドテクノロジー事業の数字はこのとおりです。2018年もこのまま拡大基調で、アフィリエイト・プラットフォームの「afb」と「AdMatrix DSP」に加えて、2017年に立ち上げた「PolymorphicAds(ポリモフィックアドス)」というブランディング動画広告ネットワークにも力を入れて拡大していきたいと考えています。

テクノロジー事業展開

弊社は広告主とユーザーをつなぐ“バリューチェーン”の垂直展開によって、高収益化を目指しています。訪日×テクノロジーの「GoJapan」などのプロダクト型メディアもユーザー数が増えてきていますので、このかたちが徐々に完成しつつあります。

ビジネス向けNo.1広告配信プラットフォーム「AdMatrix DSP」

DSPのトピックスになります。(2017年以前は)フルスピード独自の営業部隊で直販もずっとやってきたのですが、2017年は大手の代理店さんからの引き合いで、売上がだいぶ伸びてきています。2018年は、このまま代理店様向けの取引を拡大していきたいと考えています。

アフィリエイト・プラットフォーム「afb」の事業拡大を維持

アフィリエイト・プラットフォーム「afb」も順調に推移しています。登録サイト数、プロモーション数ともに前期比プラス10パーセントとなっています。

インターネット広告業界の健全化取組みに積極参加

昨年末頃から、インターネットメディアによって信頼性のない記事がたくさん出ることによって、業界としてご批判をいただくこともありました。

自社ではメディアを運営していませんが、メディアとの間に入ってクライアントと取引するケースが多いので、今期は「メディアに誤った記事がないか」「法律に反するような記事を書いていないか」という審査体制を強化したり、検討会を発足したりという、ディフェンスの動きにも注力していきます。

株式会社カームボールドを設立

動画事業になります。前述の「PolymorphicAds」という動画アドネットワーク事業を5月末に分社化しました。

分社化した理由は、やはり1社単独で事業を展開していくより、大手の代理店やメディアと連携していくほうが事業の成長スピードが早いということで、このタイミングで分社化しています。

事業系統図(動画アドネットワーク事業)

「PolymorphicAds」という商品ですが、こちらはメーカーや大手企業が現在テレビCMなどに落とされているブランディングやPRのための広告費をインターネット側に使っていただこう、という商品の1つです。

ですので、フルスピードが得意としている中堅企業向けの取引とは少し違って、大手の企業を相手にしていくようなサービスになると思います。こちらは今、大手の代理店と連携して進めている最中です。

テクノロジー基盤

テクノロジー基盤ということで、昨今、エンジニア不足ということが言われていますので、昨年セブ島に開発拠点を作りまして、すでに稼働を始めています。

セブ島とも連携し、新しいプロダクトを作っていく際にも、技術力で差別化して、事業スピードを上げていく体制を目指しています。

インターネットマーケティング事業

インターネットマーケティング事業になります。前述のとおり、ソーシャルメディア関連の取引が増えていることもありまして、前年比で若干プラスとなり、2018年もこのまま成長していける計画です。

コンサル・広告

最近ではFacebookやInstagramなどは、国内だけではなく海外向けに発信したいというお客さまからの需要があります。

そのような海外に配信したいお客さま向けのサービスも立ち上げていまして、こちらも順調にきていますので、今後はそのような需要も取り込んでいきたいと考えています。

領域特化:中国

中国関連になります。訪日インバウンドビジネスの「GoJapan」はユーザー数が順調に増えていまして、ダウンロード数100万人を突破することができました。

今後は当然「GoJapan」を成長させていくということになりますが、中国国内にあるメディアとの提携を進めていくような、次の展開も図っていきたいと考えています。

領域特化:ヘルスケア

ヘルスケア事業になります。昨期(2016年4月期)に親会社のフリービット㈱が「㈱フリービットEPARKヘルスケア」という会社を新しく買収して事業展開していますので、基本的にはここと連携していくことを今のスタートとしています。

実験段階ではありますが、すでに両社で提携したサービスを一部のクライアントに提供を始めています。そのため、EPARKヘルスケア自体は今、薬局向けのサービスを展開しているのですが、こちらのサービスが大きくなればなるほど、弊社の広告ビジネスも大きくなっていくという展開を考えて、弊社でこちらのメディアの成長も支援しながら、一緒にビジネスをやっていくことを考えています。

組織戦略

組織戦略になります。こちらのスライドにあるように、「ココロ∞テクノロジー」をビジョンとしています。昨今、働き方改革や女性の活躍といったところで、弊社の業界も人材がかなり不足している状況です。

そういった中で、たくさんの人に、パフォーマンスを最大化して一生懸命働いていただくためにも、会社としていろんな働き方の選択肢を用意しておく必要があるということで、リモートワークや勤務時間の選択制といった新しい働き方への取り組みも、今期以降により力を入れてやっていきたいと考えています。

以上、私からの2017年4月期の決算概要のご説明とさせていただきます。ありがとうございました。