2017年度第1四半期決算説明会

見浪直博氏:財務責任者の見浪でございます。それでは2017年度第1四半期決算についてご説明をいたします。

会社実績

はじめに2017年1-3月の全社実績をご説明いたします。

全社利益指標である為替一定ベースの調整後営業利益は、医薬および海外たばこ事業の利益成長はあったものの、国内たばこ事業の減益により、前年同期比3.1パーセント減少いたしました。

3.1パーセントの減少となったのは、国内でのT-Vapor市場の拡大や海外での総需要減少などを反映したものでありますが、国内・海外のたばこ事業における在庫充実などの特殊要因が前年同期の利益を押し上げていたことも影響しております。

前年との比較では減益ですが、6,070億円という通期の見込みに対しては順調に進捗をしております。

財務報告ベースの売上収益および調整後営業利益は、厳しい事業環境、前年の特殊要因の影響および不利な為替変動により、それぞれ5.2パーセントの減収、8.6パーセントの減益となりました。

営業利益・四半期利益につきましては、こうした要因に加えて、不動産関連売却益が前期から450億円程度減少していることもあり、前年同期比でそれぞれ26.9パーセント、27.5パーセント減少いたしました。

第1四半期では、前年比較上弱含むのは年度当初から認識をしており、今期の実績は想定のとおりとなりました。

海外たばこ事業実績①

続いて、事業別実績をご説明いたします。はじめに海外たばこ事業です。

新興市場におけるパフォーマンスは引き続き好調でしたが、さまざまな市場における総需要の減少、CIS諸国などでの競争激化および欧州における対前年での不利な流通在庫調整影響を主因として、総販売数量は前年同期比2.9パーセントの減少となりましたが、GFB販売数量はイランおよび台湾でのモメンタムなどにより、ほぼフラットとなりました。

詳細については、後ほどクラスター別実績のなかでご説明をさせていただきます。為替一定ベース自社たばこ製品売上収益につきましては、プライシングが販売数量減少の影響を相殺し、前年と同水準の実績となりました。

また、為替一定調整後営業利益は、プライシングおよび拠点最適化による製造コストの低減により、厳しい事業環境の中でも1.5パーセントの増益となりました。

財務報告ベースでは、現地通貨安による為替のネガティブな影響を受け、1.6パーセントの減収、6.1パーセントの減益となりました。

円ベースの実績は、スライドにお示ししているとおりです。

海外たばこ事業実績② クラスター別実績

続いて、クラスター別実績についてご説明いたします。

まずSouth & West Europeクラスターの実績です。規制導入、増税値上げによる総需要減少の影響に加え、前年同期にはイタリア、スペイン、フランスでの流通在庫充実があったことから、総販売数量、GFB販売数量はそれぞれ6.4パーセント、5.9パーセントの減少となりました。

しかしながら、シェアは引き続き伸長をしています。イタリア、フランスではWinston、CAMELが、スペインではCAMELが好調に推移し、シェア増に貢献しております。

North & Central Europeクラスターにつきましては、UK、アイルランド、ドイツなどにおける総需要減少の影響により、総販売数量、GFB販売数量ともに対前年で減少いたしました。

UKでは、EU TPD2などの規制導入と増税の影響を受け、総需要の減少およびダウントレーディングが継続し、総販売数量、GFB販売数量は対前年でそれぞれ7.2パーセント、13.6パーセント減少しました。

なお、UKの四半期ベースのシェアはこれまで減少してきましたが、競合との不利な価格差がなくなってきたこともあり、この1-3月期では対前期で横ばいとなっております。

続きまして、CIS+、Rest-of-the-Worldクラスターの実績です。

まずCIS+クラスターでは、主にロシア、ウクライナでの総需要の減少により、総販売数量およびGFB販売数量はそれぞれ6.7パーセント、6.2パーセントの減少となりました。

ロシアでは増税値上げなどの影響により、総需要は5.5パーセント減少しました。これにより、総販売数量は6.5パーセント、GFB販売数量は5.8パーセントの減少となりました。

足元のシェアの状況につきましては、引き続きWinstonが堅調に推移していることに加え、低価格帯における競争への対応の結果、昨年の第4四半期から改善しています。

Rest-of-the-Worldクラスターにおきましては、さまざまな市場で数量を伸ばしています。GFB販売数量はイランおよび台湾で着実な伸長が見られ、全体で12.1パーセントの増加となりました。

イランではWinstonの力強いモメンタムに加え、CAMELの投入がパフォーマンスを牽引し、トータル、GFBともに大幅に販売数量を伸ばしています。

台湾ではWinstonが好調、LDやMEVIUSも数量成長しております。また、数量成長に加えて、トルコをはじめ、さまざまな市場で値上げを実施しており、売上収益についても大幅に成長しています。

海外たばこ事業実績③

為替一定ベース自社たばこ製品売上収益は、プライシング効果が販売数量減少の影響を相殺し、対前年でフラットとなりました。

為替一定ベース調整後営業利益は、新興市場およびエマージングプロダクツへの投資を強化しながらも、数量分影響をプライシング効果と拠点最適化による5,000万ドル程度の製造コスト減少が上回り、対前年で1.5パーセントの成長となりました。

第2四半期以降につきましては、先ほど説明した前年比較上の不利な流通在庫の影響はございません。また、製造コスト削減効果は引き続き削減してまいります。

加えて、16年度はロシア、UKにおける価格戦略を下期から実施したため利益が上期にやや偏っており、前年比較上、17年度の利益成長率は下期に高くなる見込みです。

こうしたことから、通期見込みである9パーセントの利益成長は可能であると考えております。

海外たばこ事業実績④

財務実績における為替影響をお示ししております。

イギリスポンド、トルコリラなどの現地通貨対ドルのネガティブな為替影響に加え、円もドルに対して高めに推移したことから、自社たばこ製品売上収益および調整後営業利益は、前年同期比それぞれ3.1パーセント、7.6パーセントの減少となりました。

国内たばこ事業実績①

続いて、国内たばこ事業です。

紙巻総需要、JT紙巻販売数量ともに大幅な減少となっていますが、これはT-Vapor市場の拡大に加え、前年におけるMEVIUSの定価改定前の仮需、販売日数が1日少ないことおよび前年12月における販促強化の反動といった、特殊要因の影響も受けている数字です。

これらの特殊要因を除くと、T-Vapor影響および日数制限による紙巻総需要の減少率は9パーセントから10パーセントと考えており、JTの数量も含め、ほぼ見込みどおりに推移しているとみております。

また、足元のシェアの状況は、スライドにお示ししているとおりです。

第1四半期には、一時的要因の影響はあるものの、JTシェアは16年通期の実績対比でほぼフラットとなっております。

加えて、NAS(Natural American Spirit)については、シェア、数量ベースともに伸長し、好調なモメンタムを維持しております。

国内たばこ事業実績②

次に、国内たばこ事業の財務実績です。

自社たばこ製品売上収益は、紙巻販売数量減少の影響をMEVIUSの定価改定による単価効果が一部相殺し、対前年で167億円、10.4パーセントの減収となりました。

調整後営業利益は、製造コストの低減および販促施策費用の後退の減少があったものの、減収影響が大きく対前年で85億円、13.0パーセントの減収となりました。

第1四半期は大きな減益となりましたが、一時的な要因である前年の仮需影響は4月以降解消されることとなります。引き続き通期見込みの達成に努めてまいります。

医薬・加⼯⾷品事業実績①

続きまして、医薬・加工食品事業の実績についてご説明いたします。

医薬事業はゲンボイヤなどの販売が好調に推移したことによるロイヤリティ収入の増加を主因として、対前年で17億円の増収、19億円の増益となりました。

加工食品事業につきましては、調味料の販売が伸長したものの、その他商品の販売が減少したことにより、対前年で減収となりました。

一方、冷凍・常温加工商品における原材料価格の下落、コスト低減の取り組みなどにより、調整後営業利益は対前年で同水準となりました。

終わりに

2017年度第1四半期の実績は、通期の利益成長率見込みと比べ弱含んでみえますが、一時的なマイナス要因による影響は当初から見込んでおり、想定の範囲です。通年計画の達成に向け、順調なスタートが切れたと考えております。

海外たばこ事業においては、新興市場およびエマージングプロダクツへの投資を強化しながら、コスト減の着実な発現により、通期見込みである9パーセントの利益成長を目指してまいります。

国内たばこ事業においては、紙巻きたばこシェアの維持、向上を図るとともに、Ploom TECHについては6月末からの東京での販売に向けて、製造能力の増強、販売拠点の確保など、準備を進めてまいります。

医薬・加工食品事業では、JTグループの利益成長を補完すべく、2017年、両事業で100億円超の増益貢献に努めてまいります。

厳しい事業環境においても、2017年の通期見込みを達成するとともに、将来の利益成長に向けた事業投資を着実に実行し、中長期にわたるMid to high single-digitの利益成長を目指してまいります。

ご清聴ありがとうございました。