2016年度 決算概要
本日はご多用のところお集まりいただき、 誠にありがとうございます。最初に2016年度の決算概要についてです。なお、2016年度の本決算よりすべてIFRSベースでのご説明となります。
決算のポイント
2016年度決算のポイントはご覧のとおりです。売上高は車載事業の伸長により、実質ベースで増収を達成。
調整後営業利益は、全体では先行投資や為替の影響により減益になりましたが、堅調な白物家電事業や、車載・産業向けの比率が拡大したインダストリアル事業等では増益となりました。
純利益は、本年2月2日に発表した公表見通しから194億円上回りましたので、年間配当は、従来の予想から5円引き上げ、25円とさせていただきます。
連結業績
連結業績はご覧のとおりです。売上高は前年比96パーセント、為替影響を除く実質ベースでは、車載や家電事業等が成長し、新規連結されたハスマン社を除いても増収となりました。
調整後営業利益は、将来成長に向けた先行投資の影響により、全体では696億円減益の3,436億円となりました。
その他損益は、前年度に訴訟関連費用等を計上していたため大幅に改善し、営業利益は2,768億円、純利益は1,494億円となりました。
2016年度のROEは9.9パーセントとなりました。今後も10パーセント以上の水準を目指してまいります。
事業別 売上高増減
こちらでは、「売上開示単位」での増減要因を示しております。為替影響を除く実質ベースでは増収。
ソーラーが悪化したエナジーシステム、市場が縮小したコミュニケーション、震災影響を受けた映像・イメージングは減収であったものの、新規連結した食品流通、エナジー、オートモーティブ、エアコンの成長により、全体では実質増収となりました。
要素別 調整後営業利益増減
続いて、調整後営業利益の要素別増減要因です。新規連結の影響、実質ベースでの増販に加えて、合理化・構成差が増益に貢献しました。しかしながら、先行投資による固定費の増加や為替影響により、全体では減益となりました。
セグメント別実績
続いて、セグメント別の実績です。アプライアンスはハスマンの新規連結に加え、日本、アジアの家電事業が堅調に推移し増収。
とくに日本では、過去最高の占有率を獲得しました。営業利益は白物家電のプレミアム戦略による収益良化、拠点再編費用の減少などにより増益。
エコソリューションズは、為替影響に加えて国内住宅用ソーラー市場の縮小が続き減収。 営業利益はソーラーの減収が大きく響き減益。
AVCネットワークスは、売上高および調整後営業利益は為替や熊本地震の影響を受け、大きく減収減益。
その他損益は、土地売却益があったものの、構造改革費用、アビオニクス事業に対する米国政府当局調査関連の引当金等により全体としては減益。
オートモーティブ&インダストリアルシステムズは、 為替影響が大きく響き減収ですが、実質ベースでは車載・産業向け売上が成長し増収。
調整後営業利益は、為替や先行投資により減益。
営業利益は、前年度に訴訟関連費用引当金等を計上していたため、今年度はその他損益が大きく改善し、営業利益全体では増益となっています。
大規模6事業部・テレビ事業部
こちらは大規模6事業部とテレビ事業部の実績であります。
資金の状況
続いて資金の状況です。戦略投資を除くフリーキャッシュフローは、全社を挙げたキャッシュ創出の取り組みの結果1,903億円となり、公表値1,500億円を上回りました。
キャッシュ化速度は30日となり、前年から1日改善。2016年度末のネット資金は1,966億円となりました。
戦略投資を除くフリーキャッシュフローについては、今後も少なくとも1,500億円という水準は意識してまいります。
2016年度 配当金
2016年度の配当金はご覧のとおりです。純利益が公表値を上回りましたので、年間配当は本年2月28日に発表した予想から5円引き上げ、25円とさせていただきます。
今後も連結業績に応じた、安定的かつ継続的な配当成長を目指してまいります。
2017年度 業績見通し
続いて2017年度の業績見通しをご説明します。
業績見通しのポイント
2017年度は、これまでの成長に向けた取り組みの成果が現れ、増収増益へと転じる見通しです。
売上は全セグメントで増収。とくに車載電池の販売拡大や フィコサ社の連結など、車載事業が大きく成長します。
営業利益は、車載や家電などの増販益に加え、新規連結の影響、構造改革費用減少などによりその他損益が改善し、全体で増益となります。
連結業績見通し
連結業績見通しはご覧のとおりとなります。売上高は、車載や家電事業の成長、新規連結影響により前年比106パーセントの7兆8,000億円となり増収。
営業利益は、増販益などにより、前年から582億円増益の3,350億円を見込んでいます。
税引前利益は、前年から499億円増益の3,250億円。
純利益は、106億円増益の1,600億円となる見通しです。為替の前提はご゙覧のとおりです。
なお、2016年度は会計基準の移行期間措置として、米国会計基準の営業利益の概念に近い調整後営業利益を開示してきましたが、2017年度にIFRSへ完全移行したことから、今後は営業利益のみを開示してまいります。
事業別 売上高増減
こちらは売上開示単位での増減要因です。2017年度の売上開示事業単位は最終ページに 掲載しておりますので、併せてご確認ください。
為替影響を除く実質ベースでは、フィコサの新規連結とインフォテインメント事業が伸長するオートモーティブ、車載電池の販売が拡大するエナジーが、それぞれ大きく増収となる見通しです。
エアコンやメジャー、スモール・ビルトイン等の白物家電は日本・アジアを中心に引き続き堅調に推移しており、増収を牽引します。
ベルギーの物流ソリューション会社・ゼテス社の新規連結によりモバイルソリューションズも増収となります。
要素別 営業利益増減
続いて、営業利益の要素別増減要因です。引き続き投資フェーズにある車載事業を中心に固定費が増加しますが、 新規連結、車載や家電などの大幅な増販益、 合理化・構成差でカバーし、全体としては増益となる見通しです。
セグメント別見通し
続いて、セグメント別の見通しです。2017年4月1日より、組織の一部変更により、セグメントを見直しております。 変更点は26ページに記載しておりますのでご参照ください。
セグメント別増減
ご覧のとおり、売上はすべてのセグメントで増収となる見通しです。とくに車載電池の販売拡大や新規連結の影響により、オートモーティブ&インダストリアルシステムズが 大きく増収を牽引します。
営業利益は、アプライアンスは、主に家電の高付加価値商品へのシフトにより増益。熊本地震影響や引当金計上など、前年度に一時費用を計上していたコネクティッドソリューションズは増益。 オートモーティブ&インダストリアルシステムズは全体では減益となりますが、これは前年度に引当の戻入や事業譲渡益を計上した反動であり、事業から生み出される利益は大幅に増益となる見通しです。
アプライアンス(製販連結)
ここからは各カンパニーの見通し概要です。最初にアプライアンス、製販連結ベースです。 需要動向については、日本の家電市場は緩やかな成長となる一方で、エアコンや冷蔵庫・洗濯機などメジャー家電を中心に、アジア・インドで高い成長を 見込んでおります。
売上高は、エアコン、メジャーおよびスモール・ビルトイン事業が大幅に増販となり、実質増収となる見通しです。
営業利益は、原材料・主要部品価格および人件費の上昇が利益の押し下げ要因となるリスクはあるものの、堅調な家電やアジア・中国において高付加価値商品へのシフトが進むことにより前年からの増益達成を目指します。
エコソリューションズ
続いてエコソリューションズです。今年度、国内は新築住宅着工数が前年を下回り、ソーラーの国内市場も厳しい状況が続くと予想していますが、 リフォーム市場は緩やかに復調すると考えています。
一方、海外では北米、アジア、インドなどで、住宅市場の成長は続く見込みです。売上は主力の配線器具や照明機器等の電設資材事業において、国内では商品力・販売力を強化し、海外では、アジア、インド等の成長市場に集中し増収。
生産能力増強を行ったエコシステムズも、北米、インド等での旺盛な需要を取り込み、大幅な増収を目指します。
営業利益はエイジフリー事業の拠点展開などの投資があるものの、不要不急の投資や費用の増加を抑え、併せて堅調な事業で増販することにより全体では増益を目指しま す。
コネクティッドソリューションズ
続いてグループのBtoB事業の中核を担うコネクティッドソリューションズです。売上は航空機需要の減少に伴い、アビオニクスは 減収となりますが、新規連結のゼテス社を含むモバイルソリューションズを中心に実質増収を見込みます。
営業利益は、 前年度の熊本地震や引当金の影響を除くと減益となりますが、パナソニック システムソリューションズジャパンにおける、 公共や流通、物流業界向けの大型件名等が貢献することにより、全体では増益となる見通しです。
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
最後はオートモーティブ&インダストリアルシステムズです。自動車産業においては電動化・電子化が本格化しており、今年度も車載関連需要の拡大が見込まれています。
また製造現場でのIoT活用によるネットワーク化進展に伴い、産業デバイスの需要も増大しております。
売上は車載電池や車載情報通信システム(IVI)などの販売が拡大フェーズに入ることに加え、リレーやモーターなど車載・産業向けデバイスの増販、フィコサ社の新規連結により全体では増収。
前年度に計上した引当金の戻入益や事業譲渡益の反動により全体では前年並みの営業利益となりますが、オートモーティブでは新規連結に加え、IVI等の高付加価値商品の貢献、エナジーでは車載電池の販売増によりそれぞれ増益。
インダストリアルでは、ICTから車載・産業向けへのシフトに伴い、 高付加価値商品が増益に寄与します。
大規模6事業部・テレビ事業部の見通し
こちらは大規模6事業部とテレビ事業部の見通しであります。二次電池事業部は、車載電池の伸長により大幅な増収を見込みます。
営業利益は前年度に引当金の戻入益などを計上した影響で、 前年差はプラス19億円にとどまっておりますが、増販効果等による利益増は約200億円を見込んでおります。
これまでのご説明のとおり、2016年度に実質増収を達成した流れを受けて、2017年度は増収増益を目指してまいります。私からの説明は以上となります。