2016年度 実績

高畑恒一氏:17年度の予算につきまして、概要をご説明させていただきます。

まず、表紙めくっていただいて1ページ目、2016年度実績ですが、資料に記載のとおり、2016年度の当期利益は1,709億円となりまして、前年同期と比べ963億円の増益となりました。

その下に記載してありますが、減損損失を除きました基礎収益で見てまいりますと、前期と比べて335億円増益の2,267億円となりました。

下段に記載のとおりですが、一過性の損益ですけれども、前年同期と比較しますと740億円改善いたしまして、2016年度は通期で460億円の損失となりました。

左側にビジネスラインごとのトレンドを書いています。

少し補足でご説明いたしますと、資源ビジネスにつきましてはニッケル・原油などの価格下落の影響があった一方で、石炭などの価格の上昇、各プロジェクトでのコスト削減、販売数量の増加などにより、全体としては増益となっております。

一方、その下の鋼管事業ですけれども、油価低迷の影響。とくに米国市場での需要の戻りが遅くなりまして、前年同期では減益となっております。

その他の非資源ビジネスですが、海運市況の低迷に伴いまして、船舶事業が低調に推移しましたけれども、メディア・生活関連の国内主要事業会社、不動産事業やリース事業などが堅調に推移したことなどから全体では増益となっております。

一過性の損益ですが、前年度はご案内のとおり、マダガスカルニッケル事業など複数の案件で減損の損失を計上するなど、合計で1,200億円の損失となった一方で、2016年度は第3四半期に開示をいたしましたシエラゴルダ、チリでの銅・モリブデン事業の減損損失336億円など、全体では460億円の損失を計上しております。

ちょうど上段のところに四半期ごとの業績のトレンドを書いてございます。まず鋼管ビジネスですが、期を通じて厳しい事業環境が継続したということでございます。

一方で、資源ビジネスでは期中からの、後半からの資源価格上昇の影響もございまして、第2四半期以降黒字に転換したことに加えまして、その他非資源ビジネスでは通期で安定した進捗となっております。

これらの結果、直近の第4四半期単独でみますと、前者では741億円の基礎収益となってございます。

この中には1部不動産関連での一過性の読みも含まれておりますけれども、そういった要素を除きましても、足元の基礎収益はおおむね600億円を超えるレベルで推移をしているというふうにみております。

キャッシュ・フロー/財政状態

続いて、ページを1枚めくっていただきまして、キャッシュフローとバランスシートの状況について簡単にご説明を申し上げます。

左側の上段、キャッシュフローですけれども、フリーキャッシュ・フローのところ、2016年度は1,651億円のキャッシュ・インとなりました。

その下に要素別に書いてございますが、基礎収益キャッシュフローが2,106億円のキャッシュ・インとなったことに加えまして、インドネシアのバツ・ヒジャウ銅鉱山の権益、あるいは国内爽快ドラッグの売却など資産入れ替えを進めたことによるキャッシュの回収が約1,800億円ございました。

一方で、キャッシュ・アウトといたしましては、米国オフィスビルの取得。あるいは、第4四半期に実施いたしましたアイルランドでの青果物生産卸売企業Fyffes社の買収などによりまして、年間では3,400億円の投融資を実行してございます。

その下、バランスシートですけれども、年度末のバランスシート、総資産ではおおむね前年度末と横ばいの水準になっております。

当期中には資産入れ替えによる減少の一方で、新規の投融資による増加がございまして、ほぼほぼ横ばいの、3月末時点では7兆7,618億円となっております。

株主資本の方ですけれども、主に当期利益の積み上げによりまして、前期末と比べまして1,150億円増加の2兆3,665億となっております。

2017年度 通期予想

続きまして、2017年度の業績予想についてご説明をいたします。

もう1枚めくっていただいて、3ページの方をご覧ください。

まず全体の景況感ですけれども、米国新政権の政策・英国のEU離脱交渉・中東などの地政学的リスクといった、いわゆる先行きに関する不透明感については引き続き残るというふうにみておりますが、世界経済全体では米国を中心に緩やかな成長が続くというふうに見通しております。

また、国際商品市況も中国の内需拡大を背景に総じて堅調に推移するというふうに見通しております。

こうした環境の中で、当社の業績見通しですが、資料に記載のとおり、2017年度の当期利益は2,300億円、基礎収益は2,600億円と見通しております。

資源ビジネスにつきましては、亜鉛・鉄鉱石などを中心とした資源価格上昇の影響により、16年度比でも増益を見込んでおります。

鋼管事業は、需要の本格的な改善には今しばらく時間を要すると見通しておりますが、リグカウントの緩やかな増加等に伴いまして、下半期以降収益が回復するものとみております。

その他非資源ビジネスにつきましては、メディア・生活関連の国内主要事業会社あるいは不動産事業などのコアビジネスが引き続き堅調に推移すると見込んでおります。

また、一過性の損益といたしましては、資産入れ替えを着実に実行し、体質改善を進めていくためのコストとしまして、昨年の計画同様引き続き200億円のコストを織り込んでおります。

配当金

続いて、資料4ページをご覧ください。

ここでは2016年度の配当金、および2017年度の配当予想についてご説明いたします。

現行の中期計画におきましては、1株あたり50円を年間配当の下限としまして、連結配当性向25パーセントを目安に基礎収益やキャッシュフローの状況を踏まえて配当額を決定することとしております。

2016年度の連結純利益は、先ほどご説明のとおり1,709億円となりましたが、当期の年間配当につきましては、現行の配当方針に基づきまして50円とする予定にしております。

中間配当は25円でしたので、期末の配当は差し引きまして25円となります。また、2017年度の年間配当につきましても同様に50円とする予定でございます。

以上で私からの説明は終了いたします。