2016年12月期決算説明会

宇野康秀氏:社長の宇野でございます。本日は、みなさんご多用のなかお集まりいただき、誠にありがとうございます。

2016年12月期の決算説明ならびにこの期をもちまして、USEN社との経営統合を発表させていただいておりますので、それにつきましても現在の方針と今後の予定等についてご説明させていただければと思います。

2016年12月期連結決算のポイント

まず昨年度12月期の決算のポイントということで、3つあげさせていただいています。

両事業ともに、トップラインは堅調に推移いたしました。連結の売上高で458億円ということで、前年同期比で35パーセント増加ということで着地をしております。

2番目ですが、セグメントごとに中身を見ていきますと、少し違ったかたちの結果になってしまっていまして、まずコンテンツプラットフォーム事業、いわゆるビデオオンデマンドの事業です。こちらにつきましては、本年度も会員数を順調の伸ばすことができまして、売上も増加しておりますし、利益的にも安定的な利益を出すことができ、順調に推移することができたというところであります。

一方で、コミュニケーションネットワーク事業につきましては、MVNOのサービスであります「U-mobile」の事業、そして光コラボの事業であります「U-NEXT光」において、おもに「U-NEXT光」のほうが多かったのですが、個人のユーザーさまからの未収金というのが一定で発生してしまっております。

その対応に遅れが生じたものですから、一定の評価減の引き当てが3Qに行われたことと、それにともないまして当社のシステムが、固定資産の減損を行わせていただいたということと、一部たな卸の評価減を行いまして、この貸倒引当金が9億円、システムの減損が6億円、たな卸の減損が2億円という大きな金額を第4四半期にマイナス計上させていただいた分、全体としては赤字という結果に終わってしまったということです。

3番目、3Qではそのようなかたちであったものの、この未収金対策にはすでに手が打たれておりますので、4Qにおいては業績の改善ができ、営業利益連結では2.8億円のプラスで終了しておりますということをご報告申し上げたいと思います。

2016年四半期毎業績推移

いま申し上げたところの数字です。これは昨年度の四半期ごとのものを書かせていただいて、(スライド)右側が4Qのところです。

売上がクオーターを追うごとに増加していったわけでございますが、営業利益につきましては先ほど申し上げたように、3Qで大きな損失を計上したということであります。

4Qには2億5,000万円の営業利益、そして2億5,300万円の当期純利益ということで、四半期ベースですでに改善傾向にあるということが確認していただけると思います。

2016年12月期連結決算ハイライト

通期トータルの決算の数字でありますが、残念ながら、売上高が458億円、営業利益が3億9,600万円のマイナス、当期純利益で9億1,100万円のマイナスという結果に終わっております。

セグメント別業績

これをセグメント別に見たのが次の表になります。コンテンツプラットフォーム事業については、売上高が157億6,100万円、そして営業利益が9億2,800万ということで、売上のほうが前年対比30パーセント増。マーケティングコストがより増えているものの、それを見ても営業利益がやや増というのは保てているという状況であります。通信事業のほうは、売上高は37パーセント増の約300億まで届いたものの、営業利益ベースでは6億1,400万円のマイナスが出ております。

繰り返しますが、これに関しましては、一時的な損失だと考えておりますので、未収の対策、h対応およびその評価水準の確認も行うことができまして、今期以降は、当事業に関しましてもしっかりと黒字が出していけるものと見通しております。

主要KPI

続きまして、KPIのところでございます。2013年12月末で書かせていただいておりますが、U-NEXTの契約者数は、3年間で約3倍増加いたしました。この1年間だけで見ても、46パーセントの増加ということになっております。

そしてU-mobileの契約者数ですが、こちらの黄色い部分はプリペイド回線数で、月額の課金ユーザー数が青い色のほうであります。前年度と比較していただくと、トータルでは若干増のように見えるんですが、プリペイドの回線が基本的には訪日外国人向けに販売しているものであり、訪日外国人の数が増えておりますので、マーケット自体は拡大しておるんですが、やや利幅の薄いビジネスであります。

なので私たちは、この月額課金をしっかり伸ばすことに重点を置き直しまして取り組んだ結果、月額課金は大きく伸ばすことができたということになっております。以上、当事業のKPI指標でございます。

TOPICS

補足になりますが、映像事業について、競合他社等との競争が非常に活性化しており激化しているんではないかと、ご指摘・ご質問を多くいただくものですから、こういった資料を参考までに書かせていただきました。

まず、この機関調査によりますと、市場全体で2016年はVOD事業が16パーセント増加したということになりますが、一方でしっかりと会員数と売上を伸ばせている事業者と、そうではないところがやや分かれてきているのではないかと感じております。

この上位3社で48.3パーセントということで、上位の会社による寡占化と言いますか、ユーザーの絞り込みが行われてきているということが起きているなかで、私たちはその上位3社にしっかり入っていると。中でも当社とdTVさん、Huluさんを比較しますと、一部の会社さんの資料等では、dTVさんの会員数は「どちらかと言うと減少傾向に入っているのかな」と見受けられます。

ですから(dTVさんが)会員数を逃しているという意味では、Huluさんと当社が一番伸び率が高いということで、さらに率で言うと当社のほうが高いのではないかと、日本テレビさんの発表等を見ておりますと想像されるところであります。つまり、上位3位に入ったなかで、かつ第2位のHuluさんにもうすぐ追いつくかというところです。

この表で、Netflixさんの次に書いてある「アニメ放題」は、当社がソフトバンクさん向けに提供して、ソフトバンクさんの社名で提供していただいてるサービスで、裏側は当社がすべて運用しています。これらの数値を合算すると、Huluさんの数字を超えているんではないかなと思っておりまして、第2位を狙える状況にあると考えております。

もう一方で、この市場の中で懸念されるのが、外国勢の動きであります。Netflixさん、そしてAmazonさんと、どちらも会員数自体を公表してはおりませんので、この機関が調査したデータに基づくしかないんですけれども。これに基づきますと、Netflixさんは非常に大きなマーケティングの力を入れられているにも関わらず、さほど伸びていないという現状が見受けられます。Amazonさんいおいても、ここからまだ踏み入る余地はあるとは思うんですけれども、今のところはこういった状況であると。

日本のマーケットにおける、私たちの大きな成長の阻害要因になるということは、現状では言えないと思っています。またこれからにおきましても、私たちならではの独自性を出していくことによって、拡大する市場の中で、さらにシェアを高めていくことは十分できるとと考えております。

以上をもちまして、2016年12月期の決算について説明させていただきました。