2017年3月期第3四半期決算説明会

藤本哲也氏(以下、藤本):みなさん、こんにちは。マツダの藤本でございます。本日は当社の決算説明会にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本日の説明内容でございます。まず、私のほうから、2017年3月期第3四半期累計実績と通期の見通しにつきましてご説明いたします。続いて、副社長の丸本より、構造改革ステージ2の進捗につきましてご説明いたします。

それでは、今回決算の総括でございます。

2017年3月期第3四半期累計のグローバル販売台数は、対前年1万7,000台増の116万2,000台と、第3四半期累計としては過去最高の販売台数となりました。

売上高は2兆3,486億円。営業利益は1,020億円。当期純利益は799億円となっております。

防府工場では、昨年12月よりCX-3の生産を開始いたしました。クロスオーバー系車種の生産フレキシビリティ拡大への取組みは順調に進捗しております。

続いて、通期見通しでございます。

グローバル販売台数は155万台と、変更はございません。業績見通しにつきましては、日本・米国での販売状況等を踏まえ、営業利益を1,300億円、当期純利益を900億円に修正いたします。

また、新型CX-5を5年ぶりにフルモデルチェンジし、本日、日本で発売を開始いたしました。今後、順次グローバルに市場投入してまいります。

年間配当につきましては変更はございません。35円を予定しております。

それでは、2017年3月期第3四半期累計の実績につきまして、ご説明いたします。

グローバル販売台数

グローバル販売台数でございます。

グローバル販売台数は116万2,000台と、過去最高の販売台数を更新いたしております。これは主に、CX-3、新型CX-9、中国での新型CX-4など、好調なクロスオーバー系車種の販売拡大によるものでございます。

地域別では、日本・北米において対前年で販売台数が減少しておりますが、欧州・中国・その他市場での増加がそれを上回り、グローバルでは対前年で1パーセント増の台数成長となっております。

それでは、各マーケット別の販売状況につきまして、ご説明いたします。

日本

日本でございます。日本では、対前年19パーセント減の13万2,000台の販売実績。登録車シェアは、対前年1.6パーセント減少の4.6パーセントとなっております。

上期にアクセラ、アテンザ、そして11月にはデミオ、CX-3の商品改良モデルを投入し、12月にはロードスターRFを発売いたしております。

また、本日販売を開始いたしました新型CX-5は好評をいただいております。12月中旬に発表後、1ヶ月半で9,000台を超える累計受注を獲得いたしております。日本を皮切りに、順次グローバルに展開してまいります。

北米

北米でございます。

北米では、対前年4パーセント減の33万1,000台の販売となっております。うち、米国では、対前年3パーセント減となる23万3,000台となっております。

米国では、クロスオーバー系車種の販売モメンタムが継続しておりますが、乗用車セグメントにおいて、需要の縮小や競合激化など、厳しい販売環境が継続いたしております。

一方で、昨年春に投入いたしました新型CX-9は、商品力の大幅向上により、ハイグレードモデルの販売が引き続き好調でございます。

また、引き続きディーラーネットワークの再編/強化に向けた取組みも推進してございます。

メキシコでございますが、ペソ安の対応などによりまして、販売環境の悪化が続いております。対前年9パーセント減の4万1,000台という状況でございます。

欧州

欧州でございます。欧州では、対前年4パーセント増の19万1,000台となりました。CX-3およびMX-5の好調な販売が台数増加に貢献いたしております。

ロシアを除く欧州では、対前年で7パーセント増の17万4,000台となっております。このうち、ドイツでは対前年7パーセント増の4万7,000台、英国では対前年4パーセント減の2万9,000台でございます。

欧州自動車市場の英国EU離脱の影響を示す顕著な兆候は、現時点ではまだ出ておりません。事業・競合動向を引き続き注視してまいります。

中国

中国でございます。中国では、対前年29パーセント増の22万7,000台の販売となりました。

昨年6月に発売いたしました新型CX-4が、「2017中国カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、高い評価を獲得いたしております。計画を上回る好調な販売が続いております。

Mazda3は、小型車減税政策の効果もあって、引き続き販売を牽引いたしました。Mazda6およびCX-5の商品改良モデルも台数増加に貢献いたしております。

その他市場

その他市場でございます。その他市場では、対前年1パーセント増の28万1,000台の販売となっております。

オーストラリアでは、対前年2パーセント増の8万8,000台を販売し、シェアは9.8パーセントと、メーカー別販売で第2位。CX-5はセグメント別販売台数で第1位を獲得いたしております。

ASEANでは、タイで対前年0.5パーセントの増加、ベトナムでは対前年58パーセントの増加となり、ASEAN全体では対前年5パーセント増の8万台の販売をいたしております。

その他の市場では、コロンビア、ニュージーランドで、過去最高の販売台数を達成いたしました。

2017年3月期 財務指標

続きまして、第3四半期累計の財務実績についてご説明いたします。

売上高は、対前年8パーセント減の2兆3,486億円となりました。営業利益は1,020億円。経常利益は1,179億円。税引前利益は1,107億円。当期純利益は799億円でございます。

為替レートは、平均で1ドル107円、1ユーロは118円と、前年に比べ、ドルで15円、ユーロで16円の円高となっております。

2017年3月期 営業利益変動

続きまして、営業利益の前年に対する減少額714億円の主な要因でございます。

左から、台数・構成では5億円の改善となりました。

次に、為替でございますが、USドルで174億円、ユーロで228億円、その他通貨で616億円の悪化となりまして、合計で1,018億円でございます。

変動コスト領域では、コスト改善活動の強化によりまして、408億円の改善となっております。販売費用は21億円改善し、その他固定費領域では130億円の悪化となっております。

2017年3月期 グローバル販売台数

続きまして、2017年3月期の通期見通しについてご説明いたします。

グローバル販売台数は、11月公表の155万台から変更はございません。

地域別には、市場ごとの直近の販売状況の見直しを反映いたしまして、日本・北米の販売台数を引き下げ、主に新型のCX-4やMazda3が好調な、中国を上方修正いたしております。

2017年3月期 財務指標

財務指標でございますが、通期業績予想を修正いたします。

売上高は3兆2,000億円。営業利益は1,300億円。当期純利益は900億円の見通しでございます。

為替は、第4四半期の前提を、1ドル110円、1ユーロ120円に修正をいたします。これによりまして通期の為替前提は、1ドルで107円、1ユーロ119円となります。

2017年3月期 営業利益変動要因

続きまして、営業利益の前年に対する減少額968億円の要因でございます。

台数・構成につきましては10億円の改善。次に為替でございますけれども、USドルで182億円、ユーロで262億円、その他通貨で606億円の悪化で、合計で1,050億円でございます。

変動コスト領域では、モノ造り革新によりまして、新商品あるいは海外工場でのコスト改善活動を強化いたしまして、480億円の改善となっております。

販売費用は30億円の悪化で、その他固定費領域では378億円の悪化の見通しでございます。

ここで、その他固定費の増加でございますけれども、将来に向けた研究開発費の強化および品質対応費用の増加が主な要因となっております。

続きまして、11月公表から営業利益の減少額200億円の変動要因でございます。

まず、台数・構成でございますが、日本・北米での出荷台数の引き下げによりまして、180億円の悪化となります。

為替につきましては、主要通貨が前回公表に対しまして円安に推移しております。結果、180億円の改善を見込んでおります。

その他固定費でございますが、200億円悪化いたします。こちらは一過性の品質対応費用の計上によるものでございます。

以上で私からの説明を終わりまして、丸本さんに替わります。

持続的成長に向けた今後の対応

丸本明氏(以下、丸本):みなさん、こんにちは。マツダの丸本でございます。それでは、私から構造改革ステージ2の主要施策の進捗についてご説明いたします。

まず最初に、先ほど藤本から説明しましたように、今期の状況を踏まえ、構造改革ステージ2における今後の重要なポイントについて説明いたします。

構造改革ステージ2の為替前提とした、USドル120円、ユーロ130円のレベルからは、為替は円高基調となっております。

主要市場でのさらなる競合の激化、また品質対応費用などの増加もあり、今期は大きな減益見通しとなりました。この状況に対して、当初目標を達成すべく、収益改善に対する取組みをさらに強化してまいります。

まず1点目は、想定を超えるクロスオーバー系車種の需要増への対応です。クロスオーバー系生産能力の増強を加速することで、年5万台レベルの安定的な台数成長と収益の改善を実現いたします。

乗用車系商品は、各国で需要の減少とインセンティブの強化・拡大が進んでおり、当社も販売台数が減少しております。これに対し、商品対策をなお一層強化するとともに、適切なマーケティング施策の強化により、販売シェアの維持・改善を目指してまいります。

次にコスト改善です。原材料価格が上昇傾向にありますが、海外工場も含めたあらゆる領域のコスト改善を加速いたします。

少しわかりにくいのですけれども、とくに機能統合やマルチマテリアル化を実現する技術開発を進めるなど、新たなアプローチによるコスト改善もすでに着手をしております。

品質コストについては、来期以降は通常レベルに戻す計画です。また中長期的には、さらなる低減を目指し、徹底的な品質向上への取組みをすでに開始しております。

厳しい状況にはありますが、将来の成長に不可欠な商品・技術・販売ネットワークの強化に対する投資は継続・維持してまいります。

以上、各領域での取組みを強化し、構造改革ステージ2のゴールに向け、反転を目指します。

それでは、個々の施策についての進捗を、次のスライドで説明いたします。

主要施策の進捗①

SKYACTIV商品群の拡充は計画どおり進捗しております。12月には新型ロードスターRF、そして本日新型CX-5を投入し、20017年後半には北米向けクリーンディーゼルモデルを投入予定です。あわせて、2017年後半にはクロスオーバー系商品の追加に向けた開発を進めております。

既存商品の商品力もさらに強化してまいります。安全・利便装備の拡充はもちろんのこと、新型CX-9で高く評価をいただいております、2.5リッター過給機付きエンジンの搭載車種拡大も実施してまいります。

内燃機関の技術進化にあわせ、昨年11月に公表しましたように、EVを2019年に市場導入すべく、得意とするモデルベース開発を最大限活用した開発を、計画どおりに進めております。

年5万台の安定的な台数成長をより確かにするために、各市場からの要求に答えきれていないクロスオーバー系車種の能力増強と拡販をより強化していきます。

あわせて、需要の減少や激烈なインセンティブ強化で販売が減少している乗用車系車種に対し、基本性能の改善はもちろんのこと、安全装備の拡充などの商品対策に加え、需要創出のマーケティング投資や、競合とやや離れ過ぎつつあるインセンティブの是正を図り、販売シェアの維持・改善を目指します。

また、ブランド価値向上に向けた新世代店舗のグローバル展開や、顧客体験向上に対する投資はブレることなく強化をしてまいります。

主要施策の進捗②

続いて、グローバル生産・コスト改善では、クロスオーバー系車種の生産能力増強をさらに加速してまいります。

昨年12月より防府工場でCX-3の生産を開始いたしましたが、依然として、とくにCX-5につきましては、全世界の市場要求に対し十分に応えきれておりません。来年度の夏には本社工場で、CX-5を中心とした、年7万台レベルの能力増強を実施いたします。

さらに、海外拠点でのクロスオーバー系商品の能力増強と、中長期も視野に入れた生産のフレキシビリティ拡大を目指していきます。

以上述べました、商品生産・販売の短期・中期施策を確実に実行することにより、持続的なビジネス成長を確実なものとしてまいります。

今期の減益見通しから反転し、収益力、キャッシュ・フロー創出力を回復・向上させながら、引き続き財務基盤の強化を図ってまいります。

今期は業績予想を減額修正しておりますけれども、年間配当は35円と、変更いたしません。財務基盤強化と合わせた安定的な株主還元の向上を進めてまいります。

以上で私からの説明を終わります。