連結決算の概要
桂山哲夫氏(以下、桂山):日立建機の桂山でございます。よろしくお願い申し上げます。それでは2017年3月期第3四半期の累計期間の決算ということで、まずは連結決算の概要です。
売上収益は、前年より8パーセント減の5,070億円でした。この8パーセント減には、為替の影響約10パーセントが入っておりますので、純増では2パーセントは取り返したという内容でございます。また、調整後営業利益は、前年より28パーセント減の110億円。
営業利益は、前年より33パーセント減の82億円でありました。連結の損益変動については、のちほど詳しくご説明します。
税引前四半期利益につきましては、前年より一変して、108パーセント増の94億円になりました。四半期利益につきましては、25億円であります。EBITにつきましても、58パーセント増の101億円ということになります。
当期間の9ヵ月間の為替については、ご覧のとおり、米ドルにつきましては15円以上の円高、ユーロにつきましても16円50銭の円高、中国元につきましても3円30銭の円高でございました。
連結地域別売上収益
続きまして、連結の地域別売上収益でございます。
16年度第3クオーターの地域別の状況が並んでおりますが、対前年同期と比較しますと、インドは為替の逆風63億がありましても、純増分だけで52億円のプラスを突破ということになります。
それから中国は、当9ヵ月間で61億円の為替の逆風はございますが、38億円増ということで、水面上に浮いてきたということになります。それから、ロシアCISのマイニングが前倒し納入ということも相まって、なんとか水面に顔を出したということになります。
対前年度の売上合計の比較では、421億落ちておりますが、為替で508億の減、物量では87億の増ということで、(売上収益)5,070億が成り立っているものと見ております。海外の売上収益率は、前年と変わらない69パーセントでありました。
マイニング/部品・サービス 売上収益推移
マイニングと部品・サービスの売上の状況をご説明申し上げます。
6~9ヵ月間のマイニングの売上については、本体ならびに部品・サービスも含めて、前年よりも2パーセント減の836億円でございました。
本体につきましては、マイナス10パーセントの277億円でございますけれども、マイニングの部品・サービスにおいては、為替のギャップはあるものの、560億ということで、前年より3パーセント増になっております。
部品・サービス全体でございますが、こちらもマイニングについては、今ご説明したとおりで、9ヵ月累計で560億でございます。
一方、コンストラクションの部品・サービスについては、苦戦しておりまして、残念ながら前年より16パーセント減の648億ということになります。トータルで1,208億円でございます。
この間のマイニング、部品・サービスだけで、為替の影響はマイナス127億と見ております。
連結損益変動要因
続きまして、連結の損益変動要因をご説明申し上げます。
先ほど申し上げたとおり、調整後営業利益につきましては、2015年度第3四半期が152億だったのに対して、当四半期については110億ということで、42億落ちたわけでございますが、ここにつきましては、まずは物量・構成差でマイナス97億円の減ということになります。
物量につきましては、35億円ほどのプラス要因はあるものと見ておりますが、その他の構成差が大きく出まして、97億円の減益を余儀なくされたということになります。
売価につきましては、インドネシアのルピア安ということで、マイナス5億円で悪戦苦闘していたんですが、インドならびに北米を中心に、売価アップがある程度効きはじめて、1億円のプラスというかたちで水面上に浮きました。
為替につきましては、相変わらず逆風が続いておりまして197億の減益要因だと。
資材費につきましては、国内を中心に28億のプラス。間接費につきましては、単純に言えば、昨年度の調整後営業利益に効く構造改革差、この125億は消えるということで、まずプラス要因があって、残りが関節費の節減ということで、98億円の増ということになります。
これについては、KCMを昨年の下期から連結していますので、管理費部分については、55億円はネガティブ要因ということでございますので、実質は150億円以上の節減を図れたかなと思っております。
営業利益につきましては、調整後営業利益の減少42億円の次に、構造改革費用でマイナス16億円とありますが、昨年の第3四半期に日立建機単体での早期退職を行いました。
これについても、特別損失が17億円あるということで、当年度についてはそれが戻ってきますので、プラス要因でございます。
一方当年度で、33億円の構造改革費用。これは2Qでご説明申し上げている中国の第2工場の減損等々のことで、33億円のマイナス要因があり、その差し引きが16億円の減ということになります。従って、営業利益につきましては82億円でありました。
要約連結損益計算書
続いて、要約の連結損益計算書をご覧ください。
調整後営業利益、営業利益までは、今ご説明を申し上げたので、金融収益及び費用のところをご説明させていただきたいと思います。
ここにつきましては、前年から93億円改善したプラス12億ということになります。ここの主な要因は、金利収支につきましては、借入金の削減をはじめ、借入利率の低下ということもございまして、プラスの12億。
それから為替の差損益が77億円のプラスということで、ここは大きく改善されております。持分法投資損益については3億の減、親会社に帰属する四半期利益は25億円ということになります。
要約連結 四半期別売上収益・営業利益(率)
続きまして、四半期別の売上・営業利益をご覧ください。
2016年度第3クオーターを見ていただきますと、売上は3ヵ月で1,721億ということで、第2クオーターと比べていただきますと、為替が上がったにもかかわらず、売上は120億も落ちたということになります。
一方で、営業利益ならびにIFRS営業利益については、第2クオーターから見ると、増益ということでございます。このようなことで、今後の先が少し見えたかなと思っております。
要約連結財政状態計算書
続きまして、要約の連結財政状態計算書をご覧ください。
Aの欄の資産の部合計を見ていただくと、9,326億ということで、昨年3月末に比べて、59億円の増ということになります。
ただし、これは、上の吹き出しにございます通り、今回はH-E PartsのBSのみ連結しております。これで259億円の増加要因はございますが、59億円の増でとどまったと。
ではなぜ減ったのかというと、その下の「非流動を含めた営業債権」を見ていただきますと、ここで344億円の圧縮が図られたということでございます。債権のほうは順調に圧縮が図られております。
棚卸資産については、昨年3月よりも38億円増えて合計2,524億円でございます。
「本体」は152億円の増ということになりますが、これは主に中国の春節に向けて生産を引き上げているという結果でございます。
一方、「部品」「その他」につきましては、順調に減ってるということになります。
したがい正味運転資金、手持日数も、昨年度から比べますと、14日改善した149日ということになります。
また一方、親会社の帰属の持分比率、自己資本になりますけれども、ここは42.1パーセント。右側の(D)の欄の上から4行目に記してありますが、42.1パーセントということで、そこそこを保っております。
それからさらに、H-E Partsを連結しているわけでございますが、ネットD/Eレシオも0.3パーセントということで、昨年度末よりも0.02の改善ということになります。
連結フリーキャッシュ・フロー
以上を踏まえて、連結のフリー・キャッシュ・フローをご覧ください。
今年度、9ヶ月のキャッシュ・フローでございますが、FFOにつきましては前年より19億円改善した301億円。
それから運転資本につきましては、前段の取る分が減ってることもございまして、396億円減じた496億円ということで、営業キャッシュ・フローは649億円でございます。
また、投資キャッシュ・フローは316億円の支出でございますが、前年同期と比べて225億円も増えておりますけれども、このなかにはH‐E Parts社の取得に伴う支出193億円が入っております。
また、前年にはユニキャリアの貸付金の105億円の返済ということが入っておりますので、これを入れてもフリーキャッシュ・フローは、今年度333億円を確保したということになります。
連結業績予想
続きまして、連結の業績予想です。
今回の予想は、油圧ショベルの全世界需要は、一番右側の棒グラフにありますとおり、15万9,000台ということで、8,000台ほど10月から引き上げます。
中国あるいは西欧というところで引き上げますが、この詳細につきましては、後ほど専務の落合から詳しくご説明させていただきます。
要約連結損益計算書(予想)
それをもとに連結の損益計算書の予想でございますが、引き出しの1行目にございますとおり、為替も含めて、前回見通しを据え置きさせていただきます。
16年度の4Qの為替レートにつきましては、先行き不透明なことから、米ドルにつきましては100円、ユーロにつきましては110円、中国元につきましては15円ということで変えてございません。
売上については7,000億円、調整後営業利益については280億円、営業利益220億円、親会社帰属利益は50億円ということの見通しは変えてございません。
また、為替の感応度でございますが、第4四半期3ヶ月で、ドル・円が1円動くと、これは計算上でございますけれども、2.4億円の営業利益のプラス要因。
またユーロにつきましては、1円動きますと、1.4億円のプラス要因。元につきましては、0.6億円のプラス要因というようなことになります。
連結地域別売上収益(予想)
それから、連結の地域別の売上収益の予想をご覧ください。
対前回のところで見ていただきますと、先ほどの需要の説明のとおり、「アジア」ならびに「中国」あるいは「ロシアCIS」というところで、前回よりも売上の見通しを引き上げさせていただきます。
マイニング/部品・サービス 売上収益推移(予想)
続きまして、マイニング/部品・サービスの売上の予想でございます。
マイニングについては、「16年度 今回」という右から3本目の棒グラフを見ていただきますと、1,228億円ということで、前年の1,155億円に対して6パーセントの増という見通しを立てております。
構成比も18パーセントということで見ておりますが、真んなかのところに入れてありますとおり、H-E Partsの第4クオーターでの3ヵ月間の売上見通し62億円を含んでおります。
これを除いても、為替の逆風があっても1パーセントの増ということで、マイニングは部品・サービスに比べて健闘してると見ております。
付け足すと、16年度の4Qの見通しのなかで、やはりマイニングの売上構成比というのは、H-E Partsを連結することによって、20パーセントぐらいは売上の構成のなかで占めてくるのかなという見通しを立てております。
また、部品・サービスにつきましては、H-E Partsを含め、1,762億円ということで見通しを立てております。
したがって、プロパーの部分につきましては1,700億円ということになりますが、部品・サービス全体で165億円もの為替の逆風がございますので、実際は純増と見ております。
確実にこのへんもバリューチェーンの拡大ということは現れていると思っております。
コンストラクションについては、946億円ということで、前年より9パーセントの減を余儀なくされておりますが、一方でマイニングは好調ということになります。
コンストラクションの減につきましては、中国や西欧は増加に転じておりますが、やはりアジアが稼働率が低くて、やぱりちょっと減少していると。横ばいを確保はしていますが、まあ厳しい横ばいと見ております。
連結損益変動要因
最後に、損益の変動要因でございます。
調整後営業利益280億円の成り立ちでございますが、「物量・構成差」については−15億円ということでございます。ここは「物量」は15億円ほどいきます。それから「製品構成差」で、先ほど申し上げたとおり、「部品・サービス」に加えて、「レンタル」も第4クオーターで対前年に比べると伸びるということでの増を織り込み、リース減の差額、これだけで128億円のネガティブ要因でございますので、ここを補い、なんとか−15億円でとどめるということになります。
売価については、北米、インドならびにヨーロッパも売価を上げるということで、プラスに転じます。
それから、為替につきましては263億円の逆風がございます。
資材費については、国内をはじめとして継続的な軽減活動を続けていくということになります。
間接費につきましては、前年、この調整後営業利益に効く構造改革費を225億円入れておりますので、この分を引きますと、今期の間接費の削減は37億円ということになります。
注釈の※2で触れておりますとおり、H-E Partsの連結によっても16億円増えますので、実質は100億円以上ということになります。
さらに営業利益、構造改革費用−169億円の減益要因でございますが、昨年はユニキャリアの売却益215億円がございまして、一方で早期退職等の構造改革費用101億円がありますから、今期でいうと差っ引いて115億円ほどのネガティブ要因と。さらに今期の構造改革の部分が54億円、合わせて169億円の減ということになります。
したがって、調整後営業利益は上がりますが、営業利益は減益という内容になります。以上で私のからの説明を終わります。
司会者:ありがとうございました。続きまして、落合様よろしくお願いいたします。
地域別市場環境と見通しについて
油圧ショベル世界需要推移
落合泰志氏(以下、落合):ただいまより、地域別市場環境と見通しについてご説明いたします。
まず最初に、1ページ目をご覧ください。油圧ショベルの世界需要推移についてご説明いたします。
左側のグラフですけれども、16年度油圧ショベル需要見通しは、先ほど桂山から話ありましたとおり、前回見通しの15万1,000台から8,000台増の15万9,000台。
「日本」は見通しから変更なく2万台のまま。「西欧」が3万1,000台から3,000台増の3万4,000台。「北米」も見通し変更はございません。2万3,000台。
「アジア・大洋州」は、3万8,000台から1,000台増の3万9,000台。「その他」地域も変更ございません。1万7,000台。「中国」は、2万2,000台から3,000台増の2万5,000台。
16年度の新興国比率は、前回見通しから変更なく、51パーセントと見通しております。
右の表ですけれども、地域別需要の対前年増減につきましては、中国はプラス15パーセントから31パーセント。
インドネシアがプラス11パーセントからプラス29パーセント。西欧がプラス3パーセントからプラス13パーセント。全体といたしましては、マイナス3パーセントからプラス3パーセントと見通しております。
日本市場
続いて、地域別市場環境について説明いたします。
経済状況につきましては、輸出・生産は持ち直しております。個人消費も堅調な雇用・所得情勢を背景に、持ち直しつつあると認識しております。
左上のグラフです。設備投資は底堅く推移しておりまして、対前年4パーセント増。公共投資は減少に転じまして、対前年5パーセント減となりました。住宅着工戸数は増加が継続しております。対前年10パーセント増となりました。
製品ごとの需要のグラフですけれども、右側のミニショベルとホイールローダで排ガス規制切り替えに伴う反動が大きく続いておりまして、それぞれ減少となりました。
この結果、油圧ショベルは対前年10パーセント減、ミニショベルは対前年24パーセント減、ホイールローダは対前年19パーセント減となりました。
欧州市場
続きまして、欧州市場です。
経済状況は個人消費等の内需の下支えによりまして、ユーロ圏全体ではGDP成長率は横ばいで推移しております。
建設機械市場全体としては、増加傾向が継続しております。
国別では英国は前年を下回る状況が続いており、対前年7パーセント減となりました。一方ドイツ、フランス、イタリアは対前年を上回る状況が続いております。
左上の(主要国)GDPのグラフですけれども、ユーロ圏全体では堅調に推移しております。対前期ではイギリスでは0.5パーセント増、ドイツは0.2パーセント増、フランスも0.2パーセント増、ユーロ圏全体では0.3パーセント増となりました。
左下の油圧ショベルのグラフですけれども、拡大基調が継続しておりまして、対前年19パーセント増となりました。
右上のミニショベルの需要のグラフですけれども、こちらも増加傾向が継続しておりまして、対前年21パーセント増となりました。
右下のホイールローダの需要のグラフですけれども、こちらも増加傾向が継続しておりまして、対前年11パーセント増となりました。
北米市場
次に、北米市場についてご説明いたします。
左上のグラフです。7-9月のGDP成長率は3.2パーセント増。個人消費の伸び鈍化、住宅投資の減少等、内需は伸び悩みがありました。一方輸出が加速したことにより、景気は穏やかに回復、拡大しております。住宅着工件数も堅調に推移しております。
左下の米国建設投資のグラフです。建設投資につきましては、一般住宅、商業施設は横ばいで推移しております。一方、公共工事は減少傾向が継続しております。
右上の油圧ショベルの需要のグラフです。エネルギー関連投資の減少が継続しておりまして、対前年16パーセント減となりました。
右下のミニショベルの需要のグラフです。こちらは住宅着工が堅調に推移したことに伴い、対前年3パーセント増となりました。
中国市場
次に中国市場です。
左上のグラフです。16年10-12月のGDP成長率はご存知のとおり、6.8パーセントと横ばいとなりました。
固定資産投資は8.0パーセント増と伸び率の増加傾向は継続しております。
左下は国産と外資合計ですけれども、油圧ショベルの需要のグラフです。政府系の固定資産投資は引き続き高水準で推移しており、公共投資を中心とした下支えにより、需要は対前年83パーセント増と回復基調となっております。
右上の地域別油圧ショベルの需要グラフです。3Qは中国全体で83パーセント増と。全地域で増加となりました。地域ごとに見てみますと、河北、河東の沿海部は高速道路や高速鉄道建設などの活発な公共投資に支えられ、対前年で大幅に増加しました。
西南、西北の内陸部及び華中南につきましても、公共投資の下支えにより、引き続き需要は増加いたしました。
一方重工業を中心とします東北地域につきましては、政府主導の石炭及び鉄鋼の生産能力削減過程にありまして、引き続き低調に推移し、需要の回復は見られませんでした。
右下の油圧ショベルのクラス別構成比のグラフですけれども、全体の構成といたしましては、20トン未満の割合が対前期で増加しました。 都市化の進展に伴いミニショベルや小型機の需要増が継続していくと見ております。 こちらは補足の資料ですけれども、中国市場について補足いたします。
まず上のグラフです。これは月別の油圧ショベルの需要推移です。ご覧いただいているように16年6月以降、継続して対前年を上回りました。先ほど申し上げましたように、3Qで83パーセント増となりました。
下のグラフは月別の需要展開です。16年度見通しは2万5,000台程度を月別展開しておりまして、4-12月は実施月です。1月から3月は見通しということになります。
今年の春節は、期待されてますとおり、先週1月28日からとなっております。16年度の油圧ショベル需要は15年度の1万9,000台から6,000台増加の2万5,000台を見込んでおります。
トピック
次にトピックについてご説明いたします。
昨年11月21日、中国の彗聡工程機械網が主催する「2016年中国建設機械産業インターネット大会」が上海で開催されまして、年度賞といたしまして、弊社ハイブリッド油圧ショベル「ZH200-5A」が匠の逸品賞を受賞いたしました。
匠の逸品賞は半年間にわたるネット投票、ユーザー評価、専門家の審査などを経て決定されるものです。優れた燃費性能が受賞につながりました。
中国ではハイブリッド油圧ショベルをはじめとする省エネ型製品に対する市場ニーズが高まっており、今後も市場ニーズに合わせた製品ラインナップの拡充とさらなる拡販を目指してまいります。
アジア大洋州市場・インド市場
次にアジア大洋州、インド市場についてご説明いたします。
左側のアジア大洋州の油圧ショベルの需要のグラフです。ちょっと見にくいんですけれども、インドネシア、マレーシア等で需要が増。アジア大洋州全体では、対前年11パーセント増となりました。
右上のグラフです。これは16年の7-9月のGDP成長率、東南アジア全体で横ばいに推移しております。インドは7.3パーセント増と引き続き堅調な伸びが続いております。
右下のインドの油圧ショベルの需要のグラフです。道路、鉄道をはじめとした、インフラ投資向けを中心に需要が大幅に増加しております。3Qは対前年56パーセント増となりました。
ロシア・中東市場
次にロシア、中東市場についてご説明いたします。
左上のグラフです。原油価格は少し持ち直しが見られたものの、ルーブルは引き続き低迷しております。
ロシア経済は7-9月で7期連続のマイナス成長となったものの、マイナス幅は3期連続で縮小しております。
右上は、ロシアの油圧ショベルの需要のグラフです。ロシアの油圧ショベル需要は減少を継続し、3Qは対前年8.6パーセント減となりました。
右下は、中東油圧ショベル需要グラフです。トルコでは減少に転じまして、12パーセント減となりました。また、原油価格低迷の影響で、湾岸諸国を中心に油圧ショベルは減少が継続しております。
とくに中東最大市場のサウジアラビアでは、セカンドクオーターの対前年同期比95パーセント減に引き続きまして、サードクオーターでも対前年同期比77パーセント減と大幅な減少となりました。その結果、中東全体としては、対前年同期比51パーセント減となりました。
マイニング機械
次に、マイニング機械についてです。
まず、超大型油圧ショベル(100t以上)需要ですが、15年度下期と比較して、欧州・ロシアCISや一部アジア地域で増加が見られましたが、北・中南米で減少いたしました。地域によって増減はあるものの、全体としては昨年度とほぼ横ばいになると見ております。
トラック(55t以上)は欧州・ロシアCISで増加しましたが、中南米やオセアニア等で減少しました。需要は依然下げ止まらず、前回同様、対前年20パーセント減と見ております。
マイニング機械につきましては、昨年の石炭価格の急上昇にともない、比較的小型の機種で一部需要の増加が見られていますけど、大型機種では依然下げ止まらず、需要の全体的な回復は17年度以降と見ております。
<補足>BB Ratio
次に、マイニング機械の受注状況推移をBB Ratioでご紹介します。
上のグラフは、超大型油圧ショベルですけれども、ロシアや南アフリカ向けの受注が寄与し、上昇いたしました。
下のトラックはオーストラリア向けの大口案件の出荷が継続しており、BB Ratioは下降傾向となりました。 全体としては未だ本格的な回復が見られず、引き続き市場を注視してまいります。
<トピック>
12ページ目をご覧ください。トピックです。
第4クオーターに、チリ銅鉱山向けにEX5600-6を2台納入予定となっております。弊社チリ向けマイニング機としては、初納入となっております。
この納入を足がかりに、チリの大規模銅鉱山へ超大型ショベルおよびダンプトラックの販売拡大を現地代理店とともに進めてまいります。
下段のトピックです。昨年12月に、オーストラリアおよび米国を中心に展開していたH-E Parts社の全持分を取得し、子会社化いたしました。
今後、顧客現場のニーズに合わせた、低コストかつ生産性の高いサービスを提供し、バリューチェーンの強化および一層の事業収益の安定性向上を図ります。また、このH-E Parts社の知見を活用し、サービスソリューションの拡充を図ります。
以上で説明を終わります。