繰り返し利益を出せる投資法とは

中原良太氏(以下、中原):ではこれから、再現性というのはどのようにして確認すればいいのかというところをお話ししていきます。

まず僕には未来予知はできない。結局、確率に頼るしかないということで、未来のことなんて誰にもわかりません。なので、確率を使って、過去にうまくいった投資法というのが非常に重要なんですね。

これは学術的にも実証されていて、量子力学という理系の学問があるんですけど、「未来予知は誰にもできませんよ」みたいなことを言った学問なんですね。

じゃあ、僕らには何ができるかというと、「明日、雨が降る確率80パーセント」という天気予報みたいな確率を使って、投資をしていくことが非常に大事だと。僕らにできる最高の方法はこれしかないと考えています。

ただ、過去にうまくいった投資法だからいいのかというと、そういうわけではなくて、それだけじゃ不十分です。過去にうまくいっただけでなくて、未来にも利益を出せそうな投資法を習得する必要があります。

ではこれから再現性、つまり未来にも繰り返し利益が出せそうな投資法の特徴を3つご紹介します。

私が投資する時にものすごい意識してることで、誰でも今日から意識できる3つのポイントなので、ぜひ最後まで見て、今から意識するようにしていただければいいと思います。そうしたほうが、たぶん成績が安定すると思います。

自分以外の親や友人でも使える

さっそく1つ目のポイントからご紹介していきます。一番最初のポイントは、「自分以外でも使える」。

投資法を考えるうえで、自分以外の人でも同じ投資法で利益を出せることというのが非常に大事です。極端な例を言えば、今、自分が使っている投資法を、「親や子供に教えて使わせたいか?」というのを絶対考えるんですよ。それで、「教えちゃダメだな」とものは、自分も使っちゃダメです。

なぜ「教えちゃいけない」と思うかというと、そもそも曖昧だとか、あの人がやったらうまくいかないとか、自分でちゃんと作り込んでないとか、投資法として不完全なところがあるとか、リスク管理の部分でまだ危険な部分が残ってるとか。

そういう曖昧さが残っているものは人に依存してしまうので、どうしても再現性が乏しくなります。なので、あの人がやったらうまくいかない。じゃあ、「自分が明日、気分が変わったらどうなんだ?」という話なんですね。明日自分が気分変わったら、もう使えなくなるんじゃないかと。

あるいは、1ヶ月後の自分と今の自分は性格も考え方も少なからず変わるはずなので、「1ヶ月後の自分でも同じように使えるのか?」と考えて、「使えない」というんだったら再現性がないです。

ということで、自分がよっぽどのカリスマでないかぎり、投資法が人に依存してしまうというのは避けるべきなんですね。

再現がある投資法というのは、明快な言葉で使うことができます。それで、誰でも利益が出せるルールだと言えますので、ここがしっかりしてないと、利益を出すことはできないです。

それこそ、こういう感じの(腕組みをする)ポーズをして、「私が何百万稼いだ方法を教えてあげましょう」みたいなもので……。まあ、ちゃんと教えられるんだったらいいんですけど。

それがフワフワした言葉で説明されている場合は、どうとでも取れるし、利益を同じように出せる確率は非常に低いので、具体的な言葉を使って明快に説明できるというのは非常に大事です。なので、このポイントは必ず意識するようにしましょう。これが1つ目のポイントです。

他人に真似されてもOK

2つ目、「真似されてもOK」というのが非常に重要です。

独創的な投資法なんて、ほとんどありません。もう99.99パーセント、独創的ではなくてパクリだと考えられます。ですので、自分の思いつく投資法というのは、絶対、ほかの人にも知られている、あるいは、もうすでに思いつかれているものだと考えるべきなんですね。

だから、ほかの人に真似されたらすぐに使えなくなる投資法は、そもそも投資法じゃないです。すぐに使えなくなりますし、自分が使い始めたらそれでアウト。あと1人でも同じ投資法をし始めたらもう使えないとか。

そういうものはそもそもやるべき投資法じゃなくて、すぐにダメになっちゃうので忘れましょうと。再現性のかけらもないので、やらないほうがいいと思います。

これを避けるためには、基本的には売買代金の大きな株や大商い株と呼ばれるような株を対象にして取引するようにすれば、真似されてもOKな投資法は生み出しやすいと期待できます。

あとは、流動性の高いFXや先物とか、そのあたりは再現性が高い投資法は作りやすいんじゃないかなと思います。

相場の人が入れ替わってもOK

最後3つ目のポイントです。これはけっこうたくさんの人が忘れちゃうんですけど、「人が入れ替わってもOK」というのを必ずチェックします。

どういうことかというと、相場の参加者というのは常に入れ替わってるんですよ。一般的には、「3年で9割のトレーダーは退場する」と言われています。だから、投資法の寿命も3年周期になりやすいという傾向があるんですね。

だから、「3年前はよかったけど、今はなかなか儲からない」「人が入れ替わると、すぐに使えなくなる」という投資法はすぐ使えなくなります。

しかも同じ投資法をずっと使い続けてると、過去の実績にすがりついた人みたいな、すごい見苦しいことになってしまって、「昔はこの投資法で利益を出せたんだ。でも今は毎日損してます」みたいな状況になりがちなんですね。

なので、非常に利益を出しづらいし、再現性も低い投資法なので、この点には必ず注意するようにしましょう。

自分が投資法を生み出す時には、必ず、人が入れ替わっても利益を出し続けられるというのを意識して作る必要があります。

そういうふうに考えていくと、人の心理や考え方、マインドセットなど、相場にいる人はどういう考え方をするのか、人の本能にはどういった特性があるのかというところがものすごく重要になってきます。

そういうことを知らないと先読みなんてできないし、有利な投資法なんて生み出せないので、人間にはどういう心理効果があるとか、行動特性があるのかというのを調べたうえで、人が入れ替わってもうまく使える投資法を作ったほうがいいと思います。

再現性を意識するメリット

最後に、再現性を確保することのメリットを3つほどご紹介しようと思います。

再現性を意識しながら投資法を考えていくと、これは私が作った投資法の実例なんですけれども、勝率88.01パーセントの投資テクニック。期待値2.69パーセントの技術。

これはどれぐらいかというと、100万円投資して、平均で2万6,900円のリターンが得られた投資法とか、10年連続で運用成績がプラスとか、非常に安定した投資法を手に入れることができます。

これは、『StockForecast Marchet Review』のVol.3という電子書籍で、お買い求めいただけるように公開してるんですけれども、こういう投資法を作ることができます。

なので、ものすごい役に立つ概念ですし、再現性がある投資法を1つでも手に入れてしまえば、その投資法が生きてるかぎり、ずっと稼ぎ続けられると期待できます。もちろん損する時期はあると思うんですけれども。

再現性がない投資法を使うよりも、再現性がある投資法を使ったほうが堅いので、ぜひ意識しながら投資法を作るようにしていきましょう。

私たちシステムトレーダーは、この再現性がなければバックテストの意味もないです。ですので、このポイントは必ず意識するようにしましょう。

本日のまとめ

最後のまとめに入ります。

投資をする時の間違った考え方というのは、ギャンブル的です。一発逆転型。「楽して儲けたい」「チャンスがあるから、一発で大儲けしてやろう」という考え方はだいたい間違いなので、やらないようにしましょう。

逆に、正しい考え方はどういうものかというと、地道で、時間をかけて、淡々と続ける。まあ、「コツコツがんばれ」というのが、当然と言えば当然なんですけれども、こういうのが正しい考え方です。ここを間違えてしまうと、どんなにがんばっても意味がないので。

1回きりのチャンスを追い求めて試行錯誤するよりは、何度も何度も使える、淡々と続けられるような、現実的な投資法を作られたほうがいいと思うので、そのように考えるようにしたほうがいいと思います。

それで、投資法を作る時には、再現性が非常に大事です。再現性とは何かというと、繰り返し稼ぐ技術なので、これをぜひチェックしておくようにしましょう。この再現性を決めるのには3つの要素があります。

1つ目が、自分以外でも使えること。それだけ明快なルールがあるとか、説明できるとか、あるいは曖昧なところがないというルールを作るのが非常に大事です。

2つ目が、真似されても使えなくならないということですね。「100人乗っても大丈夫」みたいな感じで、自分が持っている投資法、何十人が使っても壊れないとか、それでも安定的な利益を出せるというのは非常に重要なポイントです。

最後、相場に参加してる人というのは、刻一刻と変わります。「相場は生き物」と言われるぐらい変わるので、長期間利益を出し続けるためには、人が入れ替わっても利益を出し続けなきゃいけない。つまり、相場の色が変わっても利益を出し続けなきゃいけないということになります。

ですので、投資法を作る時には、人の特徴とか、「あの人みたいな投資法をやろう」というのではなくて、人の深層心理や行動特性をちゃんと深掘りして調べていって、そのうえで、誰でも同じ反応をする時に株を買うとか。

そういう投資法を作るほうが利益を出しやすいと期待できます。再現性という意味でも、人が入れ替わっても利益を出し続けられるというのが非常に重要なポイントですので、こちらも意識するようにするといいと思います。

再現性を確保すれば、勝率88.01パーセントの投資法も生み出すことができましたと。私も今、それと似たようなルールを使って実運用してるんですけど、そういう投資方法も作れますので、ぜひ再現性を意識しながら投資法を編み出されるといいと思います。

システムトレーダーの方は再現性が非常に大事、ピラミッドでいうと、一番下の一番大事な土台。ここが抜け落ちたら、何にも意味がない。それくらい大事なものなので、絶対に意識するようにしたほうがいいと思います。

今回は以上のテーマでお話をしました。