TV視聴からWeb購入する消費者の行動を特定
前田充章氏:前田でございます。私からは、当社のWeb事業のなかで大きなトピックになりました「TVエビス」の概要をご紹介したいと思います。
まず「TVエビスとは?」なんですけれども、当社と「ADEBiS」というWebの計測ツールをやっているロックオン社が共同開発をした商品になります。
TVを見てWebで商品を購入する、そういう方は多いんですけれども、そういう消費者の方を特定するシステムです。分析ではなくシステムになります。これが「TVエビス」の内容になります。
まず、このサービスを開発した背景についてお話をします。TV視聴がWebでの商品購入に対して影響があると、これはみなさんそう思われていますし、企業のマーケターの方々もそういう意識をされています。
例えば、これはゲームのCMですね。最近よく目にしますけれども。このCMは、TVを見てスマホでインストールするという、そういうアクションを求めている広告になります。なので、テレビがネットにいってるものですね。検索窓もありますし。
それから最近よく見られると思うんですけれども、これは健康器具ですね。健康器具で、今までわりと電話で受電していたものを、検索窓を入れて、実際にネットで売ると。こういうような広告が今増えていると思います。実際にアクションを求める広告ですね。
ただ、実際のTVはOFFLINEですね。WebはONLINEですけど……(資料の表記が)逆になっています、すみません。これはつながっていないので、その人が見て買ったかということがわからないと。そういう課題があります。
この課題が企業においてどういうことになってるかと言いますと、TVでオンエアしてネットで買うというのはわからないので、そのメディアのパフォーマンスがわからないと。そうなると、どのメディアに予算を投資していいかよくわからない、そういう現象が起きています。
なんとなくテレビでオンエアするとネット受注が上がるので、「だいたいこれぐらいか」という目安・目星をつけられて投資するというのが現状でして、ここが大きな課題になっています。
実際にTVの視聴からWebの商品購入への影響を明確にすることによって、企業のマーケティング投資の最適化が可能になります。
「TVでオンエアすると、ネットでいくら売れます」というのがわかったら、TVの効果が明確になりますので、それに対していくら投資をすると。そういう数字が決まるということになります。
こういう開発背景がありまして、冒頭お話しましたが、TVでの視聴からWebで購入した消費者を、「この人」という個人ベースで特定するシステム「TVエビス」を共同開発いたしました。
当社の場合はテレビの通販枠・番組枠のシェアがNo.1と自負しております。それとロックオン社が「ADEBiS」という商品をやっておりますけれども、Webの効果測定ツールではシェアNo.1です。ロックオン社と一緒にこのシステムを開発いたしました。
では、どのように消費者を特定するのかというところをご紹介します。まずTV視聴からWebで購入する人の行動というのを、モデルをご説明したいと思います。
これは9月10日14時・15時・16時と、9月11日と時系列を書いてるんですけれども。例えばテレビが、関東エリアでテレビのオンエアがありましたと。14時5分にあった場合ですね。
視聴者の方はどういう動きをするかと言いますと、神奈川在住のAさんの場合、14時30分に検索をして、15時50分にWebサイトで購入する。こういう動きをとる人というのがいます。
これは東京在住の方ですけれども、この方は14時40分に商品名で検索をして、Web広告でリターゲティングをされて広告が出て、17時40分にネットで購入したということですね。
もう1つお話ししますと、Cさん、埼玉在住の方で関東エリアなんですが、この方は14時50分に検索をして、17時にもう一度検索をして、翌日10時10分にネットで買いましたと。TVを見て買う方はこのような動きをされると思います。
この仕組みは、この3人のように、オンエアがあって一定時間内にWebへ初回アクセスをし、そして実際購入した方を特定するということを行います。
ではこれがシステム上どういうことやっているかというのを簡単にご紹介します。
この方は、TV視聴ですね。「この商品いいな」と思われて、そのあと実際に商品検索して、Webでもう1回リターゲティング広告が出て、また商品検索をして、カードで買いましたと。こういう動きをされます。
これはロックオン社のシステムになりますが、この動きをTVエビスで全部トラッキングをしています。何時何分に商品検索をして、何時何分にカードで買いましたよと。名前はわからないんですけども。こういうことをトラッキングしています。
そして、「Tri-DB」で赤色でデータベースを書いていますが、これは当社のほうで持っています、放送予定データと言いまして、「どの地区でどの時間にTVのオンエアがあったか」というデータベースをもっています。
月間30,000枠放送していますけれども、それがいつどこで放送されているかというデータベースを持っていますので、このデータベースとTVエビスにあります初回接触時間と購入者の住所情報、これをかけ合わせまして消費者を特定します。「Aさんはテレビを見てサーチをして買った」というのをやります。
これをほぼリアルタイムで測定をしています。リアルタイムでわかりますので、企業にとってはすぐにこの広告が効率があってるかどうかと。そういう判断もしていただけます。これがシステムの仕組みになります。
最後に、実際にTVエビスの効果というところをお話ししたいんですが。まず企業、当社のお客様ですね。お客様にとってどういう価値があるかと。
これ繰り返しになりますけれども、今はマーケティング投資をメディアごと、テレビ・ネット・新聞とか、それごとに最適化されています。それしかわからないので、それ以上やれないんですけれども。それを、メディアをまたがった効果がわかりますので、全体最適化を行えます。
これによって効果の向上、効率性の向上と。そういうメリットが企業にもたらされます。これは企業にとってのメリットです。
当社にとってのメリットなんですけれども。まず、テレビメディアの価値・効果が上がります。今までは大多数のお客様がテレビ・電話でいくら受注が上がったとか、そこしか参入していただけなかったんですけれど、ネットの効果も入りますので、価値が上がります。
テストで4クライアントやらせていただいたんですけども、だいたい価値が2〜3割上がります。価値が2、3割上がると当社の売上・利益とも上がると。そういう効果があると思っています。
もう1つは当社の新規事業で、Webの事業をやろうと思っていますが、やはり当社はテレビが得意なので、TVとWebをうまくやっていきたいと思っているんですけれども、TVとWebの関係性が明確になりますので、TVのWebのセット提案、クロスメディアのサービス開発とか提供が可能になると思っております。
以上がTVエビスのご紹介と予想される効果になります。以上になります。ありがとうございました。