ハッチの米国株教室#6
毎日の株価チェックは逆効果?米国株で損しないための決算の見方と本当の売り時
今回のテーマは、多くの投資家が悩む「米国株を買った後の情報収集と売却判断」です。日々のニュースや株価の変動にどう向き合い、どのようなサインが出たら手放すべきなのでしょうか?長期投資を成功させるための具体的な行動指針を、岡元兵八郎氏がわかりやすく解説します。(※2026年6月収録のマネックス証券YouTube動画に基づく内容です)
【米国株で損する人の習慣】20%の暴落で損切りすると大失敗!? 米国株を買った後にやるべき情報収集と、正しい手放すサインとは

荻野仁美氏(以下、荻野):みなさま、こんにちは。フリーアナウンサーの荻野仁美です。
岡元兵八郎氏(以下、岡元):マネックス証券のハッチこと岡元兵八郎です。
荻野:この番組では「ハッチの米国株教室」と題して、岡元さんに米国株投資についてわかりやすく解説していただきます。
今回のテーマは、買った後の情報収集と売却判断、日々の情報との付き合い方です。米国株を保有した後にチェックすべきこと、チェックした後の行動について、岡元さんから教えていただきます。
長期保有中に注目する重要情報
荻野:前回は米国株を買うまでの悩みの解消策を教えていただきましたが、いざ米国株を買った後はどうすればいいのでしょうか? やはり情報をチェックしていくことが大事なのでしょうか?
岡元:私がずっとお伝えしているとおり、米国株投資は短期のトレードではなく、資産形成のための長期投資です。そのため、私がもし一般の個人投資家の1人だったら、株価は毎日見ません。
ただ、私はこのような仕事をしているため、仕事柄、毎日必ず株価や指数の動きを見なければなりません。
金融の仕事をしていない個人投資家の方は、基本的には毎日株価を追う必要はなく、むしろ見ないほうがいいと思っています。毎日見ることで会社の価値が上がるのであれば話は別ですが、長期投資をするにあたり、毎日株価見ても何も変わらないからです。

しかし、ずっと放っておけばいいという意味ではありません。決算や重要なニュースの節目で、自分が投資をしている銘柄の長期の成長ストーリーが壊れていないか、継続されているかを確認することが大切です。
ニュースは「点」ではなく「因果関係」で見る
岡元:とは言うものの、経済や株式市場の基本を何も知らないまま投資をするのは非常に危険です。難しい分析を毎日する必要はありませんが、最低限、今世界経済で何が起きているか、それが企業業績や株価にどうつながっていくかという点は、押さえたほうがいいと思います。
わかりやすい例で言うと、今回の米国とイランの問題において「ホルムズ海峡」というキーワードが多く出ており、大きな焦点となりました。
イランは有数の原油輸出国で、ホルムズ海峡は世界の石油消費分の約2割がそこを通過すると言われている、非常に重要な海上のルートなわけです。ここが封鎖されると原油価格が上がります。
原油価格が上がると、日本でも米国でもガソリン価格が上がってきます。ガソリン価格が上がると家計の負担が増え、消費が弱くなってくる可能性があります。ニュースを「点」として見るのではなく、「因果関係」で見ることはとても大切だと思うのです。
決算についても同様です。米国の会社は年に4回決算発表をしますが、自分が持っている銘柄を見る時は、単に「良かったか、悪かったか」だけで判断せず、予想を上回る決算を出したのであれば、「なぜ良かったのか?」と背景まで掘り下げて考えることが重要です。最近だと、「AI需要のような構造的な追い風があるか?」など、考えてみることが大切です。

逆に予想を下回ったとしたら「なぜ下回ったのか?」「一時的な要因なのか、それとも長期的な成長ストーリーに何か変化が起きているのか?」という視点で決算発表を確認することが大切です。
荻野:日々の情報を「点」ではなく、全体的に物語として見ることが大切ということですね。
岡元:そのとおりです。
情報収集しすぎないのがコツ
荻野:では、政治や経済のニュースにおけるそのような情報は、どこから得られるのでしょうか?
岡元:少し余談になりますが、私は仕事柄、毎日ニュースをチェックしているものの、投資家のみなさまはニュースを見すぎないことをおすすめします。情報を追いすぎると、どうしても短期的な値動きに振り回されてしまうためです。
とはいえ、どうしても気になるという方は、米国のマーケットが終わった日本時間の翌朝に、10分程度ニュースを確認するのがいいかもしれません。
見るポイントとして、前日のマーケット全体の動き、自分が保有している銘柄、気になっている銘柄に大きなニュースが出ていないかを押さえておけばいいと思います。
最近はいろいろなニュースソースが無料で見られ、かなり質がいいと思います。情報源としては、BloombergやCNBC、『The Wall Street Journal』や『Yahoo!ファイナンス』の米国版もあります。
一部英語表記ではあるものの、最近は翻訳ツールの精度が非常に高いので、比較的簡単に翻訳することができます。工夫して確認してみてください。
加えて月に1度、第3週目の木曜日の夜8時からマネックス証券で行っている『ハッチの米国株マーケットセミナー』というオンラインセミナーも参考にしていただき、マーケット全体の流れを整理するといいのではないかと思います。
荻野:なかなか情報収集に時間を割けないという方は、動画から学ぶ時間を定期的に取るのもいいかもしれません。
米国企業の決算情報の読み方

荻野:決算についてはどのようなところに注目すべきでしょうか?
岡元:米国のマーケットは、事前予想に対し「結果が良かったら買われ、悪かったら売られる」という、センチメント(市場心理)で株が動くことが非常に多いです。
では、決算発表をどうやって確認すればいいのでしょうか? 真剣に確認したい方は、企業のIRサイトでも確認することもできますが、先ほどご紹介したニュースサイトには数値だけでなく簡単な解説も記載されているため、そちらを参考にするのがおすすめです。
基本的に押さえておいたほうが良いポイントとしては、売上やEPS(1株当たりの利益)が予想よりも良かったのかまたは悪かったのか、なぜそうなったのかということです。
また、来期どうなるかという予想をガイダンスというかたちで出すことがあるため、その概要も押さえておけばいいと思います。

繰り返しになりますが、長期的な成長ストーリーに変化がないかを押さえておくことが一番大切だと思います。
あとは、マネックス証券の「銘柄スカウター」というツールを活用すれば、決算発表のニュースが日本語で手軽に確認できます。初心者の方はそちらも参考にしてください。
荻野:はい、わかりました。
「2割下がったら損切り」は長期投資家には合わない
荻野:ここまで長期投資が大切だということは理解できましたが、その前提で「銘柄を保有し続けるのか、それとも手放すのか?」という判断は、具体的にどう下していけばいいのでしょうか?
岡元:「株価が2割下がったら損切りをする」といったロスカットルールも、よく耳にする手法です。これはとても規律があるやり方ではあるものの、どちらかというと短期トレーダー向けの考え方だと思います。

NVIDIAが良い例ですが、長期で大きく伸びる会社ほど、途中で大きな下落を経験します。成長率の高い銘柄ほど、ボラティリティが高く乱高下しやすいのです。例えばマイクロソフトであれば、1995年末に購入していれば、株価は7,000パーセント上がっていたはずなのです。
そのような銘柄を機械的にロスカットしてしまうと、資産形成に必要な大きな成長を取り逃がす可能性があります。チャートを見ていただくとわかりますが、テスラやNVIDIAもまさにそうで、株価の乱高下がすごいのです。
ロスカットルールによって下落局面で売却してしまうと、買い戻すことができなくなってしまいます。
本当に手放すべきサインは「成長ストーリーが壊れた時」
岡元:そのような意味では、株を売却するタイミングは、その株を買った理由や、その時に自分が考えていた成長ストーリーが壊れた時がいいと思います。
荻野:なるほど、信じていたストーリーに従って決めると、その後株価がどうなったとしても、自分の中で納得がいきますね。
岡元:当たり前の話ですが、自分が投資をしている会社の成長を買いに行くわけですよね。
そのため、成長ストーリーがある限り、長期的に株価が上がっていくのだと思います。しかし、そのストーリーが壊れてしまったら株価が上がらなくなる可能性もあるので、ポイントとして押さえておくべきだと思います。
荻野:すごくわかりやすくてシンプルな軸だと感じました。自分の軸を大事に持っていたいと思います。
今回は米国株を保有した後にチェックすべきことと、その後の行動について教えていただきました。岡元さん、ありがとうございました。
岡元:ありがとうございました。


