logmi Finance
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書籍著者プロフィール

著者名:Jack
バーテンダー、予備校講師などを経てサラリーマンに。投資歴は30年以上。 IPO(新規上場株)投資、優待・配当取り、バリュー(割安株)投資などさまざまな手法を駆使して、これまで3億円の資産を築くことに成功。FXや暗号資産、不動産、太陽光発電などにも投資。 「これはずるい!株カンニング投資術」(ダイヤモンド社)など著書多数
X@jackjack2010

物価は上がるのに給料は増えない――“超インフレ時代”に個人が備えるべきこと

ーータイトルにある「超インフレ時代」という言葉には、いまの家計環境や資産形成に対する強い危機感が込められているように感じます。JACKさんは、いまの日本の個人にどのような備えが必要だとお考えでしょうか。

今の日本では、コンビニのおにぎりをはじめ、さまざまな物の値段が上がっている一方で、みなさまの給与収入はそれほど上がっていないというのが実感ではないかと思います。そうした環境の中では、ただ預金しているだけではなく、どうやってお金を増やしていくかを考える必要があります。私は、まずは投資に回せるお金を少しずつでも作っていくこと、そしてそのお金を高配当株や株主優待株などに振り向けていくことが大事だと考えています。人生の多くの問題はお金で解決できる面がありますので、まずは入金力を高めていくことが備えの第一歩になると思います。

書籍情報
超インフレ時代でもお金に困らない株投資術
著者・・・JACK
出版社・・・扶桑社
発売日・・・2026年03月27日

投資テクニックの前に必要なのは“種銭づくり”――入金力を重視する理由

ーー本書の大きな特徴は、株の売買テクニックだけでなく、「まず投資資金をどう作るか」というところから書かれている点だと思います。なぜこのテーマを重視されたのでしょうか。

株式投資を始めるにあたって、最初の種銭作りは非常に重要だからです。今はポイントで投資ができたり、数千円から始められたりしますが、私が投資を始めた頃は、ある程度まとまったお金がないと株はできないという空気がありました。実際、お金がないまま無理に増やそうとして、FXや仮想通貨に走ってしまい、うまくいかない人も多く見てきました。結局のところ、お金さえあれば、高配当株や優待株など、より安定した選択肢を取ることができます。ですから、投資のテクニック以前に、まずは投資に向かうための種銭や入金力をどう作るかが大事だと考えています。

節約だけでは続かない ポイント活用やキャンペーンを投資資金につなげる考え方

ーー著書では、節約だけでなく、ポイント活用や各種キャンペーンの利用も“入金力”を高める手段として紹介されていました。JACKさんは、こうした取り組みを投資とどのようにつなげて考えていますか。

基本は、給与収入や事業収入の中から投資資金を生み出していくのが王道だと思っていますし、支出を見直して浮いたお金を投資に回すのも大事です。ただ、物価がこれだけ上がっているなかで、それだけで投資資金を作るのは簡単ではありません。節約も、やり方によってはストレスになって長続きしないことがあります。そこで、ポイント活用や口座開設キャンペーンのような形で、比較的リスクを抑えながら小銭を積み上げていく方法が有効だと考えています。そうして得たポイントや現金を日常の支出に回せば、その分だけ現金が浮きますし、それを株式投資に回したり、そのままポイントで投資したりすることもできます。知っているかどうか、やるかどうかで差が出る部分だと思います。

デイトレではなくイベント投資へ このスタイルを選んだ理由

ーーJACKさんは、デイトレードではなくイベントドリブン型の投資を重視しているとお話しされていました。なぜこのスタイルにたどり着いたのでしょうか。

私は他の投資家の方のように、デイトレードや、いわゆるイナゴタワーを形成するような空中戦のトレードができる環境ではありません。そのため、自然とイベントに着目した投資を行うようになりました。イベント投資は、IPOやTOB、PO、立会外分売、株主優待クロスなど、明確な材料に基づいて取り組めるものが多く、兼業投資家でも比較的実践しやすいと感じています。また、こうした投資は少しずつお金を構築しやすく、安全性という面でも取り組みやすいところがあります。自分の生活や仕事と両立しながら、無理なく続けられる投資として、このスタイルにたどり着いたという感覚です。

IPO、TOB、PO、優待クロス……イベント投資をどう使い分けているのか

ーーイベント投資と一口に言っても、IPO、TOB、PO、立会外分売、優待クロスなどさまざまな手法があります。JACKさんは、それぞれをどのように見て、どう使い分けていますか。

私にとってイベント投資は、兼業投資家としての基本的なポートフォリオのようなものです。IPOは、当たれば上場日の株価だけ見ておけばよいので、時間効率が非常に良いと感じています。TOBは件数も増えていて、わかりやすいイベントの1つですし、POや立会外分売も、需給や価格差を意識しながら取り組めるものです。株主優待クロスも、値上がり益とは違う形で利益を積み上げる方法として有効です。それぞれ期待リターンや資金拘束、時間のかかり方が違いますので、自分の資金量や生活スタイルに合わせて組み合わせていくことが大事だと考えています。

大きな含み損から転機に IPO投資に本格的に向き合ったきっかけ

ーーJACKさんといえばIPO投資の印象も強いですが、IPOに本格的に向き合うようになったきっかけを教えてください。

最初からIPOを中心にやっていたわけではなく、もともとは普通に個別株をやっていました。当時は『会社四季報』を早めに入手して、徹夜で読んで翌朝に注文するような投資もしていました。ただ、その中であさひ銀行の株をかなり買っていて、地合い悪化や発言の影響で株価が大きく下がり、かなりの含み損を抱えました。その時に、たまたま証券会社からシンプレクステクノロジーのIPOを勧められて申し込んだところ当選し、大きな利益になりました。そこで、兼業投資家でも申し込んで当たれば上場日に確認するだけでよいIPOは、とても効率がよいと実感しましたし、実際にその後はIPOで何百万円という損失を解消した経験があります。そのことが、IPOに本格的に向き合う大きなきっかけになりました。

“カンニング投資”で情報を先回りする アクティビスト銘柄と周年銘柄の見方

ーー JACKさんは、「カンニング投資」という表現で、アクティビストの動きや周年銘柄への注目も挙げられていましたが、個人投資家は、こうした情報をどのように投資判断に活かせるのでしょうか。

アクティビスト投資については、影響力のあるファンドがある程度株を買うと大量保有報告書が出ますので、まずはそこに注目します。そのうえで、何パーセント保有しているのか、今後さらに買い増していく余地があるのか、なぜその銘柄を買っているのかを自分なりに調べていきます。最近はAIなどもあるので、そのファンドが過去にどんな銘柄を買って、どういう結果になったのかも見やすくなっています。周年銘柄については、企業が記念の年には増配や優待拡充、あるいは何らかの良いリリースを出すことがあるため、そこを先回りして見ていく考え方です。過去に不二家の100周年優待で大きなインパクトを受けたこともあり、周年記念のタイミングは面白いと考えています。こうした情報を見て、まだ大きく動いていないタイミングや、安いタイミングで入ることが大事だと思っています。

公募割れが続く2026年IPO市場 それでもセカンダリー投資にチャンスがある理由

ーー2026年のIPO市場については、公募割れが続く一方で、セカンダリー投資にはチャンスもあるとお話しされていました。今のIPO市場をどのように見ていますか。

今年のIPO市場は、私が20年近く見てきた中でも、これまでにないほど公募割れが続いているという印象です。この銘柄まで公募割れするのかと思うようなケースもありました。ただ、IPOはブックビルディングに参加して初値で売るだけではなく、上場後のセカンダリー投資という見方もあります。実際、公募割れした銘柄でも、その後に見直し買いが入って上昇するケースはあります。たとえば食品系IPOの過去データを見ても、初値は地合いの影響を受けますが、その後の値動きにはチャンスがあります。ですので、今のIPO市場は厳しい面もありますが、初値だけで判断せず、上場後まで含めて見ていくことが大事だと考えています。また、大型IPOへの期待もあり、IPO市場が盛り上がることで相場全体も活気づいてほしいと思っています。

配当・優待、周年銘柄、逆張り、IPO――勝負銘柄を選ぶ基準

ーー配当や優待利回り、周年銘柄、売られすぎた銘柄、IPOセカンダリーなど、いくつかの勝負パターンがあるかと思います。実際に銘柄を選ぶ時、何を基準に優先順位をつけているのでしょうか。

私が銘柄を選ぶ時は、いくつかの型を持っています。1つは、配当や優待の利回りを見て、株価が下がったタイミングで入る方法です。2つ目は、周年銘柄を決算前などに少し仕込んでおく方法です。3つ目は、高値から大きく売られた銘柄の逆張りです。4つ目はIPOのセカンダリー投資で、地合いが改善して見直し買いが入る余地を見ます。さらに、相場全体の地合いが良い時は、勢いのある銘柄に乗るという考え方もあります。いずれにしても、基本は「安く買って高く売る」ということに尽きますので、その原則に合うかどうかを見ながら優先順位をつけています。

市場で生き残るために必要な3つの鉄則 「退場しない」「休まない」「情報を集める」

ーーJACKさんが長年相場の世界に身を置く中で、個人投資家が生き残るために最も大事だと感じていることを教えてください。

私が市場で生き残るために大事だと考えているのは、3つあります。1つ目は、退場しないことです。相場に居続けることが何より大切で、そのためには資金管理を含めた防御が重要です。2つ目は、毎日1回でも株価や市況を確認する、あるいは情報を追うという姿勢を続けることです。3つ目は、自分にとって有益だと思う情報源を見つけ、継続的に追いかけていくことです。この3つをしっかり続けることが、個人投資家が長く相場に残るために最も大事だと考えています。

JACK氏が本書で伝えたいこと

ーー最後に改めて、3月27日に出版された『超インフレ時代でもお金に困らない株投資術』は、特にどのような方に読んでほしい本でしょうか。また、本書を通じてお伝えしたい事はどのような事でしょうか。

本書は、値上げばかりの日常生活のなかで、給料は上がらないことから、そのインフレを投資でカバーをしようという思いで執筆しました。株式投資をしたくてもお金がなくてもできない方、株式投資で損ばかりしている方に読んでほしいと考えています。また、この本を読んだ方には株式投資を生涯、やって頂きたいと考えています。それだけやりがいがあるのは本書を読めばわかると思います。

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