マンガでわかる高配当株投資「完全」入門 配当収入月55万円の億リーマンの錬金術
マンガでわかる高配当株投資「完全」入門 配当収入月55万円の億リーマンの錬金術 出版インタビュー 2026年の注目テーマも解説
書籍著者プロフィール
著者名:なのなの投資歴25年以上の兼業投資家。基本スタイルは日本の高配当株やアメリカのインデックスを中心とした分散投資。関西の大学院を修了後、新卒でプライベートエクイティ投資の会社に入社。約9年働き弁理士の資格を取得した後、メーカーに転職して現在に至る。大学1年生から株式投資を開始。当初6年間は赤字であったが、投資対象を高配当株メインとしてからは成績が安定するようになる。2008年以降は18年連続で黒字。2026年2月時点の保有資産は2億4600万円。
X:@nano_nano2001
「実感」と市場のズレに惹かれ、大学時代に30万円で投資を開始
ーーなのなのさまが株式投資を始められたきっかけやタイミングを教えてください。
中学生の頃、セガのゲーム機「メガドライブ」が国内で苦戦しているにもかかわらず、株価は上昇していました。この「実感」と「市場のズレ」に強い興味を抱いたことが、投資に関心を持つようになったきっかけです。
その後、ファミコンの株式シミュレーションゲームに触れ、株の仕組みへの理解と関心をさらに深めていきました。実際に投資を始めたのは大学1年時の冬でした。アルバイトで貯めた約30万円を元手に、初めて株式を購入しました。最初に選んだ銘柄は商船三井(9104)で、雑誌の袋とじで紹介されていたことが購入のきっかけでした。
投資歴26年、8年目の転換で高配当株投資へシフト
ーーこれまでの投資遍歴と、現在の投資スタイルについて簡単に教えてください。
投資歴は26年くらいです。投資を始めた当初は、雑誌やインターネットの情報に頼り、感覚的な売買を繰り返していました。明確な判断基準を持たないままで、安定した利益を上げることができませんでした。
転機となったのは、投資開始から約8年が経過した頃です。成績が一向に安定しない状況を踏まえ、配当利回りを重視する投資スタイルへと舵を切りました。その結果、運用成績は徐々に安定していきました。
現在は、日本の高配当株、米国インデックスやREITに分散投資を行っています。リスクを抑えつつ、長期的に安定した資産形成を目指しています。
初心者が一歩を踏み出すための入門書 マンガで学べる新刊の特徴
ーー2026年4月発売の『マンガでわかる高配当株投資「完全」入門 配当収入月55万円の億リーマンの錬金術』は、どのような読者に向けて、どのような価値を届けることを目指した1冊なのでしょうか。
本書は、投資初心者の方や、何から学べばよいのか分からず一歩を踏み出せずにいる方に向けて執筆しました。難解な専門用語や複雑な分析に苦手意識がある方でも無理なく理解できるよう、吉村佳先生のマンガを織り交ぜ、楽しみながら読み進められる構成としています。
内容は、高配当株投資の基本から実践までをシンプルなルールとして整理し、誰でも再現できる形に落とし込みました。読後には、自分自身の力で資産形成に取り組めるようになることを目指しています。
約45ページのマンガで理解しやすく構成
ーー2023年12月に『月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える 「爆配当」株投資』を出版されていますが、前作と今回の書籍で違いがあれば教えてください。
前作は、高配当株投資の有効性やその背景にある考え方を軸に、一定の投資経験を持つ方へ向けて執筆しました。データや分析を交えながら、理解を深めていただく内容となっています。
一方、本書はこれから投資を始める方や、基礎から学びたい初心者の方に向け、無理なく理解できる構成としました。口座開設の方法から銘柄選び、運用の考え方までを体系的に整理し、初心者の方でも迷わず読み進められる構成としました。さらに、約45ページにわたってマンガを取り入れ、読書に苦手意識のある方でも無理なく理解できる内容としています。
利回りだけで選ばない 初心者がつまずきやすいポイントを先回り
ーー今回の書籍を制作される中で、特に意識されたことは何でしょうか。たとえば、初心者のつまずきやすい点、誤解しやすい点などがあればあわせて教えてください。
本書では、初心者がつまずきやすいポイントをあらかじめ洗い出し、先回りして解消できるよう意識して構成しました。
たとえば、利回りの高さだけで銘柄を選んでしまう点は、典型的な失敗パターンと言えます。そこで本書では、業績の安定性や増配の有無、配当の持続性といった複数の視点から判断する重要性を丁寧に解説しています。
あわせて、投資に対する不安に振り回されることなく、現実的なリスクと冷静に向き合える姿勢を身につけられる内容としました。
日本株×高配当株を主軸、忙しい会社員でも再現しやすい手法
ーー日本株×高配当株を主軸にしている理由をあらためてお聞かせください。初心者や会社員にとって、この手法が向いていると考える理由は何でしょうか。
最大の理由は、自身の投資成績が安定するようになった点にあります。日本の高配当株の多くは、安定した収益基盤と強固なガバナンスを備えており、その結果として堅実なリターンが期待しやすいと考えています。
また近年は、日本企業全体で株主還元への意識が高まっており、配当の持続性や増配を見込みやすい環境が整ってきました。
特に初心者や会社員の方にとっては、頻繁な売買が不要で日々の値動きに振り回されにくい点、さらに利回りや業績といったシンプルな基準で判断できるため再現性が高い点から、忙しい中でも無理なく取り組みやすい投資手法だと考えています。
感覚で売買しない 「再現性」を高めるためのマイルール
ーーこれだけは絶対にしない、やらないと決めているマイルールがあれば教えてください。
私が絶対にしないと決めているのは、感覚や雰囲気だけに頼った売買です。過去にそのような判断で大きな失敗を経験したため、現在は配当利回りや業績の安定性、増配の有無といった明確な基準に基づいて判断することを徹底しています。
また、短期的な値動きに振り回されて頻繁に売買を繰り返すような、投機的な行動も取りません。自分のルールから外れる取引を排除することで判断の軸がぶれなくなり、その結果として再現性の高い投資を継続できると考えています。
配当収入は5年から10年で育てる 現実的な資産形成の道筋
ーー配当収入を生活の支えにしたいと考える読者に対して、どのくらいの時間軸で、どのようなマイルストーンを置きながら取り組むのが現実的だと考えていらっしゃいますか。
配当収入を生活の支えとして育てていくには、短期間で成果を求めるのではなく、5年から10年といった中長期の視点で取り組むことが現実的です。まずは年間数万円の配当を得ることを最初の目標とし、受け取った配当を再投資することで、少しずつ収入を積み上げていくのが基本となります。
その後は、年30万円、100万円と段階的に目標を引き上げ、最終的には生活を支える水準へと到達していきます。無理のないペースで着実に続けることが、結果として最短の成功につながると考えています。
2026年の注目テーマは還元強化とTOB、受注残の増加も判断材料に
ーー2026年の相場環境を踏まえ、なのなのさまが今、高配当株投資において注目しているテーマや考え方があれば教えてください。
2026年の相場環境では、企業の株主還元姿勢のさらなる広がりに注目しています。日本企業では増配や自社株買いを強化する動きが一段と活発化しており、高配当株投資にとっては追い風となる状況が続いています。
また、親子上場の解消に伴うTOBも重要なテーマの一つです。これには、高配当株に投資することで配当収入を得ながら、TOBプレミアムの獲得も期待できる点に魅力を感じています。さらに、受注残が増加している企業にも注目しています。将来の業績見通しが立てやすく、中長期の成長性を見極めるうえで有力な判断材料となるためです。
小さな一歩が将来を変える、無理なく続けることが重要
ーー最後に、本書の中で、特に「これだけは読者の方に持ち帰ってほしい」と考えているメッセージをぜひいただければと思います。
本書を通じてお伝えしたいのは、「まず一歩を踏み出してほしい」ということです。投資をしているかどうかで、将来の資産形成には大きな差が生まれます。しかし、不安や知識不足を理由に、その一歩を先送りしてしまう方も少なくありません。
最初から大きな成果を求める必要はありません。重要なのは、小さく始めて経験を積み重ねていくことです。自分のペースで無理なく続けることで、知識や判断力は自然と身につき、将来の選択肢は着実に広がっていきます。投資は特別な人だけのものではなく、誰にでも開かれた手段です。本書が、その第一歩を後押しする1冊となれば嬉しく思います。


