インフレ局面で注目されるREIT投資 安定利回りと流動性を軸に仕組みを解説
2026年1月24日にログミーFinance主催で行われたIRセミナーの基調講演、個人投資家の1UP投資部屋Ken氏がREIT(リート)の基本的な仕組みや投資の特徴を解説。安定した利回りや高い流動性、少額から分散投資が可能な点に加え、インフレ局面における資産防衛の観点からの魅力を整理し、CRE戦略や物流需要、賃料上昇を背景とした注目REITについても紹介します。
自己紹介

1UP投資部屋Ken氏:投資系YouTubeチャンネル「1UP投資部屋」のKenです。
REITをご存じない方もいらっしゃると思いますので、概要と、個人的な注目ポイントをお話しします。実は私も2018年から、REITにも投資していますので、その理由なども含めてお話しします。
簡単に自己紹介をします。大学に入ったタイミングで為替取引を始めて、大学3年の2018年の夏に初めてREITを購入しました。そこから何回かREITに投資しながら、株式投資やFX、CFD、コモディティなどもしています。
2020年に大学を卒業したタイミングで独立して、専業投資家として今年で7年目です。SNSなども運営しており、「YouTube」の登録者は足元で9万人弱、「X」のフォロワーは4万6,000人です。
このようなREITの対談は私は初めてですが、学生時代にREITのIRコンテストがあり、そちらでご一緒しています。卒業後もご一緒できて、非常にありがたいと思っています。
それ以外には、これまでIRの企画で200社から300社ほどの上場企業と取材や対談をしています。
いつもは取引手法などを丁寧に解説しているのですが、今回は割愛します。
REITの特徴

スライドではREITの特徴を簡単にまとめています。各項目について解説します。
1つ目が「安定した利回り」です。利回りは今、株式市場では2パーセント弱ほどだと思いますが、基本的にはそれよりもかなり高い利回りを各社が出されています。
2つ目が「比較的高い流動性と換金性」で、私は非常に重要だと思っています。不動産は、何億円単位でポンと出せる方は実物を買うのもありなのかもしれませんが、それができる方は非常に少数だと思います。
それ以外では例えばクラウドファンディングがありますが、個人的には、拘束時間や償還までの期間が長いと、動かしたい時にすぐに動かせないのが非常にストレスになります。REITは高い流動性と換金性があり、ETFや株式と同じような感覚で売買できますので、そこが大きな魅力だと思います。
3つ目が「少額で分散投資が可能」、4つ目が「インフレに強い」という点です。それぞれについて、もう少し細かくお話しします。
安定した利回り

まずは「安定した利回り」です。こちらは制度上・設計上の理由もありますが、配当可能利益の90パーセント超を投資家に分配するという要件を満たすことで、法人税が免除されます。
株式などでは90パーセント以上を配当に回すところは非常に少ないと思うのですが、REITの場合はどこの運用会社・投資法人もそのようにされています。そのため利回りも比較的安定しやすいですし、高くなる場合が非常に多いと思っています。
足元のREITの利回りは、いろいろなアセットやその時の株価の動きにもよりますが、3パーセントから6パーセント程度で、株式と比べてもかなり高いほうなのではないかと思っています。私も安定して運用したいところ、例えば「1,000万円あるのであれば、そのうち10パーセントはある程度安定したREITに入れたい」というお金はREITに入れています。
このような安定利回りが好きな方には、非常に合っていると思います。
比較的高い流動性と換金性

「比較的高い流動性と換金性」についてです。先ほども少しお話ししたのですが、REITの場合は上場していますので、株式やETFと同じように手軽に売買できます。
流動性を簡単に見てみると、もちろんその日にもよりますが、おおむね1億円から数億円程度の売買代金があるところが多いと思います。数百万円から数千万円であれば、1日の関与率をそれほど気にせずに売買できると思います。
「何億円単位で1銘柄に入れたい」というのであれば、もう少し流動性が欲しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、分散させて、そのうちREITを1銘柄、2銘柄買うのであれば、それほど問題なく売買できる方が多いのではないかと思います。
少額で分散投資が可能

「少額で分散投資が可能」という点についてです。5万円程度から40万円程度で投資が可能なところが多いです。J-REITはETFもありますので、この場合は数千円から可能な銘柄もあります。
REITの場合、1つの不動産に投資しているわけではなく、複数の不動産を持っています。そのため、REITを買うこと自体が、かなり大きな分散効果を持っていると思います。その上で、さらに別の複数のREITやETFなどを買っていくと、より分散が効いて非常に良いと思います。
後ほど、REITのいろいろなタイプなどをご説明いただくと思いますが、オフィスやレジデンス、物流、それ以外にもいろいろなアセットがありますので、そのようなものから選んで自分で分散するのも良いと思います。
また、複合でいろいろなアセットが入っているREITもありますので、そのようなものを選ぶのも良いと思います。いずれにしても、少額でできるのが非常に良いですね。
インフレに強い

「インフレに強い」という点についてです。こちらはみなさま気になるところだと思いますし、私がREITに投資している1つの理由でもあります。コロナ禍が明けて、ここ2年から3年ぐらいはインフレの話が当たり前のようになっています。そのような状況で「円だけに全ベット」というのは、非常に危険と言いますか、「怖いな」と思っています。
インフレになると、不動産価格も賃料も上がりやすいです。結果的に分配金の上昇につながりやすいと思います。また、投資口価格も上昇しやすいです。マーケットは多少変わってきたりもしますが、基本的に上昇しやすいと思っています。
借入コストの上昇もあると思いますが、REIT各社も、おそらく3年前、4年前、それよりもずっと前から、金利上昇について分析し考えられて、さまざまなポートフォリオを組んできているのではないかと思います。そのため、長期で借入のタイミングを分散したり、固定化の比率を高めたりしているところもあり、それなりにリスク管理ができていると思います。
ここでお伝えしたいのは「インフレに強い資産としてREITを選択肢に入れていただくのも良いと思っている」ということです。
KenがREITに投資した理由

私が実際にREITに投資した理由です。私はいわゆる「ガチホ」で、ずっと握っているだけなのですが、その理由としてはなにより安定配当が挙げられます。配当のブレが少ないのです。
例えばバリューアップしたり、売却したりと、自分たちで賃料を上げる努力もされています。また、売却を通じて、売却益が配当に回ることもありますので、安定もしくはやや右肩上がりのところが多いと思っています。
予想がつきやすいため、少し年上の世代、私たちの親世代の方にもREITを進めています。やはり配当が安定しているため、そのような方にも合っていると思います。
また、「ファンダメンタルズが読みやすい」という点も重要です。株などではかなり読みづらいですし、いきなりストップ安になってしまうこともあります。しかしREITの場合は、よほどのことがない限り、急に賃料が下がることはありません。また、過去のデータが公開されていますので、公開情報などからある程度読みやすいと思います。
次に、「株式市場の下落に比較的強い」ということです。株式市場が下落すると、一緒に下がる局面もありますが、やはりREITのほうが下げ幅が小さいと感じることがけっこうあります。
金融危機などになってしまうと、不動産もきついと思います。そのような場合は例外になると思うのですが、基本的に株式市場の下落時に強いということです。
さらに、「ファンダメンタルズに関係なく割安で放置されている局面が時々ある」ということも投資理由の一つです。例えば、昨年の年始は非常に安かったと感じています。特に都内の不動産の賃料はずっと右肩上がりだったにもかかわらず、REITはどんどん安くなっている状況でした。
このように、ファンダメンタルズに関係なく放置されている場合が多く、そのような局面を見つけられたら魅力的だと思います。
先ほど私は「2018年に買った」とお話ししましたが、12月25日だったと思うのですが、「パウエルショック」がありました。ほとんどのREITは影響がゼロに近かったと思うのですが、その時でも落ちたのです。
私はそのような局面を狙って購入したりもしています。「ファンダメンタルズが読みやすい」プラス「割安で放置されている局面もある」という意味では、チャンスが非常に見つけやすいのも魅力だと思っています。
注目のポイント 3249 産業ファンド投資法人

今回ご紹介する投資法人は4つあります。1つ目が産業ファンド投資法人(IIF)です。
私が注目しているのがCRE戦略です。私は東証の改革も含めて、CRE戦略を行っている企業に取材しに行ったり、いろいろな機関投資家も含めて対話したりもしています。
CRE戦略は今はあまり注目されていないのですが、今年の1つの大きなテーマになると思っています。TOPIXの採用基準が変わることもあり、資本効率などの観点で非常に注目すべきところだと思います。
注目のポイント 8953 日本都市ファンド投資法人

2つ目の日本都市ファンド投資法人も、同じようにCREカーブアウトを行っています。いったん売却してその後ふたたび借りる、セールアンドリースバック取引というのも、今後増えていくと思います。株式投資家としても、非常に注目できるポイントだと思っています。
注目のポイント 3481 三菱地所物流リート投資法人

3つ目は、三菱地所物流リート投資法人です。こちらは物流施設がメインだと思いますが、非常に注目していることとして、建設費用が高騰している状況があります。
ゼネコン、サブコンにもよく取材に行きますが、ゼネコンに関しては、受注時の粗利率を気にしていますので、ハードルレートのようなものを設けて、「一定のレート以上でなければ、うちは受けません」といったことが当たり前になっています。
「物流施設の供給は、今後どうなるのだろう?」という点についても、スライドにもあるように、なかなか新規で作りづらいという問題が出てきています。そのため、既存の物流施設の価値は、今後高まりやすいと思っています。
さらに、AI関連でも注目すべき点があります。AIは今、非常に伸びていると思うのですが、私は将来、AIがECなどを使ってある程度自動で、身の回りのものなどを注文する時代が来ると思っています。AIがさらに発達し、ECの需要が高まると、物流施設の需要はより高まりそうですので、おもしろいと思っています。
注目のポイント 8966 平和不動産リート投資法人

4つ目は、平和不動産リート投資法人です。こちらは、スライドにも「20期連続増配」と記載があるように、増配を続けていらっしゃるということです。この裏側には、もちろん不動産市況が良いのもあると思いますが、賃料を大幅に上げることができていることがあります。決算説明資料には、どの程度上げられているかが細かく記載されています。
このトレンドは、いろいろな不動産業者にお話を聞いても、「都内の賃料上昇は、ほぼほぼ止まらないのではないかと思っている」ということで、私の知り合いなどでもそのように言っている方が多いです。
そのため、今後の増配の継続性はかなり高いと思います。途中で一瞬凹む時も出てくるかもしれません。しかし、基本は賃料を上げていくことによって増配につながりやすいと思いますので、非常に注目しています。
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REIT3社合同セミナーの書き起こしはこちらに掲載されています。


