連結業績ハイライト

髙橋博史氏:専務執行役員の髙橋です。私から2025年3月期の決算概要をご説明します。

まずは連結業績ハイライトです。2025年3月期は、利益率の高いパチスロ機関連事業が大きく伸長したことで、前期比増益を達成し、営業利益および当期純利益において過去最高益を更新しました。

また、パチンコ・パチスロ両市場における年間トップシェア獲得という、業界初の快挙を達成することができました。

セグメント別決算サマリー

通期決算をセグメント別に総括します。市場概況として、パチンコ市場はスマートパチンコの普及に進展が見られたものの、稼働は依然としてやや低調に推移しました。パチスロ市場は、スマートパチスロの普及が順調に進んで稼働は堅調に推移したものの、総販売台数は前年度を下回る結果となりました。

このような状況の中、当社においては、パチンコ機関連事業は、主力タイトルのシリーズ機を中心に販売台数を積み重ね、前期比で減収減益となったものの3年連続のトップシェアを獲得しました。パチスロ機関連事業は、新規タイトルの好調な販売と増産ニーズへの対応により販売台数を大幅に伸ばし、初のトップシェアを獲得しました。

決算サマリー

決算サマリーです。利益率の高いパチスロ機関連事業が大きく伸長し、売上高構成比が高まったことにより利益率が向上しました。

売上高の増減要因

連結売上高の増減要因内訳については、スライドのとおりです。

営業利益の増減要因/販管費構成

連結営業利益についてです。主にパチスロ機関連事業の売上総利益の増加が寄与し、増益となりました。

販管費の主な構成としては、販売手数料が44億1,700万円の減少となりました。これは主に、Bistyブランドのパチンコ機販売台数が減少したことによるものです。一方で、研究開発費は31億6,300万円の増加となりました。これは2024年5月に公表した中期経営計画の中で示したとおり、ラインナップの拡充を図っているためです。

B/Sサマリー

連結貸借対照表については、スライドのとおりです。なお、自己資本比率は前年度から1.3ポイント減少し、84.2パーセントとなりました。

パチンコ機関連事業

事業概況です。まずは、パチンコ機関連事業の売上高増減要因についてご説明します。

Bistyブランドにおいて、『エヴァンゲリオン』シリーズの新規タイトルの販売がなかった反動により販売数量が大きく減少したことが、売上高減少の主な要因となりました。

パチンコ機関連事業≪ラインナップ≫

パチンコ機の販売タイトルについてです。当年度の新規タイトル数は、昨年度比で2タイトル減少の8タイトルとなりました。

パチスロ機関連事業

パチスロ機関連事業の売上高増減要因です。ブランド力の向上を背景にSANKYOブランドの販売数量が大きく増加し、大幅な増収増益を達成しています。

パチスロ機関連事業≪ラインナップ≫

パチスロ機の販売タイトルについてです。当年度は昨年度比1タイトル増の新規6タイトルを販売しました。加えて、昨年度以前に販売した3タイトルの増産対応を行いました。

パチンコ機販売シェア≪台数ベース≫

パチンコ機販売シェアの推移は、スライドのとおりです。

パチスロ機販売シェア≪台数ベース≫

パチスロ機販売シェアの推移です。マーケットシェアの推移については、後ほどご説明する中期経営計画の進捗パートにおけるご説明と重複するため割愛します。

中期経営計画「SANKYO VISION 25-27 -持続的成長への号砲- 」(2024年5月9日公表)

石原明彦氏:代表取締役社長CEO兼COOの石原です。私から中期経営計画の進捗についてご説明します。

まずは中期経営計画のサマリーです。事業戦略の目標として、「パチンコ機販売シェアNo.1の継続」と「パチスロ機販売シェア15パーセント以上の獲得」を掲げています。また、財務戦略として、「ROE15パーセント以上の達成」を目標としています。

中期経営計画の基本方針としては、事業戦略と財務戦略を両輪とし、持続的な企業価値向上の実現を目指すものとなっています。

中期経営計画「SANKYO VISION 25-27 -持続的成長への号砲- 」(2024年5月9日公表)

主力事業の事業戦略についてです。パチンコ機関連事業においては、多種多様な商品展開や新規タイアップ機の積極展開により、中核事業として安定した収益を確保していきます。

パチスロ機関連事業においては、スマートパチスロの積極投入や新たなゲーム性を採り入れた商品開発などを行い、成長事業と位置付けてリソースを投入していきます。

中期経営計画:2025年3月期振り返り

経営数値目標の進捗状況です。2025年3月期は、主にパチスロ機関連事業の伸長により数値目標を上回ることができました。

中期経営計画:2026年3月期見通し

市場環境について、中期経営計画の策定段階と現段階の見通しを比較しながらご説明します。

2024年度の実績として、パチンコ機の販売台数は予想を上回りました。一方で、パチスロ機の販売台数は、スマートパチスロの設置比率が約5割まで進展したことやロングラン稼働機種が相次いでいることから、入れ替え需要が一服して想定を下回る結果となりました。

足元の環境としては、パーラーにおいて新機種導入時に機種選定および適正台数をシビアに見極める姿勢が強まり、中期経営計画策定時に想定していた市場環境よりも厳しい状況に直面しています。

そのため、中期経営計画策定時には2025年度のパチンコ・パチスロの販売台数をそれぞれ90万台と見ていましたが、パチンコ機は85万台、パチスロ機は70万台に見直しました。

中期経営計画:2026年3月期見通し

このような市場環境を鑑み、当社の2026年3月期計画も見直しています。売上高は、中期経営計画数値の2,000億円から1,850億円に修正しました。

営業利益は、パチンコ機・パチスロ機販売におけるセールスミックスの変化による利益率の悪化や、パチスロ機関連事業のブランド力向上を目的とした高品質化によるコストの上昇、これに伴うリサイクルメリットの減少などを踏まえ、730億円から630億円に修正しています。

一方で、中期経営計画数値に対して減益予想ながらも、5月12日に発表した自己株式取得によるEPSの押し上げ効果により、年間配当金は中期経営計画数値と同額を見込んでいます。

中期経営計画:販売台数シェア見通し

販売シェアの進捗状況です。2024年度のパチンコ機の販売台数シェアは、目標とするシェア30パーセントに届かなかったものの、26.4パーセントの着地見込みとなりました。2位以下を大きく引き離し、3期連続のトップシェアを確保することができています。

2025年度においてもシェア30パーセントには届かない予想ですが、引き続きブランド力の向上に取り組みます。そして、中期経営計画の最終年度となる2026年度には、再び30パーセント以上の圧倒的な販売シェアの獲得を目指していきます。

中期経営計画:販売台数シェア見通し

パチスロ機販売シェアの見通しです。2024年度は、複数の高稼働機種の増産や新機種販売が好調に推移しました。それにより中期経営計画の目標としていたシェア15パーセントを大きく超え、19.3パーセントで着地見込みとなり、一躍トップシェアを獲得することができています。

2025年度以降も15パーセント以上のシェア獲得を目指すとともに、トップグループの一角として足場を固めていきます。

中期経営計画:取り組み

中期経営計画初年度の取り組みの成果についてご説明します。当社グループでは、パチスロ市場のスマートパチスロへの移行を機に、ブランド力を向上させることに成功しました。

2025年3月期のパチスロ機関連事業の売上高は、直近5期平均と比べて3.6倍まで成長し、パチスロ機関連事業の連結売上高に占める割合は、5期平均の13.5パーセントから33.1パーセントまで拡大しています。

これまでは、パチンコ機関連事業の成否によって当社グループの売上・利益の方向がほとんど決まり、業績のボラティリティが高くなる要因となっていました。しかし、パチスロ機関連事業の成長により、当社のさらなる成長期待と経営の安定性が増したと考えています。

中期経営計画:取り組み

新規事業の取り組み状況をご紹介します。引き続き主力事業であるパチンコ・パチスロ事業での成長に重きを置く一方、これらの事業との相乗効果を発揮できる新規事業にも取り組んでいます。

具体的には、コムシード社との業務提携や漫画制作、アニメなどの製作委員会への出資参加などを行っています。遊技機事業との相乗効果を狙い、種まきに注力している段階です。

株主還元について

株主還元についてです。株主還元方針は、連結配当性向40パーセントを目安とした業績連動型配当と、機動的な自己株式の取得を軸としています。

2026年3月期の年間配当金予想は、減益予想の前提のもと、10円減配となる1株当たり90円とします。一方で、5月12日には、取得株式数3,000万株・取得金額600億円を上限とする自己株式の取得を公表しています。

株主還元について

こちらのスライドは、5月12日に公表した自己株式取得の概要です。自己株式の取得により資本効率の向上を図り、ROEの数値目標である15パーセント以上の達成を確実なものとしていく考えです。

資本コストや株価を意識した経営について

資本コストや株価を意識した経営に関して、現時点における当社の認識をスライドに示しました。

PBRは1倍を超えており、ROEも目標とする15パーセント以上ですので、問題のない水準であると捉えています。一方で、PERは1桁台と低い数値が長い間続いていますので、PERについてはさらなる上昇の余地があると考えています。

資本コストや株価を意識した経営について

このような認識のもと、当社としては、売上・利益率の向上や適切な株主還元によるROE向上を目指します。

加えて、新規事業やサステナビリティ課題への取り組みや情報開示の強化により、当社経営へのご理解を深めていただくことで、PERの向上につなげ、企業価値を向上させていきたいと考えています。

パチンコ市場

磯野雅洋氏:IR室長の磯野です。先ほどの説明と若干重複しますが、2026年3月期予想について前期と比較しながらご説明します。

今年度のパチンコ市場の見通しは、足元の事業環境を踏まえ、ほぼ前年度並みで想定しています。7月に登場予定の「ラッキートリガー3.0プラス(以下、LT3.0プラス)」搭載機種により、スマートパチンコの普及に弾みがつき、市場が活性化することを期待しています。

パチスロ市場

パチスロ市場の見通しです。前年度はスマートパチスロの普及が進んで入れ替えが落ち着いたものの、パチスロの稼働自体は順調です。今年度は、6月に登場予定のボーナストリガーによってファンの裾野が広がり、市場がさらに盛り上がることを期待しています。

業績予想ハイライト

2026年3月期の業績予想ハイライトです。パチンコ機・パチスロ機の販売台数はともに前期並みを見込む一方で、補給機器関連事業の需要が落ち着くことにより、全体としては減収を見込んでいます。

利益については、セールスミックスの変化や、パチスロ機関連事業のブランド力向上を目的とした高品質化によるコストの上昇、それに伴うリサイクルメリットの減少、販管費の増加などにより利益率の低下を想定し、減益を見込んでいます。

2026年3月期予想サマリー

2026年3月期の予想サマリーは、スライドのとおりです。

売上高の増減要因

2026年3月期予想に対する売上高増減要因についてです。

営業利益の増減要因/販管費構成

2026年3月期予想に対する営業利益の増減要因と、販管費の構成についてです。

パチンコ機関連事業

パチンコ機関連事業の2026年3月期予想は、スライドのとおりです。

パチンコ機関連事業≪ラインナップ≫

パチンコ機の新規販売タイトル数は、9タイトルを予定しています。

パチスロ機関連事業

パチスロ機関連事業の2026年3月期予想は、スライドのとおりです。

パチスロ機関連事業≪ラインナップ≫

パチスロ機の新規販売タイトル数は、7タイトルを予定しています。

以上で当社からのご説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。