2025年3月期 第2四半期決算説明

德毛孝裕氏:代表取締役社長の德毛です。2025年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。

本日の資料は大きく2つの構成になっています。前半が当社のビジネスモデルや事業内容について、後半は2025年3月期第2四半期決算の概要およびトピックスとなります。

01|主力事業:ナビタ事業

当社のビジネスモデルや事業内容についてご説明します。まずは当社のサマリーとして、どのような事業を展開しているのかと、当社の強みについてご説明します。スライドは、当社の主力事業である広告付き周辺案内地図の「ナビタ」です。

鉄道駅の改札付近などに設置されているため、みなさまも一度はご覧になられた方が多いと思います。これを当社が扱っているということをご理解いただけると幸いです。

「ナビタ」は、周辺案内地図という地図機能だけではなく、広告をつけています。スライドにあるように、左側に地図、そして右側が広告となっています。鉄道駅はもちろん、自治体庁舎や医療機関、あるいは警察署などにも設置されています。自社開発の周辺案内地図を基礎媒体とした連合広告の形式をとっています。

「ナビタ」設置場所の所有者であるロケーションオーナー、広告主、そしてご利用者の3者にとって、それぞれにとってメリットとなるようなビジネスモデルです。

ロケーションオーナーにとっては、「ナビタ」を設置することによってその施設の利用者の利便性を高めることができます。本来、このロケーションオーナーが自ら地図を設置してもいいのですが、「ナビタ」を導入いただくことで、場所代のようなかたちで当社から広告納金を納めるため、ロケーションオーナーは一定の対価を得ることができます。

またスポンサーにとっては、連合広告というスタイルをとっているため、比較的安価な費用で広告出稿が可能というメリットがあります。

そして利用者にとっては、とても見やすい地図を作っているため、行きたい場所がすぐわかるという利便性があります。

私どもはこれを事業として営んでいるため、私どもも含めた「四方よし」というビジネスモデルとなっています。

02|(ご参考)デジタルサイネージナビタ

先ほどご説明した「ナビタ」のデジタルサイネージの事例紹介です。これは英語の他、多言語対応が可能になっています。

スライド左側の画像に示した赤枠部分をタッチすると、英語や中国語に切り替えることができるもので、最近のインバウンド需要にも有効ではないかと考えています。

03|表示灯の強み

当社の強みです。私どものビジネスは、かなり独自でニッチであるところが強みだと思っています。この分野で競合する企業はなく、私どもは非常に高いシェアでこの事業を展開しています。

その結果、約7万2,000件のお客さまにご契約いただいています。公共性の高い場所で展開していることもあり、信頼性にもご評価いただきながら、スポンサーからご契約いただいています。

04|事業セグメントの内容

当社の事業セグメントです。「ナビタ」が、私どもの事業の8割を占めています。その他、一般広告代理店としてのアド・プロモーション事業と、広告から少し離れた、いわゆる看板のサイン事業も行っています。

05|事業内容① ナビタ事業(ステーションナビタ)

ナビタ事業についてご説明します。「ナビタ」の設置場所によってそれぞれ特徴があるため、そのあたりについて少しご紹介します。

まず「ステーションナビタ」です。私どもの代表的な事業であり、祖業となります。スライドには東京メトロ表参道駅とJR原宿駅の事例を掲載していますが、全国約2,400駅で設置しています。

おおむね駅の改札付近にあり、高い広告効果があるものと考えています。2024年9月末時点で2,409駅、全国主要駅の中では8割を超える駅に設置しています。

06|事業内容① ナビタ事業(シティナビタ)

自治体向けの「シティナビタ」です。自治体庁舎の入り口付近に多く設置しています。2024年9月末で1,000を超える自治体庁舎に設置しています。

公共施設や周辺の避難場所も併せて掲示しています。自治体にとっては、そのような周知すべき情報を自ら費用を負担することなく情報発信できるということで、来庁された方々へのサービス向上にもつながっています。

07|事業内容① ナビタ事業(公共ナビタ)

「公共ナビタ」は、警察署や運転免許センターなどに設置しています。公共性、信頼度が格段に高い施設のため、そのようなところに価値を感じるスポンサーは「公共ナビタ」によく広告を出していただけます。9月末時点で153箇所に設置しています。

08|事業内容① ナビタ事業(メディカルナビタ)

「メディカルナビタ」です。各地域のいわゆる基幹病院に設置しており、この医療機関に来られた方へのお知らせや、その周辺の提携院のご紹介などを発信しています。9月末時点で308箇所に設置しています。

09|事業内容① ナビタ事業(神社・寺院ナビタ)

こちらは最近、急速に需要が高まっている「神社・寺院ナビタ」です。日本古来の伝統文化や作法、由緒などを併せてお伝えしています。

インバウンド需要にも応えられるように、英語やその他の言語でも解説を提供しており、みなさまにかなり有益にお使いいただいています。9月末時点で149の神社・寺院に設置しています。

10|事業内容① ナビタ事業数値データ

スライドは、どの種類のナビタに、どのような業種が広告を出しているのかを示しています。やはり地域密着型や、信頼性、公共性に価値を感じられる方が多くなっています。

スライドのグラフのとおり、病院や医療機関、あるいは一般企業、事務所が多くなっていますが、その周辺の例えばグルメ関係も数多く契約いただいています。

11|事業内容② アド・プロモーション事業

アド・プロモーション事業のご紹介です。こちらはいわゆる一般広告です。世の中の多くの方には、「広告代理店といえばこの事業だ」とご理解いただきやすいジャンルではないかと思います。

私どもは比較的いわゆる交通広告が多いですが、マス広告を含めて一通りの広告を手がけています。

12|事業内容③ サイン事業

サイン事業です。私どもは「ナビタ」を中心として、全国の鉄道会社や全国自治体などとのお付き合いもあります。

そのようなネットワークを最大限に活用し、例えば東京駅や品川駅などで誰もが一度は見たことがあるような交通サイン、あるいは空港でのデジタルサイネージをご提供しています。

後ほど触れますが、全国の自治体をターゲットとする番号案内システムも、このジャンルの中でご提供しています。

13|2025年3月期第2四半期 損益計算書サマリー

2025年3月期第2四半期決算の概要についてご説明します。まずは損益決算書のサマリーです。第2四半期の売上収益は前年比99.9パーセントとなり、わずかに及びませんでした。

一方、営業利益、経常利益は、前年比150パーセント前後の増加で、中間純利益は前年比152.3パーセントの2億8,400万円となっています。

売上収益は前年比でわずかに減少したものの、利益については原価抑制の施策が功を奏し、大幅増益の結果となりました。増益の要因としては主に4つあります。

1つ目です。現在、私どもは設備投資をかなり戦略的にコントロールしています。当社はこの約10年間、「ナビタ」でトップラインを伸ばしていこうということで、新規案件の開発を非常に積極的に行ってきました。

ある程度拡張していくと、だんだん利益を出すことが難しくなってきます。もちろん新規案件は今後も継続的に行っていくものの、より収益性を重視し、案件を厳選し開発することで戦略的な設備投資を実行していきます。

それにより、過年度に投資したものについては償却費用が一巡して減少するため、新規発生する償却費用、製作費もトータルで考えた場合、全体的に抑制傾向にあります。

2つ目です。先ほどお話ししたとおり、ロケーションオーナーには、私どもが広告納金をお支払いします。一種の場所代のようなイメージです。

基本的には相対の交渉となるため、できるだけ場所に見合った納金のレベルにしたいということで減額交渉も行っています。ご理解いただけるロケーションオーナーからは、一定の減額を引き出すことができています。

3つ目です。私どもはいろいろな作業を内製化する努力をしています。例えばデジタルサイネージの製造、設置や保守作業など、可能な部分の内製化により外注費の低減も行っています。

4つ目です。後ほどご紹介しますが、私どもは防災関連ソリューションとして「NAVIアラート」を展開しています。現在、そのソリューション開発における先行投資が一巡しているため、試験研究費の減少も含めて、ある程度の利益が出るかたちとなっています。

14|売上収益・営業利益の3カ年推移

スライドには、3カ年の売上収益と営業利益を上期と下期に分けて示しています。2025年3月期上期は、売上収益が48億500万円で、通期予想に対する進捗率は46パーセントです。

一方、営業利益は4億1,200万円、進捗率は52.5パーセントで、過去2年と比べても高い進捗率となっています。ただしこれにはいくつかの事象があるため、そこを加味すると、おおむね事業計画どおりと考えています。

営業体制の強化は重要な課題の1つだと捉えており、現在、営業人員の採用強化に努めています。ただ昨今、人材獲得が非常に難しいこともあり、上期については採用活動がなかなか思うように進捗しませんでした。上期ではそのようなところが利益の上振れ要因でもあったと思います。

下期はさまざまな施策により営業人員の新規採用のめどが立ってきており、今後は人件費がある程度増加するだろうと思っています。通期においてはだいたい事業計画どおりと考えています。

15|営業利益の増減要因分析(対前年同期比)

前期第2四半期と今期を営業利益ベースで比較した増減要因です。「NAVIアラート」という防災関連サービスの関連費用が利益を若干押し下げたかたちとなっていますが、当該サービスの赤字幅が縮小するとともに、各事業とも堅調に推移したことで、大幅な増益となっています。

16|(セグメント別)売上収益・営業利益

セグメント別の売上収益と営業利益です。ナビタ事業については、自治体向けの「シティナビタ」が堅調に推移したこともあり、売上収益40億3,700万円、営業利益6億700万円で前年をやや上回っています。

アド・プロモーション事業です。こちらも後ほど少しご紹介しますが、当社が運営している免税店検索サイトのクーポン利用が大きく伸び、クーポン利用手数料もかなり利益を押し上げています。トータルで売上収益3億4,000万円、営業利益6,000万円で大幅な増益となっています。

サイン事業は売上収益4億2,600万円、営業利益マイナス1億500万円です。先ほど少し触れた「NAVIアラート」において、営業利益が最終的にはマイナスとなっていますが、「NAVIアラート」自体の赤字幅は確実に縮小してきており、トータルとしてはサイン事業の赤字幅も縮小しています。

言い方を変えると、「NAVIアラート」を除くと、サイン事業そのものは堅調に推移しています。

17|ナビタ事業 セグメント内の売上収益

ナビタ事業のステーション系、シティ系、公共系に区分した売上収益の内訳です。スライドのとおり「ステーションナビタ」「公共ナビタ」は前年をわずかに下回っていますが、「シティナビタ」はかなり堅調に推移しており、ナビタ事業全体では前年比101.0パーセントとなっています。

18|2025年3月期第2四半期末 財務状況

貸借対照表のサマリーです。流動資産の部分で売上債権が減少し、前払費用が増加したものの、全体としては大きな変動はありません。

19|デジタルサイネージソリューション①(BiVi新さっぽろ)

ここからはトピックスとして、私どもの最近の活動についてご説明したいと思います。まず、当社が最近強化しているデジタルサイネージソリューションです。

私どもの「ナビタ」は、基本的にはフィルムに印刷して、それをバックライトで光らせるかたちが中心でした。今もそれがかなり多くを占めていますが、近年のWeb化やデジタル活用などの流れの中で、費用対効果に見合う場所については、デジタルサイネージ化を積極的に進めています。

デジタルサイネージで、自分たちの「ナビタ」を配信、運用、コントロールして、その技術を外向けのビジネスとしても活用していこうと考えており、これが配信ソリューションとして今、実を結びつつあります。

その1つの事例がこちらのスライドです。2023年11月にオープンしたJR新さっぽろ駅の駅前にある複合商業施設「BiVi新さっぽろ」にデジタル室内公園「BiVi PARK」があります。ここに大型ビジョン2台、そのほか計14台のサイネージを設置しており、私どもの社内的な配信の仕組みである「Navitage」を使って、この施設内のデジタルサイネージの配信管理・運営を行っています。

この取り組みについては、おかげさまで2024年6月の「デジタルサイネージアワード2024」で優秀賞を受賞することができました。

20|デジタルサイネージソリューション②

こちらも同じくデジタルサイネージ関連です。スライド上段が、鉄道事業者が所有するデジタルサイネージの配信・運営管理の受託事業で、東武池袋駅の事例を紹介しています。こちらでもサイネージの運用・配信管理を行っています。かなり手間やノウハウが必要になるため、私どもの知見がビジネスとしてもお役に立てている事例です。

スライド下段は番号案内のシステムです。従来私どもは番号案内も手がけていたものの、2023年4月に西菱電気株式会社よりこの事業を譲り受けて、番号案内事業を拡大することができました。今は、譲り受けたものを「Turn NAVI事業」というサービス名称で再構築し事業化しています。

自治体の窓口など行かれた方はご存じかと思いますが、窓口の混雑緩和や待ち時間の削減などを目的としている番号案内システムで、番号札を取って、番号を呼び出される仕組みです。

現在私どもはこちらの仕組みに改良を加えて、Webでも使えるかたちでご提供しています。そのモニターに広告を流すことで運用費用の削減にもなるため、そのような仕組みでご提案することもあります。自治体にも利用者にもメリットのある仕組みになっています。

21|(ご参考)番号案内システム『Turn NAVI』イメージ

スライドは番号案内システムのイメージ図として参考までに掲載しました。自治体に行かれた方は、このようなイメージをおわかりいただけるかと思います。

先ほどもお話ししましたが、昨今はそのような受付状況を、スマートフォンやPCなどでもご確認いただける仕組みに発展させています。

22|西宮神社に神社ナビタ設置

スライドは神社ナビタの例です。私どもは全国のいろいろな著名な神社を手がけていますが、比較的最近の事例として西宮神社をご紹介します。

西宮神社は、兵庫県の西宮市にある、1月の福男選びで有名な神社です。年に1回はニュースなどで放映されるため、みなさまもご存じだと思います。ここにも神社ナビタを設置しており、みなさまから非常に注目されています。

23|WEB関連ビジネス(免税店検索サイト)

先ほど少し触れた、免税店に関するサービスをご紹介します。当社で運営している「TAXFREESHOPS.JP」というオリジナルの免税店検索サイトです。

インバウンド対応のため、日本語のみならず英語や韓国語など、5言語に対応してご提供しています。単に免税店をご案内するだけではなく、このサービスに協賛いただける事業者にはクーポンの情報を掲載していただいています。

インバウンドの方がサイトの中を検索し、日本でそのクーポンを使って購買するということで、今どんどん月を追って、PV数も伸びています。2024年9月の段階で約30万PVとなっています。

このようなクーポンはいろいろなところに露出されていますが、当社のサイトにクーポンを掲載されている大手の家電量販店からは、当社からのクーポンによる送客効果が一番高いという評価を受けています。

24|防災関連ソリューション

先ほど来、何度かご紹介している防災関連ソリューションです。私どもは「NAVIアラート」をオリジナル商材として開発し、今、全国の自治体を中心にご紹介して回っています。

近年、非常に災害が多くなっており、自治体でも地域住民への災害情報のご提供、避難誘導、あるいはその場所を訪れる観光客やインバウンドの方などにどう対応していくか、さまざまな取り組みをされています。そのような中で、私どもの商材もお役立ていただくため、今、注力して取り組んでいるところです。

25|メディカルソリューション

こちらは医療機関向けの共同購買サービスです。現在、物価高や円安など、世の中のさまざまな影響により、医療機関の分野においても医療材料費などが高騰しており、医療機関の経営の圧迫要因の1つになっています。

私どもは、先ほどご紹介した「メディカルナビタ」を通じて、さまざまな医療機関とおつき合いがあります。そのような中で、当社ではこのような共同購買の取り組みもご提供しており、今、全国の病院にご紹介しているところです。

以上が2025年3月期第2四半期決算のご説明でした。ありがとうございました。

德毛氏からのご挨拶

今日はみなさま、お忙しいところ貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

当社の今のコア事業である「ナビタ」は、おそらく多くの方が駅や自治体などでご覧になったことはあるかと思います。

ただ、それをどこの誰が手掛けているかということを、なかなか気づいていただく機会がこれまでありませんでした。私どももそのあたりを積極的にアピールできていなかったため、今日を機会に、「これは表示灯という会社が手掛けているんだな」ということを、ぜひご認識いただければうれしく思います。

私どもは、この「ナビタ」をベースとしながら、「ナビタ」からどれだけ成長させていくかが非常に重要だと思っています。そのような成長の過程もみなさまにご覧いただきながら、ぜひ今後とも当社にご指導ご鞭撻を賜れればと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。