登壇者の紹介

司会者:それでは、株式会社インターメスティックの東証プライム市場への上場に伴う上場記者会見を始めます。本日、司会を務めます広報の井上と申します。

本日の出席者をご紹介いたします。中央におりますのが、代表取締役社長の上野博史です。

上野博史氏(以下、上野):上野です。よろしくお願いします。

司会者:みなさまより向かって左側が、執行役員CFOの小松未来雄です。

小松未来雄氏(以下、小松):小松です。よろしくお願いします。

司会者:向かって右側が経営企画室長のワカミヤシンペイです。

ワカミヤシンペイ氏(以下、ワカミヤ):ワカミヤでございます。よろしくお願いします。

会社概要

司会者:では、まず弊社の概要を代表の上野より紹介します。上野社長、よろしくお願いします。

上野:本日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。では、会社の概要を説明いたします。Zoffというブランドは、2001年の2月にスタートして、Zが究極、offがオフプライスを意味しています。Zoffには「究極のオフプライス」という意味合いがあります。

眼鏡市場の中では「非常にリーズナブルな価格」というのがZoffのイメージですが、我々の価格帯は今の眼鏡の適正価格という考えを持って、ビジネスを展開しています。

そして、眼鏡が主役の時代を作るというのが私どもの当社の理念です。もっと自由に楽しく気軽に眼鏡をTシャツのようにかけ替えていく、そんな社会を作りたい。これが創業当初からの変わらぬ我々の思いです。

また、当社のビジネスモデルの最も大きな特徴は、企画、製造、販売を一貫して社内で行うSPAを採用していることです。当社は眼鏡業界で、いち早くこのモデルを取り入れ、文書に書いてあるような付加価値の高いビジネスを展開しています。

業績のハイライト

業績のハイライトですが、売上高は約400億円。特にご注目いただきたいのは、ECの売上増収率です。眼鏡は視力矯正器具の半製品なので、店舗での購買が一般的ですが、当社はECの販売を伸ばしています。また、店舗数も300店舗を超え、既存店も平均成長率8.5パーセントで成長し続けています。当期の業績予想ですが、売上高434億円、当期純利益は27億円となっています。

インターメスティック社の強み

当社の強みです。商売の考え方に、三現主義というものがございます。リアルな現場、現物、現実の状況を常に自ら確認して、正しい判断のもとに週次で改善を繰り返す仕組みのことです。その考え方をもとに、当社は、商品開発力、接客力、広告戦略を強みとしています。

成長戦略の3本柱

成長戦略の3本柱は、既存店舗の強化、積極的な出店、顧客満足、利益率の向上です。そして今後、我々が最も大きな成長の柱と考えているのが、サングラス市場です。当社はサングラスブランドとして第1想起されるNo.1のブランド、史上No.1のブランドを目指しています。

既存のサングラス市場は、高単価市場と低単価市場に2極化されていました。眼鏡市場において新たな市場を切り開いてきたように、サングラス市場においても新たな市場を切り開いていきたいと思っています。

サングラスの市場規模ですが、温暖化や紫外線の増加などによる社会的な追い風もあり、サングラス市場は、コロナ禍前まで平均で16.2パーセント成長しています。その中で我々は、22.1パーセントの市場以上の成長を遂げているので、この市場で我々は第1想起される市場を作っていきたいと思っています。

出店余地については、今現在300店舗を超えており、今は関東を中心に展開していますが、今後は地方を積極的に出店を増やしていきたいと思っています。

eコマースについて

eコマースに関しては、先ほどお話ししましたが、eコマースの売上が順調に推移しています。ファッションやアニメやキャラクターなどのコラボ商品が非常に売上に寄与しています。また、ECビジネスは人件費が抑えられ、店舗貸借料もかからず、全社の利益貢献に大きく寄与するので、そのあたりも目指していきたいと思っています。

最後に、株式上場を通じて社会に新しいアウェイの価値を作り続け、もっと自由に楽しく気軽に、眼鏡をTシャツのように毎日着替える社会の実現を今後目指していきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:テクノロジーに関する考え方

司会者:では、これより質疑応答に移ります。

質問者:2点あります。4年ほど前にQDレーザーさんとロービジョン向けの眼鏡を作られていたと思いますが、ああいったテクノロジーに関する考え方と、今後どんなことができればいい、みたいなものがもしあれば。

上野:そうですね。将来目指す道として、独自の価値のある商品で、独自の顧客を作って、独自の種を作り出していくという企業ブランディングをしっかりとしていきたいなと思います。

お客さま目線から見ると、たぶん価格の安い眼鏡ブランドで、ほかとも一緒だよという感覚が非常に強いと思いますが、我々は今後しっかりとした独自商品を作っていく。シナジーのある企業さんとの取り組みは積極的に考えていきたいと思っています。

質問者:ありがとうございます。もう1点、素朴な疑問で恐縮ですが、EC店の売上と店舗での売上の中で今後、カニバリ(カニバリゼーション)が起きることはあるのでしょうか。

上野:ECで買われる方は、必ず既存の店舗にて、また眼鏡の度数を入れたり、サングラスにしたりするので、新規顧客、既存の新規顧客としてECを今伸ばしている最中です。

質問者:ありがとうございます。

質疑応答:日本におけるサングラスの需要について

質問者:サングラス市場についてです。日本人は、欧米人と比べると、目の色素に違いがあります。そのため、欧米の人ほど、UVの需要はないのかなと感じてしまうのですが、そのあたりはどう評価されていますか。

上野:欧米では主にアイケアの観点から、サングラスをかける傾向があります。日本は比較的、一般的なものはフローラ象徴のような感覚で捉えられていて、積極的にかける方はいないという傾向があったのですが、コロナ禍で我々の商品のカラーの薄いサングラスの伸び率が非常に上がったんですね。

今、我々が売っているのも、俗に言う、サングラスと言われている色の濃いものではなく、薄いものの売上が比重に高いです。さらには、調光レンズという、室内では眼鏡、屋外で紫外線に当たると色が変わってサングラスになるというレンズの売上も非常に高いので、既存の眼鏡の観点だけではなく、そういったファッション性の高いものも含めて新たな価値を創造しているのではないかなと思います。

質問者:では、ファッション性というところでもっと展開されていく予定があるんですね。

上野:そうですね。薄くてもUVカットされているというのが我々の強みで、実は透明レンズでも紫外線カットされているものがたくさんあるので、そのあたりの認知もぜひ上げていきたいなと思っています。

質疑応答:日本におけるサングラスの普及について

質問者:サングラスについて、まだ日本は後進国だと思っています。先進国にしていく上で、今後日本の社会がどういうふうになっていってほしいか、サングラスとどういうふうに付き合っていってほしいか、そういったことへの思いをお聞かせいただけますでしょうか。

上野:そうですね、海外の暑い国、オーストラリアでは法律になるぐらい、非常にサングラスが必需品となっています。

公共機関や第1産業など、紫外線にすごく影響を与えられるところもあるので、その管理されてる方が積極的にサングラスを受け入れて、もっと寛容になっていくべきではないかなと思っています。

薄いサングラスでもしっかりとUVカットされています。色が濃いものだけがサングラスではないので、ぜひ積極的に、子どもの頃からサングラスをかけるカルチャーを一緒に作っていければと思っています。

質疑応答:初値の受け止めについて

質問者:上場されて初値は2038円で付けました。公開価格比で25パーセント高いところでつきましたが、今回の初値に対しての受け止めと、2007年のヘラクレス上場から17年ぶりに再申請されて上場を果たされたことについてご見解をうかがえたらと思っています。

上野:2007年当初は、ファンドが入っていて、その中でのファンドのエグジットという意味で上場を進めていたという経緯があります。直前になりあまり良い業績ではなかったので、その点で断念せざるを得なかったという背景があります。

今回に関しては、やはり先ほどお話しした社会環境の変化、さらにはこの眼鏡市場は6,000億円ぐらいあったんですね。もともと2001年には6,000億円ぐらいありましたが、今は5,000、5,500億円ぐらいの規模になっています。

創業した2001年当初、我々は「メガネをもっとTシャツのようにかけかえる社会」が作れるものだと思っていたのですが、実際蓋を開けてみると、もちろん我々の低価格市場は伸びてはいるものの、「お客さまが頻繁にTシャツのように毎日メガネをかけかえるような社会」が作れているかというとそうではなかったんですね。

なくした、壊した、ぼやけた、これが眼鏡を買うだいたいの理由で、そこの点も含めて我々がもっと市場に対して訴求力上げて、プライベートカンパニーではなく、しっかりと上場して、みなさんにこういうPRをするという意味を込めて、今回上場を1つの手段としてやっていこうとなりました。

価格については、もちろんこれは市場が判断するものなので、決して我々が判断できるものではないと思っています。ただ、25パーセント高く評価いただいたことに関しては、本当にありがたく思っています。

質疑応答:店舗数拡大における具体的な施策

質問者:2024年7月時点で国内には303店舗、海外ではシンガポールと香港で展開をされていて、今後は国内で500店舗、海外ではシンガポールと香港以外の東南アジア諸国にも展開されていきたいというお話をうかがいました。実際、今後の目標を達成するにあたっての、現時点で達成に向けた具体的な方法を教えてください。

あとは、スパンも30年なのか10年なのかでだいぶイメージが変わってくるとは思うのですが、どういったスパンで出店されるイメージ感なのか、そのあたりお話しいただけるものがあればお願いします。

上野:出店に対してはご縁のようなものもあるので、なかなか確約ができるものではないのですが、最低年間で15店舗の出店を心がけていきたいなと思っています。

海外に関して申しますと、実は眼鏡市場は世界のGDPと紐づいており、例えば順番としてアメリカ、中国、ドイツ、日本みたいな順序で市場が出来上がっています。

香港市場に関しては、もうナンバー1の市場を獲得しているのですが、日本の市場と比べると約7パーセントしかございません。シンガポールも3パーセントぐらいしかございません。

やはりまず日本の市場にしっかりと力を入れて、先ほどもお話ししたとおり、まず独自の価値ある商品でしっかりと独自の顧客が作れる状況を作って、さらに外に展開をしていきたいなというのが今の考えです。

スパン的には、もちろん海外も考えてはいますが、まず日本の市場をどれだけグロースさせることができるかということに、今視点を向けている次第です。

質疑応答:国内における出店について

質問者:国内500店舗について、伸長期どのぐらい、先にそこまで行ければいいとお考えでしょうか。また、日本市場での市場の基盤を固めるというところで、国内眼鏡市場No.1、サングラスでNo.1とのお話がありましたが、他にも基盤確立の指標があれば、おうかがいしたいと思います。

上野:実は我々は地方であまり知名度がないんですね。おかげさまで、全体の半数ぐらいが関東圏中心に展開していますが、地方に関しては知名度がないので、人の集め方もさらに非常に難しくなってきています。

その中で、この上場期にやはり潤沢な人を集められる企業にしていくというのは、1つ我々の考え方としてあります。

それと、やはり地方の出店に関しては、タイミングと縁がございますので、その中でサングラスを起点とした、単純に眼鏡屋さんだけのイメージではなく、サングラスを起点としたいろいろな層を含めた展開ができれば、比較的スムーズに出店がいくのではないかなと思っています。

ここもタイミングなので、最低15店舗ぐらいの展開を考えていきたいなと思っています。

質疑応答:業の基盤を確立するための指標

上野:それと、ごめんなさい、もう1点はなんでしたっけ?

質問者:企業の基盤を確立するための指標ですね。

上野:先ほどお話ししたサングラス市場が1つと、実はみなさんのお手元にある「Galileo(ガリレオ)」という商品ですね。これはラバー製なんですね。金属を一切使用しないラバー製です。

これを作るのに3年かかりました。経緯は、視力の弱いお子さんは、小さな頃から行動を制限されるというお話があります。「眼鏡をかけて激しい運動ができない」というお話をうかがいました。

我々のコンセプトは、「もっと自由に、楽しく、気軽に、メガネをTシャツのように毎日着替える社会をつくること」です。なので、やはり、今までの眼鏡とは違う眼鏡を作っていかなきゃいけないと思っています。

今、市場が革靴からスニーカーになってきています。今までのように、メタルやプラスチックだと、やはり壊れることがございますので、我々はこういったものを作って、しっかりと世の中に訴求させていきたい。これでまた、新たな市場を作っていけるのではないかなと思っています。これは、小さな頃から活発な運動ができる眼鏡です。

また、日本は自然災害が非常に多い国です。その中では、プラスの1本が絶対に必要だと思うので、そのあたりに関しても、市場を伸ばしていけるんじゃないかなと思っています。

質疑応答:地方出店の課題をクリアするための対策

質問者:次の出店が、駅ビル、FCということでした。大概の商業施設には他社も入っていると思います。一番難しいのは地方への出店だと思いますが、ここをクリアしていく、出店を増やすための対策はどんなことをお考えですか?

上野:今、デベロッパーさんから言われているのが、アパレルの調子が、やはりちょっとよくないんですね。その穴埋めとして、眼鏡業界を入れていくという話がすごくあります。

なので、今までは、1つの「館(やかた)」に対して、1店舗、2店舗という体制が主だったのですが、今後は3店舗、4店舗というのが一般的になってくると言われています。そういった点で言いますと、我々にはまだまだ可能性があるのかなと思っています。

質疑応答:株主還元策について

質問者:株主優待を含めた株主還元策についてうかがえますか?

上野:もちろん業績予想をクリアして、配当予定ではあります。そのあたりは積極的に考えていきたいと思います。今の段階では、ちょっと明言することはできません。すみません。

質問者:わかりました。もう1点ですが、FTAモデルということで、かなり古くからということですが、サプライチェーンのメンテナンスや今後については、どのようにお考えでしょうか?

上野:今、主に我々は中国と韓国で製造しています。今後は、今の円安の状況も含めて、国内市場も、国内生産することを視野に入れているので、そこあたりを含めて、しっかりとした供給ができる体制を、中長期的にもしっかり考えていきたいなと思っています。

質疑応答:競合他社との差別化ポイント

質問者:やはり株式市場では、価格面やSCへ出店している点でJINS(3046)さんと比較されることが、すごく多いと思います。あと、サングラス市場に成長性を感じている点など、けっこう共通点も多いと思います。

その上で、JINSさんとの差別化のポイントになる点と、今後、成長戦略を進めていく中で、競合していくにあたって意識されることなど、もしありましたらお願いします。

上野:この上場を機に、知名度を上げて、しっかりとした人材を獲得していきたいなと思っています。やはり、この業界は、なかなか人の採れない業種です。今回を機に、新たな改革を常にもたらすことができる人材の雇用を積極的に考えて、採用活動を進めてまいりたいなと思います。

また、今の商品も含めた、市場に対して独自価値のあるもの、独自価値のあるサービスでしっかりとした独自の顧客を作って、独自の市場を作り上げていくというスタンスは、これから積極的に作ってまいります。

マーケティング投資も、商品に対する開発の投資も含めて、積極的にやってまいりますので、そのあたりでは必ず差別化ができてくると思っています。

質問者:ありがとうございます。

司会者:ありがとうございます。それでは、以上をもちまして、記者会見を終了いたします。追加でご質問がありましたら、Zoffの広報、もしくは経営企画室まで、ご質問をお願いいたします。本日はお忙しいところ、みなさまお集まりいただきまして、ありがとうございました。

一同:ありがとうございました。