本日のアジェンダ
澤田将広氏(以下、澤田):みなさま、こんにちは。株式会社パリミキホールディングス代表取締役社長の澤田将広です。本日は、当社2025年3月期第2四半期の決算についてご説明します。
本日のアジェンダは、スライドのとおりです。まずは、スライドとナレーションを用いて決算概要についてご説明し、続いて私より上半期のトピックスおよび今後の取り組みについてお話しします。
決算概要
ナレーション:2025年3月期第2四半期の中間連結損益計算書からご説明します。
売上高は、前年比103.6パーセントの261億1,600万円、売上総利益は177億200万円です。営業利益は前年比74.7パーセントの11億7,900万円でした。売上は前年同期比を上回ったものの、利益は下回り、増収減益の結果となりました。
減益の主な要因としては、粗利率が低い商品の売上構成比率が高くなり、粗利率が1.4ポイント低下したことです。人件費や売上高増加に伴う変動性賃料の上昇などにより、販管費が前年同期比で約6億5,000万円増加したことも影響しています。
営業外においては、為替の変動が主な要因となり、経常利益は前年比57.0パーセントの11億8,000万円、当期純利益は前年比47.1パーセントの7億1,400万円という結果になりました。
国内セグメント売上
国内セグメントの売上高です。国内出店は13店舗、退店は9店舗、国内店舗数は634店舗となりました。売上高は、前年比104.2パーセントの232億1,600万円です。子会社別売上高では、パリミキが前年比104.2パーセント、金鳳堂が前年比105.3パーセントと、ともに伸びています。
前期より引き続き好調なサングラスを中心としたインバウンド需要や、都市部の百貨店をはじめとしたラグジュアリー需要が貢献していると考えています。
海外セグメント
海外セグメントの売上高です。海外出店は2店舗、退店は11店舗、海外店舗総数は82店舗となりました。売上高は前年比99.1パーセントの29億9,900万円となり、店舗数は前年同期比で12店舗減少しています。特に中国と韓国で退店が続いており、減収に影響しています。
セグメント別売上・営業損益
セグメント別の営業損益です。国内ではパリミキが前年比83.1パーセントの11億6,300万円です。金鳳堂が前年比103.2パーセントの1億8,500万円でした。海外はコストや人件費等が高騰している中、特に経済環境の悪化が続いている中国、フィリピンでのクリニック開院の遅れが主に影響した結果、2億900万円の損失となりました。
営業外収益、営業外費用
主な営業外収益、営業外費用です。前年同期においては、3億7,300万円の為替差益を含めて5億2,200万円の営業外収益がありましたが、当期は1億7,900万円です。為替差損1億2,000万円を含む営業外費用合計は1億7,800万円でした。
2025年3月期予想概要
2025年3月期の通期連結業績予想です。現時点で、2024年5月13日に公表した予想数値からの変更はありません。
中間配当は、株主さまへの安定的な配当の観点から、直近の配当予想どおり1株あたり4円としました。期末配当についても、現時点では計画に変更はなく、通期では前期から2.00円増配し、1株あたり8.00円を予定しています。
これらの予想数値に関しては、今後の業績推移や社会情勢等を注視し、修正が必要と判断された場合は速やかに開示する予定です。
2025年3月期 上半期 トピックス
澤田:次に私から上半期のトピックスおよび今後の取り組みについてご説明します。
2025年3月期上半期のトピックスです。インバウンド需要が引き続き好調でした。重点施策としてインバウンドへの対応に取り組んでおり、免税取扱店の店舗数を拡大しています。
外国語のPOPや取扱説明書、通訳アプリの導入などインフラの充実を図り、特に需要の高い店舗には外国語対応のできるスタッフの配置や、多言語対応の視力測定器も設置しています。
訪日客の国や地域のさまざまな好みに合わせた商品展開や、ホテルなどの滞在先へ出来上がりの眼鏡をお届けするなど、きめの細かいサービスにより、今後も積極的にインバウンド需要に対応していきます。
2025年3月期 上半期 トピックス
サングラスについてです。売上高は、飛躍的に伸びた前年度をさらに上回るペースで推移しています。特にエンターテインメント型を中心とした店舗や、百貨店におけるインバウンド需要、約60ヶ所で実施した期間限定のポップアップショップが売上伸長に寄与しています。
今年の夏の猛暑と、買い物客数が増える週末が比較的好天に恵まれたことも、好調を後押ししていると考えられます。なによりも、地域とお客さまに合わせたバリエーション豊富な店舗において、多種多様なニーズに合わせ、ナショナルブランドとプライベートブランドの両軸で、充実した商品を展開する当社の施策が大きく寄与していると考えています。
2025年3月期 上半期 トピックス
補聴器についてです。前期まで好調に推移していた売上高は、前年同期比93.9パーセントで推移しています。当社では、業界内でいち早く定額でのレンタルサービスを行っており、利用者数は引き続き増加しています。
購入は、レンタルよりも一度の売上額が大きいため、レンタル利用者数が伸びているということは、一時的には売上高減少の要因の1つとも考えられます。しかし、購入だけでなく、レンタルという新たな選択肢をお客さまにご提供できていることで、難聴者のうち85パーセントも存在するといわれる補聴器を装用していない方々へのマーケットを広げ、中長期的な成長につながると考えています。
2025年3月期 上半期 トピックス
店舗についてです。国内において、9月末で13店舗の出店をしました。地域の旗艦店となるロッジ型店舗を2店舗出店し、居抜きでのメゾン型店舗、アメリカンダイナー風のエンターテインメント型店舗など、バリエーション豊富な店舗を出店しました。
静岡県三島市に補聴器専門店をオープンしました。こちらの店舗は、補聴器の販売もしていますが、主に定額レンタルのご提案をメインとしています。当社の平均的な店舗より、比較的若い年齢層のお客さまや女性のお客さまのご利用が多く、今後の補聴器のマーケット拡大に向けた新たな取り組みとして、今後も注力していきたいと思っています。
2025年3月期 上半期 トピックス
海外のトピックスです。以前から国内経済の低迷が続いている中国は、引き続き厳しい状況です。今期、既存店1店をより良いロケーションに移転出店しましたが、今後も不採算店の整理を加速させながら継続していきます。
フィリピンに設立した眼科病院は、かねてより保険の認可など諸手続きに遅れが出ており、上半期も費用が先行している状況が継続していましたが、下半期に期待しています。
シンガポール、タイをはじめ、東南アジア地域の売上は堅調に推移しています。しかし、人件費などのコスト増加の影響が大きく、海外セグメント全体では上半期で約2億円の営業損失となっています。下半期に向けて、この損失を増やさず、いかに減らしていけるかが大きな課題です。
2025年3月期 下半期 取り組み
今後に向けた取り組みについてご説明します。当社の原点というべき、「お客様お一人おひとりにお合わせする」という理念のもと、特に国内小売事業では、顧客体験、つまりカスタマーエクスペリエンスの向上を最優先課題として取り組んできました。
顧客ロイヤリティを測る指標として導入している、ネットプロモータースコア(NPS)についても着実に向上してきています。
2025年3月期 下半期 取り組み
顧客体験の向上に対する取り組みとして、「眼を救え」という施策をスタートしました。当社独自の視力カウンセリングシステム「パーソナルディレクション」を無料でご体験いただけます。
お客さまお一人おひとりの眼の状態やライフスタイルに合わせた最適な視界を提案し、QOL(Quality of Life)を高めることにより、顧客体験のさらなる向上を具現化できる施策だと考えています。
当社は、国家検定資格である「眼鏡作製技能士」について、資格設立当初より業界屈指の資格保有者数を誇っています。前年まで、グループ全体で994名の資格者が在籍していましたが、今年度はさらに合格者数を増やし、ついに1,100名を突破しました。全社員の3人に1人が資格保有者だということです。
このように、知識と技術のある社員を有する当社だからこそ、この「眼を救え」という大きな命題を掲げた施策が実行できると考えています。
2025年3月期 下半期 取り組み
金鳳堂においては、予約制での視力測定カウンセリングを積極的に取り入れています。ZEISS社製の最新視力測定器を用いて、眼についての詳細なデータを測定し、お客さまの生活環境やお困りごとを、時間をかけてヒアリングしています。
このように、お客さまお一人おひとりにじっくり時間をかけて寄り添うことで、さらなる高い付加価値の提供につながっていると考えています。
2025年3月期 下半期 取り組み
店舗施策に関しては、時代やお客さまのニーズに合わせて、常に新たな取り組みを行っています。今回、銀座のパリミキ既存店を「LINDBERG by PARIS MIKI」としてリニューアルオープンしました。LINDBERGはデンマークの眼鏡ブランドで、世界中の著名人に愛好者も多く、数々の国際的なデザイン賞を受賞しているハイクオリティブランドです。
11月21日に、日本国内初のLINDBERG専門店としてオープンする店舗では、商品アイテムを豊富に取り揃えており、洗練された世界観を体感いただけます。LINDBERGの洗練された商品とパリミキの技術、ホスピタリティで、新たなシナジーが生み出されることをおおいに期待しています。
2025年3月期 下半期 取り組み
海外での取り組みについてです。10月25日、タイのバンコク中心部に複合施設「One Bangkok」が新たにオープンし、当社も出店しています。「One Bangkok」は、タイ最大級の企業2社により共同開発されたものです。
バンコク一等地のロケーションに、東京ドーム4個分の広さでオープンしました。タイ国内だけでなく、世界からも注目されるホットな場所で、オープン以来、多くのお客さまにお越しいただいています。
フィリピンのクリニックも運営を開始しました。既存の眼鏡店3店舗とのシナジーが期待されます。今後も、海外は東南アジアを中心に、眼鏡店とメディカルの両軸で展開していく予定です。
ご説明は以上です。本日は、誠にありがとうございました。