売上高と売上構成

青柳誠希氏:株式会社INGSは、ラーメン事業とレストラン事業を中心に成長を遂げています。売上高は、2020年から2022年にかけて増加しており、2023年も引き続き順調に推移しています。特に、2023年8月期の売上高は約52億円に達しており、ラーメン事業とレストラン事業はおおよそ同程度の割合を占めています。営業利益も、原材料の価格高騰に対応し、メニュー変更や値上げにより増加しています。

部門別の売上高と店舗数の詳細内訳

部門ごとの売上高と店舗数ですが、ラーメン事業におけるプロデュース部門は全体売上の10パーセント、ライセンス部門は4パーセントという構成となっています。また、店舗数はプロデュース店が66店舗で、店舗数全体の43パーセントを占めており、その他はそれぞれ19パーセントを占める割合となっています。

KPI

KPIは、売上高成長率、新規出店数、既存店売上高の昨対比の3つです。直近の第3四半期までの累計で比較していますが、売上高成長率は、前年同期比で23パーセント、新規出店数は直営店6店舗、プロデュース・ライセンス店は13店舗です。既存店売上高の前年同期比は、いずれも直営店舗ですが、ラーメン事業は103.6パーセント、レストラン事業は111.5パーセントとなっています。

事業紹介

ラーメン事業では、直営店部門として「らぁ麺 はやし田」を筆頭に、醤油ラーメンや油そばなど特徴のある8つのブランドを展開しています。「らぁ麺 はやし田」は、調理の簡便さや店舗のデザイン性を両立させ、現在21店舗の直営店を展開中です。また、プロデュース店は66店舗あり、低投資での出店が可能となっている点が特徴です。ライセンス部門では、「CONA」をはじめ、地方展開も積極的に進めています。

一方、レストラン事業は「CONA」というカジュアルイタリアンバルが主力で、手作りの窯焼きピザを500円で提供する点が強みです。客単価は2,559円とリーズナブルで、多様な客層をターゲットにしています。

もう1つの主要ブランド「焼売のジョー」は、焼売を中心に、ノスタルジックな大衆酒場の雰囲気を持つ店舗を展開しており、テイクアウト需要にも対応しています。

INGS社の競争優位性

弊社の強みは、商品開発力と多様な店舗展開力にあります。自社開発による8つのブランド展開や、都市型からロードサイド型までさまざまなフォーマットの店舗を出店しています。また、1つのエリアに複数の店舗を展開することも可能です。例えば新宿エリアには、9店舗を展開している実績があります。

市場環境

市場環境として、ラーメン業界と居酒屋業界は非寡占市場であり、今後の成長の余地が大きいと見込まれています。2022年のラーメン業界の市場規模は4,090億円、居酒屋業界は2023年に1兆円まで回復する見込みです。

成長戦略

成長戦略としては、直営店を中心に一都三県での出店を目指し、ラーメン事業とレストラン事業で各100店舗、プロデュース・ライセンス店で合計300店舗、全体で500店舗を目指しています。

また、弊社は人材戦略にも注力しています。アルムナイ採用や外国籍労働者の積極採用など、幅広い人材確保策を講じており、これにより採用面での競争力を高めています。さらに、研修制度を充実させ、四半期ごとの人事評価や社員満足度調査などを実施し、社員のモチベーション向上や定着率向上を図っています。

弊社は、IPO(新規株式公開)を通じて社会的信用を高め、物件や人材確保を強化することを目指しています。IPOを成長戦略の一環として位置づけ、今後の資金調達を通じて事業の拡大を図り、長期的な成長を目指しています。