2025年3月期第1四半期決算説明

中西正文氏(以下、中西):Kids Smile Holdings代表取締役社長の中西です。本日はお忙しい中ご参加いただきありがとうございます。6月に発表した中期経営計画についてもご説明します。

2025年3月期 第1四半期決算ハイライト

2025年3月期第1四半期の決算ハイライトとして、スライドに6項目をまとめています。第1四半期はすべての指標において非常に好調に終えることができました。売上高は前年同期比9,000万円増、103パーセントの31億5,000万円、EBITDAは前年同期比1億3,000万円増、250パーセントの2億3,000万円です。

営業利益については、前期まで第1四半期は赤字でしたが、初めて第1四半期から黒字となりました。前年同期比1億5,000万円増と大きく増加し4,000万円となっています。

当期純利益は、認可保育園の開設に伴う補助金の税効果会計によりマイナスとなっていますが、前年同期比で6,000万円増えており、大きく前進しています。

運営施設数は、10月に1施設の開設が決まっていますが、第1四半期については前年同期と変わらず79施設です。施設数は変わらないものの、児童数は前年同期比143人増、102.7パーセントの5,275人で、既存施設の利用率は順調に上がっています。

2025年3月期 第1四半期決算ハイライト

第1四半期は上場以来、一番良い数字を残すことができました。その成長ペースを維持し、売上高、EBITDA、営業利益はいずれも第1四半期として過去最高を達成しています。ありがとうございました。

2025年3月期 第1四半期決算ハイライト

サマリーです。すべての指標において増加しています。特にEBITDAは増加率150パーセントと大きく増加しました。営業利益も1億5,700万円と大きな増加です。みなさまにはご安心いただければと思います。

2025年3月期 第1四半期決算ハイライト

第1四半期の進捗率です。売上高は24.4パーセントで、25パーセントに少し満たないというところです。当社は売上に季節性があり、下期になるほど売上が増えていきます。そのため極めて順調に推移していることになります。

EBITDA進捗率は4分の1を超え、31.6パーセントです。営業利益、経常利益、当期純利益については、第1四半期が終了した時点で今期末の予想数字を大幅にクリアしている状況です。

今期は、今後の新規事業に大きく投資し、次年度以降の大きな成長につなげていく1年にしたいと思っています。この好調な業績をベースに、今後も積極的な投資を継続していきます。

2025年3月期 第1四半期 売上高の推移

2021年3月期から、各指標の推移をご説明します。売上高は、各期において前期の数字を上回り、順調に推移しています。

2025年3月期 第1四半期 EBITDAの推移

EBITDAについても順調に推移しています。

2025年3月期 第1四半期 営業利益の推移

営業利益も、ほかの指標と同じく順調に増えていっているところです。前期の営業利益は累計2億3,200万円と、初めてかつ大きく黒字化できました。その流れを汲み、今期第1四半期も前年同期から大きく前進しています。前年同期比で1億5,700万円増やし、黒字でスタートできたということです。

2025年3月期 第1四半期 経常利益の推移

経常利益は前年同期より5,800万円増加して3,800万円の黒字です。前期第1四半期は、認可保育園の開設補助金1億円があった上でマイナス2,000万円でした。今期はもう認可保育園の開設を行っていないため、1億円の営業外収益がなくなっているにもかかわらず前年同期比5,800万円増で、実質的には1億5,800万円の大幅増額というかたちで推移しています。

2025年3月期 第1四半期 当期(四半期)純利益の推移

税金の会計の関係で経常利益までは黒字、当期純利益はマイナスですが、当期純利益は前年同期比6,300万円増と大きく改善しています。こちらも認可保育園の開設補助金1億円が減った中でのプラスであるため、大きな前進です。

2025年3月期 第1四半期 BS推移

BSです。高い財務安全性を継続して推移しています。自己資本比率や有利子負債比率も大きく改善し、第1四半期を終えることができました。

1-1. これまでの歩み - 財務指標の振り返り

ここからは、6月末に発表した新中期経営計画についてご説明します。スライドは前期末までの財務指標の振り返りです。

当社は2020年3月4日に新規上場し、そこから2024年3月期まで続いてきています。上場以来、継続的に成長し、財務指標は毎期過去最高を更新することができています。

1-2. これまでの歩み – 期初予想に対する進捗

期初予想に対する進捗です。毎期、その期の各指標の予想を発表していますが、各期とも発表した数字を上回って着地することができています。上場以来、投資家のみなさまとお約束した数字を毎期確実に達成できました。

1-3. これまでの歩み – 現中期経営計画に対する進捗

今回、新中期経営計画を策定しました。スライドの「現中期経営計画」の欄には、以前の中期計画の数字を記載しています。これに対し順調な業績で、売上高は1年、営業利益は3年前倒しで達成することができ、順調に推移することができました。これが前期末までの状況です。

2-1. 外部環境の変化 – 待機児童問題の解消

新中期経営計画を策定して投資家のみなさまにお約束し、それに向けて会社として全力で取り組んでいくことを決定しました。そこで、どうして新しい中期計画を作ることになったかをご説明します。

まずは、やはり外部環境の変化です。待機児童問題は長年、我が国の大きな社会課題でした。これは2017年がピークで、待機児童数は2万6,000人でしたが、この6年から7年で大きく解消することができ、2023年は2,680人と、10分の1に減りました。

この2,680人という数字は実感として、「園を選ばず、どこかの園に入れればいい」ということであればほぼ確実に入園できるものです。

一部の園では、局所的に入れないことがまだありますし、「どうしても特定の園に入りたい」ということであれば入れないことはあります。ただし、「どこかの園に入りたい」ということであれば、待機児童問題はほぼ解消したと言えると考えています。

2-2. 外部環境の変化 – 女性の労働力人口増加

次に、女性の労働力人口です。こちらも大きく上がってきました。私たちは幼児教育と保育施設の運営をしていますが、その中で待機児童問題と女性の社会進出支援は、私たちが寄与すべき社会課題の大きなテーマです。女性の労働力人口は引き続き上昇トレンドで、特に2022年にかけて大きく伸びていったといえると考えています。

2-3. 外部環境の変化 – 少子化問題の深刻化

一方で、少子化問題はさらに深刻化しており、なかなか解決のめどがつかない状況です。

3-1. Kids Smile Holdingsの新たな挑戦 - 新たな挑戦

それを踏まえ、当社の新中期経営計画を作ることになりました。企業の使命として、社会課題の解決に向けてどう寄与していくのかが非常に重要だと考えていますし、社会課題の解決に寄与できていない企業は、存続や成長が難しくなっていくだろうとも考えています。

当社は、2008年12月に設立し、2009年5月に第1園目を開設しました。今から15年前の当時の社会課題はというと、まさに待機児童問題が深刻化していました。そして、女性の活躍がとても期待される中で、女性の社会進出の支援をしっかり行っていく必要がありました。

15年の月日が流れ、今、社会課題や社会の状況は大きく変わってきたと思っています。1つは、ご説明したように待機児童問題はほぼ解消しました。女性の社会進出支援も、数字上は女性の就労率が8割を超えてきており、1つのかたちを成すことができてきているのではないかと思っています。

その中で、また新しい社会課題が生まれてきているのではないかと思います。その解決に向けて、当社もあるべき姿を変えていく必要があると考えました。

そして、新しい社会課題の解決に向けて、会社として新たなチャレンジをします。そのためには、投資が必要です。具体的にいうとお金がかかってきます。したがって、新しいことをするのであれば、会社の調子が良い時にすることが必要だろうと私は考えています。

会社としては、過去最高の業績を毎期更新し、前期も過去最高の業績を残すことができました。そして、今期第1四半期も変わらず、過去最高の業績を残すことができています。そのような今だからこそ、大きな投資をし、さらなる成長を目指していくのです。

それが社会課題の解決のため、また、当社の存在価値、存在意義としても非常に重要で、それによって会社をさらに成長させていくことが、当社に投資をしてくださる投資家のみなさまの期待にお応えすることにもつながると考えています。

この新たな社会課題の解決に向けて、今までの事業経験やノウハウを活かし、事業領域を拡大していきます。これが新しい中期計画の大きなテーマです。

3-2. Kids Smile Holdings の新たな挑戦 - 4つのアクション

当社としては、新パーパス、新ステートメントを策定し、それに基づいて事業領域を拡大および再定義して、数値目標を大きく変えていくことで中期経営計画を刷新します。その中で社名も変えていくとしています。今年、この4つの試みを行って、飛躍的成長を目指していきたい考えです。

4. 新パーパス、新ステートメント

新パーパス、新ステートメントについてです。当社は今まで幼児教育を行っていました。この幼児教育サービスの会社から、今期より総合パーソナルケアサービスの会社へと生まれ変わっていきたいと思っています。

創業以来、当社は教育を通じて社会に貢献する、幼児教育をしっかり行う会社として運営してきました。今、待機児童は解消し、子どもの数はどんどん減っていっています。

4. 新パーパス、新ステートメント

ただ、待機児童は解消し、子どもの数はどんどん減っていっています。その点から見ると、幼児教育のみを行っていくことは、今後変わっていく社会課題の解決に向き合う企業としては必ずしも足りないのではないかと思います。

少子化と同時に市場は小さくなっていくため、大きな会社が成長していくためには、教育のみならず、事業領域を広げていく必要があると考えています。

この少子化対策という大きなテーマに加え、今は女性の社会進出がどんどん進んできています。ただ一方で、子育てや家族のことについて、父親と母親が平等に、協力し合いながら家族を支えているかというと、まだ女性の負担が大きくなっている現実があるのではないかと思います。

つまり女性が、家族や子どもたちの幸せのために、自分のことを少し犠牲にしながらもがんばってくれていることで成り立っている部分がまだ多いのではないかと思います。

お子さまが1人であれば、なんとかがんばれたとしても、これが2人、3人になると、どうしても厳しくなります。「これ以上はもうがんばれないな」というところが、少子化の一因にもなっているのではないかと考えています。

今はどうしても「個人の幸せ」と「家族の幸せ」が、トレードオフとなってしまっています。私たちとしては、個人が少し犠牲になることで家族が幸せになっていくかたちではなく、寄り添えるような社会を作っていく必要があると考えました。そのため、お手伝いを行い、そのような社会課題の解決への寄与に取り組んでいきます。

そのため、今までは「教育を通じて社会に貢献する」ということを社是に置いていましたが、新しいパーパスでは一人ひとりにパーソナルケアサービスを届けることで「家族の幸せ」と「個人の幸せ」が寄り添える社会を作っていくことを掲げています。

4. 新パーパス、新ステートメント

新パーパスがどのようなことなのかを伝えるために、新しいステートメントを作りました。スライドを読み上げさせていただきます。「あなた」と「家族」の幸せが重なる場所に、私たちはいます。

たとえば子供たちには、好奇心のままに夢中になれる楽しさを。ママやパパには、学びたいこと、磨きたいことに使える貴重な時間を。家族には、その成長をそばで見守れるという喜びを。

幼児教育や保育、産後ケア、ファミリーコンシェルジュをはじめ、私たちは、あらゆるパーソナルケアサービス事業を通じて、「個人の幸せ」と「家族の幸せ」が寄り添える社会を目指していきます。

これが当社の新しいステートメントです。

4. 新パーパス、新ステートメント

私たちが提供する「幸せ」の定義についてもあらためて考え、文章にしてみました。こちらも読み上げをさせていただきます。

我々が提供する、幸せの定義を考えてみました。

幸せとは子どもでも大人でも、好奇心をくすぐられるものがあること、なにかに夢中になって楽しめること、昨日より今日の、成長を確かに感じられること、自分が、ありたい自分でいられることです。

そして、大切な家族が、夢中になって満たされている姿やその成長を、すぐそばで、あたたかく見守ることができることです。

このような幸せに満ちあふれる家族や社会となるように、私たちは全力で取り組んでいきます。

5. 新社名について

今まで、私たちが提供する教育サービスの主役は子どもたちでした。それを子どもたちのみではなく、その家族まで広げていこうと考えています。

事業会社の名称は、子どもたちが主役であることを示す「Kids Smile Project」でしたが、キッズのみではなく、家族のみなさまも幸せの定義に含め、先ほどお伝えしたような幸せを提供していきたいと考えています。そのため、それに合う新しい社名に変更する予定です。

この社名変更にあたっては、株主総会での決議が必要となります。そのため、臨時の株主総会を開催し、今期中に新しい社名に変更していきたいと考えています。

6. 事業領域の拡大

この事業領域の拡大において、具体的にどのようなことを実施していくのかをスライドの表に示しました。今までの中期経営計画では、幼児教育という単一事業を行っています。

その幼児教育の中で、補助金をもらって運営する認可保育領域と、補助金は一切もらわずに、保護者のみなさまからの保育料のみで運営するプレミアム教育領域を展開していました。新中期経営計画では、これを4事業に再編成して展開していきます。

幼児教育は、国内教育事業と国際教育事業に分ける計画です。国内教育事業では、今までの認可保育事業、プレミアム保育事業を引き続き安定的に、より良いものにして運営していきます。

国際教育事業では、教育の中で国際的な交流に関わるところを1つの事業にしていきます。1つ目はグローバルスクールで、こちらではバイリンガルのスクール運営を行います。昨年より錦糸町で運営を開始し、今年の10月には吉祥寺に新しく開設します。

2つ目は、海外留学支援です。今年の夏に2週間、イギリスのボーディングスクールに子どもたちを連れて行き、海外でサマースクールを実施しました。このような短期も含めた海外留学支援も、これからどんどん展開していきたいと考えています。

3つ目のネイチャーツーリズムについては、今までも2泊3日でキャンプに行ったり、スキーツアーに行ったりする取り組みをしていました。日本には自然体験、自然発見ができる場所が各所にあります。

このような領域で、しっかりとした教育的な体験のできるプログラムを作り上げ、日本の子どもたちのみならず、海外から日本に来られる子どもたちにも体験してもらえるようなツーリズムツアーを企画し、展開していきたいと考えています。

海外留学支援とネイチャーツーリズムに関しては、当社内に旅行事業部を立ち上げ、しっかりと運営していくことを考えています。

4つ目の海外園運営では、海外で実際に運営している園のM&Aを中心に進めていきます。そして、国内のみならず、海外でも幼児教育を展開していくことを考えています。

さらに、産後ケア事業に新規参入予定です。「産後ケア」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。今、日本でお子さまが生まれる時には、大半のお母さまが産科のあるクリニックや病院に入院して出産されます。それから、概ね3日から4日後には退院し、自宅に戻って子育てをスタートするというスタイルになっています。

しかしながら、出産直後のお母さまは、心にも体にも大きなダメージを受けています。本来であれば、心も体も体調をしっかりと回復し、整えることが必要です。

海外では、そのための産後ケア施設がもはやスタンダードとなっています。特に中国、韓国、台湾といったアジア圏の国においては、60パーセントから80パーセントぐらいのお母さまが、出産後、クリニックを退院してすぐに自宅へ帰るのではなく、産後ケア施設に入ります。

そこでゆっくりと体を休め、心と体を整え、回復させてから自宅に戻り、子育てに全力投球されるという流れがすでにできあがっています。日本でも、そのような産後ケア施設が少しずつできており、今は行政の補助も含め、サポートが始まっているところです。

産後ケア施設は、ホテルのような場所にお母さまが入られて、お子さまはそのホテルに常駐している助産師や保育士などの、子どもを見るプロフェッショナルの方が、しっかりと安心安全に見て、お世話をするといった施設です。海外では2週間から1ヶ月ぐらいはそこに滞在し、心と体を整えていくことがスタンダードになっているため、当社でもそのようなホテル型の産後ケア施設を展開していこうと考えています。

そしてもう1つは、ファミリーサポート事業です。ベビーシッター、家事代行、料理代行などをファミリーコンシェルジュ事業として今後展開していくため、調査・検討を行っていきます。

4事業の中で、国内教育事業、国際教育事業、産後ケア事業と、調査検討中のファミリーサポート事業は何が違うのかというと、前の3事業については、後ほどご説明する2030年4月期までの目標の中に、すでに数字を織り込んでいます。

一方、ファミリーサポート事業は調査検討段階のため、まだ目標の中に数字を織り込んでいません。そのため、こちらがかたちになっていく時には、今発表している目標の数字にさらにプラスされていきます。そこが他の3事業とこの調査検討中の事業との違いです。

7-1. 新事業領域の紹介 – 新事業領域全体マップと成長戦略

新事業領域の紹介です。先ほどお話しした4事業の内容と重複するため、こちらの説明は割愛します。

7-2. 新事業領域の紹介 – 新中期経営計画の数値計画

新中期経営計画の数値です。現在、2025年3月期が進行中ですが、今期は129億円の売上目標を掲げています。2030年3月期には、こちらに約100億円をプラスした220億円を新たな目標にしていきます。

営業利益は21億円を2030年3月期の目標に掲げ、みなさまに約束したいと思います。

7-3. 新事業領域の紹介 – 新規事業の成長予測

新規事業の成長予測です。スライドの数字の大きなポイントについてご説明します。今までは幼児教育の単一事業で、私たちが対象とするお客さまは子どもたちが中心でした。

この新中期経営計画では、私たちが対象とするお客さまを子どもたちからその家族まで広げ、幼児教育単一事業から幼児教育以外の家族を対象としたサービスに広げていき、教育以外のところで売上高の40パーセントを上げられる体質にしていきたいと考えています。

営業利益については、幼児教育以外の新しい教育の事業で約3分の2を上げられるような体制にしていきたいと思います。これが新中期経営計画の大きなポイントです。

一方で、やはり今は少子化がどんどん進んでいるため、子どもたちのみをサービスの対象にしていては、今後大きなリスクが生じる可能性があると考えています。

そのため、このようなかたちで新しく、子どもたち以外にも我々の事業領域を広げていくことで、多様な収益の柱を作っていきます。そのことが、投資いただいている投資家のみなさまにとっても、より安心して期待することができる事業者、事業体になっていくことにつながると考えています。

7-4. 新事業領域の紹介 – 国内教育事業:認可保育所事業

個々の事業について補足します。国内教育事業の中にある認可保育事業では、現在70施設を運営しています。新しい事業で、売上高の40パーセントぐらい、営業利益は3分の2ぐらいを上げていきたいとお話ししました。しかし、ご存じのとおり、売上高の100億円以上という大部分を、この国内の認可保育事業で上げています。

会社の運営という意味でも大きな柱となっていますが、それ以上に、認可保育事業として補助金を受け取りながら、大切な子どもたちを預かる事業は、社会に対する事業としても非常に重要です。したがって、この認可保育事業には引き続きしっかりと力を入れ、安定運営を行っていくことに全力を尽くしていきます。

保育の質をしっかりと向上させ、園児の充足率をしっかりと上げて安定運営を図っていくことにも、変わらず取り組んでいきます。

7-5. 新事業領域の紹介 – 国内教育事業:プレミアム教育サービス事業

国内教育事業のプレミアム教育事業についてです。こちらも、今後大きく園を増やしていくことは考えていません。ただし現在の施設に加え、来年、麻布台ヒルズにさらなるフラッグシップ園の開設が決まっています。

この麻布台ヒルズのほか、すでにあるプレミアムスクールのうち、南青山、代官山、広尾、元麻布の園では、今まで同様、最先端かつ最高レベルの教育内容、教育プログラムをしっかりと追求し、開発していきます。それを70施設ある認可保育事業にも広げていくことで、グループ全体を引っ張っていく考えです。

2009年の当社の創業から、プレミアム教育事業ではそのような教育レベル、サービスレベルを提供してきました。そのあたりは変わらず、当社を引っ張るフラッグシップ園として、最高水準の教育レベルを追求して、運営していきたいと考えています。

7-6. 新事業領域の紹介 – 国際教育事業

グローバル事業では、この10月にグローバルスクールを新たに開設します。このグローバルスクールや海外留学支援、ネイチャーツーリズムなどは、当社の海外旅行事業となります。

これらに加え、インバウンドに向けた旅行事業、海外での園運営という4本柱により、この国際教育事業もしっかりと伸ばしていきたいと考えています。

7-7. 新事業領域の紹介 – 産後ケア事業

産後ケア事業です。売上も収益も、大きな柱にしていきたいと考えています。事業的にも社会的意義においても少子化対策の大きな柱として取り組んでいきたいと考えています。

認可保育事業について、少し歴史を振り返ると2000年から、株式会社に門戸を開放して運営しています。その段階から、先人が努力して新しいマーケットを作ってきました。

そこに私たちも参画し一緒にがんばっていますが、産後ケア事業はこれから作られていくマーケットであり、必要なインフラサービスです。第一人者となるような事業者はまだ他にありません。

そのため、私たちがこのマーケット、インフラ、サービスを引っ張る事業者となっていけるように、速いスピードで質の高い産後ケア施設を展開していきたいと考えています。

7-8. 新事業領域の紹介 – ファミリーサポート事業

ファミリーサポート事業です。新中期経営計画の数字には、まだ反映をしていない部分です。女性の社会進出の結果として、父親、母親がともに社会に出て活躍すると同時に、家庭を協力して支えていくことになります。

現実として、お父さまお母さまの力だけではなかなか難しいところがあります。そこをしっかりと外部からサポートすることが、ご家族の幸せや少子化対策につながります。

さまざまな効果が出るよう貢献していきたいと思っているため、ファミリーサポート事業はまず今期しっかりと調査・研究し、来期以降の事業化につなげていきたいと考えています。

8. 新中期経営計画のポイント

新中期経営計画のポイントです。前回までの中期経営計画と比べると、さらに会社を成長させる大きな目標を掲げました。

大きな目標ではありますが、一番最初に申し上げたとおり、私たちは上場以来、期初に発表した予想を毎期必ず達成して今期に至っています。

期初に発表した予想数字、すなわち投資家のみなさまとお約束した数字は必ず達成し、結果として昨年度は過去最高の業績、この第1四半期も過去最高の業績を出すことができました。

したがって、今回お約束した数字は大きな目標ですが、必ず達成して投資家のみなさまのご期待に必ず応えていけるよう、全社一丸となって取り組んでいます。

9. 2025年3月期業績予想

2025年3月期業績予想です。今期は新しい取り組みをしていくことで、売上高は昨年より増えていますが、EBITDAや営業利益、経常利益は昨年に比べてマイナスで予算を組みました。

既存事業だけを考えれば、まさに第1四半期は昨年よりも大きな進捗で進んでいるため、既存事業だけに取り組めば、昨年よりも進捗して増収増益で終えることのできる期であると考えています。

ただ、調子がいい今だからこそ、新しいものにチャレンジしてさらなる成長を目指し、さらなる社会課題の解決で世の中に貢献していこうと考え、今期はあえて減益となる予算を組んでいます。今期投資した分を使って来期は大きく成長し、黒字をしっかりと出していける体制を作っていきます。

今期の数字だけを見ると「Kids Smile Holdings、大丈夫か?」と思うかもしれませんが、既存事業だけを見れば、今期も第1四半期の数字のとおり、非常に順調に進みます。来期はしっかりとした業績が出ると予想しているため、安心して当社にご期待いただければと思っています。

9. 2025年3月期業績予想

各事業の内訳です。スライドをご覧のとおり、既存事業は順調に推移していますが、新規事業にチャレンジしていく関係で、特に営業利益等がマイナスになっています。

9. 2025年3月期業績予想

今ご説明したことをテキストでまとめました。繰り返しになりますが、既存事業は順調に進んでいます。認可保育事業の予想数字は若干堅めの数字としました。予想を保守的に組んでいますが順調に推移しており、こちらも安定収益を出していけると考えています。

プレミアム教育事業の安定も含め、既存園は安定的に収支が出ています。新規事業に投資する金額分だけ赤字になっていくことが今期予想のポイントです。

10. 会社基本情報 – 産後ケア事業 – 事業概要

産後ケア事業について補足します。産後ケアは総じて少子化につながるところでもありますが、日本の社会は、お母さまに少し厳しいところがあると感じています。

例えば無痛分娩も今はだんだんと広がってきたのですが、一時は無痛分娩は「お腹を痛めてこその母親である」という考えから、「無痛分娩で産んだら愛情が薄れるから駄目だ」と言われることもあったようです。

産後ケア施設なども「お子さんが生まれたのに、その体を休めるなんて母親としての自覚が足りないのではないか」と言われるなどがありましたが、今はもうそのような時代ではないです。

1つのファクトとして、女性の社会進出もきっかけにしながら、出産年齢が以前に比べると上がってきており、その分出産による心や体へのダメージが大きくなっていることは事実です。その分しっかりと体を休めることが必要です。

少し例えは違うかもしれませんが、甲子園などでも昔は炎天下でずっとやることがスタンダードでしたが、今は5回終わったらクーリングタイムとして体を可能な限り休めることになっています。

そのようなトレンドになってきていますので、心と体をしっかり整えながら子育てに取り組んでいくことは、今後もスタンダード化していくと思います。行政からの支援も始まっているため、この市場は十分広がっていくだろうと思っています。

もう1つは、出産が健康保険の対象になっていくと今言われています。そうすると何が起きるかというと、一般的には自由診療から健康保険診療に変わっていくことで、利用者にしてみればいい話なのですが、病院側にすると収入が減っていきます。保険単価が今よりも低くなると言われています。

そうすると出産単位での保険になってくるため、出産後、病院に2泊泊まっても、3泊から4泊泊まっても、ざっくり言うと保険の点数は同じになります。

そもそもの収入が下がっていくのであれば、病院として健全な運営していくためには回転数を上げていく必要が出てきます。今まで4日入院していたところを「医学的に健康なのであれば、3日で退院してもらおうか」となります。

女性への負担がさらに出てくる可能性があるため、産後ケア施設の利用が高まっていくのではないかとも言われています。その中で、この市場は期待されているのではないかと考えています。

質疑応答:新規事業への投資回収の蓋然性について

司会者:「2026年3月期から利益の黒字化が見込まれますが、新規事業への投資回収の蓋然性について詳しく教えてください」というご質問です。

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