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佐藤勉氏:2024年3月期第3四半期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。株式会社フォーラムエンジニアリング代表取締役社長の佐藤でございます。本日は、第3四半期の決算概況と当社の配当政策、各サービスの状況、ESGの取り組みについてご説明します。
【連結】2024年3月期 第3四半期 決算概況
第3四半期の決算概況についてご説明します。スライドに記載した数値は連結決算移行後のもののため前年同期比較ができませんが、参考値として単体との前年同期比較を表の右側に記載しています。
売上高は234億9,200万円で、前年同期比20億1,700万円増加のプラス9.4パーセントとなりました。営業利益は24億2,200万円で、前年同期比14億400万円増加のプラス138.1パーセント、経常利益と税引前利益はともに24億2,800万円で、前年同期比14億1,100万円増加しています。
親会社株主に帰属する四半期純利益は16億3,200万円で、前年同期比9億4,000万円増加のプラス136パーセントとなりました。通期業績予想に対する進捗率は、売上高で76.2パーセント、営業利益で89.4パーセント、親会社株主に帰属する四半期純利益で91.2パーセントと順調に進捗しています。
【各社別】2024年3月期 第3四半期 決算概況
各社別の決算概況です。スライドには、2社の第3四半期の実績と通期業績予想に対する進捗率を記載しています。詳細については後ほどご説明します。
【連結】第3四半期税引前利益 前年同期との比較
税引前利益の前年同期比較の内訳について、スライド左側からご説明します。
まずは利益が増加した項目です。主力事業である派遣事業の稼働人数が282名増加し、売上が4億5,800万円増加しました。派遣単価も72円増加し、4億2,600万円増加しています。注力事業である「コグナビ新卒」は、成約数が118名増えたことで8,600万円の増加となりました。
国内販管費は、前期に実施していたCMプロモーションの中止により5億6,700万円、情報システム費の見直し等により3億3,700万円の削減となりました。その他のプラス1億800万円は、主要部署の人材を採用したことによる人件費の増加です。合わせて7億9,600万円の削減となりました。
利益が減少した項目についてです。有給取得日数の増加で3,200万円、残業時間の減少で1億3,100万円減少しました。こちらは、マーケットの人材不足の現況に対し、取引先企業が社内の労働環境を改善しようと取り組んでいるためと考えています。
【連結】通期営業利益予想に対する進捗状況
通期営業利益予想に対する進捗状況です。主力事業である派遣事業は、上期と下期で稼働日数の違いがあるため、下期のほうが利益構造は大きくなります。第3四半期までの累計営業利益計画に対する達成率は110.8パーセントとなり、順調に推移しています。
配当政策について
配当政策についてご説明します。第3四半期も主力の人材派遣事業と注力のコグナビ新卒事業が順調に成長しているため、期末配当予想は前回発表の32.50円から変更はありません。
また、中期経営計画中は「累進配当」を導入しています。中期経営計画の配当計画値は、2025年3月期で40円、2026年3月期で50円を計画しています。
cognavi Vision2026 成長シナリオ
各サービスの状況についてご説明します。当社は現在5つの事業を行っていますが、今期は、人材派遣事業の「コグナビ派遣」、コグナビ新卒事業、インド事業の3つに注力して営業活動を行っています。
① 【稼働人数】
主力事業であるエンジニア派遣事業についてご説明します。まずは稼働人数です。第3四半期終了時の1月1日時点で4,240名と、計画を上回るペースで増加しています。
① 【エンジニア採用数・退職数】
稼働人数の増減要因となる採用数と退職数についてご説明します。第3四半期の採用数は、計画値の185名を上回る209名となりました。上期の新卒採用107名を含む今期の総採用数は778名となり、年間計画数の847名まであと69名となりました。さらに、スライド右側のグラフに記載のとおり、1月の採用数は73名となり、現時点で年間の採用計画数を達成しています。
スライド左下に記載の退職数は、第3四半期までの累計計画数438名をやや下回る435名となり、退職率も前期実績や今期計画を下回って推移しています。
① 【案件獲得数】
新規案件数の推移です。新規の案件数は毎月1,000件を超えるようになり、日本のメーカーはコロナ禍前の慢性的なエンジニア不足状態に戻ったと言えます。例年だと季節性の影響を受けて案件が減少する12月でも、案件数は800件を超える高い水準となっています。
① 【稼働平均単価】
平均契約単価の推移です。今期4月の契約単価改定ではインフレ傾向の影響により大きく改定することができ、3,868円に上がりました。現在は、毎月の新規契約単価がアップし続けていることで、さらに23円増の3,891円まで上がっています。
この単価の上昇傾向はインフレとエンジニア不足によるもので、しばらく継続すると考えています。また現在、来期4月1日での単価改定交渉を行っており、今期の改定金額を超える単価改定金額を提示しています。
① 【有休取得日数】
有給取得日数の状況です。今期は100パーセントの有給取得日数で計画を立てました。第3四半期累計の実績値は17.5日と、前年同時期より0.3日増加しています。今期業績予想は、第4四半期に残りの有給日数をすべて取得する見込みで算出しています。
② 【主要KPI】
2番目の注力事業であるコグナビ新卒事業についてご説明します。
スライド右側に記載した成約数のグラフのうち、赤枠部分の2024年卒業生が今期の結果です。成約実数は259名となり、今期の計画数である250名を達成しました。10月からは青枠部分の2025年卒業生に向けた活動にシフトしており、計画数は500名としています。
スライド中央の2025年卒の学生会員数は現在1万587名で、計画の1万1,000名に向けて順調に推移しています。
スライド左側の求人掲載企業数も、現時点で前年と並び順調に増加しています。理工系採用枠数は326社で2,458名と、前年を大きく超えてきています。
② 【25卒 成約増に向けた戦略】
中期経営計画の目標達成に向けた、コグナビ新卒事業の具体的な政策を2つご紹介します。1つ目は、昨年10月にスタートした「コグフェス」による掲載企業数の増加です。2つ目は、「エンジニア職セミナー」の拡大による機電系学生会員の増加です。
② 【① コグフェス】
「コグフェス」についてご説明します。「コグフェス」は、365日開催しているメーカーに特化したオンライン就職フェアサイトで、メーカーの持つ最新技術をテーマとして掲載しています。
最新技術と学生の学んだ履修科目とのつながりを表記することで、その企業の製品と技術力を知ってもらい、機電系学生全員がメーカーでのエンジニアになってもらうことを目指しています。
「コグフェス」は初年度1年間の掲載を無料にしていますので、掲載企業を増やすことで、「コグナビ新卒」の求人企業増加につなげていきたいと考えています。10月にスタートしたばかりですが、3ヶ月目で当社が営業対象とする大手メーカー1,400社のうち778社、55パーセントの企業に参加いただいています。
② 【② エンジニア職セミナー】
「エンジニア職セミナー」についてご説明します。こちらは、元メーカーエンジニアの当社社員を講師とする、大学3年生を対象としたセミナーです。2015年からスタートしており、現在では機電系学部のある大学144校のうち、125校との実績ができています。
このセミナーは教授の授業枠で実施していますので、今後は大学内での学科ごとの授業枠での実施を増やしていくことで、機電系学生4万人全員のセミナー受講を目指します。そのため来期は、当社社員のエンジニア講師の増員を計画しています。
③ コグナビ転職④ コグナビカレッジ
「コグナビ転職」「コグナビカレッジ」について簡単にご説明します。
これらは今期の注力事業ではないため最小限の経費で行っていますが、前年並みの実績となっています。2事業の営業対象先はコグナビ新卒事業と同じ人事部であるため、来期はコグナビ新卒事業の営業と連携し、拡大を目指していく予定です。
⑤ 3つのプラットフォーム展開
インド事業についてご説明します。インド事業は、日本のコグナビ新卒事業をモデルにしています。6月22日から学生の就職活動メディアサイトをスタートさせており、「企業」「大学」「学生」の3つをつなぐプラットフォーム型モデルを目指しています。
ここからは、3つの対象の現時点でのKPIをご説明します。
⑤ 【学生】就活サポートツール「Student Portal」
学生会員の使う就活ポータルサイトツール「Student Portal」の会員数の推移です。スタートして半年となる12月末までで、学生会員数が約4万7,000名にまで増加しています。
就職のために必要な、豊富なサポート機能があることから、大学の就職課が学生の会員化を推進してくれています。
⑤ 【大学】学生/求人管理システム「University Portal」
大学の就職課の学生・求人管理業務をサポートする「University Portal」についてです。無料トライアルの利用大学は、12月末までで60大学に増加しました。60大学の総学生数は、約18万名となります。
1月には、2大学が正式に有償契約となりました。大学の就職課との正式契約によって、学生会員の増加を目指していきます。
⑤ 【企業】採用管理システム「Recruiter Portal」
掲載企業数の推移です。12月末時点での無料トライアル企業数は71社とまだ少ないものの、学生会員の増加により企業への営業活動がしやすくなったことから、1月に2社が正式契約となりました。
学部・学科によって卒業タイミングが異なるインドは、4月に学生を一括採用する日本と違い、採用タイミングもまちまちです。そのため、学生会員が5万名を超える現在のタイミングで、企業へのアプローチを一気に増加させていきます。
インド事業は6月末にサイトをスタートして6ヶ月が経過しましたが、スライド5ページに記載のとおり、12月末現在は売上高がまだゼロとなっています。こちらはインドでの商習慣を考慮し、企業と大学に対して一定期間の無料トライアル利用を実施しているためです。
またこちらは、企業からの課金が中心となる新卒採用メディア事業ですので、まず学生の会員数が一定規模にならなければ企業はサイトを利用してくれません。そのようなことから、スタートから半年間は学生会員の増加を優先して営業活動を行ってきました。
現在は学生会員数が5万人を超え、影響力のある会員数にまで増やすことができています。そのため今後は、今期・来期の計画達成に向け、有償でのサイト利用企業獲得の営業活動に注力していきます。
ESGの取り組みについて
ESGの取り組みについてご説明します。現在の当社の取り組みには、Eが1テーマ、Sが6テーマ、Gが2テーマありますが、このたびSの取り組みに新しく1テーマが加わりました。インドと日本の大学交流を支援する、短期学術交流プログラムです。
当社のサステナビリティに関する取組み
インドとの短期学術交流プログラムは、コグナビインディアに資本参加してくれている「SRM大学」と作り上げたものです。お互いのトップ同士が持つ「インドと日本の関係をより強くしたい」という思いから実現しました。
未来有望な日本の大学生と、その大学生に学びを教える日本の教授に、インドとの交流のきっかけを作ることで、未来のインドと日本の関係がより強くなることを期待するものです。渡航費用等は当社が負担します。
昨年末に当社が呼びかけを開始したところ、まずは東洋大学の参加が決定し、今月中の訪印を予定しています。さらに今後、複数の有力私立大学が訪印する予定となっています。
第3四半期決算に関して、私からのご説明は以上となります。ご清聴いただき、ありがとうございました。