目次
細川馨氏(以下、細川):ビジネスコーチ代表取締役社長の細川です。本日は私どもの会社の説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
目次のとおり、2023年9月期通期決算概要、事業概要、2024年9月期通期計画と今期の成長戦略、会社概要の順でご説明します。
2023年9月期 通期決算 業績ハイライト
細川:最初に、2023年9月期通期決算の業績ハイライトです。前期は下方修正を2回も行いまして、本当に株主のみなさまにはご迷惑をおかけしました。私の未熟なところによると思いますので、是非挽回していきたいと思っています。
2023年9月期の売上高は11億5,500万円と、前期の11億4,800万円と比較して微増となりました。当期利益は5,300万円と、前年同期比マイナス69.0パーセントとなりました。
2023年9月期 振り返り
細川:2023年9月期を振り返ると、3つの要因が挙げられます。
1つ目は、受注から売上までの期間が長期化してしまったことです。コロナ禍ではリモートで研修等を行っていましたが、特に新入社員研修などを実際の対面で行うようになりました。
それに伴い、これまでは受注から売上になるまでの期間が平均で5.4ヶ月だったところ、受注が少し遅れて生産が遅れた結果、平均で6.8ヶ月と、1.4ヶ月ほど伸びました。これは非常に痛かったと感じています。
2つ目は、営業活動の質・量の不足です。当社には、大企業に寄り添ってニーズを考え、設計し、営業する役割を担う「コーポレートコーチ職」があります。その採用の遅れと、活動の量の不足がデータから明らかになりました。
3つ目は、商品開発の遅れです。当社ではさまざまな商品を開発していますが、特に動画等の開発が遅れてしまいました。これは大いに反省すべき点だと考えています。
営業利益増減要因分析
細川:営業利益の目標に対する増減要因分析です。主な計画外要因として、コーチング関連以外のサービス部分の外注費が挙げられます。大企業から「本来のコーチング以外のサービスもお願いしたい」とのニーズがありましたが、なかなか粗利の取れない部分のため、マイナス要因となってしまいました。
主な計画内要因として、人もどんどん成長させようと考え、人材の採用に伴い人件費が増加しました。また、上場関連費用や移転準備費用、将来を見越して良いパートナーや人材を積極的に採用するための先行投資を行った結果、最終的に4億9,900万円の減益要因となりました。
増井麻里子氏(以下、増井):スライドには「採用増加等に伴う人件費増」と書かれていますが、こちらは一過性のものでしょうか? それとも、毎年掛かってくるものですか?
細川:毎年掛けていきたいと考えています。前々期の従業員数は役員を除いて41名でしたが、2023年9月期末で47名まで増やしました。
人材をどんどん成長させたいと思っていますし、コーポレートコーチの質を高めたいと考えていますので、積極的に採用しておかないと来期以降が伸びません。したがって、継続的に人件費は掛けていきます。
売上構成推移
細川:売上構成推移です。1対1型サービスは、特に経営層へのエグゼクティブコーチを注力サービスとして伸ばしていきたいと考えています。当期は想定どおり、前年比38.4パーセントとかなり伸びました。
しかしながら、1対n型サービスでは研修が遅れてしまったことと、営業の質と量がやや不足したことから伸び悩みました。
その他サービスについては、前年と比べて同程度となりました。2022年9月期には動画の売上が非常に伸びていました。2023年9月期は、売れ筋商品や新しい商品をどんどん出さなければいけなかったのですが、開発が遅れてしまった結果、横ばいとなりました。
増井: 1対1型サービスが非常に好調だった要因として、1対n型サービスから1対1型サービスへ変更したお客さまもいたのでしょうか?
細川:部長クラスでそのようなケースもあり、ゼロではないものの、ボリュームはそれほどありませんでした。
増井:そうなのですね。では、1対1型サービスの需要がそのまま純粋に増えたということでしょうか?
細川:はい、経営層へのエグゼクティブコーチの需要が非常に増えたということです。
2023年9月期通期の受注・売上高の動向について
細川:2023年9月期通期の受注・売上高の動向についてです。前々期の期首受注高は4億5,400万円でした。受注高は11億5,400万円で、売上高は11億4,800万円でした。
2023年9月期の期首受注高は4億6,000万円、最終的な売上高は11億5,500万円でした。
今期は期首受注高が6億8,500万円と、前期比48パーセント増となっています。したがって、前々期、前期の期首受注高に対する売上高の伸び率から考えると、今期は非常におもしろい結果になるのではないかと楽しみにしています。
増井:受注高から売上高が予測できるわけですね。
細川:おっしゃるとおり、だいたい読むことができます。前期のようにみなさまにご迷惑をかけてはいけませんので、あまり大きなことは言えませんが、前期比で約50パーセント伸長したということで良いスタートが切れたと感じています。
主要KPIの動向
細川:主要KPIの動向です。パートナーコーチの数は順調に伸び、2023年9月期は170名になりました。また、1対1コーチング対象者数は1,254名になりました。計画未達であったものの、経営陣を対象とした高単価なエグゼクティブコーチングの割合が前年同期比で約36パーセント増加し、売上増加に貢献しました。
取引先企業数は前年同期比で17社減少しました。一方で、1社当たりの売上高は、リピート需要の取り込みや、1対1型サービスの大型契約によるセッション数増を背景に3,400万円となり、前年同期比で増加しました。
荒井:高単価のエグゼクティブコーチングを行うことができるのは、社員であるコーポレートコーチということなのでしょうか?
細川:コーポレートコーチ職の仕事は、まず大企業に伺って「当社では人材を伸ばして、このくらい企業価値を高めたい」といった経営層のニーズを聞き、プログラムを設計し、1対1型もしくは1対n型に合わせてコーチをアサインしたりテック型の商品を付けたりすることです。
増井:オーガナイズする仕事ということですか?
細川:おっしゃるとおりです。コーポレートコーチが「この先生はこの会社が良いのではないか」と考えて、コーチをアサインします。
増井:実際にコーチングする講師と、コーポレートコーチはまったく別物なのですね。
細川:おっしゃるとおりです。映画製作で例えると、コーポレートコーチは映画プロデューサー、コーチは映画監督、クライアントは俳優陣にあたります。
増井:プロデューサーの役割を果たすコーポレートコーチを社員が担当し、営業職のような役割を担っているということですね。
細川:おっしゃるとおり、営業的な数値責任も持っています。
荒井:前期の振り返りの中で、コーポレートコーチ職の採用・育成の遅れがあったとのお話がありましたが、コーポレートコーチは基本的には社員から採用するとのことでした。パートナーコーチの採用・育成は、どのように行っているのでしょうか? そもそも、パートナーコーチについては育成するというかたちなのでしょうか?
細川:「ビジネスコーチのエグゼクティブコーチは、このようにしてください」といったことをきちんと話して、研修していきます。さらに、ロールプレイを行い、コーポレートコーチがそれを見て、「この先生ならば間違いないな」とコーチング力を判定する研修も行います。
荒井:実際にクライアントが必要とする方向に持っていけるように、コーポレートコーチがハンドリングしていくということですね。
細川:おっしゃるとおりです。コーポレートコーチと、その上司が見ていきます。ここで失敗するとリピートされなくなりますし、お客さまの信用を失いますので、重要視している部分です。
荒井:セミナーが上手な方にビジネスコーチを依頼して終わりではなく、ビジネスコーチとクライアントのニーズが合っているかまで、きちんとサポートされているのですね。
細川:その検証を行わないと大変なことになりますので、しっかりと行います。また、残念なことですがコーチが変わる場合もあります。
増井:基本的には同じ方が続けたほうが良いですよね。
細川:我々の目から見て、「このビジネスコーチはこのクライアントと合うだろう」と思っていても、クライアントからクレームがあれば変更します。
また、我々から見てまずいと感じた場合もチェンジします。当社はクライアントファーストですので、徹底的にマッチングしていきます。
荒井:それで契約を続けていただければ、非常に良いですよね。
細川:おっしゃるとおりです。
バランスシートの状況と配当実績
細川:2023年9月期は利益が下がり、目標を大きく未達となりました。しかしながら、スライド右の配当実績のとおり、2023年9月期の配当性向は102.8パーセントを予定しています。
2019年9月期から継続して配当を出していますので、今回もその配当を維持し、1株当たり50円の配当にしたいと考えています。
ビジネスコーチングとは
細川:ビジネスコーチングとは、クライアントのリーダーシップを強化し、ビジネス目標と達成を支援するサービスです。肯定的な影響をどんどん周りに与えて、組織力を向上させ、企業価値を高める人を育成します。
コーチングを受ける人をクライアントと言います。コーチングではクライアントの話をしっかり傾聴して承認し、さらにさまざまな質問をしながら行動変容のテーマを決めていきます。その後は2週間に1回や3週間に1回のペースでフォローアップしていき、パフォーマンスを出すサポートをします。
1対1型・1対n型サービス
細川:基本的なコーチングは広く知られているかと思いますが、当社では1対1型サービスのエグゼクティブコーチングがクライアントに高く評価されています。欧米でも、経営層に対する1対1型のコーチングによって企業価値を高めていく取り組みが行われており、当社では部長クラス以上のパフォーマンスのある人間へのコーチングを強化しています。
1対n型はどちらかと言えば、部長クラスや一般層に対して、研修形式でコーチングスキルを学んでいただくものです。部下の「Good Coach」になることを目指す管理職に向けたサービスを提供しています。さらに、動画型やテック型のアセスメントなども実施しています。
一般社員層はボリュームがありますので、この層はこれから伸びると考えています。したがって、当社では今、AIや「ChatGPT」を組み合わせてコーチングするといった企画に取り組んでいます。
増井:動画化されているということは、リニューアルなどしていかないと、1度買って終わってしまうといったことにもなり得ますよね。
細川:おっしゃるとおりです。動画化がもっと早くスタートしていれば、前期の売上に必ず寄与していたと思うのが、人的資本経営に関するプロフェッショナル・マネジメントの動画です。
人的資本経営と言ってもよくわからないと思いますが、「このようにすれば良いんだ」と解説する動画を開発しました。約90秒の紹介動画がありますので、ご覧ください。
(動画流れる)
こちらはかなり反響が良く、期待どおりだと感じています。この動画を見ていただいて、管理職の方々に研修を受けていただくという流れです。動画だけを販売するということではなく、管理者の方々が研修を受けた後工程で、フォローアップに使っていただくことになります。
増井:どちらかというと、動画はフロントエンド型の商品で、その後バックエンドにエグゼクティブコーチまであるということでしょうか?
細川:そのようになります。
市場の可能性
細川:日本の市場では、やはり研修の需要が多くを占めており、企業向け研修サービス市場の5,000億円のうち、250億円ぐらいがエグゼクティブ開発です。一方で、アメリカはジョブ型ですので、研修サービス市場は1兆1,600億円となっており、そのうちの36.1パーセントである4,200億円をコーチングとエグゼクティブ開発が占めています。
昨今のトレンドでは日本の大企業も、特に経営層の1対1型サービスへシフトしているという流れです。
大企業向けフォローアップサービスからのクロスセル展開
細川:7年ほど前に、当時の時価総額で4,000億円規模の会社の社長から「コーチングを受けたい」という依頼をいただき、50人に対して1対1型サービスのエグゼクティブコーチングを行ったことがあります。その会社は、現在では時価総額が1兆1,200億ほどになっています。これはすごいことです。
1対n型サービスも、こちらも大きな総合電機メーカーで、管理職にコーチングを学んでいただき実践していただく1on1ミーティングという方法をとりました。
現在は、1対n型や1対1型サービスでかなり大規模なコーチングを行っている電機メーカーのお手伝いもしていますが、V字成長が著しいです。アメリカではコーチングが当たり前になり、非常に普及していますが、日本も同様のトレンドになってきたのではないかと感じています。
クライアント企業に寄り添い課題解決につなげるビジネスモデル
細川:クライアント企業に対して、「コーチ」はコーチをする人ですが、そのプロデュースをするのは「コーポレートコーチ」であるということを先ほどご説明しました。
スライド右下の「組織・個人アセスメント」については、かなり多くのアセスメントを行っており、動画などに関しても積極的に取り組んでいます。
また、クラウドコーチングというのは自社開発のソリューションなのですが、行動変容の見える化・データ化を行っています。
長期的な継続取引実績
細川:取引継続売上比率は74パーセントとなっています。適切な設計を行い、コーポレートコーチが優秀なコーチをアサイン・提供することによって、継続的な成長につながっていると思います。
年度による売上の大小はありますが、1度取引していただくと、その後長期に渡って継続していただけるというのが当社の特徴です。
顧客 取引実績
細川:300社超の企業と取引していますが、その中で社名紹介の許可を得た会社がご覧の企業になります。
増井:このような大手の会社では、予算の関係などにより集団研修を12月から5月頃に実施されることが多いと思いますが、御社では業績の季節性はあるのでしょうか? 例えば、売上が多く立つ時期があるなどの特徴はありますか?
細川:当社は新入社員研修には弱いため、第3四半期にあたる4月から6月頃は少し弱い傾向です。他の時期の売上はまんべんなく高いのですが、この時期はかなり下がります。本当は新入社員のコーチングもしたいと思うのですが、コーチングというのは上層部をメインとするため、そのようになっています。
増井:まだ時代が追いついていないということでしょうか?
細川:AIで分析しながら若手層へコーチングできるようになってくると、非常に良いと思います。
荒井:現在は新人研修の部分があまり強くないとのお話でしたが、今後強化していくお考えはありますか?
細川:現状はないかもしれません。経営層・部長層といった上のレイヤーからの浸透を考えています。
一般社員には、AIを使った簡便なコーチングなどが良いかもしれません。通常、コーチングは2週間に1回ほどの頻度で行いますが、1ヶ月に1回などにしてアドバイスするといったイメージです。
荒井:新人研修のほうが数が多いため、素人の見方としては収益が見込めそうだと思ったのですが、やはりエグゼクティブのほうが、利益率も高いということで注力されているのでしょうか?
細川:お客さまは当社を「エグゼクティブコーチの会社」だと認識されており、「新人研修の会社」とは認識していないのです。そのようなブランディングのギャップが大きいと思います。
増井:難しいところですね。
細川:はい、悩ましいところです。新人研修を実施するとなると、相応のマーケティングも必要です。
荒井:営業の仕方も変わってきますね。
細川:そうですね。
荒井:ブランディングとしても、エグゼクティブ層に向けたサービスを行っていることを強みとして、今後も打ち出していくということでしょうか?
細川:おっしゃるとおりです。
株式会社購買Designの事業モデル
細川:2014年に設立された、購買Designという会社があります。その会社の石田社長のことは設立当初から知っていましたが、ビジネスモデルが素晴らしいなと思っていました。
間接材の購買コストを圧縮するコンサルティングを成功報酬型で行っています。これは本当に喜んでいただける素晴らしい事業だと思い、当社からも何社かの企業に購買Designをご紹介しました。
大企業がコスト削減のために間接材の購買コストを圧縮するための可視化・効率化・仕組化を、2014年からの9年で実現しています。石田社長は会社設立以前からこのビジネスをしており、このビジネスの先駆者だと思います。
購買Designは間接材のコストを圧縮しているのですが、「ペーパーや電話で、会社の動きや問題について連携するのはおかしいのではないか?」ということで、ITを使ったDX化の担当部門を持っており、これが大きいと思います。
私が購買Designに紹介した会社の中に、サービスエリアなどをターゲットとしているインフラ型の大きな会社があります。サービスエリアはたくさんありますが、それぞれのトイレの紙の補充・レストラン経営などの業務を、電話などで対応しているようです。
この会社に対して、購買Designは「DX化して、すべて見える化しましょう」と変革をスタートしたそうです。成功報酬型だったのですが、現在でも取引しており、非常に大きな金額になっているそうです。その会社は、全国に同じような会社を多く持っていますので、今後さらにDXでさまざまな展開を行っていくということです。
購買Designはすばらしい会社だと思い、昨年M&Aをして10月からジョイントに成功しています。
コスト削減コンサルティング事業における実績と収益構造
細川:スライド左側のコスト効率化については、食品スーパーでは15億円のところを3億円圧縮、メーカーでは26億円のところを5億円圧縮、金融サービスでは80億円のところを12億円圧縮しました。
また、右側のグラフのとおり、初年度で圧縮しますので、初年度に圧縮した金額の50パーセントを成功報酬でいただき、その後、お客さまの会社は毎年コスト削減が続くというビジネスモデルです。このビジネスモデルがお客さまに感謝されており、飛躍的にいろいろな会社に展開しているところです。
コスト削減コンサルティング事業のソリューション
細川:具体的なソリューションとしては、クライアント企業の購買のフォローアップサービス、つまりコスト削減を通じて、企業活動の日々の購買活動データを取り組み可能なボリュームになるように集約や分解手法を用いてパレート分析を実施しています。
また、その分析を通じて、当社に数多く蓄積している過去の取り組みデータと比較検討し、最適なサプライヤの紹介を行ったり、サプライヤ選定プロセスを支援したりすることでコスト効率化を行っています。
ITサービス事業のソリューション
細川:業務プロセス改善の提案・顧客のIT化・トータルサポートといったさまざまな視点があり、いろいろな動きがありますが、それらをすべて見える化します。
また、社員一人ひとりに対する教育用動画などもその中に入れてしまうということも行っており、非常に伸びています。
2024年9月期 通期計画 ビジネスコーチ株式会社 非連結
細川:今期の戦略に移ります。非連結のビジネスコーチ単体で売上高14億5,000万円としています。期首の受注残高が高く、大きな組織変更も行ったため、達成の自信を持っています。
過去に2回下方修正しているため、みなさまの信用を得ないといけませんが、これは達成できるだろうと思っています。
営業利益は1億9,800万円、経常利益は1億9,600万円としています。
2024年9月期 通期計画 グループ連結
細川:グループ連結では、売上高を18億7,700万円としています。購買Designを子会社化したため、人材開発事業は14億5,000万円、コスト削減事業は2億3,100万円、IT事業は1億9,500万円としました。
また、営業利益は2億8,500万円、経常利益は2億7,400万円としています。のれん代等があるため、トータルで1億2,000万円の利益を見込んでいます。
ビジネスコーチ株式会社と株式会社購買Designのビジネスの特長と今期の成長戦略
細川:ビジネスコーチと購買Designのビジネスの特徴と今期の成長戦略についてです。ビジネスコーチの人材開発事業としては、ビジネスコーチングを軸とした事業をさらに成長させていきたいと考えています。
当社は人材開発の支援を20年以上行っており、そのノウハウを持っています。また、毎年300社以上の大手クライアント企業に継続サービスを行っています。お客さまを300社以上持っていることは、本当に大きな財産だと思っています。
今期の成長戦略として、エグゼクティブコーチングをさらに発展させるべく、エグゼクティブコーチ本部を新設しました。
2023年10月には、世界的企業100社以上のCEOをコーチングし、「コーチングの神さま」と言われているマーシャル・ゴールドスミス博士に来ていただきました。今までにも何度もお招きしていますが、私とその弟子、そしてGAFAのコーチもマーシャル・ゴールドスミス博士の弟子にあたるため、「弟子同士のつながりを利用しホームページにアップしても良い」とのご提案がありました。
「クライアントがいれば我々がコーチします」といったお話しもいただき、今後はグローバルのコーチとの連携を図っていく予定をしています。
さらに、株式会社購買Designとのクロスセルです。購買Design社は2014年からコスト削減コンサルティング事業を行っており、当社とのクロスセルを実施します。
また、成功報酬型もありますが、今年度は成功報酬型と固定報酬型のハイブリッド型へ転換する戦略です。そして固定報酬型の大型購買コンサルティングを遂行します。実際に大型の受注をしており、事業も始めているといます。
ITサービスも現在5社行っています。かなりニーズはあるものの、組織力が少し不足しています。そのため、本来ならばもっと受け入れられるはずだと考えており、少しジレンマを感じています。
増井:購買Designは、独自のソフトウェアやシステムインテグレーションサービスを提供されているのでしょうか?
細川:独自というものはなく、どちらかというとコンサルティングをしています。
増井:「このようなのが良いのではないですか?」とご提案するということですか?
細川:はい。そして提案したビジネスのプラットフォームを作ることを行います。
成長戦略を実現するための組織変更
細川:前期に関しては、私はかなり悔しい思いを持っています。「なぜこのような成績になったのか?」という状況であり、このままでは駄目だと感じ、各本部を作って独立採算制にしようと考えました。
コーポレートコーチング本部の第一部・第二部ではマネジメントを徹底します。加えて、コーポレートコーチの質を高めていくようにします。また採用数を積極的に増やすために、エグゼクティブコーチ本部と分けることとしました。
以前は、素晴らしいパートナーの方々に仕事をしていただいていましたが、自社でもエグゼクティブコーチ本部を作ることになり、日本を代表するエグゼクティブコーチでもある当社の橋場副社長のもと、コーポレートコーチング本部から営業部長1名が移動し営業を促進します。営業部長自身もエグゼクティブコーチになってもらい、採用します。
現在すでに1名を採用しており、今後は2名から3名体制としていきます。エグゼクティブコーチの生産性は高く、1人で約1億円の売上高となります。自分で生産するため粗利は100パーセントに近いです。
今後はエグゼクティブコーチの人数を増やしていきたいと考えています。人数としては、2023年は4人、2024年は6人になる予定です。最終的には10名まで増やしていくことを予定しています。わかりやすくいうと、10名で粗利が10億円となります。
マーケティング本部についてです。マーケティングを行っていると多くの問い合わせをいただきます。問い合わせの対応部署も独自採算というわけではありませんが、やりがいが感じられないといけません。そのため、マーケティングを活発にし、セミナー事業で収益をあげます。
問い合わせが来て案件決まれば、コーポレートコーチと各本部にお客さまを振り分けます。「このお客さまのニーズならば、コーポレートコーチング本部第一部に振るほうが良いのではないか」「エグゼクティブコーチがご希望の場合は、エグゼクティブコーチ本部に振るべきだ」と判断していきます。実際に振り分けて案件が決まれば、マーケティング本部の売上になるようにしました。
購買Design社は、非常に収益性も高く、営業利益35パーセントを目指している会社です。よって、この5本柱で安定的かつ持続的な成長を実現していきたいと思います。
コーポレートコーチング本部の目標売上高は、本部ごとに5億円、合計10億円を目指していると共有しています。採用して、お客さまに対して徹底的にコーポレートコーチングを行えば、努力次第で部長になることも可能です。「部長になりたい」という明確な目標を持ってもらうためにも、部署数も第三部、第四部、第五部、第六部と伸ばしていきたいと考えています。
前期の何ヶ月もかけて組織変更を実行しました。
事業構造改革を実現するパートナーへ
細川:事業構造改革を実現するパートナーについてです。ビジネスコーチは、主な営業先の経営層や人事部に向けて、まさに人的資本経営の実践支援をする会社です。
購買Design社も間接材のコスト削減支援とDXの実装支援が、部門長や大企業の関連会社さまなどから非常に支持をいただいています。両方で大企業の経営者、人事部や人材管理、大企業の関連会社などにクロスセルをしています。
現在までに、ビジネスコーチ社から購買Design社に6社紹介しており、良い感触を持っています。反対に、購買Design社からはビジネスコーチ社に3社紹介してもらい、計9社のクロスセルが実現しています。
増井:顧客基盤が広がるということですね。
細川:顧客基盤も広がります。当社も大企業で営業できていない会社や、経営者にお会いできていないケースもあります。購買Design社でも営業できていないところが多くあります。
当社の2023年度取引企業数実績は329社、購買Design社は22社になりますが、購買Design社より紹介された取引先は早々に決まりました。今後はもっと大きく決まっていきそうな状況です。
増井:なるほど。そうすると御社はコーチングから、コンサルティングにも多角化していくという方向性でしょうか?
細川:そのとおりです。コーチングを実施する会社でありながら、人的資本経営開発のお手伝いをして、今後ますます成長させていきたいと考えています。
コーチング以外でも、お客さまのニーズがたくさんある訳です。お客さまのニーズに応えていくためのノウハウがない当社としては、関連会社のM&Aを進めたいと思っています。
左の図に記載のとおり、「人的資本経営の実践支援」と「間接材のコスト削減支援」、ここにITの「ビジネスプラットフォームの進化・DX実装支援」とあります。まさに今取り組んでいるところですが、ビジネスのプラットフォームになりたいと考えています。
現在、M&Aの会社さまからのご紹介でいろいろな会社とお会いしています。まだ実現する段階ではありませんが、ビジネスのプラットフォームになれるよう、今後はM&Aにも力を入れていきたいと思っています。
Corporate Slogan
細川:会社概要についてです。Corporate Sloganとしては簡単に「Purpose」「Vision」「Mission」と掲げています。以上です。
質疑応答:今期の売上高予想について
増井:「売上高予想が強気ですが、今回の予想は前期の反省が活かされているものだと思っていいのでしょうか?」というご質問です。
細川:おっしゃるとおりです。
質疑応答:購買Design社の業績予想について
増井:「今までの事業と同様に、今期から連結に加わった購買Design社の業績予想の精度が気になります」というご質問です。
細川:購買Design社は本当に手堅い会社です。間接材のコンサルティングとしても、1年を通しておおよその予測ができています。また、DXについても予測できていますので、私は堅いと思っています。取締役会にも出席していますが、社長としても予測されていると思いますし、間接材を圧縮するというビジネスのため、手堅いと思います。
増井:それをもっと固定報酬化していくということですね。
細川:そうです。会社の経営としても、自社に一切無駄なコストはかけないです。見事です。ですから予想もかなり厳しめに取っていると思います。
質疑応答:人材開発事業の利益率と販管費について
荒井:「利益率が今期も大幅に低下しています。構造が変わっている部分もあるかもしれませんが、人材開発事業で利益率を高く見込めないということでしょうか? また、売上の伸びに対して販管費がどうなるのか、現状の認識をうかがいたいです」というご質問です。
細川:前期は移転費用もあり、販管費が少し上がりました。また、上場関連費用については、粗利率が70パーセント近くであれば許容範囲ですが、前期は65パーセント程度だったのではないかと思います。自社のものでない商材を売ったことが原因であり、今度は行わないようにして70パーセントに近づけようと考えています。
あとは、先ほどご説明したエグゼクティブコーチ本部、これは楽しみです。また、動画についても利益率が高いです。
荒井:動画は頻繁に更新されるのですか?
細川:更新というのは新しい動画ということでしょうか?
増井:ラインナップについてです。
細川:人材開発のかたちはどんどん進化しますので、古い動画は視聴されなくなります。
増井:時代も変わってきます。
細川:はい。本当は動画の開発に関して、会社のマーケティングオートメーション(MA)なども非常に魅力的だと思います。
荒井:コーチングというビジネスは「ストックビジネス」と捉えているのでしょうか?
細川:厳密にはストックビジネスではないかもしれませんが、お客さまのニーズに応えたサービスをすると、当社は継続率74パーセントなので、ストックビジネスの要素は高いです。
荒井:そのための施策として、どこに注力されているのでしょうか?
細川:やはり、コーポレートコーチたちの教育です。常にお客さまに定期的な訪問を行い、ニーズにできる限り応えるようにしています。どのようなニーズを持っているのかという聞き取りがとても重要なため、それを実行することです。
サブスクリプションになれば良いと思っていますが、お客さまがいるため、開発しなければならないと思っています。
荒井:やはりコーポレートコーチの方々の働きが、かなり大きいところかと思います。
細川:まさにそのとおりだと思います。
荒井:コーポレートコーチの採用について、採用基準が厳しいのかどうかが気になっている方が多くいらっしゃいます。基準はかなり厳しく設けているのでしょうか?
細川:面接は最低でも3回か4回は実施します。その方が持っているビジネスセンスを見るためのテストもあり、そのテストに合格するというような方法です。
荒井:かなり厳しい基準で、育成も採用もされているということですね。
細川:お客さまのレベルがかなり高いため、お話が合わないとクライアントファーストになりません。そのため、厳しい基準を設けています。
当日寄せられたその他の質問と回答
当日寄せられた質問について、後日回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:現状、業績連動報酬を導入していないのであれば、けじめとして前期の2回の下方修正の責任を今期の役員報酬に反映させるべきではありませんか?減額で浮いた現金は購買design株の未取得分買い取りに当てられたり、もしくは時価総額が低いうちに自社株買いに使えれば、株を保有している取締役とそれ以外の株主、双方にメリットがあり、将来の配当金負担も減らせたり、買収時に使用できませんか?
回答:貴重なご意見をいただき誠にありがとうございます。当社の役員報酬については、担当職務、各期の業績、貢献度等を総合的に勘案して決定しております。今年度の報酬につきましては、昨年度の実績を踏まえ、取締役会で議論し、決定してまいります。
なお、ご提案いただきました資本政策に関するアドバイスにつきまして、今後の参考にさせていただきます。
<質問2>
質問:今期の連結業績予想を基準に今期下方修正がなされないと仮定した場合でも、来季以降そこそこ業績が上向かないと、今の配当還元額を維持してしまうと今後のM&Aに支障をきたしませんか?
回答:貴重なご意見をいただき誠にありがとうございます。ご指摘のとおり、まずはしっかりと業績予想を達成することが必要であると考えております。その結果として、株主還元とM&Aを踏まえた今後の成長投資を両立させることが必要であると考えております。
<質問3>
質問:前回の会社説明会ではシナジーを考慮して赤字の企業でもM&Aする場合があるとおっしゃっていましたが、業績の不安定さと今の財務では、1つの失敗でかなり危ういことになりかねないと思われますが、考えは変わっていないのでしょうか?
回答:貴重なご意見をいただき誠にありがとうございます。M&Aにつきましては、今後の持続的な成長のため積極的に検討を行っていく施策の1つであります。ただし、対象会社の事業内容、財務内容等だけなく、その時の当社グループの事業や財務状況・リスク等さまざまな要因を考慮し、総合的に決定を行う予定であります。したがいまして、M&Aにより事業の安定を犠牲にしてまで、無理に成長投資を推し進めることはしない考えでございます。
※「当日寄せられたその他の質問と回答」は、企業ご提供の内容となります。