2024年3月期 第2四半期(累計):決算ハイライト
成田隆志氏:ニフティライフスタイル株式会社代表取締役社長の成田です。本日はお忙しい中、当社の動画をご覧いただき誠にありがとうございます。本日は、2024年3月期第2四半期の決算概要及びトピックスについてご説明します。最後までお付き合いのほど、よろしくお願いします。
2024年3月期第2四半期の決算ハイライトです。売上高はYoYでプラス12.4パーセントの14億9,500万円となりました。主力サービスの「ニフティ不動産」が牽引し、第1四半期に引き続き、第2四半期でも設立以降最高を更新しました。
営業利益はYoYでプラス39.9パーセントの3億5,000万円と、大幅な伸びを示しています。売上高の堅調な伸びに加え、2024年3月期の方針に掲げた「規律あるコストマネジメント」を推進したことも、プラスの要因となりました。
トピックスとして、先月開示したとおり、9月29日付で株式会社GiRAFFE&Co.を完全子会社化しました。また、当社初めてとなる中間配当を実施します。期初にお約束したとおり、1株当たり6円50銭を予定しています。
2024年3月期 第2四半期(累計):連結損益計算書
連結損益計算書はスライドをご覧のとおりです。売上高は14億9,500万円と、第2四半期として過去最高を更新しました。
営業利益はYoYでプラス39.9パーセントの3億5,000万円、経常利益はYoYでプラス41.5パーセントの3億5,300万円、親会社株主に帰属する四半期純利益はYoYでプラス38.7パーセントの2億2,900万円、EBITDAはYoYでプラス35パーセントの4億4,700万円と、各段階利益はいずれも大幅に伸長しました。
2024年3月期 第2四半期:四半期別売上高
四半期別の売上推移です。第2四半期単独の売上高はYoYでプラス20.8パーセントの7億4,600万円と、順調に推移しています。
スライドからも見て取れるように、当社の売上高には季節変調があります。主力の「ニフティ不動産」の繁忙期が春の引っ越しシーズンと重なり、第4四半期に最も伸びるという特徴があります。下期はこの繁忙期に向けて取り組みを進めていくことになります。こちらは後ほどスライドにてご説明します。
2024年3月期 第2四半期(累計):コストマネジメント方針及び費用内訳
コストマネジメント方針及び費用の内訳です。スライドの左側に、開発・広告宣伝・販売促進における2024年3月期のコストマネジメント方針を挙げています。第2四半期までは、既存サービスの開発効率を進めつつ、アプリの使いやすさを向上させてきました。
販売促進費においても、オーガニック集客の改善により、効率よく集客を実施できたこともあり、コスト抑制につながっています。下期の繁忙期に向け、広告宣伝活動にも投資を振り向けながら、引き続き確実にコストマネジメントを推進していきます。
2024年3月期 第2四半期(累計):通期予想に対する進捗率
通期予想に対する進捗率です。通期計画対比での進捗率は、売上高が45パーセント、営業利益が50.6パーセントとなっています。
先ほど、「ニフティ不動産」の季節要因についてご説明したとおり、売上高、営業利益ともに第4四半期に大きくなる傾向があります。したがって、売上高は計画どおり、営業利益は計画を上回るペースで順調に進捗しています。
2024年3月期 通期業績予想
通期業績予想はご覧のとおりです。現状では、計画に対して順調に進捗しています。それを上回ることができるよう、下期も着実に取り組みを進めていきたいと考えています。
2024年3月期 第2四半期(累計):トピックス①
第2四半期のトピックスについてご説明します。1つ目のトピックスです。2023年9月に発表させていただいたとおり、株式会社GiRAFFE&Co.(ジラフ社)を完全子会社化しました。上場後初めてのM&Aとなります。
ジラフ社の強みは、独自のノウハウと多数の大手企業に対するテクニカルSEOの支援実績です。また、検索エンジンに精通しているため、集客最大化を目指すデジタルマーケティングコンサルティングの提供が可能となっています。
M&Aで期待する効果については、スライドに青字で#(ハッシュタグ)をつけて記載しているとおり、「顧客基盤の拡大」「提供価値の向上」「シナジー創出」「グループ内へのリソース提供」です。これらの効果を最大化するために、下期から施策に注力していきたいと考えています。
2024年3月期 第2四半期(累計):トピックス②
2つ目のトピックスです。期初にお約束していたとおり、今期より中間配当を実施します。当社は2023年3月期より配当を開始しており、前期の実績は1株当たり12円でした。
今期の予想は、中間配当6円50銭、期末配当6円50銭の計13円としています。期末配当は期初発表の金額で据え置いています。今後の利益成長も鑑み、段階的な増配に取り組んでいきたいと考えています。
事業ドメインをライフスタイルテック市場3領域へと再定義(2024年3月期~)
各事業領域別の概要です。まず事業ドメインについてご説明します。当社の事業は、行動支援サービス事業の単一セグメントとなっています。これまでは、ユーザー向けをメインとしたプラットフォームサービスと企業向けのDX支援を行うソリューションサービスの2つにドメインを分けていましたが、当社の強みやアセットを活かし、事業基盤を強化していくために、今期より事業ごとにドメインを分けることにしました。
注力領域に関しては、「不動産テック領域」「ウェルネステック領域」「クロステック領域」に再定義しています。
事業ドメインイメージ
事業ドメインのイメージは、スライドをご覧のとおりです。不動産テック領域は、既存事業でいえば「ニフティ不動産」が主力となる領域です。賃貸・購入領域で行っている不動産物件情報検索サービスを軸に、売却やリフォームといった周辺領域への新規事業開拓を推進していきます。
ウェルネステック領域は、「ニフティ温泉」を軸とした領域で、新たなウェルネス領域の顧客基盤の構築を目指し、第2の柱として位置づけていきたいと考えています。クーポン送客ビジネスや、メーカー・事業者向けの体験型広告サービスを足がかりに、美容や健康などのウェルネス関連領域に進出し、送客支援やECなど、新規事業開拓を推進していきます。
クロステック領域の既存事業には、「DFO」があります。M&Aにより先月グループ入りしたジラフ社もクロステック領域に属することになります。クロステック領域はデジタルマーケティングサービスが中心ですが、ゆくゆくは「不動産・ウェルネス以外のライフスタイル×テクノロジー領域」を確立させ、新たな成長分野を作っていきたいと考えています。
2024年3月期 第2四半期(累計):不動産テック領域売上高
領域別の状況についてご説明します。まずは不動産テック領域です。この領域は「ニフティ不動産」と「オンライン内見」で構成されています。
上期は「ニフティ不動産」において、オーガニック流入増加に向けた取り組みを継続的に実施したほか、アプリのユーザビリティ向上のための施策や開発を実施したことが功を奏し、サービス利用者が回復基調となってきています。特に賃貸版の伸びが好調で、売上高は11億6,200万円と順調に推移し、YoYでプラス16.5パーセントと伸長しました。
下期については繁忙期に向けて、賃貸版に加え、購入版のテコ入れを進めていくとともに、周辺領域の開拓や送客支援サービス等にも注力していく考えです。
不動産テック領域 主要KPI
不動産テック領域の主要KPIです。スライドには「ニフティ不動産」のKPIを記載しています。今期より、「MAU/送客数」に加え、当社が大事だと考える「延べ掲載物件数」と「アプリダウンロード数」を合わせてKPIとしてお示しすることにしました。
第2四半期のMAUは、YoYでプラス17.3パーセントの400万MAU、送客数はYoYでプラス18パーセントと順調に推移しました。さらに効果的・効率的なプロモーションを行うことで、より質の高いユーザーをお送りすることができると認識しています。
延べ掲載物件数は、9月末時点で1,391万件となっています。アプリダウンロード数は、9月末時点で1,027万ダウンロードと堅調です。アプリユーザーのほうがコンバージョンできる確率が高い傾向にあるため、アプリダウンロードの促進に向けた施策を引き続き強化していきたいと考えています。
2024年3月期 第2四半期(累計):ウェルネステック領域売上高
ウェルネステック領域です。「ニフティ温泉」単独の売上高推移で、第2四半期はYoYでマイナス6.6パーセントの1億4,500万円となりました。上半期は主力の「ニフティ不動産」へ経営リソースを振り向けたため、「ニフティ温泉」のオーガニック集客増加のための取り組みに遅れが生じていることが主な要因であると考えられます。これにより、ユーザー数及びクーポン売上高が伸び悩んでいます。
「ニフティ不動産」のオーガニック集客は、おかげさまでかなり順調に進捗しています。ジラフ社がグループ入りしたこともあるため、下期からは「ニフティ温泉」でもSEO施策等、オーガニック集客を増やす取り組みを強化していきたいと考えています。
ウェルネステック領域 主要KPI
ウェルネステック領域の主要KPIとして、「ニフティ温泉」のKPIを記載しています。今後は「MAU/送客数」に加え、当社が大事な指標と考えている「総掲載施設数」と「クーポン掲載施設数」を合わせてKPIとし、お示しします。
MAUはYoYでプラス0.4パーセントの360万MAU、送客数はYoYでプラス0.7パーセントと、ともに微増となりました。また、9月末時点での総掲載施設数は1万6,756件で、そのうちクーポン掲載施設数は491件となっています。
選ばれるサービスにしていくために、ユーザーの利便性を高め、施設側の効率化にも役立つ仕組みを構築していく必要があります。今後は必要な投資も行いながら、サービスを強化していく考えです。
2024年3月期 第2四半期(累計):クロステック領域売上高
クロステック領域は「DFO」と「ニフティ求人」で構成しています。第2四半期の売上高は、YoYでプラス6.2パーセントの1億8,700万円でした。こちらの領域は、SaaSツール提供サービスの「DFO」が主力となっています。ストック型のため、安定的な収益確保を見込んでいます。
さらに、景気回復やインターネット広告市況が引き続き好調なこともあり、「DFO」で行っている広告運用サービスのアップセルが進んでいます。これにより、「DFO」単独ではYoYでプラス14.6パーセントと、順調な成長を続けています。
また、クライアント数も堅調に伸長しており、YoYでプラス8.7パーセントとなっています。ECクライアントに加え、求人クライアントのニーズが増えています。
今期、グループ入りしたジラフ社の業績については、次の2024年3月期第3四半期からP/Lを連結し、このクロステック領域に入ることになります。既存の「DFO」とのシナジー創出を視野に入れながら、事業拡大に向けて注力していきます。
トピックス① 不動産テック領域
各領域のトピックスです。不動産テック領域では、今期よりデータ活用を本格化していく方針を掲げています。その一環として、「ニフティ不動産」のユーザーの行動データをもとに分析した、独自のランキングの配信を開始しました。
配信では、エリアごとの「注目の街ベスト30」をお届けしており、10月までに東京都・大阪府・神奈川県のランキングを発表しています。今後も各地の情報を継続的に配信していく予定です。
また、今期にブランド戦略として掲げているサービス価値向上やサービス価値理解促進に向けた機能訴求型PRとして、WEB動画を作成しました。
トピックス② ウェルネステック領域
ウェルネステック領域のトピックスです。ユーザーとのリレーションを強化するため、口コミやSNS投稿キャンペーンを積極的に展開しました。PR企画の中には、前年の4倍となる約4,000件の口コミを集めたものもあり、8月は前年に続いて400万MAUを超えることができました。
また、先月より「暮らしの主人公Stories」というウェルネス関連の新しいWEBコンテンツを始動しています。さまざまな分野で活躍している人々のインタビュー記事が主なコンテンツとなっており、まずはより良いライフスタイルを実現するためのヒントを提案していく取り組みを進めています。
ウェルネス領域での事業進出については引き続き検討を進めており、本格的な取り組み開始に向けて注力していきます。
トピックス③ 人材・組織戦略に基づき、VALUE(わたしたちの価値観)を新たに策定
トピックスの最後として、新たに策定した当社のバリューをご紹介します。当社は、組織基盤強化の一環として、今年の春にパーパス・ミッション・ビジョンを策定しました。
5月に発表した中期経営計画では、人材・組織戦略として、「新たな価値やイノベーションが生まれる組織への進化を目指す」という考えをお伝えしました。パーパス・ミッション・ビジョンに加え、今回新たに定めたバリューについても、社内浸透を図っていきたいと考えています。
中期成長に向けた事業領域別戦略
中期経営計画に掲げた事業領域別の戦略です。不動産テック領域は、お部屋探しから住まい全般の支援へと強化を進めていきます。重点項目として、「ニフティ不動産」における賃貸・購入領域のお部屋探し支援の強化、売却やリフォーム等の住まい全般の支援、サービス提供範囲の拡大、不動産事業者向けのDX支援の強化を進めていく計画です。
ウェルネステック領域は、温浴からウェルネス全般へ支援を拡大させていきます。重点項目として、「ニフティ温泉」での温浴施設向けクーポン送客ビジネスの深化、メーカー向けマーケティング支援の強化、新たなビジネス拡大に向けたウェルネス領域への進出に注力していきます。
クロステック領域は、グループ第3の柱となる事業の創出を目指していきます。「DFO」を中心とした既存シーズの強化、インハウスによる新規領域への挑戦、業務提携等による事業創出のスピード向上により、計画達成に向けた取り組みを進めていきます。
2024年3月期 重点戦略①不動産テック領域 繁忙期施策
下期の重点戦略です。まずは不動産テック領域の繁忙期の施策として、デジタルマーケティングの強化に取り組みます。上期から取り組んでいるオーガニック集客強化の施策に加え、ユーザーデータを活用したCRM強化など、一人ひとりに合わせた使いやすさを追求していく取り組みにより、集客効率及びユーザビリティのさらなる向上を目指していきます。WEBで集客したユーザーをアプリへ誘導するために、LPのアップデート等も随時行っていきたいと考えています。
下期のブランディング施策では、ショート動画をシリーズで制作・展開し、機能訴求や共感醸成を図ります。お部屋探しをするユーザーのニーズはそれぞれ違ったものであるため、ユーザー一人ひとりに寄り添い、課題解決につながる内容にしていきたいと考えています。
2024年3月期 重点戦略②ウェルネステック領域 ニフティ温泉の機能強化
重点戦略の2つ目、ウェルネステック領域では、「ニフティ温泉」の機能強化に努めていきます。現在のクーポン送客ビジネスにとどまらない提供価値向上を目指します。既存のクーポン送客には引き続き注力しながら、温浴施設の課題解決に寄り添う取り組みを推進していきたいと考えています。
ウェルネス領域への本格参入にも、引き続きチャレンジしています。M&Aや業務提携等を活用したインオーガニック成長を目指した新規事業にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
2024年3月期 重点戦略③クロステック領域
重点戦略の3つ目は、クロステック領域です。クロステック領域では、ジラフ社の参画によりデジタルマーケティング事業が本格的にスタートします。この領域の牽引役として、ジラフ社代表取締役の吉澤宏充が当社クロステック領域管掌の執行役員に就任しました。今後の事業成長を目指し、一丸となって取り組んでいく考えです。
2024年3月期 重点戦略④ジラフ社とのシナジー推進
重点戦略の4つ目として、ジラフ社とのシナジー創出を推進していきます。まずはクロステック領域の既存事業である「DFO」とジラフ社とのクロスセルを促進していきます。それぞれの顧客基盤を活かした相互紹介などの取り組みに注力することに加え、お互いのアセットを活用した新たなサービス提供も見据えています。
クロステック領域だけでなく、不動産テック領域やウェルネステック領域においても、テクニカルSEO支援や、ジラフ社の自社サービスとの連携による新規取り組みのアイデアもあるので、今後の成長にご期待ください。
M&A戦略
重点戦略の最後はM&Aです。中期経営計画実現のためには、手段としてのM&Aやアライアンスを積極的に活用していくことが必要不可欠だと考えています。ソーシングもこれまで以上に強化していく考えです。社内推進体制の整備はもちろん、外部パートナーとの連携も強化しながら進めていきます。
M&Aで目指すものは大きく3点です。まずは「対象市場の拡大・収益源の多様化」、次に「提供価値の拡大」、そして「事業基盤の強化」です。
対象企業・事業はスライドに記載のとおりです。当社が考える戦略をともに実行し、さらなる成長が期待できる企業と一緒に取り組んでいきたいと考えています。
企業価値向上に向けたIR活動の実施
企業価値向上に向けたIR活動にも引き続き力を入れていきます。今回の決算については、個人投資家向け説明会への登壇を予定しています。いずれもライブで行いますので、ご質問などありましたら、ぜひこの機会にお寄せください。
IR note を開始いたしました。
当社IRの新しい取り組みとして、10月25日より「IR note マガジン」に参画しました。「IR note マガジン」は、企業の枠を超えた共創により、投資家のみなさまにIR記事を届ける新しい試みで、当社は59社目の参画となりました。先ほどご説明した個人投資家向け説明会への登壇の情報をはじめ、より充実したIR情報の提供を目指していきますので、ぜひご覧いただければと思います。
下期は当社サービスの繁忙期に当たります。今期の計画達成はもちろんのこと、中長期的な提供に向けても全社を挙げて取り組み、みなさまの期待に応えていきたいと考えていますので、引き続きご支援のほどよろしくお願いします。本日はお忙しい中、ご覧いただき誠にありがとうございました。