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青野友弘氏:2024年2月期第1四半期の決算についてご報告いたします。本日の内容構成です。冒頭の決算概要と成長戦略の取り組み進捗状況については、私、青野からご説明します。

2024年2月期第1四半期の連結業績サマリ

2024年2月期第1四半期の決算概要です。同時刻に決算短信で公表した数字の連結業績サマリからご説明します。

連結売上高は前年同期比29.6パーセント増の83億6,000万円と、12年ぶりの高水準で着地することができました。連結営業利益は前年同期比27.2パーセント増となり、2020年のコロナ特需時を除いて過去最高で着地しました。

連結経常利益は、前年同期比34.3パーセント増の5億2,000万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比18.3パーセント増の2億7,000万円で着地することができました。

四半期ごとの売上高の推移

四半期ごとの売上高の推移についてご説明します。直近の事業年度における第1四半期の売上高は83億6,000万円と、12年ぶりの非常に高い水準を記録しました。

新規出店店舗、「ふるいちオンライン」の売上貢献に加えて、新品・中古のトレカ及びゲームの好調が売上を牽引しました。

四半期ごとの営業利益・同利益率の推移

四半期ごとの営業利益・同利益率の推移です。新品の売上構成比が上昇したため、通常は営業利益率と売上総利益率が下がりますが、営業利益率は前年同期と同水準の5.6パーセントを維持しました。

2024年2月期第1四半期の営業利益額は2021年2月期のコロナ特需時以来の高水準となり、非常に良いスタートを切れたのではないかと捉えています。

連結損益計算書

連結損益計算書です。先ほどお伝えしたとおり、売上総利益率は同利益率が比較的低い新品商材の売上伸長による影響により前年同期比で低下しました。

一方で販管費が増加していますが、売上高も大きく伸長したため、販管費率は前年同期比で低下し、30パーセントを下回る水準となりました。

貸借対照表

貸借対照表です。流動資産の商品について、新規出店や今後のBtoB、外販に備えた買取強化などにより商品在庫を積み増している施策が影響し、前期末の39億8,200万円から5月末時点で8億5,500万円増の48億3,700万円と、商品在庫を積み増しています。

また、新品商材発注の資金ニーズに対応するため、当座貸越枠での借入を増やしている影響で、短期借入金が増えています。前期末の短期借入金は9億円でしたが、5月末時点で24億円と、現在、短期借入金を有効に活用している状況です。

結果として、資産合計は前期末の109億4,000万円に対し、5月末時点で120億5,800万円と、10億円強増加しています。

主要セグメントの売上高の動向

主要セグメントの売上高の動向です。各商材の動向については、前期末の決算を受けた4月のご説明から大きな変化はありません。トレカ・ホビー・ゲームが好調に推移しており、古本が苦戦している状況が継続しています。

好調なトレカ商材については、PSA鑑定品という米国の会社が提供しているトレーディングカードの鑑定サービスを受けた商品の一部の相場が下落し、当社の業績への影響についてIR窓口にお問い合わせいただくことがありました。しかし、当社はPSA鑑定品を取り扱っていませんので、現時点では影響は軽微と判断しています。

商材ごとの動向についてご説明します。先ほどお伝えしたとおり、古本は仕入れ(買取)において苦戦が続いており、それに伴い売上低迷が継続しています。前年比では90パーセントを割り込む結果となりました。

4月に「ふるいちオンライン」で古本の取扱販売品目の追加を実施しており、こちらの販路拡充や買取強化などの施策を通じて、今後は前年比100パーセントまでの回復を目指していきます。

中古のゲームについては、品薄が継続していたゲーム機本体の供給が安定したという好影響もあり、前年比で増加に転じました。新品のゲームタイトルが発売されたことに伴い、中古市場も活況になっていますので、併せてECでの拡販にも注力しています。今後も継続して利益確保に努めていきたいと思います。

中古のトレカは、前年比155.4パーセントとなりました。新品のトレカ市場の活況に伴い、中古のトレカの販売も活況に推移し、前年同期比で大きく上回っています。

中古のトレカは価格変動が非常に大きな商材です。ゲームもその1つですが、我々は価格が変動する商材の取り扱いについて非常に強みを持っていると考えており、適切な価格コントロールによって安定した利益を獲得できていると捉えています。

中古のホビーは、フィギュア・プラモデルなどの販売・買取強化の効果が継続し、前年比140パーセントという結果を出すことができました。こちらも4月に「ふるいちオンライン」での取り扱いを開始しており、今後は買取を強化して、リアル店舗とEC店舗での販売に注力していきたいと考えています。

新品のゲームは、前年比122.3パーセントとなりました。「Nintendo Switch」用ソフトの『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』というビッグタイトルが発売されたことによって販売が非常に好調でした。

こちらの副次的な効果として、ゲーム機本体の売上も伸長しました。新品のゲームだけではなく、先ほどお伝えした中古のゲームも売上を伸ばし、新品のゲームが第1四半期の売上高を牽引しました。

新品のトレカは、前年比173.8パーセントとなりました。主要な銘柄、特に「ポケモンカード」の市場が非常に活況で、売上高は前年を大きく上回って着地しました。「ポケモンカード」だけではなく、他の銘柄についても拡販に注力し、トレカ商材の売上高を安定的に伸ばしていきたいと考えています。

新品のホビーは、前年比152.2パーセントとなりました。当社の主な取り扱い商材であるグッズくじ「一番くじ」については、ショッピングモールで展開している「ふるいち」店舗との親和性が高く、新規出店効果が顕著に表れていると捉えています。

商材別売上高構成比

第1四半期終了時点における商材別の売上高構成比です。すでにお伝えしているとおり、新品のゲームが非常に活況だったため、新品の売上構成比が前年同期比で4ポイント上昇しています。「Nintendo Switch」用ソフトの発売による売上高の伸長と、前期から引き続き新品トレカが好調に推移したことが主な要因です。

リユース店舗領域 ~2024年2月期第1四半期までの出店状況

2023年度のテイツーグループの成長戦略の取り組み進捗状況についてお伝えします。

2024年2月期第1四半期までのリユース店舗領域における出店状況ですが、この3ヶ月間で「ふるいち」直営店舗を5店舗、FC店舗「ふるいちトップブックス」を7店舗出店しました。これにより、2023年5月末日現在で店舗数は直営店舗127店舗、FC店舗23店舗、合計で150店舗になりました。

第1四半期出店状況と今後の予定はスライド右側に記載しています。のちほどご確認ください。

リユース店舗領域 ~展開している店舗屋号と店舗数~

各店舗数について屋号別にまとめて記載しています。「イオンモール」を中心に小型パッケージの「ふるいち」を出店し、FC店舗としては、さらに商材を絞ったインショップ型店舗の「ふるいちトップブックス」店舗出店を継続して進めています。

「ふるいち」のFC店舗については今後、出店を強化していきたいと考えています。

リユース店舗領域 ~トレカ検索機~

トレカ在庫検索機を店舗で導入するとお伝えしていますが、一部の直営店舗で導入に向けたテストを7月から開始しました。タブレット型検索機についてあらためてご説明すると、お客さまが店頭タブレットを用いて、その店舗の在庫情報や買取価格、販売価格を確認できる機能を搭載しています。

また、タブレット上で注文を受け付けた商品を、店舗スタッフがレジでお渡しするための機能を搭載しているほか、買取の申込もできます。おおよその売却価格を把握してから買取を申込めるため、お客さまにとってもメリットがあります。

店舗側のメリットとしては、市場の相場変動に合わせて、リアルタイムに価格変更を行うことができます。また、これと関連して、すべての在庫の店頭陳列に比べて価格変更等でのオペレーションコストを削減できます。

店舗にとっては、各トレカ商材の価格変更による値札を貼り替える運営オペレーションが非常に負担となるため、工数削減の効果が見込めます。また、売場を削減できますので、大会運営などに欠かせないデュエルスペースも拡張でき、売場を有効活用できるようになります。

新たな追加機能として考えているのは、店内設置のタブレットのQRコードから、お客さまご自身のスマホで店頭端末と同様の機能を使用できるという展開です。現在、試験を開始した段階ですので、さまざまな課題を解決しながら直営店舗への展開につなげていきたいと考えています。

リユースEC領域 ~「ふるいちオンライン」の状況~

リユースEC領域の「ふるいちオンライン」の状況です。4月に「中古のホビー」と「古本のコミック全巻セット」の販売商材を追加したことで、当初想定していたおおよその商材ラインナップが整いました。まだ実現できていない単月黒字化の実現に向けて、各種取り組みを実施しています。

そのような各種取り組みの一端として、データフィード管理機能の搭載が完了し、複数の広告媒体で、効率的な広告出稿が可能となりました。現在、足元では「Google広告」などに出稿できるようになっています。また、Web広告の出稿による新規ユーザーの獲得と、既存ユーザーへの販促による顧客の囲い込みの両軸で、さまざまな施策を展開しながら、集客を強化しているところです。

特に、トレカ商材の品揃え強化のため物流倉庫のキャパシティも拡張しています。トレーディングカードについては「ふるいちオンライン」でも「ポケモンカード」を中心に商品ラインナップを充実させていく方針です。

リユースBtoB領域 ~TAYSの拡販状況とAIICOIIの調達状況~

リユースBtoB領域における「TAYS(テイズ)」の拡販状況と、「AIICO(アイコ)Ⅱ」の調達状況についてです。「TAYS」は、2023年5月末時点で累計契約件数125件を突破し、現在も引き合いをいただきながら設置、拡販を進めているところです。

また、調達が延びていたトレカ自販機「AIICOⅡ」については、直営店舗で6月から初号機のテストを実施しています。デバックをかけ、テスト機に問題がないという運用実績が出たら、8月を目処に量産型を調達したいと考えています。

「AIICOⅡ」の調達後は、「ふるいち」トップブックス店舗をはじめ、その他いろいろとお声がけいただいている外部販路に設置を推進していく予定です。

2024年2月期の連結業績予想の修正及び増配の実施

藤原克治氏(以下、藤原):2024年2月期第1四半期のトピックスについて、代表取締役社長である私からご説明します。

足元のトレカ商材の活況を踏まえ、上方修正を行います。東証が定める修正基準数値に到達しているわけではありませんが、すでに確定した部分と、見込まれる期末の業績を踏まえた上での上方修正となっています。

また、当初より株主還元を優先したいと考えていたため、第1四半期は1円の期末増配の判断をしました。

連結業績予想に対する進捗率

修正後の各利益指標の通期連結業績予想に対する進捗率は、第1四半期が終わった時点で約25パーセントです。今後については、中期的な目標達成のため努力していくことが当期末の目標達成につながると考えています。

2024年2月期連結業績予想と長期目標数値

中期目標である2027年2月期の営業利益20億円については、当期中に長期的な目標数値の更新を約束します。できれば前倒しして、公表している範囲での積み上げ以外に、新たな目標設定、描くビジョンを搭載したいという思いが、私のこだわりとしてあります。

商材別売上高構成比について、やや違った目線でお伝えします。当社はリユースを前面に出しながら営業を行っています。その中で、新品も同じボリュームで取り扱っているのが際立った特徴です。

商材で言いますと、ゲーム・トレーディングカードについては現在の稼ぎ頭であり、長い年月を経て、新品と中古を両立させた実に効率の良い経営を実現しています。

ホビーに関しては、新品領域で「一番くじ」という特徴のある商材を主に取り扱っています。ホビー領域自体が広範囲に及ぶ商材ですので、中古の取り扱いをベースに、新品については「一番くじ」に特化し、効果的に収益をあげています。

スライド8ページの天気予報図のところでもお伝えしたとおり、本の取り扱いについては中古品に特化していますが、取扱高としてパーセンテージを徐々に下げてきているのが現状です。

古本という領域に関しては、当社は特に漫画領域に強く、そこに特化した古本を扱っていますが、今後はほかの商材と同じように新品領域に取り扱いを広げていくことが重要になると考えています。単純に言えば、「新刊本を取り扱う」ことになりますが、実はその奥には大変興味深い領域が存在しています。

本は中古品であれば紙媒体にとどまりますが、その先には著作物としての価値があります。作者や出版社とのつながりは、古本屋稼業だけではなかなか広がっていかないという現状もあり、ビジネスモデルの限界点を手前に置いていたものの、それでも古本は非常に利幅も高く、一定のレベルで利益を生み出してきた商品だと思っています。

将来のビジョンとしては、いま一度、日本が世界に誇る漫画の奥行きにより深く触れ、それをビジネスとして当社の業績にさらに落とし込みたいと考えています。ふるいちCSV活動も続けており、将来に向けた種が少しずつ育ってきているのではないかと感じています。

今後、著作物やIPコンテンツを使ったイベント等の場の形成などの積極的な活動も将来のビジョンに反映できればと考えています。

以降は参考資料になりますので、別途ご確認いただけますと幸いです。ご説明は以上となります。

質疑応答:2027年2月期の営業利益目標の見直しについて

司会者:2027年2月期の営業利益目標を当期末に向けて見直し検討中とのことですが、どれぐらいの水準を目指されるのか、お話しできる範囲で教えていただけますか?

藤原:2027年2月期の営業利益目標については、現在の設定している以上の数値を目指していきたいと考えています。

質疑応答:「ふるいち」店舗の将来的な見通しや戦略について

司会者:「ふるいち」店舗の店舗数が順調に伸びているようですが、今期だけではなく数年先の店舗出店の見通しや戦略について教えてください。

藤原:現在の企業規模では、直営店は現状と同程度の約10店舗で、FC店舗等の出店については別途考えているところです。

出店でなくても当社のツールや商品のご利用を通じて、関係を持っていただいている方も多数いらっしゃいます。店舗展開という目に見えるかたち以上に、テイツーの店舗が各地域のみなさまにご愛顧いただけるように努力していきたいと思います。

質疑応答:「AIICOⅡ」の引き合いについて

司会者:「AIICOⅡ」は、どのようなところから引き合いがあるのか教えてください。

藤原:「AIICOⅡ」はトレカ商品の販売機ですが、機能としては実はさまざまな奥行きがあります。

現在引き合いをいただいている筐体については、台数を確保することがなかなか難しい状況にありますが、製造台数以上のお声掛けをいただいているのはやはり同業他社です。

また、今後トレーディングカード商材を取り扱っていきたいと考えているものの、売場作りにおいて売上成績を反映する自信がやや持てないため、設置しておけば売上・収益が自然に積み上がるかたちでそのメリットを享受したいというご要望が多いと認識しています。

質疑応答:「ふるいちオンライン」の単月黒字化の見込みについて

司会者:「ふるいちオンライン」は単月黒字化を目指しているとのことですが、おおよそいつごろ単月黒字化できると考えていますか?

藤原:現在さまざまな調整を行っています。その中で、追加で取り組みたい開発や環境変化などもありますが、まずは当期中の黒字化を目指し、期間中にどのようなたたずまいに変化させていくかが足元の課題と認識しています。