2023年3⽉期 決算説明会 ⽬次

大貫美氏:明豊ファシリティワークス株式会社、代表取締役社長の大貫でございます。2023年3月期の決算説明をいたします。よろしくお願いいたします。

目次の内容でご説明させていただきます。

2023年3⽉期 決算サマリー

2023年3月期の決算サマリーです。

2022年5月に配当性向を50パーセントから55パーセント程度へ引き上げました。6月には厚生労働省より、子育てサポート企業としての認定を受けました。

2023年2月には、業績予想の上方修正を発表し、同時に1株当たりの配当金を31円50銭へ修正しました。また、配当金の下限を配当方針へ明記することとしました。

2023年3月期は、受注粗利益、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益が過去最高となりました。

1 2023年3⽉期 決算概要 ①PL

損益計算書の概要をご説明します。

建設投資に関するさまざまな課題解決の難易度が高まる中で、当社への期待がさらに高まり、体制強化に伴う費用増を吸収し、各利益は過去最高を記録しました。

2 2023年3⽉期 決算概要 ②BS

次に貸借対照表の概要をご説明します。

第4四半期における売上高増加に伴い、期末の売上債権が増加した結果、現金及び預金が減少しています。

3 経常利益の推移

経常利益は前期比約110パーセントの9億6,000万円となり過去最高を記録しています。

4 キャッシュフローの推移

キャッシュフローについてご説明します。

営業キャッシュフローは、税引前当期純利益により増加しましたが、期末売上増加に伴う売掛債権の影響による減少で2億1,000万円の増加となりました。

投資キャッシュフローは、DX支援事業に伴うシステム開発投資や東京都発行のグリーンボンドESG投資等で2億1,000万円減少しました。

財務キャッシュフローは、配当金実施によって3億3,600万円減少しました。以上のことから、当社の現預金残高は19億3,500万円から15億9,800万円へ減少しています。

5 社員数の推移

社員数については、前事業年度末より11名増となる254名となりました。今期も引き続き、優秀な人材を採用し、体制強化に取り組んでまいります。

6 受注⾦額 新規顧客・既存顧客の⽐率推移

受注における新規顧客と既存顧客の比率の推移です。既存のお客さまから着実にリピートのご注文をいただいています。また、新規顧客からの受注も増え、受注全体が大きく増加しています。

7.事業分野別受注状況

分野別の受注状況です。全分野で堅調な伸びがございましたが、特に工場・研究所分野の引き合いが増加しました。また、DX支援事業については前年度比2倍となっています。

売上⾼と経常利益の推移

売上高と経常利益の推移についてご説明します。発注者支援サービスの社会的認知度向上に伴い、請負工事原価の立替を伴うアットリスクCMサービスから、フィーのみを売上高とするピュアCMサービスへ移行したことにより、売上高は2014年3月期から2020年3月期にかけて減少しています。

経常利益は、生産性向上により2015年3月期から第2ステップへ伸ばし、2021年3月期から体制強化により一層の収益性向上を目指しています。

1 オフィス事業

各事業セグメントの状況についてご説明します。

オフィス事業は、企業がアフターコロナへの働き方を模索する中で、大企業のグループ統合や省庁の執務環境整備プロジェクトの引き合いが増加し、構想段階の意思決定からプロジェクト立ち上げ後の「設計~調達~移転」に至るまでをワンストップで支援しています。

また、「Meiho AMS(アクティビティマネジメントシステム)」を活用した働き方改革の支援も活発化しました。

民間企業のオフィスに対する投資判断は慎重であるものの、難易度の高い案件への引き合いが増加傾向にあることから、売上高は、前年同期並みで着地しています。

2 CM事業

CM事業をご説明します。

民間企業の大型研究施設・私立学校法人の施設再構築や、大規模商業施設の設備更新等、既存顧客からのリピート案件に加え、新規顧客からも引き合いが増加しました。公共分野では、地方自治体庁舎や国立大学等のCMプロジェクトを多数受託しています。

また、世界的に脱炭素化のニーズが高まる中、脱炭素化ロードマップ策定を支援するとともに、ZEB(ネットゼロエネルギービル)やLEED(グリーンビルディング認証システム)など基本計画段階から社内の専門技術者チームが顧客の高い環境要求水準に対応しています。

以上のことから、売上高は、前年同期比17.1パーセント増となりました。

3 CREM事業

CREM事業は、大企業、自治体、金融機関向けに、保有資産の最適化を支援しています。具体的には、自社開発の「MPS(明豊プロジェクトマネジメントシステム)」を活用した多拠点施設同時進行プロジェクトの一元管理や脱炭素化の「立案~実行~成果の確認」に至るまでをワンストップで支援しました。

新規多拠点マネジメント案件や脱炭素化の実現に向けた引き合いが増加し、売上高は、前年同期比5.8パーセント増となりました。

4 DX⽀援事業

DX支援事業は、10年以上の運用実績がある自社開発のクラウドシステムを活用し、お客さまの働き方や施設の維持保全等に関するDX化を支援しています。

本事業を開始して2期目となる当事業年度は、DX化によるお客さまの価値向上に努め、売上高は、前年同期比33.9パーセント増となりました。

2023年3⽉期の状況

2023年3月期の振り返りと今後の取り組みについてご説明します。

当事業年度は、発注者支援事業を進化させ、さらに多くの社会的貢献ができた一年と捉えています。具体的に5点挙げさせていただきます。

1つ目は、新規のお客さまからの引き合い増と堅調なリピート受注を確保することができ、発注者支援事業への強い期待を確認することができました。

2つ目は、新規事業であるDX、社会的事業である脱炭素化への取り組みに着手し、具体的なプロジェクトをご支援しました。

3つ目に、多くの経験を積み重ねてまいりました省庁、地方自治体、民間企業における当社の働き方改革、執務環境整備支援サービスが一層充実化しました。

4つ目に、当社自身の働き方として、完全なデジタル基盤の下、社員は多様な働き方を選択することができ、高い生産性を維持しています。

5つ目に、優秀な人材の採用が進み、上司であるリーダーが互いに情報交換しながら人材を育成する体制が充実化いたしました。

対処すべき課題

次に対処すべき課題についてご説明します。

当社は、より高度な発注者支援事業の社会的存在価値と当社の企業価値を向上させるための中長期の成長基盤を確立することが重要であると考えています。

そのために、これからの社会の変化と発注者の課題に対応した顧客本位のCM事業の価値を高め、同時に企業理念に根ざす明朗経営の下、人的資本経営の推進に取り組むことが対処すべき課題であると認識しています。

その取り組み方針としましては、より高度な独自のCM事業創造、人的資本経営の推進、リスク管理、情報発信の4点を重視して取り組んでまいります。

中⻑期ビジョンへの取り組み 〜対処すべき課題の実現と2030年を⾒据えて

対処すべき課題の実現と2030年を見据えた中長期ビジョンへの取り組みをご説明します。

経営と若手を含む社員で構成した事業創造会議において「将来像セッション」を実施し、10年後の明豊ビジョンを策定しました。

3つのテーマで取りまとめ、事業のテーマは、当社が発注者支援事業の唯一無二の存在として、透明で納得感の高い社会へ導き、発注者と伴走して新しい価値を共創するとしました。

人のテーマは、会社が目指す姿を「家族が誇れる会社」とし、正しいことをやり抜き、生き生きと働く、個人の成長、成果に見合う高収入を得るとしました。

社会還元のテーマは、発注者支援事業そのものが社会還元となることを目指し、透明で納得感の高い社会への貢献、ESG投資、株主還元の充実を通じて社会に貢献することとしました。

中⻑期ビジョン 今後の事業戦略

策定した中長期ビジョンに基づき、今後の事業戦略についてご説明します。

事業戦略の柱となるのは、「顧客側に立つプロ」 という軸を貫き、発注者支援事業を多面的に進化させることです。

スライドの図のとおり、中心に「顧客側のプロ」を置き、これまでのCM事業に加えて、CM+DX事業、脱炭素CM事業、維持保全+DX事業、働き方改革の5つの発注者支援事業を多面的に推進してまいります。

中⻑期ビジョン 建設投資におけるCM事業の⾒通し

建設投資におけるCM事業の見通しについてご説明します。

国土交通省発表の建設投資見通しのうち非住宅分野が当社のCMマーケットとなりますが、CMが活用される余地はまだ十分あり、CMシェアはもう一段伸びると想定しています。

スライドの黄色の折れ線グラフのとおり、当社のCM事業も伸びています。同時に、社会的に需要が高まっている脱炭素化支援、DX支援等建設投資外のCMマーケットの開拓にも力を入れてまいります。

中⻑期ビジョン CM事業+DX

CM事業+DXの考え方についてご説明します。

当社は「顧客側に立つプロ」を発注者支援事業の軸と定め、明豊のCMを推進してまいりました。

今後もこの軸をしっかりと継承しながら、当社が独自に開発したシステムを活用し、顧客側のプロがDXを活用してより一層お客さまの価値を高めることを強みとした事業を推進いたします。

CM事業に加えて、脱炭素化、維持保全、働き方改革の分野でもDXを活用して提供する価値の向上を実現してまいります。

中⻑期ビジョン 脱炭素CM事業の推進

脱炭素CM事業についてご説明します。

当社は、発注者支援事業として、費用対効果の高い脱炭素化施策を客観的かつ公平に提案し、中立な顧客側のプロとして脱炭素経営を支援します。

2023年4月より専門家集団である脱炭素CM部およびGXソリューションチームを設置し、顧客にとって最適な脱炭素化戦略の 「立案、実行、成果の確認」 まで、DXを活用してワンストップで支援してまいります。

中⻑期ビジョン 維持保全+DXによる発注者の経営効率向上

維持保全+DXの取り組みについてご説明します。

当社は、建設プロジェクトにおけるCM事業を主要事業としてご提供していますが、建物所有者である顧客にとって建設プロジェクト後の施設の維持保全を最適化することは容易ではありません。

この点に着目し、当社の建設のプロが、当社の独自システムである「MPS」をお客さまとともに活用し、施設に関するさまざまな情報を可視化・定量化することで、迅速かつ最適な意思決定を支援し、経営効率向上をサポートしてまいります。

中⻑期ビジョン ⼈的資本経営への取り組み

当社の人的資本経営への取り組みについてご説明します。

当社の人的資本経営の考え方は、「フェアネス・透明性」の理念の下、社員一人ひとりが高い志を持って、自らの成長と達成感を実感し、顧客側のプロとして、企業価値および事業の競争優位性を高め、発注者支援事業の無限の可能性を追求するというものです。

スライドの図のように、社員が顧客側のプロとして成長するために、企業理念を軸に、唯一無二の存在価値を目指します。新しく入社した社員は、個人の適性に合ったOJTで明豊のCMと、デジタルな働き方を学び、ナレッジセンターで効率的に知識を取得し、社員同士が互いに成長を支援し合いながらチーム力、組織力を強化し、顧客側のプロとしての水準を高めて、競争優位性と事業価値向上を目指してまいります。

中⻑期ビジョン まとめ

スライドは、これまでお話しした中長期ビジョンを人的資本経営、企業価値向上、社会還元の切り口でまとめたものです。

ESG/SDGsへの取組み

ESG/SDGsへの取組みについてご説明します。

当社の企業理念「フェアネス」「透明性」の下、ガバナンスの基盤として隠し事のない経営を貫き、当社のサービスにおいてもプロセスをすべて可視化しています。

環境については、顧客の環境負荷の低減や施設等の長寿命化の実現支援を通じて、社会的な脱炭素化の推進に貢献しています。

社会については、CM方式による公正な競争環境の提供や可視化された情報の提供による顧客の意思決定の納得性確保など、透明性に軸を置いた社会の実現に取り組んでいます。

またDXの推進によるワークライフバランスの向上やCSR団体での活動を行っています。

ESG投資

ESG投資として、東京都発行のグリーンボンドおよび日本学生支援機構発行のソーシャルボンドへの投資を継続的に行っています。

TCFDへの取り組み

当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、自社の気候変動関連リスクおよび機会の開示を行っています。

1 2024年3⽉期 業績⾒通し

今期2024年3月期の業績見通しについてご説明します。

ウィズコロナのもとで各種政策の効果もあり、景気が持ち直していくことが期待されていますが、物価上昇や慢性的な人手不足等により、引き続き設備投資に慎重な姿勢が維持されると予想しています。

このような状況の中で、当社は、引き続き広い視野でのCMの需要創造と価値提供に向けて取り組んでまいります。

業績見通しについては、体制強化および社員の処遇向上、DXのさらなる推進に向けた費用増と発注者における建設投資が慎重になることも保守的に想定し、営業利益、経常利益ともに9億7,000万円と前期同等の業績を見込んでいます。

2 2024年3⽉期 業績予想

売上高および各利益は前年同期比微増を見込んでおり、年間配当については、1株当たり50銭増配となる32円を下限として予定しています。

3 業績の推移

2023年3月期の売上総利益は大きく伸びましたが、社員の処遇向上を優先することで当社の成長基盤を強化した結果、経常利益は9億6,000万円となりました。

4 1株あたり年間配当⾦の推移

あらためまして配当金についてご説明します。

当社は、当社事業の発展をご支援してくださる株主のみなさまに対する適切な還元を目指しており、配当方針として、配当性向55パーセント程度の他に、1株あたり年間配当金の下限を30円と定めています。

2024年3月期については、当該配当方針を変えることなく1株あたり年間配当金の下限を32円とした上で、11期連続の増配を予定しています。

5 経営指標

次に経営指標について、ご説明します。

収益性を示す投下資本利益率であるロイック(ROIC)は、14.9パーセントと、サービス業平均値をやや上回っています。また加重平均資本コストであるワック(WACC)は、7.68パーセントと、ロイックを大きく下回っていることから、現在の配当方針においても良好な状態を継続しています。

2023年3⽉期公共CMプロジェクト主な契約

ここから2023年3月期の主なトピックスを事例としてご紹介いたします。38ページから41ページまでは当事業年度に受託した主な公共CMプロジェクトの一覧です。

2023年3⽉期公共CMプロジェクト主な契約

2023年3月期の主な公共CMプロジェクトの一覧です。

2023年3⽉期公共CMプロジェクト主な契約

2023年3月期の主な公共CMプロジェクトの一覧です。

2023年3⽉期公共CMプロジェクト主な契約

2023年3月期の主な公共CMプロジェクトの一覧です。

脱炭素化プロジェクト

当社はZEBプランナーとして登録し、脱炭素化プロジェクトとして、下妻市さまや中野区さま等のZEB(ネットゼロエネルギービル)の取得をご支援いたしました。

外務省様

外務省さまのオフィス改革をご支援いたしました。

経済産業省様

経済産業省さまの別館における業務効率化とデジタル行政に対応した執務環境整備をご支援いたしました。

内閣官房 内閣⼈事局様

内閣官房人事局さまの執務環境構築のご支援をいたしました。

愛知県 ジブリパーク様

愛知県さまのジブリパークのコストマネジメント業務をご支援いたしました。

東⽇本旅客鉄道様

JR東日本旅客鉄道さまの高輪ゲートウエイシティ・プロジェクトを継続してご支援しています。

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社様

M&Aキャピタルパートナーズさまの本社移転プロジェクトをご支援いたしました。

エカテラ・ジャパン・サービス株式会社様

エカテラ・ジャパン・サービスさまのオフィス移転プロジェクトをご支援いたしました。

「CM選奨2023」受賞プロジェクト 千葉商科⼤学付属⾼等学校様

千葉商科大学付属高等学校さまの新校舎整備計画をご支援し、高校としては日本初のZEBレディを実現しました。「CM選奨2023」を受賞しています。

「CM選奨2023」受賞プロジェクト 森永製菓株式会社

森永製菓さま、鶴見サイト再構築をご支援いたしました。「CM選奨2023」を受賞しています。

「CM選奨2023」受賞プロジェクト 株式会社プラニック

プラニックさまによる国内初の比重選別装置を導入したプラスチックリサイクル工場の建設プロジェクトをご支援いたしました。

⼤学との連携

大学との連携として、早稲田大学さま寄付講座「コンストラクション・マネジメント特論」を継続して行っています。また当事業年度に東京大学さまとの社会連携講座「キャンパスマネジメントDX」に参画し、共同研究を行っています。

以上をもちまして、2023年3月期の決算説明を終了いたします。今後ともぜひご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

ご清聴いただきまして誠にありがとうございました。