2022年12月期決算説明
金大仲氏:みなさま、本日はお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。株式会社グローバル・リンク・マネジメント代表取締役の金大仲でございます。
早速ではございますが、私から2022年12月期決算についてご報告させていただきます。よろしくお願いいたします。
Mission/Vision/Value
私どもグローバル・リンク・マネジメントのミッション・ビジョン・バリューになります。ミッションとして「不動産を通じて豊かな社会を実現する」と掲げております。
不動産事業を通して、環境問題や社会課題に積極的に取り組み、お客さまや従業員、すべてのステークホルダーのみなさまの豊かさに貢献し、不動産業界のリーディングカンパニーを目指しております。
GLM VISION 2030 長期構想・方針
また、長期構想である「GLM VISION2030」では「不動産×環境×DX」により、全国No.1のサステナブルな不動産開発・運用企業を目指してまいります。
2022年12月期決算ハイライト
決算ハイライトになります。前年との比較になります。売上高、経常利益、販売戸数ともに過去最高を更新いたしました。売上高は356億7,300万円、前年比16.3パーセント増、達成率101.9パーセント、経常利益は22億7,800万円、前年比53.2パーセント増、達成率103.6パーセントと、大幅な増収・増益となり、通期計画を達成しております。
販売戸数についても、計画値953戸に対し979戸を販売し、前年比17.1パーセント増、達成率は102.7パーセントとなりました。
中期経営計画で掲げている、環境対応物件におきましては、目標数値1,004戸に対して1,086戸と認証申請が順調に進捗し、計画を超過する予定でございます。また、仕入れについても順調に推移した結果、開発予定物件数は過去最高となっております。
以上がハイライトのご説明になります。
2022年中期経営計画について(2022年2月10日開示)
次に中期経営計画の進捗についてです。2022年中期経営計画では、2024年12月期に売上高500億円(CAGR17.7パーセント)、経常利益50億円(CAGR49.8パーセント)を計画しております。売上高については1棟バルク販売(まとめて販売)することにより、トップラインの大幅成長を目指しております。
売上高、経常利益において、2022年12月期の中期経営計画を達成・超過いたしました。また、経常利益については1棟バルク販売による高付加価値化により、売上総利益率の改善及び販売の効率化が実現しております。加えて販管費は抑制され、経常利益率は前年の4.9パーセントから6.4パーセントと1.5パーセントポイント改善いたしました。今後も売上総利益率の改善及び販売の効率化に努めてまいります。
次に、スライド右側のグラフの仕入れ・販売のパイプラインにおきましては、2022年の総販売戸数979戸に対し、約80パーセントにあたる797戸が1棟バルク販売となっております。また、2023年12月期、2024年12月期の仕入れもすでに計画値を超過しており、順調な進捗となっております。
販売におきましても2023年は販売目標値の1,120戸に対し、約90パーセントにあたる1,006戸がすでに売買契約済みとなっております。
今後はさらなる中期経営計画の達成に向け、来期以降の契約の積み上げ、再来期以降のパイプラインの積み上げを行ってまいります。
2023年12月期見通し
2023年12月期の見通しです。2023年12月期は従来の中期経営計画目標を超え、各KPI、KGIで過去最高を目指します。
売上高は400億円、前年比12.1パーセント増、経常利益は33億円、前年比44.8パーセント増を計画しており、1棟バルク販売による販売の効率化、付加価値向上により経常利益率は6.4パーセントから8.3パーセントへの大幅な改善を見込んでおります。
2023年12月期に関してはすでに中期経営計画にて発表いたしました、1棟バルク販売計画960戸を上回る1,006戸が売買契約済みとなっており、竣工・販売スケジュールの関係上、第2四半期、第4四半期に売上・利益が集中する見込みでございます。こちらについての詳細は、後ほどご説明させていただきます。
2023年12月期は長期的な観点での事業の安定を目指すため、用地仕入、中古オフィスビル等、新領域の事業をスタートさせる計画でございます。ビジネスモデルの拡張とストック収益拡大による収益構造の改善に取り組んでまいります。
業績推移
2022年12月期の決算状況です。まずは業績推移です。決算ハイライトでご説明のとおり、売上高は356億7,300万円、前年比16.3パーセント増、経常利益は22億7,800万円、前年比53.2パーセント増、達成率103.6パーセントと、大幅な増収・増益となり、過去最高の売上高・利益で通期計画を達成しております。特に利益面においては良好な達成結果となりました。
販売戸数についても1棟バルク販売が順調に進捗した結果、前年比17.1パーセント増となる979戸を販売し、計画に対し達成しております。
セグメント別業績推移・不動産ソリューション
不動産ソリューション事業の業績推移についてです。当社の主力事業であるこちらのセグメントは、成長戦略である1棟バルク販売が順調に進捗し、売上高・利益に大きく寄与しております。また、利益率も大幅に改善されており、今後も戦略に基づき引き続き1棟バルク販売を進めていく計画となっております。
セグメント別業績推移・プロパティマネジメント
次に、プロパティマネジメント事業の業績推移についてです。第4四半期において、物件の売却に伴い管理戸数が第3四半期比で減少しておりますが、通期では前年比で増加しております。
売上高、営業利益については計画値の25億円、1.7億円をそれぞれ超過して達成いたしました。
費用構造・四半期推移
費用構造についてです。第4四半期は他四半期に比べて販管費が増加しておりますが、こちらは計画達成による賞与を計上したためでございます。その他の人件費は販売効率化等により売上成長対比で抑制されております。
また、土地仕入に係る費用等で支払手数料が増加しておりますが、こちらは仕入の好調を反映しております。
今後も1棟バルク販売にて販売の効率化を行うことにより、販管費は成長対比で抑制される計画となっております。
2022年中期経営計画【5つの成長戦略】進捗状況 (2022/12期末時点)
中期経営計画における5つの成長戦略について、進捗状況のハイライトになります。各重点施策については順調な進捗となり、 2022年12月期は中期経営計画の目標値を上回って着地いたしました。
2023年12月期も中期経営計画で公表した目標値を上回る計画となっておりまして、次のスライドから詳細をご説明させていただきます。
2022/12期 成長戦略①「環境配慮型建築」物件の資産価値向上
1つ目の成長戦略は、物件の資産価値向上のための「環境配慮型建築」です。環境配慮に対応した物件、ZEH・BELSの取り組みです。こちらは第一消費エネルギーが削減できる建築認証になり、弊社は2022年2月に「ZEHデベロッパー」に登録認定されております。
政府としても2030年までに新築される住宅については、こちらの基準をクリアすることを目標としており、2022年12月期においては計11棟・485戸の物件で環境認証を取得いたしました。
中期経営計画のKPIである環境対応数に対しても、物件の開発・仕入れを順調に進めており、2023年12月期、2024年12月期の2ヶ年の合計で、従来の目標戸数1,004戸を上回る1,086戸が認証予定となっております。
今後も「環境配慮型建築」を推し進めることで、資産価値の向上及びサステナブルな社会の実現を目指してまいります。
2022/12期 成長戦略➁オフバランス開発の推進 開発速度向上・効率化
2つ目の成長戦略である、オフバランス開発の推進についての進捗になります。2022年は仕入の拡大のため、仕入担当者の増員を行いました。期初11名より新たに10名を採用し、合計21名の体制にて仕入れ活動を行い強化いたしました。
その結果、2022年12月期の仕入れは順調に進捗し、総仕入れ戸数は2,337戸となりました。こちらの内訳について、オンバランス仕入れ、オフバランス仕入れに加え、新たに「オフバランス進行中案件」を記載させていただいております。
「進行中案件」とは、建築確認等が下りる前の案件で、建築確認等が下りた段階で契約するオフバランス開発の案件になります。今後もさらに仕入を強化し、パイプラインの積み上げを行ってまいります。
2022/12期 成長戦略③1棟バルク販売による販売効率・高付加価値化
3つ目の成長戦略である、1棟バルク販売による販売効率と付加価値を向上させる戦略についての進捗です。1棟バルク販売により通期で46棟・1,715戸の売買契約を完了いたしました。こちらは2023年12月期の販売を含んでおります。
1棟バルク販売を実施する企業は限られているため、当社の販売する不動産のプレゼンスが向上し、国内外機関投資家からの旺盛な需要は継続しております。
複数の機関投資家による検討を通して付加価値は向上し、2022年12月期の増益に大きく寄与いたしました。今後も、限定した機関投資家に物件情報を開示しつつも、国内外の機関投資家への積極的なチャネルの拡大を実施してまいります。
仕入状況 (新築レジデンスパイプライン2022年12月末時点)
新築レジデンスパイプラインです。中期経営計画の2023年12月期の販売計画960戸に対し、仕入済パイプラインは1,028戸とすでに計画を超過しております。また、スライドに緑色で示しております24棟・1006室は、すでに売買契約済みとなっております。2023年12月期の残りの1棟については、区分販売を行う計画となっております。
また、2024年12月期の販売計画戸数1,240戸に対し、786戸(63パーセント)についてはすでに自社による仕入を完了し、建築確認後仕入予定のオフバランス進行中案件を含めるとパイプライン合計は1,389戸と、すでに2024年12月期の販売計画戸数1,240戸を超過し達成しております。今後は2025年以降のパイプラインの積み上げを進めてまいります。
ちなみに、赤字は前回開示から新規追加物件、黄色字は年度変更を示しております。
2022/12期 成長戦略④非レジデンス等事業領域の拡大
4つ目の成長戦略である、非レジデンス等事業領域の拡大についてです。非レジデンスについての取り組み実績の更新はございませんが、引き続き案件の検討を進めております。現状は、非レジデンス領域のチームを拡大し、オフィス・ホテル・商業領域にまで検討対象を広げ、新規事業としてオフィスビル事業、用地仕入事業をスタートさせてまいります。
2022/12期 成長戦略⑤事業エリアの拡大
5つ目の成長戦略である、事業エリアの拡大についてです。スライドに記載しているデータのとおり、2020年から2021年の全国の人口動態は主に東京圏に集中しており、当社が設立したシンクタンクである「グローバル都市不動産研究所」の分析を指針として、東京都と隣接する3県に開発エリアを拡大いたしました。
今期の実績としては、オフバランス進行中案件を含め、埼玉県、神奈川県にて、計11棟・755戸の物件を取得し、開発エリアを順調に拡大しております。
2023年12月期通期予想
今後の見通しについてご説明します。まずは通期予想です。売上高400億円、営業利益37億5,000万円、経常利益33億円、当期純利益は21億円を計画しております。次にご説明させていただきますが、現状の契約状況を踏まえ、中期経営計画の数値より営業利益、経常利益を上方修正いたしました。
また、物件の付加価値向上により、売上総利益率は16.4パーセントから18.5パーセントへ2.1パーセントポイント、経常利益率は6.4パーセントから8.3パーセントへ1.9パーセントポイント改善する見込みとなっております。
新築レジデンス契約・決済状況について
契約・決済状況についてです。2023年12月期の新築1棟バルク販売の決済計画は24棟・1,006戸を計画しております。こちらについてはすべて売買契約済みとなっており、四半期ごとに決済を行ってまいります。
スライドにありますように上半期14棟・520戸、下半期10棟・486戸と、やや上期偏重になっております。また、四半期別にみますと、第2四半期と第4四半期に大きく決済戸数が固まります。よって売上高・利益は第2四半期と第4四半期が大きくなる計画となっております。
またプロジェクトの一番下にあります、「東向島1丁目プロジェクト」の22戸におきましては区分販売となり、第2四半期から第3四半期にかけて販売を行ってまいります。
2023/12期 各四半期業績見通し
2023年12月期の各四半期の業績見通しになります。こちらは四半期ごとの売上高・販管費・経常利益のイメージグラフになります。先ほどご説明させていただきましたとおり、販売スケジュールの関係上、売上は第2四半期及び第4四半期に偏重する計画となっております。販管費については賞与等の関連費用により、主に第4四半期に大きくなる想定でございます。
結果として、経常利益についても第2四半期及び第4四半期に偏重する想定です。
外部環境の影響 (アップデート)
外部環境の影響について、アップデートした2つをご説明させていただきます。1つ目は為替の影響です。アメリカの利上げペースの鈍化に伴い、一時期と比較して円高方向へ向かっておりますが、2021年12月期との比較では依然として円安水準となっております。
当業界においては投資対象として相対的に安価になったことにより、海外機関投資家の需要動向に対してポジティブな影響を見込んでおりますが、前期の状況と比較すれば為替影響は落ち着いた印象でございます。
2つ目はサプライチェーンの影響についてです。コロナ禍やロシア・ウクライナ間の対立問題を背景に、資材調達遅延の影響から、全面的に建築資材価格の上昇が懸念されておりますが、昨年夏頃にいったんピークを打ち、その後は緩やかな低下傾向にございます。
しかしながら、一部で建築を遅らせる動きは継続しており、新築レジデンスの供給数がタイトになる見通しとなり、新築レジデンスの供給が需要に対してタイトになった場合は、当社のプレゼンスが上昇する、といったポジティブな側面もございます。このような外部環境も注視し、業績への影響を精査してまいります。
外部環境の影響 金利動向について
金利動向についてご説明させていただきます。現状、金利の状況は2022年12月の金融政策決定会合にて、日銀が長期金利の変動許容幅を、これまでの0.25パーセント程度から0.5パーセント程度に広げる発表を行いました。現在、長期金利は少し落ち着いておりますが、これまでの水準から上昇しております。
これらが市場に与える影響として、政策金利の上昇に関しては不動産価格に対してネガティブな影響が想定されますが、現状は政策金利に変更はございません。
また、長期金利の上昇は見られましたが、不動産市況に影響のある短期金利に関しては大きな変化はなく、現時点において影響は軽微と想定しております。
当社における対応方針になりますが、短期から中期的な対応としては不動産の環境対応や1棟バルク販売を通して、差別化・高付加価値化などを図り、物件の価値を高め、投資家にとっての魅力を最大化してまいります。
長期的な対応としては、ストック収益を積み上げることにより固定費をカバーできる体制を目指し、景気変動等の外部環境の変化に対応可能なビジネスモデルの構築に取り組む方針となっております。
株主還元
株主還元についてご説明します。基本方針に関しては従来どおり配当性向30パーセントを目標としております。昨年度と同様に、非レジデンス領域をはじめ、出資やM&Aなどエクイティでの投資の可能性を踏まえ、ベースの配当額は2022年12月期と同じ52.5円の据え置きとさせていただき、計画以上のエクイティ投資を行わなかった場合には、配当性向30パーセントを目標として、配当やその他の還元に充当させていただきたいと考えております。
GLM VISION 2030 長期構想・方針
最後に「GLM VISION2030」長期構想についてご説明します。長期構想である「GLM VISION2030」では「不動産×環境×DX」により、全国No.1のサステナブルな不動産開発・運用企業を目指してまいります。
長期的な事業の収益構造について
長期的な事業の収益構造について、簡単にご説明させていただきます。レジデンスの1棟バルク販売以外にも事業ポートフォリオを拡大し、今後はストック・フローの両面の観点から各事業の実態をより把握しやすい形式で説明を行う予定です。
長期的にはストック収益から固定費を賄い、リスクを抑制しながらアップサイドを狙える体制を目指してまいります。
組織体制の変更
2022年12月に組織体制の変更について開示させていただきました。新規事業に対して柔軟かつ迅速に取り組むため、事業グループ制を導入し、ビルディング事業グループと用地仕入事業グループを設立いたしました。今後もいくつかの新規事業グループを設立する予定となっております。
新規事業の取り組み①ビルディング事業グループ
新規事業の取り組みについてご説明させていただきます。1つ目はビルディング事業でございます。市場で流通している既存のオフィスビルを購入し、環境対応・労働環境改善等のバリューアップを行い、賃料収益の最大化を図り、オフィスビル自体の資産価値を向上させます。その結果として、売却による大きなリターンを目指す事業となります。
バリューアップ期間における賃料はストック収益として蓄積し、バリューアップ後はフロー収益の最大化を図る事業となります。
新規事業の取り組み②用地仕入事業グループ
2つ目は用地仕入事業でございます。相続案件や老朽化した住宅やオフィスを中心に、当社が地権者と入居者の権利関係を整理し、用地を取得する事業になります。近隣の土地を複数まとめ、集約することで、より付加価値の高い街づくりを可能にする用地創生を目指してまいります。
こちらは、社会課題を解決すると同時に、付加価値の向上に加え、フロー収益の最大化を図る事業となります。
運用ビジネスの拡大 SAGLアドバイザーズ -フロー・ストック収益強化-
運用ビジネス、SAGLアドバイザーズの取り組みについてです。こちらはフロー・ストックのビジネスの拡大になります。SAGLアドバイザーズは、スターアジアグループとの合弁会社であり、複数件のアセットマネジメント業務を受託しております。
投資家としてスターアジアグループと当社でファンドを組成し、運用、売却をすることで、フロー・ストックの最大化を図ります。
直近ではMDM(三井物産デジタル・アセットマネジメント)社とリリースさせていただきましたが、当社が売却した22物件のアセットマネジメント業務受託をMDM社を共同で進めており、東京23区内の新築レジデンスを中心とした運用・資産総額の拡大を積極的に進めております。
「GLM VISION2030」にて計画した運用・資産総額5,000億円を目指し、積極的に受託を行うことでストック収益の拡大を目指します。
2030年の事業ポートフォリオ
最後に2030年に向けた我々の事業ポートフォリオの考え方についてです。2024年に向けて「不動産×環境が事業」の核となり、レジデンス及び非レジデンスが拡大し、2030年に向けて新規事業やDX・運用ビジネス等が合わさり、不動産開発・運用企業としてNo.1を目指してまいります。
以上で、2022年12月期決算説明とさせていただきます。
みなさまのご期待に応えられますよう、企業価値向上に努めてまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。