株主・投資家の皆様へ

中島瑞木氏:株式会社coly代表取締役社長の中島瑞木でございます。よろしくお願いいたします。本資料については、事業計画および成長可能性資料も兼ねています。あらかじめご了承ください。

私たちは、女性向けIP市場の持つ可能性をいち早く見出し、ビジョンである「もっと、面白い」作品作りと、周辺事業の展開に邁進してきました。みなさまのお力を借りた上場を経て、2022年1月期は、創業から第8期目まで連続の増収と黒字経営を継続し、成長の手応えを感じることができました。

一方で、クオリティ追求や丁寧さを重視した作品運営を行った結果、昨年12月には業績予想の修正に至りました。このことを真摯に受け止め、2023年1月期は、あらためて足元の運営体制の強化と、パイプラインの拡充に優先して取り組んでいきたいと考えています。

今後とも、より一層のご指導・ご支援を賜りますよう、よろしくお願いします。

当社のビジョン①

当社のビジョンについてお伝えします。私たちは「もっと、面白く」をビジョンに掲げ、女性向けエンタメ市場をリードしているIPクリエイター&ディベロッパーです。

「もっと、面白く」というビジョンは、これまでの常識にとらわれず「もっと、面白い」ものを貪欲に求め、世の中にお届けしていく姿勢を表しています。このビジョンこそが、ハイクオリティな作品の創出や、幅広い事業展開を生み出す土壌となっています。

さらに当社では「ものづくりの哲学」として、徹底的にクオリティにこだわる品質第一の姿勢や、ユーザー様目線でのもの作り、IPホルダーとしての多角的な事業戦略を大切にしており、いずれも力強く推進しています。

当社のビジョン②

スライドの図は、IPを軸とした事業展開の構想を示したものです。当社はゲームのみを開発する企業ではなく、IPに関わる周辺事業を包括的に担う企業であると認識しています。

こちらの図では、すでに取り組みを行っている業界や、シナジーの高い業界の例を挙げていますが、衣食住を含むあらゆる業界において、当社の事業展開の可能性は十分にあると考えています。

今後は、引き続き新たなオリジナルIPの創出を続けつつ、他社との協業や業務提携などを通じて、事業規模と事業の幅を拡大していきたいと考えています。

当社のビジョン③

お伝えしたような取り組みの先に思い描く未来について、ご説明します。現在、世の中のあらゆる業態でDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れが来ていますが、当社ではDXが浸透した先に、「EX」の時代がやってくると考えています。

EXとは当社独自の造語ですが、エモーショントランスフォーメーション、もしくはエンターテインメントトランスフォーメーションの略語です。EXの時代には、ゲーム業界やエンターテイメント業界に限らず、あらゆる産業において、感情に結びつく体験の提供が求められるようになると考えています。その時に、当社の「魅力的なキャラクターを動かす力」は大きな強みになります。

このEXという考え方はオフライン世界だけではなく、オンライン世界でも重要な発想になると考えています。現在大きな関心を集めているメタバース領域も、当社の強みが生きる領域であり、早期の参入を目指したいと考えています。

そのような時に動かせるIPを増やすためにも、足元では着実に魅力的なIPを生み出し、パイプラインを拡充するフェーズでもあると考えています。

会社概要

当社の事業内容についてご説明した後に、決算報告に移ります。まずは会社概要です。詳細なご説明は割愛しますが、設立は2014年で、今年で9期目を迎え、社員数は338名以上の規模に拡大しています。

事業概要

足元で取り組んでいる事業についてご説明します。現在は大きく2つの事業を展開しています。1つ目は、スライド左側に記載しているモバイルオンラインゲーム事業です。国内では現在、自社開発IPを使用した3タイトルを丁寧に運営しながら、同時に新規IPの開発も鋭意進めています。今年の春ごろには、新作品の『&0』をリリースする予定です。

2つ目は、自社IPを活かしたマーチャンダイジング事業です。こちらも徹底的にクオリティを追求することで年々成長しており、重要な事業の柱となっています。4月1日には、当社初の常設店舗となる「coly more!」を池袋PARCOにオープン予定です。

沿革

こちらのスライドは、当社が創業してからの沿革を図示したものです。2014年に創業後、ノベルゲームの『ドラッグ王子とマトリ姫』を1作目としてリリースし、現在までに、海外版を除くと4作品をリリースしています。

当社は8期目である昨年2月に、東証マザーズ市場に上場いたしました。マンションの一室で会社が始まって以来、「もっと、面白く」のビジョンのもと、開発運営、組織作りに一人ひとりが徹底的に向き合って挑戦し続けてきたことが、高いヒット率につながっていると考えています。

業績推移

当社の哲学に基づき、高品質な作品作りに努めた結果、新規作品制作ごとに業績は拡大しています。2022年1月期までの5年間におけるCAGRは、売上高で48.2パーセント、営業利益で52.2パーセントとなっています。開発期の2022年1月期においては、前期比で営業利益率はやや下がっていますが、20パーセント以上の高い水準を維持することができました。

このように、新規作品の開発を進めながらも、通期ベースでは1度も赤字を出すことなく順調に推移しています。以上でコーポレートサマリーについてのご説明を終わります。

2022年1月期通期業績について

2022年1月期通期決算報告に移ります。通期業績について、ハイライトとして3点をお伝えします。

1点目に、第8期においても創業以来の増収、黒字経営を継続しています。2点目に、パイプライン拡充のための研究開発費の増加により、減益着地となっています。3点目に、12月に業績の下方修正を開示しましたが、修正業績予想に対しては計画圏内で着地しています。以降のご説明で、詳細をお伝えします。

2022年1月期通期業績サマリー

業績サマリーです。売上高について、モバイルオンラインゲーム、マーチャンダイジングともに堅調に推移し、増収となりました。

モバイルオンラインゲームについては、昨年2周年を迎えた、当社4作目の『魔法使いの約束』が成長し、前期比で6億1,300万円の増収となりました。一方で、昨年5周年を迎えた2作目の『スタンドマイヒーローズ』が成熟期を迎えたことに加えて、3作目の『オンエア!』のゲーム展開終了による減収の影響があり、2作品合わせて前期比で5億2,200万円の減収となりました。結果として、売上は前期比でプラス1.4パーセントの53億1,600万円となりました。

マーチャンダイジングについては、緊急事態宣言の再発令により、オフラインイベントの開催が縮小するようなこともありましたが、自社ECサイトを用いたオンライン販売を併用したことや、『魔法使いの約束』の2周年イベントに伴う大幅なグッズ売上高の増加により、売上は前期比でプラス10.4パーセントの12億300万円でした。全体売上高は、前年同期比プラス3.0パーセントの65億1,900万円となりました。

営業利益については、主にリリース準備中作品の研究開発費の増加により、前期比で27.7パーセントの減益となりました。結果として、増収減益で着地しています。

2022年1月期通期累計業績PL

P/Lサマリーです。増収減益となった旨は先ほどお伝えしましたが、現在複数の新規開発を進めており、研究開発費を含む販管費が前期比で大きく増額しています。

スライド右側のグラフにおいて、支払手数料が前期比でマイナスになっている要因は、ゲームプラットフォームであるGoogle Playストアの手数料に割引があったことによるものです。

2022年1月期通期累計 対業績予想達成状況

業績予想の達成状況です。昨年12月に下方修正を開示しており、当初業績予想に対しては、売上で84.8パーセント、営業利益で68.0パーセントの達成状況となっています。修正予想に対しては計画圏内で着地しています。

下方修正に至った要因としては、新規作品の開発遅延によりリリースが遅れたこと、既存作品の成長曲線を読み誤ったことがあります。下方修正を受けて、開発のクオリティとスピードを両立するための社内体制を見直し、ゲーム事業部を3つのディビジョンに分割し、執行役員が各プロジェクトを牽引する組織に変更しました。

既存作品についても、各ディビジョンにおいて運営体制の見直しを進めていく予定です。

販管費推移・内訳

販管費の各四半期ごとの推移です。複数の新規作品開発を同時に進行しているため、研究開発費が増額しています。採用についても加速しており、採用教育費が増えています。広告宣伝費については、主力タイトルの周年イベント開催のタイミングで、テレビCM放映など特に大きな施策を行うため、第3四半期、第4四半期で大きく増加する傾向があり、今期も同様の推移となっています。

2022年1月期通期末BSサマリー

B/Sサマリーです。大きく増減した項目についてご説明します。流動資産が前期比で42億6,900万円増加していますが、上場に伴う増資による現預金の増加が要因です。

負債は5億3,700万円減少していますが、こちらは主に未払法人税等および未払消費税等の減少によるものです。

キャッシュ・フロー推移

キャッシュ・フロー推移です。営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、税引前当期純利益の計上などにより5億6,500万円でした。投資活動によって支出したキャッシュ・フローは、敷金の拠出などにより3,300万円となりました。

財務活動によって獲得したキャッシュ・フローは、上場による新株の発行により37億8,700万円でした。現金および現金同等物は前期末から43億1,900万円増加し、期末残高は68億9,900万円となりました。

足元の主な取り組み

足元の取り組みについてお話しします。2022年1月期第4四半期と、2023年1月期の主な取り組みをスライドにまとめています。後ほどそれぞれについてご説明しますので、詳細は割愛します。

第4四半期の取り組み①

2022年1月期第4四半期における『スタンドマイヒーローズ』の取り組みをご紹介します。昨年の、新型コロナウイルス感染拡大が比較的落ち着いていたタイミングでは、「アニメイトガールズフェスティバル」への出店や、よみうりランドとのコラボなど、オフラインでの施策を積極的に展開しました。

ゲームアプリ内でのお正月キャンペーンについても、大変好評をいただきました。

第4四半期の取り組み②

2022年1月期第4四半期における『魔法使いの約束』の取り組みをご紹介します。『魔法使いの約束』は、昨年11月に2周年を迎えました。2周年施策としてゲーム内で積極的なキャンペーンを展開し、期間中の平均DAUはプラス13.2パーセントとなるなど、大きな反響をいただきました。また、全国各地で開催した2周年記念ポップアップショップも大変ご好評をいただきました。舞台『魔法使いの約束』など、メディアミックス企画も積極的に展開しています。

23/1期の取り組み①

2023年1月期の取り組みについてです。今年の春頃にかけて、2つのお知らせがあります。

1つ目は新作ゲーム『&0』のリリースです。こちらは「めくるめく謎と一生ものの恋」をテーマにした探偵&恋愛シミュレーションアプリで、事前登録を現在受付中です。

2つ目は当社初の常設店舗となる「coly more! 池袋PARCO店」をオープンします。「colyの作品を、もっとそばに」をコンセプトに、4月1日の開店を予定しています。

23/1期の取り組み②

2023年1月期における『スタンドマイヒーローズ』の取り組みをご紹介します。まず2022年内を目処に、アプリの大型リニューアルを予定しています。今年で6周年を迎える本作ですが、リニューアルを通して初期からのユーザー様にも、新たなユーザー様にも、永く愛していただけるような作品にしていきたいと考えています。

また、サンリオピューロランドでのトークイベントや、繁体字版である『募戀英雄』の海外アニメイトフェアを実施するなど、アプリ外の取り組みも積極的に行っていきます。

23/1期の取り組み③

2023年1月期における『オンエア!』の取り組みをご紹介します。本作は、2020年10月にゲーム運営自体は終了していますが、それ以降も熱量の高いユーザー様のお声に支えられ、今年の1月末まで機能制限版アプリを公開していました。

完全書き下ろしのボイスドラマCDを発売するなど、引き続きグッズ販売などを積極的に展開していきたいと考えています。

23/1期の取り組み④

2023年1月期における『魔法使いの約束』の取り組みをご紹介します。3月18日には、メインストーリーの第2部の配信を開始し、物語が新たな展開へと突入しました。大変ありがたいことに、第2部の告知ツイートには、ユーザー様から大きな反響をいただきました。

『魔法使いの約束』についても、サンリオピューロランドでのトークイベントや、サンリオキャラクターズとのポップアップストアを開催中です。リリース3年目を迎える今期も、さらにユーザー様に作品の展開を楽しんでいただけるよう、さまざまな展開を予定しています。

2023年1月期 業績予想について

2023年1月期の業績予想については、大変申し訳ありませんが、本日の段階では非開示とさせていただきます。その理由として、初の常設店舗「coly more!」の業績に新型コロナウイルス感染症が与える影響や、『&0』など新規リリース作品の売上が見通せないことがあります。

また、開発中作品のコストについても、水面下で動いているものも含め、複数のパイプラインが走っていることから、その進捗状況に不確実性の高い要素が多く、現時点では合理的な予想を算出することが難しいと判断しました。

当社の業績傾向について

当社の業績傾向についてお伝えします。当社の売上高は、各タイトルの周年記念時期に開催されるイベントで特に大きく計上される傾向があります。現在運営している3作品のうち、2作品の周年記念時期が、第3四半期および第4四半期の会計期間に属していることから、2023年1月期についても、売上が下期に偏重する傾向が予想されます。

増加する女性のゲームユーザー

市場規模および当社の優位性についてお話しします。スライドでは、スマートフォンゲーム市場における、男女別のユーザー様の推定数を示しています。スマートフォンゲーム全体の市場規模が右肩上がりの成長を続けている中で、女性のユーザー様数も増えています。

特に2020年は女性のユーザー様数が前年比で13.4パーセント増加するなど、まだまだ拡大余地のある魅力的な市場であると考えています。

キャラクターを中心としたコンテンツ市場の特徴

当社は、キャラクターを軸としたIPを、ゲームを含むさまざまな媒体で展開し、事業を拡大しています。女性のお客様をメインユーザー様としたコンテンツ市場では、キャラクターを好きになってくださったユーザー様が、ゲーム内に留まらず、他の場所でも消費活動を楽しんでくださる傾向があります。

そのため、グッズ、カフェ、アニメ、コミック、舞台なども当社の属する市場であり、その可能性は大きく広がっていると考えています。これらの市場に参入した結果、当社のMD売上高も右肩上がりとなっており、直近5年間でのCAGRは43.8パーセントとなっています。

当社の競合環境・ 競争優位性

当社の強みは大きく3点あると考えています。それは「高い内製化率」「ユーザー様目線を持つ社員比率の高さ」「ゲーム及びMD事業両輪での成長」です。これらの3つの強みについて、詳しくご説明します。

積極的な内製化等による高い売上総利益率

1つ目の強みである「高い内製化率」についてご説明します。当社では、開発部門を積極的に内製化しており、開発ノウハウの蓄積や、社内のコミュニケーションを含めた長期的な効率化につなげています。

そのような内製化をはじめとした取り組みの結果、直近2事業年度の売上総利益率は51.1パーセントと、競合他社様平均の30.8パーセントと比較しても高い水準になっています。

ユーザー様と近い視点での独自の企画・開発・運営力

2つ目の強みである「ユーザー様目線を持つ社員比率の高さ」についてご説明します。当社は、全社員のうち女性社員が7割以上で平均年齢が29歳と、女性が多く、若い社員で構成されていることが特徴です。社員がユーザー様と近い目線を持っていることで、流行が移り変わりやすいこの業界でもタイムリーにニーズを掴み、多くの女性にヒットする質の高い作品を企画することができています。

当社では、採用基準として「もっと、面白く」というビジョンとバリューへの共感を大事にしており、上場後も引き続き丁寧な採用活動を行っています。

このような組織の強みを最大限に活かしながら作品作りを行っていることで、当社作品はいずれもAppStoreなどのアプリプラットフォーム内で、ユーザー様より高い評価をいただいています。

ゲームとIP活用事業両輪での成長

3つ目の強みである「ゲームとIP活用事業両輪での成長」についてご説明します。さまざまな媒体で作品展開を行う当社のメディアミックス戦略により、永く愛されるIPづくりを可能としていることも当社の強みです。

その一例として、『スタンドマイヒーローズ』がアニメ化され、地上波で放映された時のデータをスライド右のグラフに示しています。アニメ化に伴い、ゲーム内での記念イベントの実施や、アニメ版キャラクターグッズの展開、カラオケやレジャー施設とのコラボも行い、アニメ化をゲーム内外の施策で盛り上げました。

その結果、アニメ放映前の前年同期間と比べ、1日に1回以上ログインされるユーザー様の数(DAU)が大きく増加する結果となりました。

成長戦略の進捗状況

今後の成長戦略について、あらためてアップデートした内容をお話しします。スライドは、上場日に開示した7つの成長戦略の進捗状況です。

今後の新規ゲーム&リニューアル展開

はじめに、今後の新規ゲームの開発スケジュールについてお伝えします。まず、今年の春頃を目処に、自社オリジナル作品である『&0』をリリース予定です。こちらは先ほどもお伝えしたように、探偵をテーマにした恋愛シミュレーションゲームです。

次に、2022年内を目処に『スタンドマイヒーローズ』のリニューアル展開を予定しています。以前より10年続くIPを目指して運営してきましたが、リニューアル展開により、末長く『スタンドマイヒーローズ』をお楽しみいただけるよう準備を進めています。

次に、フジテレビ様との協業案件です。フジテレビ様が制作するアニメ『永久少年 Eternal Boys』のスピンオフノベルゲームの開発を、当社が手がける予定です。2022年冬以降の作品リリースを目指しており、詳しいリリース日などについては詳細をお待ちいただければ幸いです。

これら以外にも新規タイトルの開発・検討を行っているほか、運営中のタイトルをコンシューマゲームへと展開することも検討しており、引き続き幅広く開発を進行していきます。

なお、リリース時期や内容については、ユーザー様にとって最も適切なタイミングでの開示と、作品のクオリティ追求を最重要視しているため、資料上は幅をもたせた表現をしています。

新規作品の開発方針の枠組み

新規作品の開発方針の枠組みについてご説明します。今後は、大きく分けて3つの枠組みでの作品制作を考えています。

1つ目は、比較的短期間の開発で、安定運営を目指す作品です。2つ目は、当社の持つノウハウを活かした、業績を牽引するような作品です。3つ目は、当社の強みを活かした上で新たな挑戦を伴うような、従来よりも開発に時間をかけて制作する、さらに大規模な作品です。

いずれの作品規模についても、開発ではクオリティを最重要視し、一つひとつの作品を丁寧に制作していきます。

新規作品の開発体制

そのような新規作品の開発において、人員増加と組織力向上により変わった点をご説明します。当社はこれまで、人員リソースの問題などで、新規作品開発を社内で複数本同時に走らせることが難しい状況でした。

しかし現在では、組織の増強と作品制作の知見が社内に蓄積されてきたことで、クオリティを担保したまま複数の作品開発を同時に進行させることが可能となっています。今後は、先ほどもお伝えしたような執行役員制度の導入も含め、さらにスピードをあげつつ、引き続き丁寧な開発を行っていきます。

他社様との協業や業務提携等による収益の拡大

他社様との協業についての話題に移ります。当社は今後、自社作品開発に丁寧に取り組むのはもちろんのこと、他社様が運営されている大切なIPを共同開発していくことで、よりスケールの大きい作品づくりを行っていきます。

また、IPを軸に幅広い事業を展開していくにあたり、必要な業務提携やM&Aなども検討しています。いずれも、ビジョンである「もっと、面白く」を実現し、上場後の成長角度をさらに大きくしていくための施策と考えています。

10年以上続く作品作り

続編展開についてです。当社2作目である『スタンドマイヒーローズ』のリニューアル展開が発表されるなど、10年続くIPとしての取り組みも、順調に進んでいます。当社の1作目である『ドラッグ王子とマトリ姫』は、今年で7周年を迎えます。

また、『スタンドマイヒーローズ』は1作目『ドラッグ王子とマトリ姫』の世界観を広げ、パズルゲームとして2016年にリリースしたものですが、お陰様で昨年9月に5周年を迎えることができました。新たな展開を行うことで、初期からのユーザー様にも、新規ユーザー様にもお楽しみいただくことを意図しています。

社内連携を駆使した自社MD展開

MDは、当社の売上高において年々着実に成長しており、今後もさらなる発展を目指しています。他社様にMD展開を一部任せつつ、モバイルオンラインゲームと同様にクオリティを最重要視した企画を自社主導で行っています。

MD企画の内製化や自社ECによる販売コスト削減により、高い利益率の実現に繋がっています。また、4月1日に予定している常設店舗のオープンは、当社にとって新しいMD施策となります。

メディアミックス事例

IPを軸としたメディアミックス展開について、当社は重点的に取り組んでおります。これまで『スタンドマイヒーローズ』のアニメ化、『魔法使いの約束』のコミック化、声優様を起用したYouTubeでの番組展開などに取り組んできました。直近では、舞台『魔法使いの約束』第3章の上演の決定や、テーマパーク「よみうりランド」様とのコラボを実現しました。

今後もIPを軸にユーザー様の多様なニーズに応えることで、作品の展開規模を大きくしていきます。

シナジー効果を生み出す 業務提携等を推進

メディアミックス戦略の1つとして、今後強化したいと考えていることは、成長を加速させるためのM&Aや資本業務提携です。業態は、まずはアニメ制作会社やグッズ制作会社など、当社事業の周辺領域をイメージしています。

当社のIP開発力やIP運営力が一緒になることで、強いシナジーを生み出せる業界を見極めます。まだ検討段階ですが、このような施策で当社のビジョンである「もっと、面白く」を実現した世界を目指したいと考えています。

世界のモバイルオンラインゲーム市場

続いて、「作品お届けエリアの拡大」についてです。現在は繁体字圏である台湾、香港、韓国でゲーム展開を行っていますが、今後はその範囲を、欧米や中華圏全土へ広げていきたいと考えています。

当社には外国籍の社員も一定数在籍し、ローカライズ専門チームも有しています。また、海外各国で、モバイルオンラインゲームの市場規模は拡大しており、女性ユーザー様の割合が高い傾向です。そのニーズをくみ取ることで、当社ヒット作品の再展開が可能になると考えています。

海外展開時のスキーム

現在検討している海外展開時のスキームを図示したものです。現在、中国政府のゲームに関する規制が強まっているという報道がありますが、現地ゲーム関連企業様と協業のうえ、適切なローカライズを行うことを検討しています。

一方で、当社内にローカライズチームを有していることから、今後は現地のパートナー企業様を介さず、自社で直接、海外現地のプラットフォームに作品を提供することも検討していきます。

欧米等への更なる海外展開

今後は北米などを含めた地域に当社作品をお届けできるよう、領域拡大を図っていきます。現時点では具体的な展開スケジュールをお伝えできず申し訳ございませんが、現地状況のリサーチを進めつつ、世界中のみなさまに当社作品を楽しんでいただけるよう、既にパートナー企業との議論を進めています。今後の展開にご期待いただければ幸いです。以上が、当社の7つの成長戦略の進捗となります。

2023 年 1 月期 IPO による 調達資金使途及び 主な積極投資計画

2023年1月期の積極投資計画についてご説明します。主に投資していくものは、リリース済み作品のゲーム運営費用、新規ユーザー様獲得を目的とした広告宣伝費、新規作品開発のための研究開発費、開発を加速させるための人材採用です。

業績予想が非開示のため、いずれの項目についてもレンジでの表記となりますが、特に研究開発費は、現在複数の新規作品を同時開発しているため、増加する予定です。なお、研究開発費の主な内訳は開発メンバーの人件費、外注費と家賃などの間接費です。

これらによりコストは増加しますが、パイプライン拡充期にある当社にとっては、事業戦略のための投資であり、さらに大きく飛躍するための布石であるとご理解ください。以上をふまえたうえで、上場時に開示したIPOによる調達資金の使途は、当初からの変更はありません。

あらためまして本日はお忙しい中、ご清聴いただき誠にありがとうございました。引き続き、企業価値の向上に努め、IPクリエイター&ディベロッパーとして、総合エンターテイメント企業として成長していきたいと思います。今後とも、株式会社colyをどうぞよろしくお願いいたします。