サマリー

鈴木基男氏(以下、鈴木):鈴木です、よろしくお願いします。今日は2020年8月期の第1四半期決算報告について説明します。

さっそく第1四半期のサマリーをお伝えします。第1四半期の事業報告になりますが、トピックスとしては売上高が前期比15パーセント減少しています。

主な要因は手帳です。国内での卸販路が大きく減少しました。前期は第1四半期中に「生活のたのしみ展」が開催されていましたが、今期は下半期に開催を予定しているといったことが要因となっています。

売上原価に関しては商品評価損等が計上されていて、原価率が上昇しています。販管費は人員増および個別販路での変動費の発生によって増加しています。これら全ては業績予想の範囲内であるため、業績予想の修正はありません。

第2四半期以降の取組みをトピックスとして簡単にご説明します。1つ目は主に中国大陸(の話)ですが、天猫国際において、手帳に限らずポーチなどの周辺商品、ギフトとしての提案や限定カバー等の取り組みを実施しています。

2020年の「生活のたのしみ展」開催予定が先週発表されましたので、その概要について簡単に触れさせていただければと思います。

1Qは減収減益ですが、未来の基盤固めとしての投資を継続しています。

まず計数報告です。第1四半期は減収減益となっていますが、糸井も決算説明会の場を通じて何度もお伝えしているように未来への基盤固めとして投資を継続しています。

内容を見ていきますと、売上高は20億800万円で、前年比では3億5,700万円ショートです。内訳を見ると「ほぼ日手帳」が13億8,300万円、前年比2億5,400万円のショートです。ほぼ日商品は4億8,300万円で、昨年からマイナス8,100万円です。

売上原価に関しては9億2,700万円で、原価率は46.1パーセントになり、前期比で約6ポイント弱増加しています。販管費は7億7,300万円です。営業利益は3億800万円となり、昨年同期比で60パーセント減の着地になっています。

売上高(の減少)については「ほぼ日手帳」の卸販路向けの出荷が減少していることと今期の第1四半期に「生活のたのしみ展」の開催がなかったことが大きな要因です。

販管費の増加に関しては人材の採用(が要因)です。経営の基盤固めとなる採用を計画どおり進めていることと、天猫国際等の販路が伸びていくにともなって関税や販売手数料が販管費として新たに発生していることが要因として挙げられます。

繰り返しになりますが、これらの結果は業績予想の想定の範囲内であるため、通期の業績予想に修正はありません。

卸売上が国内主要卸先で減少し、直販比率が8.6pt増加しました。

ブレークダウンして見ていきたいと思います。

販路について、具体的にはこのようなかたちです。国内の主要販路先で卸売上が減少し、直販比率は8.6ポイント増加しているという状況です。手帳の卸売上が昨年比で2億7,900万円、18.6ポイント減少しています。

一方で直販の部分に関して、国内ECおよび中国大陸での直販は好調に推移しています。「生活のたのしみ展」は直販に分類されていますが、「生活のたのしみ展」の開催がなかったためプラスマイナスの結果として微減になっています。

海外売上高は微減。アジア減、北中米で増加しました。

続いて、海外の状況です。海外の売上高は、トータルでは微減です。5億2,400万円となり、昨年から3,700万円ほど減少しています。

中国大陸向けの出荷は順調に推移しています。そのほかのアジア地域では出荷が減少していて、アジア全体としては2億6,500万円となり、昨年から5,400万円ほど減少しています。

北中米に関しては引き続き堅調に推移しており、1億9,400万円、前年比でプラス2,000万円になっています。

貸借対照表

貸借対照表です。例年、第1四半期は、9月から始まる「ほぼ日手帳」の販売に合わせて棚卸資産や仕入債務が大きく減少します。

当期は、例えば「ひきだしポーチ」やアパレル商材等々の在庫を増やしているため、棚卸資産の減少具合は多少緩やかになっていますが、おおむね例年通りの傾向が見られます。

ほぼ日手帳2020の販売が始まりました。

トピックスです。第1四半期ということで「ほぼ日手帳2020」の販売が始まっています。ラインナップとしては、漫画家の松本大洋さんやグラフィックデザイナーの仲條さん、といったクリエイターがデザインしたカバー等々が出ています。

当社の商品には1日1ページの手帳や「weeks」という週間手帳、そして5年手帳などがあります。それらの月間のバージョンを、新しい商品として2019年11月に発売しました。こちらは公式サイト等の直営店のみで販売しています。

「天猫国際」上で手帳2020の販売を開始しました。

「天猫国際」において手帳の販売を本格的に開始したのが2019年9月です。アリババグループが運営しているECプラットフォーム「天猫国際」で「ほぼ日手帳」の販売を開始しました。

9月2日を発売日としており、発売の初日には輸入の小型家電/輸入文具というカテゴリーの単日の売上において、このカテゴリー内でナンバーワンになるという好調なスタートを切ることができました。

10月にはTaobao社との戦略業務提携が実現できたため、今後はTaobao社が持つデータを用いたマーケティングや、ユーザー研究のノウハウ等々をフルに活用させていただき、展開を図っていく予定です。

ブランドの認知拡大にも注力しています。

引き続き中国の話になります。中国大陸では、手帳の販売ももちろん、ブランドや世界観といったものをユーザーにきちんと届けていくことを目指し、販路について大きく舵を切り替えているため、そちらの状況についてもコメントさせていただければと思います。

「天猫国際」では、画一的な販売という訴求ではなく、「ほぼ日手帳」の世界観であったり商品に込められたストーリーをユーザーがそれぞれ期待する価値に見合うように読み物コンテンツ等々を通じて丁寧に伝えていくことで、ブランドコミュニケーションを継続的に行っています。

結果として、SNS公式アカウントのフォロワーがすでに24万人を超えているなど、周辺のユーザーの方を増やせており、ダブルイレブンというスーパーセールの日でも一定の効果を出せたと思っていますが、すぐに売上を求めるよりは周辺(のユーザー)にしっかりと伝えてファンになっていただくところを丁寧に行っていくという、もともとしたいと思っていたことが着実に実現できていると思っています。

11月、渋谷PARCOに2店同時出店しました。

2019年11月には、渋谷PARCOに2店舗同時に出店しています。このようなかたちで出店するというお話はしているかと思いますが、11月に実際にオープンしました。

8階はイベントスペースで、こちらは「ほぼ日曜日」ですが、こけら落としとしては「アッコちゃんとイトイ。」というイベントを行いました。また、矢野顕子さんによるライブ等も行っています。

4階はファッションフロアですが、こちらでは「ほぼ日カルチャん」という名前で展開しています。東京の文化案内所として、そのときによって美術館、映画館、演劇などをご案内し、グッズやほぼ日の商品を販売します。こちらも好調にスタートしています。

「天猫国際」での限定アイテムやラインナップ拡充

続いて今後の取組みについて、簡単にお伝えします。「天猫国際」についてです。「天猫国際」限定カバーを出したり、手帳と手帳カバーが主な商材だったところに、アイテムのラインナップ拡充という意味で今後は「ひきだしポーチ」も追加していきます。

さらに幅を広げていければとも考えていますが、今のところはそのようなかたちで順調にラインナップを増やしています。

「生活のたのしみ展」、2020年は3回開催します。

「生活のたのしみ展」についてです。2020年は3回開催します。1回目は東京・丸の内で、3月に開催します。これはファッションを中心とした、ファッションの「生活のたのしみ展」といった色合いのものになる予定です。

2回目は6月で、こちらは新宿にて開催します。現在、新宿住友ビルが改築されていますが、(改築後の)三角広場のオープニングイベントとして「生活のたのしみ展」を開催します。

スライドには「史上最大規模での開催を予定」と書いてありますが、これまで開催してきたものの2倍、もしくはそれ以上の広大な面積を持つ三角広場という柱もなく大きく広がったスペースをフルに使って開催します。現在、着々と準備を進めています。

3回目は10月に開催します。事業年度としては来期になりますが、10月には九州の福岡にて「生活のたのしみ展」の開催を予定しています。

2020年は、これら3回の「生活のたのしみ展」を開催します。(今期は)1回目と2回目が下半期に開催されるため、売上等々の動きは変わってきているという状況になっています。

第1四半期決算の説明は以上です。

質疑応答:ほぼ日手帳販売数の減少要因について

質問者1:ご説明ありがとうございました。まず「ほぼ日手帳」の減少要因についてです。5年手帳が初年度ではなかったり、「生活のたのしみ展」での直販がなかったりなど、いろいろな要素があるとは思いますが、できればどの要因が大きかったのかなど、影響の大きさも含めて教えていただければと思います。

鈴木:手帳の種類ごとでいいますと、例えば週間タイプの手帳は昨年並みで動いていますが、およそ全体的に減少する動きになっています。どちらかと言うと、国内における主要の卸先への出荷が鈍かったことが(大きな)要因だと考えています。

質問者1:わかりました。ありがとうございます。続いて、PARCOについてのご評価をおうかがいしたいです。前回の説明会では「想定もしないようなことが起こるのを期待しています」とおっしゃっていましたが、現時点ではどのような感触を持っていらっしゃるのか、お願いします。

鈴木:(PARCOでの出店が)始まったばかりと言えば始まったばかりなので、これから試行錯誤することになると思っています。まだ言えませんが、けっこうダイナミックに動かし始める部分は出てくると思っています。

一方で、当社の特徴でもあると思いますが、売上にすぐつなげることより、場に集ってくる人や、そこで一緒に取り組んでくださる人を一緒に取り組んでいっていただけるようにするための活動が非常に多く、(今後は)その色合いの強い活動が増えるとは思っています。

質疑応答:中国市場での活動における課題

質問者1:ありがとうございます。続いて、海外について、「天猫国際」を含めた中国について、現時点でどのような課題をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。意識されている部分や、途中で出てくる課題などもあると思います。

鈴木:そうですね、どうしても商品を通じて(の接触)が強くなってしまうと、当社ほぼ日が持つ背景の部分やブランドが置き去りにされてしまうため、それが進んでいってしまわないようにと(考えています)。

「おしゃれな服がありますよ。買ってください」といったことではなく「この服は、誰が、なぜ作り、どうしてこのような形になっているのか」という背景をきちんと伝えていく必要があるため、服があるから売ろうというわけにはいかない部分があります。

今回、販路を大きく切り替えて、市場ときちんとコミュニケーションを取っていこうと考えているなかでは、そのあたりを丁寧にこなすことを重要視しています。

今のところは非常によく対応できていると、自分たちでは思っていますが、これを継続していくことが大切だと思っています。

質問者1:ありがとうございます。最後に「生活のたのしみ展」について、博多で開催されるというお話でした。遠方での開催は運営面のハードルが高くなることが心配になってしまうのですが、どのようなご認識でいらっしゃいますでしょうか?

鈴木:詳細は言えませんが、うまくこなしますということになります(笑)。

質問者1:わかりました。どうもありがとうございました。

質疑応答:手帳の卸売上額減少の原因について

質問者2:よろしくお願いします。前の質問と重複する部分がありますが、手帳の売上は卸売先が減ったことによって減少したということでしたが、これには意図があるのでしょうか。直販が第1四半期で伸びていますので。

もし意図がないのであれば、どういった理由で卸先への出荷額が減少したのか教えてください。

鈴木:弊社の手帳の主な卸先はロフトさまです。ロフトさまの事情であるため、ここでは答えを控えますが、ロフトさまの戦略の変更(による影響)が大きいと思っています。

質問者2:では、意図したものではないということでしょうか。

鈴木:当社で意図したものではございません。

質問者2:ほかの商材も育ってきている状況ではあるとは思いますが、まだまだ「ほぼ日手帳」が御社の業績の屋台骨を支えている部分だと思います。(卸売額が)減少しているということに対して、どのように手を打つお考えなのか、お聞かせください。

鈴木:「ほぼ日手帳」というものももちろんですが、その手帳の世界観の中にある「考え方」(が重要です)。手帳を売っているというよりは、「生きる」ということを自分で振り返ったり、友人に紹介したりといったことをしながら、「生きる」ことを肯定的に捉えて、「いいね」と思うような時間を増やしていくということを手帳を通してお伝えしています。

そのようなことを「いいね」と思う方の数は、(今までは)国内において右肩上がりでしたが、(現在は)一度踊り場に到達したのかと(思います)。

ただ、手帳で(そのような時間を増やすことを)実現するという部分に関してはそうなのかもしれませんが、「ライフ」というものを捉え、豊かに暮らしていくという部分では、新たな商材の展開ということが1つあります。

また、先ほどから中国について話していますが、海外においてももっとその部分を訴求していくということで、いわゆるこの「ライフ」を考えるジャンルはまだ伸ばしていけるかと考えています。

質疑応答:「生活のたのしみ展」の年間開催数が3回であることについて

質問者2:ありがとうございます。あともう1点、「生活のたのしみ展」を年に3回開催するのは2020年が初めてでしょうか。

鈴木:これまではだいたい年度に2回程度の開催だったため、1年間で3回の開催は初めてです。

質問者2:先ほどの質問にもありましたが、これは大変手間のかかるプロセスだと思います。あえて年に3回開催しようとお思いになった理由について教えてください。

鈴木:当社としては、いろいろなかたちで挑戦していきたいという部分はあるのですが、「生活のたのしみ展」はあくまで場所とタイミングが合ってはじめて開催が可能になるので、この3回はどれもご縁による部分が大きくあります。

そのご縁と開催の間隔によって、開催できるかできないかを判断し、開催するか開催しないかが決まります。

非常にコストがかかり、大変であるという部分はもちろんありますが、イベント単体での損益・収支というよりは、このイベントを通じて出会えた人たちとの繋がりや、その後のコラボレーションなどが当社にとって大切だと考えています。

もちろん赤字になってまで開催するということではありませんが、そのような範囲で開催しているということです。その場所で開催するからこそのテーマや、誘致してくださる方々とのご縁があってこその「生活のたのしみ展」です。

どうしても年に3回開催したいから開催するというよりは、以上のようなご縁があったためこの1年間で3回することになったというのが正直なところだと思います。

質問者2:ありがとうございます。

質疑応答:在庫の評価減について

質問者3:まず在庫について、在庫の評価減はいくらぐらいありましたか。内容は2020年の手帳ですか、2019年の手帳ですか。

また、短信を見るとアパレルについての記載がありました。御社はアパレルを自社で取り扱っていましたでしょうか。腹巻きやTシャツのことなのでしょうか。御社の在庫管理はどのようにおこなっていますか。

鈴木:中身に関して、具体的な数字は控えますが、主に2019年の手帳カバーです。アパレル系については、当社は仕入れて販売しているものがほとんどであるため、仕入れた部分の残りです。

アパレル雑貨の部分に関しては、表現が難しいですが、発売してすぐに売り切れてしまうという売り方から、いつもある程度は店頭に商品があるような売り方に移行している最中です。

ここ1年ほど継続してお伝えしているとおり、評価減のロジックを変えていないため、移行にあたって長期的に販売できる商材は変更していないロジックでは落とすしかないということがあります。

そのような状況で、アパレルや雑貨など、変更していないロジックにより落ちているという部分がそれなりにあるという状況です。

在庫管理をどのように行っているかについてです。各商材、ブランドにどれぐらいのユーザーさまが付いていて、どれぐらいの方が買ってくれるのか、これまでの売り方ではすぐ売り切れてしまうため、それらの最大数がわかっていませんでした。

現在は在庫を厚めに持つことで、そのあたりが見えてきつつあります。今後はこれらをさらに活用し、これまでより需給の予測精度を上げながら在庫を管理できると思っています。

質問者3:わかりました。アパレルなどにおいて、仕入れのロットと販売のロットは大体の間尺で合うのでしょうか?

例えばビームス(といった大手アパレル)のようなところだと、「1,000個がロット単位だから800個はダメ」と言われて、結局1,000個仕入れる、そういったことなどはあるのでしょうか。

鈴木:そのようなことは今の所あまりありません。どちらかというと、手が込んでいて、思いが非常に込もっている生地などといった商品を対象にしているため、なかなか大量に作れない商品が多くありました。

質問のように、圧力によってたくさん在庫を持っているといったことは基本的にはないというのが現状です。

質問者3:わかりました。(2019年の手帳カバーの)教訓によって、2020年の手帳カバーは過剰な在庫を持っていない状態と思ってよろしいですか?

鈴木:そうですね、そこまで残って終わるような仕入れ方はしていません。

質問者3:ロフト(からの受注が)落ちても、2020年の手帳カバーはそこまで在庫が残らないということですか。

鈴木:そうです。ロフトさまからの受注はもっと前の段階で数字が出ているため、その数字を見てから最終的な数字を決められる時間感で動いており、その影響はありません。

質疑応答:人件費による販管費の増加について

質問者3:安心しました。あと、人材の強化により、販管費、とくに人件費が増えていますが、どのようなスキルセットの方を採られたのですか?

鈴木:他分野に渡って採用しているため、これというものはありませんが、例えばプラットフォームビジネス部を新設しています。

ほぼ日刊イトイ新聞およびその周辺のアプリやコンテンツを統合してプラットフォームとして見ていくときに横串できちんとシステムを見ることができる人材や、中国での活動を広げていくための人材などです。

変な話ですが、これまで当社には営業の人間がいなかったのですが、商品やコンセプト、コンテンツをきっちり届けていくということに関して、これまでは集まってきてくれる人たちに届けるということで実現していました。

集まってこない人たちに呼びかけに行くという意味で、営業の方を迎えて力を入れていくなど、多岐にわたり、ポイントとなるような人材を集めています。

質疑応答:ほぼ日曜日について

質問者3:まだ数回しか見てないのですが、PARCOのほぼ日曜日を見に行くと「人がいないじゃないか、壁に絵がかけてあって500円、見る人はいるのだろうか」と思います。

固定家賃かどうかは知りませんが、ほぼ日曜日はイベントがある場合とない場合とで(動員が)大きく異なるのですね。費用は重くありませんか?

鈴木:結論から言いますと、非常に良い条件で出店させていただいていますが、確かに8階のスペースを定常的に盛り上がるようにしていくのは課題の1つになっています。おおよそこのかたちでいこうというプランはできているので、あとはいかに実行を早くしていくかにあります。

質問者3:ありがとうございました。あそこ(ほぼ日曜日)でIRミーティングが開催されるなら参加します。

鈴木:わかりました。ありがとうございます。

質疑応答:売上に占める手帳の割合について

質問者4:今、売上に占める手帳の割合は6割ぐらいかと思われますが、「生活のたのしみ展」を増やしたり、いろいろな商材を増やしたりして、中長期的にはおそらくこの割合を下げていかれると思います。このあたりの計画はいかがでしょうか。

鈴木:基本的には「ほぼ日手帳」への依存度を下げていくことを考えています。ほぼ日商品として、それを通じて当社が提案したいような良い時間を感じることができるようなものを広げていき、「ほぼ日手帳」の依存度を下げていこうとは考えています。

質問者4:何年までにどれぐらい下げるかというような数値目標はありますか?

鈴木:数値の目標は置いていません。

質問者4:ありがとうございます。

質疑応答:国内でのほぼ日商品の成長について

質問者5:よろしくお願いします。業績だけを拝見すると、ほぼ日が作り上げる世界観のファンの方は実は取りきってしまっていて、伸び悩んでいる(のではないかと思います)。海外などが入ると議論がややこしくなりますが、国内ではもういいところまで到達したのではないかと考えられる決算になっていると思います。

これに対して、御社は「ほぼ日の場に集まっている人」をどのように定量化して捉えているのでしょうか。実はここはまだまだ大丈夫だ、といった情報があれば教えていただきたいと思います。

鈴木:当社が提唱していることとして、基本的に「ほぼ日は普遍的なものである」と思っています。今ご質問いただいた部分は、このタイミングでは売上になっていないと考えています。

確かに、モノを所有するというかたちでの消費に関して、とくに若年層についてはどこまで浸透するか見えないところであるとは思っています。

一方、いわゆるイベント的な催しやコンテンツではそのような部分がなく、盛況しているという部分があります。絶対数が減っているというよりは、使い方やコンテンツを楽しんでいただくという方法で、現在中心となっているお客さま方以外にどのように広げていくかが これからの課題であるとは捉えています。

質問者5:例えば、定量的に示していただけるものは(ありますか)。御社内ではどのようにモニタリングされているのでしょうか。

御社においては、場に人が集まるということがビジネスの起点となっているかと思います。そもそもどれほどの人数が集まっているのかが見えないと、トップラインだけを見た場合にもう飽きられてしまったようにしか見えないと思います。そこはどのようにモニタリングされてるのでしょうか。

鈴木:コンテンツに対して、どれぐらいのユーザーが見ているか、それにともなった商品の販売がどの程度動いているか、例えば「生活のたのしみ展」を開催した時のレジの回転数が実際にどれくらいだとかといった数字を見ています。

また、イベントの参加者数や、全体のPVを見ていくという部分もあり、そこは横ばいだったり減ったり増えたりしています。

PVがあるから(集まっている人が)増えている、ないから減っているということだけでもないと考えているので、そこを至上の命題としてしまうと危ない部分はあると思っています。

それは1つの参考データという位置付けなので、数字で捉えられる部分以外は、それこそ「生活のたのしみ展」やイベントで接したお客さまの熱量など(でモニタリングします)。

また中国に関しては、SNSへのエンゲージメント指数などを総合的に勘案して改善に取り組みます。

質問者5:ありがとうございます。

質疑応答:今回発表がなかったコンテンツについて

質問者6:今回は「ほぼ日のアースボール」や「ほぼ日の学校」についての発表がありませんでしたが、なぜでしょうか。

鈴木:(それらの発表は)毎度のことになってきているかと思っており、とくに第1四半期と第3四半期では(説明を)決算説明会でお伝えするべき点に絞って簡素にしています。

一方、年度の発表などといった場所でしっかりとご説明できればと考えています。

質問者6:2点目は「生活のたのしみ展」についての確認です。前回は丸の内で5日間開催されましたよね。今回は3日間の開催予定です。それはなぜでしょうか。また、面積や出店数的に規模はどうなっていくのでしょうか。

鈴木:概観としては、小さめの開催です。前回の「生活のたのしみ展」のメイン会場であったマルキューブで開催するため、少し小さめになりました。

新宿での開催に関しては、恵比寿で開催したときの約2倍の面積で開催します。期間も7日間で、これまで経験したことのないサイズです。

質問者6:新宿は三角広場全部を使うのですか?

鈴木:新宿住友ビルのリニューアルがありました。全天候型でガラスアーケードを貼って、エリアをすべて使います。

質問者6:確認ですが、博多は以前の梅田での開催のような巡回展という位置づけではないのですね。

鈴木:そうです。

質問者6:わかりました。ありがとうございます。