2019年12月期第2四半期 決算ハイライト

池内比呂子氏:テノ.ホールディングスの代表をしております池内でございます。本日は私どもの決算説明会にご参加いただきまして、心より感謝を申し上げます。

私どもは2018年の12月に上場いたしまして、第2四半期が終わったところでございます。当四半期は私どもが初めて経験するほど株価が下がったなかでの説明会でございますので、私としてはしっかり会社の説明をしてまいりたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。では、スライド資料に沿ってご紹介させていただきます。

社名についてでございます。私どもの会社は、もっと愛情を、もっと安心を、この「手の」ぬくもりまでも伝えたいということで、社名を「テノ.」ホールディングスといたしました。よろしくお願いいたします。

決算ハイライトを簡単に説明して、そのあとに会社概要等の説明をさせていただきたいと思っております。

第2四半期が終わって、売上高は50億1,000万円でございます。当四半期の営業利益が2億4,300万円、経常利益が2億3,300万円、四半期純利益が1億4,900万円ということで、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては前年同期比でプラス173.2パーセントとなっています。予算は66.5パーセント達成している状況でございます。この中身につきましては、のちほど詳細を説明させていただきたいと思います。

私どもの会社の事業内容等の詳細を説明させていただいたのちに、先ほどの決算の概要をもう一度お話しさせていただきます。その後に私どもの会社の特徴と強み、今後の成長戦略についてお話しさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

会社概要・グループ概要

ご存知のように私どもの本社は福岡にあり、東京本部、沖縄、大阪で事業を展開しております。

テノ.ホールディングスの下に連結子会社テノ.コーポレーションとテノ.サポートがございまして、テノ.コーポレーションは認可の保育所を主な事業としております。一方、テノ.サポートは受託保育事業ということで、事業所内保育所、院内保育所などが主でございまして、のちほどこの詳細も説明させていただきます。

沿革

私どもの会社は、1999年に博多区で私一人でスタートした会社でございまして、今期でちょうど20年目でございます。ベビーシッターサービス、ハウスサービスから創業いたしまして、おかげさまで創業以来19期連続で増収している会社でございます。

女性が育児をしても、家事をしても、介護をしても、働き続けられる社会をつくりたいという想いをもって、この会社をスタートしました。

最初は、福岡では1,500円のベビーシッターを使う方は富裕層の方しかいなかったのですが、女性たちが安価な料金で保育が使える仕組みをつくりたいという想いで、第一交通産業さん、西日本鉄道さん、国立病院など、国や企業をなんとか巻き込み連携し、福利厚生の受託を受けながら会社を拡大してまいりました。

東京本部をつくったのが2009年、スライドの真ん中ぐらいの時期でございまして、それまではずっと九州だけで事業をしておりました。私どもは九州で培ったノウハウをもって2009年に東京に進出し、そこから東京の認証保育所、認可保育所、そして大阪支店を開設いたしました。おかげさまで成長を続け、2018年12月に上場いたしました。

(テノ.ホールディングスは)ちょうど5年ほど前に私の自己実現のためにスタートした会社でございますが、(事業を)継続するうちに、私たちの事業は世の中の役に立っていると(実感しました)。私たちの会社が成長すればするほど、さらに女性たち、子どもたちの役に立つ会社をつくり続けたいという想いが(強くなりました)。

このように世の中の役に立つ事業を100年継続できる会社をつくりたいという想いにより、事業計画をたてる時にみんなで話をして、しっかりした、継続する会社にしたいという想いで上場の準備をして、2018年に上場したという次第でございます。

テノ.ホールディングスの経営陣 (2019年3月27日現在)

私どもの経営陣で他社さんと大きく違うのが、フロントが女性であることでございまして、男性陣に脇を固めていただいております。

【公的保育事業(売上高全体の60%程度を占める)】

先ほどテノ.コーポレーション、テノ.サポートの事業、保育所のお話をさせていただきましたが、もう少し詳細な説明をさせていただきます。

私どもの売上の60パーセントが認可の公的保育事業でございまして、ブランド名は「ほっぺるランド」でございます。ビジネスモデルとしては、国から認可を受け補助金をいただいて、保育所を建てて保護者のみなさんに保育サービスを提供し、保護者のみなさんは国や自治体に申し込んで保育料を払う、といったビジネスモデルでございます。

公的保育事業の収益モデル

(スライドを指して)こちらが収益モデルでございます。例えば東京で定員100名の保育所でしたら、初期投資は3億1,000万円ぐらいかかりますが、国・自治体からの補助金が2億5,000万円ほどございまして、実質的には私どもは1ヶ所開設に自己負担が6,000万円かかります。

私どもは補助金を圧縮記帳しておりまして、経常利益の下でしておりますので、決算上は出てきておりませんが、1園開設するごとに(補助金が)発生しております。

スライドの右側は売上推移のイメージでございます。100名の保育所でございましたら、だいたい1億8,000万円ぐらいの売上でございます。マックスがちょうど3年目でございまして、1年目、2年目の売上が70パーセント、80パーセントです。保育園に入園するのは3歳児以下の子どもですが、0歳児から5歳児までの間で年々進級するため、最初は7割、8割(の売上)でスタートする事業でございます。

初期投資はございますが、非常に継続的で収益が上がる事業だと思っております。

【受託保育事業(売上高全体の35%程度を占める)】

私どもは受託保育事業ということで、事業所内保育所と学童保育という事業をしており、私どもの売上全体の35パーセントぐらいでございます。

こちらは先ほどのように初期投資してつくるのではなくて、持たざる経営ということです。事業所、企業さまがつくりたいという保育所は、事業所さまは国から補助金をもらってつくられます。私どもはその施設を提供していただくなかで保育サービスを提供し、委託料をいただくという仕組みでございます。

そういう意味では、設備投資の負担がないなかで、経営の自由度及び資本効率が高い事業でございます。

受託保育所の収益モデル

こちらが収益モデルでございます。定員30名で、福岡の単価でございますが、委託単価は1人当たり入れる1時間単価の稼働時間でいただくということで、年商としてはだいたい3,000万円ぐらいの事業でございます

【その他(売上高全体の5%程度を占める)】

今お話ししましたのが私どもの保育所の事業の柱でございまして、それ以外にマザーリングサービスやベビーシッターサービス、人材育成サービスなどの売上が5パーセントでございます。

先ほどご紹介いたしました保育所の柱の2つとこれらの事業が、私どもの全体的な事業でございます。

運営施設数の推移

こちらのスライドは運営施設の推移を書かせていただいておりまして、2019年6月末で255ヶ所でございます。一番下が少しずつ伸ばしてきている認可保育所で、ピンクのところが事業所内保育所、その上が学童、一番上がその他でございます。

今回、数が2018年より少し減っているのは、お子さま、保護者がいらっしゃる事業でございますので簡単には閉園はできませんが、2年ほど自治体さまとお話し、クライアントさまにご相談、値上げ交渉などをしながら、採算性が悪い部分を閉演したのが現状でございます。

2019年12月期 第2四半期業績推移について

そういったなかで、ここから決算概要を説明させていただきたいと思っております。

今回、売上高は先ほどご紹介したとおりで、施設数としては251ヶ所が255ヶ所に増えたことと、既存保育所の在籍児童数の増加が貢献した状況でございます。

営業利益は、売上対販管費率が大変下がりまして、そういう意味では大変利益率も高くなっています。

セグメント別【公的保育事業】

このスライドは公的保育事業の詳細でございます。もちろん売上も利益も上がっておりますが、売上につきましては今期は新規開設の施設は1ヶ所でございまして、逆に不採算施設の3施設は終了しました。

既存の保育所の在籍数において持ち上がった部分の売上が成長したこと、2018年に比べて、実質的に初期投資がかからなかった部分、不採算の3施設の終了などにより収益も上げることができております。

セグメント別【受託保育事業】

受託保育事業は、こちらも前期に新規受託した部分、今期受託した部分が伸びております。こちらも一部、採算性の低い施設につきましては受託契約の見直しをしました。前期に比べ開設した施設が少なかったが、利益は上げたという状況でございます。

営業利益増減要因

このスライドには私どもの営業利益増減要因を書かせていただいておりますが、基本的には経費が大変削減できました。

詳細を説明しますと、私どもの会社は毎年4月に4ヶ所以上開設いたしております。ご存知かと思いますが、2018年に上場が少しズレたことがあって、開設が期ズレしております。そのために実際は4月のオープンが1ヶ所だったということがございます。

そういった部分で、私どもは採用コストが一番かかるわけでございますが、コストダウンができており、大変利益も上げられる状況でございます。

四半期毎の業績推移について

私どもの第1、第2、第3、第4四半期のトレンドを少し説明させていただきたいと思います。

今回、営業利益率が第1四半期に比較して少なかったというご意見がございます。しかし、私どものトレンドで言うと、実は第2四半期は利益が一番上がらない時でございます。

それはどういうことかというと、4月にかなり保育所がオープンするなか、既存の先生たちが辞められるのもだいたい3月です。4月に新規採用をするということで、採用コストがかなりかさむ時が第2四半期でございます。

売上は順調でございますが、私どもの利益のトレンドについては、四半期のなかで第2四半期が一番利益の悪いところでございますので、今回は大変順調に利益を上げてきているのかなと思っております。

利益配分に関する基本方針

今回の利益配分につきましては、年間配当15.6パーセントということで、予想では8円でございます。

コア・コンセプト~ライフステージとサービススコープ

ここからは、テノ.ホールディングスの特長と強みについて説明させていただきたいと思います。

冒頭にもお話ししたとおり私どもの会社は、女性が育児をしても、家事をしても、介護をしても、働き続けられる社会をつくるということがコンセプトでございます。現在は主力事業である出産、育児のところに注力しているところでございます。

その理由は、そのような社会が今の世の中で一番必要とされていると思っているからです。私どもは女性が結婚し、出産し、育児し、といったすべてのライフステージを応援していきたいと考えております。

そういう意味では、結婚して夫婦で共働きされるとハウスサービス、子どもができましたら子育ての支援、子どもが成長してきたら今度は介護が必要になります。そういった女性のライフステージを応援していきたいと思って事業をしております。

とくに保育事業に関しては、みなさんも自分の子どもを預けるところについてすごく心配になりますし、そこで信頼を得たら、子どもの時に保育園でお世話になったテノ.さんですねということで、いろいろなかたちで事業を拡大できます。私どもは将来このような部分にも大きく注力していきたいと思っております。

テノ.ホールディングスの「特長」と「強み」

私どもの特長と強みでございますが、なんといってもフロントは女性と言いましたとおり、女性が真ん中に立って、どのような保育事業に取り組もうか考えているということでございます。

保育事業についての強みを1つお話ししますと、保育所というのは、まずは子どもたちのためにあって、そのうしろに保護者がいるわけです。そういったなかで、私どもの会社は子どもたちへの理念と、お母さんたちへの理念を持って事業をしております。

特長と強み① 女性目線~本物の保育

このスライドは私どもの保育園の子どもたちでございますが、子どもたちが将来、本当に生まれてきてよかったと思っていただけるような子育て支援が必要です。

保育というのは、保と育でございますので、守り育むというのが私どもの仕事でございます。保護者のみなさんはやはりリトミックや英会話などを好まれますので、もちろんその辺りも入れますが、基本的には保育課程から長期的指導計画、短期的指導計画、プライベートカリキュラムまで、一人ひとりの子どもに落とし込んでいくのが大変重要だと思っております。

私どもが取り組んでいるのは、子どもたちにたくさんいろんな経験をさせることです。子どもたちは体を使い、頭を使い、人との関わりのなかで育とうとする力があります。もちろん危機管理も重要でございますが、園としては、愛情を持ち、いつも子どもたちの横で、さらにはうしろで、「大丈夫よ」と支えていくのが保育士である、と考えております。

特長と強み① 女性目線~子育て支援

今度は女性目線の子育て支援です。昔は女性の仕事というと家事や子育てでしたが、今の女性たちに「仕事はなんですか?」と聞くと、社会で働く仕事プラス子育て家事になります。女性たちがどんどん社会進出するなかで、環境が付いていかなければ、女性が大きなストレスを抱えてしまいます。

女性たちがストレスを抱えないで子育てができるように支援していきたい。そういう意味で、お母さんたちが職場の顔から家庭の顔に変われるような保育士を作っていきたいと考えています。

1つ事例を申し上げます。夕方になると、私どもの保育園は小さなおにぎりを子どもたちに差し上げます。これはお母さん、お父さんと子どもが家に帰ったときをイメージして行うサービスです。家に帰ったあと、お母さんが夕飯の用意をしているときに、子どもが「お腹空いた」と泣かずに待てるように間食のおにぎりを提供しています。そしてお母さんが気持ちよく食事を作り、楽しく食卓を囲み、翌朝また元気に保育園にくる。

そういう意味では、子どもだけじゃなく保護者を含めて24時間寄り添う子育て支援が、女性目線の保育所の運営であると私どもは思っております。

特長と強み② 多様な子育て支援・多様な働き方

2番目の強みをお話いたします。私どもは、保育所以外に多岐にわたる子育て支援をいたしておりますが、そのなかで多様な働き方もあります。

とくにこれは福岡のビジネスモデルではありますが、私どものところでは正社員・パート・派遣、私どもの保育所、派遣の保育所など、いろいろなところに働く場があります。女性のライフステージを応援するのは、私どものクライアントさんに対してだけでなく、当社で働く女性たちも子育て中でありますので、月1回ベビーシッターでいけますか、子育てが終わって逆にお金がかかる時期であれば、正社員でもう1回常勤で働きますか、といった選択肢をたくさん持っております。

私どもには登録の仕組みがございまして、先生たちを管理しながら行っているのが私どもの事業でございます。これは福岡での仕組みであって、東京ではやはり紹介会社を使いながらの業務が大変多いです。

本社が福岡にある強みは、九州からそういった先生たちを東京に連れてくることで、3年限定で首都圏に(人材を)派遣できることです。

地方では、若い人たちは東京に行きたいと思いますが、ご両親からすると福岡に帰ってこないかもしれないとご心配になります。(当社の仕組みなら)東京でも仕事ができますが、福岡でも認可保育所はあって、いつでも働けます。

先生たちを東京、あるいはいろいろな地方にお連れするにあたり、先生たちの管理は事業(の一つで)、福岡に本社があることの1番の強みであります。そこをしっかり活かしている会社でございます。

特長と強み③ テノスクール(tenoSCHOOL)

3番目の強みでございますが、私どもはスクールを経営しておりまして、最初は「ベビーシッター養成講座」からスタートします。

事実、最初にベビーシッターを開始したときにお電話で「いくらですか?」と聞かれます。次に聞かれるのが「どんな人を派遣していただけるんですか?」と聞かれます。私どものスクールの「ベビーシッター養成講座」を卒業した人が当社のベビーシッターです。

2005年からスクールを経営しておりまして、保育士の養成講座・小児応急、今は自治体さまの子育て支援委員等の育成もやっています。これが私どもの就職にも関係してきますし、何よりも私どもはスクールのノウハウを私どもの保育園の現場の研修に活かせるというところが、他社さんとの大きな違いです。同業のなかでニチイ学館さんが通信でされている以外は、(スクールを持っているのは)たぶん私どもだけだと思います。

3つの強みとして、女性目線の事業があげられます。売上的には東京が大きいですが、九州が本社で人材を福岡から持ってこれるのが当社の強みです。もう1つ、私どもはスクールを経営していますので、これが私どもの人材を育て、保育の質を向上させる仕組みであると思っております。

特長と強み④ 公的保育所と受託保育所を両輪で展開

福岡で創業しまして、東京・大阪と事業を拡大しております。実質的に東京のほうが大変拡大しておりますが、福岡はアジアも大変近いため、東京の目線とアジアの目線で事業を展開していきたいと思っております。

事業環境① 待機児童の現状と待機児童解消に向けた取組

今後の成長戦略について説明させていただきます。事業環境について、ご存知のように国は待機児童解消に向けた取り組みを続けています。

2018年には待機児童が減っておりますが、ご存知のように2019年10月から無償化がスタートするため、待機児童もまた増えていくと予想しております。

事業環境② 全国待機児童マップ(2018年4月1日)

このスライドは全国の待機児童マップでございまして、赤いところが東京です。私どもは待機児童が大変多いところに注力してビジネスを行っている会社でございます。

事業環境③ 人手不足と女性の社会進出

こんなに保育所ができていて、しかも少子化が進んでいるのに、なぜ待機児童が減らないのかについてです。

実は、(少子化の進行スピードよりも)女性の社会進出スピードの方が早いのです。そのため、女性の社会進出に保育所が追いつかない現状があります。安倍政権になって実際目標値は80パーセントですので、まだまだ保育所が必要です。

事業環境④ 女性の社会進出による保育所ニーズの高まり

私どもがよく聞かれるのが「保育所はいつまで成長すると思いますか?」というご質問です。私どもも、いつもなんの根拠があってまだまだ大丈夫ですと言っているのか、いろいろリサーチいたしました。

36ページは日本総合研究所の提出した資料で、2040年までの保育人数でございます。左は今の出生率と就業率で、そのまま進むとこの表のようになるということです。もっともっと女性が働き出して、先ほど言ったように80パーセントまでいったら、ここまでニーズが高まる、というのが右の表です。

中身ですが、中段は3~5歳児(保育園)で、グレーは3~5歳児(幼稚園)です。みなさんが見てわかるように、赤いところの0~2歳児はずっと伸び続けています。

何が下がっているかと言うと、実は幼稚園が減ってきています。みなさんご存知だとは思いますが、幼稚園は親が働こうが働くまいが預けられる教育部門に近いため、どちらかというと文部科学省の担当です。

保育園は厚生労働省が作っていまして、保育にかける子どもたちを預かるところです。子どもの数が減り、実質的に幼稚園の数が減ることがあっても、女性たちが社会進出する限り、まだまだ保育園は伸び続けます。そのため、私どもといたしましては、まずなんと言っても保育所に注力していきたいと思っています。

2019年12月期 ①公的保育事業の新規開設拡大

とくに待機児童が多いのは東京です。待機児童が多いところに注力し、手厚い補助金があるエリアで行うことを考えると、やはり東京23区です。

現在、基本的にエリア沿線に絞り込んで面で展開しています。面の効率化もありますが、私たちは先生たちを扱っているということもあります。先生たちの辞職率のなかで大きな要因が現場の人間関係です。A園ではうまくいかなかったが、B園ではうまくいっているというような先生たちが、離職せずに当社で働いていける仕組みを作っています。

2019年は1ヶ所の開設でございましたが、2020年からは7ヶ所解説する計画で今後も作り続けたいと思っております。

2019年12月期 ②受託保育事業の新規受託拡大

受託保育保育事業についてです。もちろん待機児童解消もありますが、どちらかというと、受託の保育事業はクライアントさんが自社の福利厚生を手厚くし、人手不足のなかで働く人たちを集めるために作る保育所です。

東京も人手不足でございますが、地方も大変な人手不足で、今後もニーズが高まっております。とくに東京では認可保育所に注力していて、地方では受託保育事業に大変注力しております。

東京では通勤でお子さんを連れてくる、家の近くに預けるというのは私どもからするとすごく大変かなと思います。ですので、認可のほうが適しているのかなと考えています。

一方で、地方では車通勤も大変多いため、会社の横にある保育所もニーズが大きいので、毎年10ヶ所以上の開設を進めていきたいと思っております。

2019年12月期 収益性改善と質の向上

最後になりますが、当社は今期がちょうど20年目でございます。さらにいえば、私は会社を40歳で作り、今年でちょうど還暦を迎えます。

2018年に上場したということで、2019年はまた新たなスタートに立っております。今年は今後の会社を成長させるために戦略を打つ年だと認識しております。保育所は順調に開設できると見込んでいますが、どうやって収益性を上げていくかが今後の課題です。

1つは採用コストです。福岡から人材を連れて行くといっても、実質的には他社さんの紹介等を使いながら行うため、まだまだコストがかかっています。

私どもとしては、この度の上場を機会に新卒採用を拡大していこうと思っています。とくに、保育所業界は基本的に社会福祉法人の世界だったところに株式会社が参入しているため、大学生の卒業生は、実質的には社福さんにご紹介されるのが主流です。

上場して企業価値を高めることで、大学にも安心して新卒採用に協力していただくように進めていきたいと考えております。

派遣事業と紹介事業もございます。今春に記事を出させていただきましたが、採用サイト内でAIを活用して保育士を紹介する仕組みを少しづつ作っています。

今まではコーディネーターの人が働きたい人と働き先をマッチングしていました。今後はAIが分析して、どういう保育園がいいかを選び、マッチします。

そのあとは人が温かくフォローすべきなのですが、離職率などを考えると、先生たちに適したところを紹介してあげるのが効率的です。そのために、AIで分析する仕組みを作っております。

2番目に、高収益事業の強化です。この5年間で上場を目指すなかでは、認可保育所を1つ立ち上げると、年間の売上が1億8,000万円増加していました。

(収益を)たくさん積み上げるなかで、ベビーシッターサービス、ハウスサービスなど、共働きが進む社会で重要とされるのに力を入れてこなかった事業がございます。そのあたりをしっかりブラッシュアップして、実際に必要な方に提供できる仕組みを作っていきたいと思っております。

とくにベビーシッターサービス、ハウスサービスにつきましては、高収益事業であると受け止めておりますので、一緒に成長していきたいと思っております。

3番目に、人材の育成と生産性の向上です。3番目に置いてますが、1番重要なのはここだと思っています。実際、こうやって上場できましたのも現場の先生たちの力であると思っております。

これだけの保育所ができてくると、経験の少ない保育の先生たちがたくさん増えてきますので、先生たちをしっかり教育していくことも重要だと思っています。

先生たちの現場を見ていると、本当に忙しいです。働く環境をしっかり作っていくことは大切です。2019年に中央区に作った保育所は、休憩室が大変広く先生たちが落ち着いて休憩が取れて、気持ちを切り替えて仕事をしていただけます。

先ほど説明した、お母さんたちのストレスを抱えない子育てと同じで、先生たちがなるべくストレスを抱えないで子どもと向き合える仕組み作りを、IT等を活用しながら進めております。

効率化によって、先生たちが子どもに向き合える仕組みを作っていきます。将来的にはこの取組みが会社を1番成長させ、収益をあげます。ここにしっかり力を入れながら、先生たちとコミュニケーションを取っていきたいと思っております。

そういう意味でも、私どもは収益性を向上して2019年12期を終わらせたいと思ってがんばっています。

決算報告、会社の概要、私どもの強み、成長戦略について説明いたしました。私どもといたしましては、企業の価値をもっともっと上げて、社会貢献と収益を両輪で進めていきたいので、どうかご支援のほどよろしくお願いいたします。

私からは以上でございます。