目次
石川秋彦氏:本日はお忙しいところお時間を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。代表取締役の石川秋彦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それではさっそくではございますが、2018年11月期の決算についてご説明いたします。
まずスライド1ページにおいて、本日の資料構成をご説明いたします。今回の資料は、2018年11月期業績の概況、2018年11月期の取り組みと中期経営計画の振り返り、今後の取り組みとQ&A、2019年11月期通期見通しと配当、最後に参考資料として財政状況や会社概要等を記載した、5部構成となっています。
通期業績サマリー
それでは初めに、2018年11月期における業績の概況についてご説明申し上げます。スライド3ページをご覧ください。通期業績サマリーについて記載しています。
2018年11月期の決算におきましては、売上高は前期比9.1パーセント増の199億2,100万円。販売費及び一般管理費は、前期比3.8パーセント増の83億5,000万円。経常利益は前期9,200万円の赤字から2億7,900万円改善し、1億8,700万円の黒字に転じ、収益構造の強化に取り組んだ結果、増収増益となりました。
通期損益計算書
続いてスライド4ページは、通期の損益計算書を記載しています。なお、2018年11月期は前期末に駐車場事業を譲渡したため、期首からバイク事業のみの単一セグメントとなっています。
その結果、2018年11月期の業績は、売上高は前期比9.1パーセント増の199億2,100万円、売上総利益は前期比8.1パーセント増の84億1,500万円、営業利益は前期から3億2,900万円改善し6,500万円、経常利益は前期から2億7,900万円改善し1億8,700万円となり、営業利益および経常利益は前期を大幅に上回り、黒字となりました。
なお、当期純利益は前期から3億1,400万円減少し8,700万円となりましたが、これは前期に計上した駐車場事業の譲渡に伴う特別利益を控除いたしますと、前期を上回る結果となっています。
バイク事業損益計算書
続きまして、スライド5ページ。バイク事業のみの損益計算書を記載しています。前期と対比してございます。
2018年11月期のバイク事業の業績は、売上高は前期比13.6パーセント増、売上総利益は前期比9.5パーセント増、営業利益は前期から3億4,200万円改善、経常利益は前期から3億500万円改善し、すべての項目で前期を大幅に上回ることとなりました。
売上高増収要因
続いてスライド6ページでは、売上高の増減要因についてご説明いたします。
まず、当社の売上高の構成は、主に2つの販売チャネルによって構成されています。まず1つは、業者向けオークションを介した卸売によってバイク販売店等の業者にバイクを販売するホール売上。もう1つは、当社の店舗もしくはWebを通じて一般のお客さまにバイクを販売するリテール売上となっています。
2018年11月期の売上高は前期よりも23億7,900万円増加いたしましたが、主な要因は、前期にリテール販売を開始した複合店の効果・影響により、リテール売上が12億1,300万円の増加。高収益車輌の仕入を強化したことにより、ホール売上が10億7,700万円増加し、各販売チャネルにおいて増収となっています。
経常利益増減要因分析
続きまして、スライド7ページをご覧ください。経常利益の増減要因についてご説明いたします。
前期の経常損失9,200万円に対し、2018年11月期は2億7,900万円改善し1億8,700万円の経常利益となりました。
増減要因につきましては、まず売上総利益で、バイク事業において7億2,700万円増加。駐車場事業は前期末に譲渡したため、9,700万円の減少となりました。
次に、販売費および一般管理費につきましては、販売費は販売促進費8,600万円の増加等により1億3,600万円の増加。人件費は、賞与引当金繰入3,300万円の増加等により6,300万円の増加。管理費は、採用教育費3,700万円の増加等により1億100万円の増加となりました。
営業外損益につきましては、関連会社からの受取配当金6,000万円の減少により、4,900万円の減少となっています。
四半期毎の売上高/経常利益
続いて、スライド8ページ。四半期ごとの売上高と経常利益の推移をグラフ化しています。
当社の業績は四半期ごとに季節変動の影響を受けますが、2018年11月期も、おおむね例年並みの推移となっています。
(ご参考)3Qまでの課題に対する取り組み結果
続いてスライド9ページは、ご参考として、第3四半期までの課題に対する取り組みの結果について記載しています。
この取り組みの結果、これら課題は解決し、業績の改善に至っています。
目指すべき姿
次に、中期経営計画の最終年度である2018年11月期における取り組みを、中期経営計画の振り返りと併せてスライド11ページからご説明いたします。まず、スライド11ページをご覧ください。中期経営計画で掲げた目指すべき姿について記載しています。
当社は、ビジョンとして掲げる「バイクライフの生涯パートナー」の実現に向けて、従来のバイク買取を軸とした「バイクを売るならバイク王」から、バイクにかかる面と時間軸の広がりをもったあらゆるサービスを展開し、販売・メンテナンス・パーツカスタム・買取・レンタル等を総合的に提供する、「バイクのことならバイク王」と言われるブランドへの進化を目指してまいりました。
取り組み 推移
スライド12ページで、その中期経営計画の3ヶ年の取り組みについてご説明いたします。
この3ヶ年につきましては、当社のビジネスモデルの土台である車輌仕入の最大限の活用とリテール販売チャネルの拡充を基本戦略に、バイク王の強みを活かして仕入車輌の量と質を確保し、お客さまとのタッチポイントを増やすために複合店化を推進し、リテール販売台数の増加に注力いたしました。
仕入台数 推移
続いて、スライド13ページ。その取り組みの成果として、まず仕入台数の推移を記載しています。このリテール販売を拡大するため、高収益車輌の増加に注力した結果、原付二種以上は年々増加し、量と質を確保することができました。
とくに、最終年度である2018年11月期においては、マスメディアあるいはWebの媒体構成の最適化を図り、バイク王を想起していただく広告宣伝を推進したほか、高収益車輌を対象として当社への直接のお申し込み増加を図るキャッシュバックキャンペーンを実施いたしました。
また、高収益車輌への対応時間を確保するため、低収益車輌の対応時間を効率化するなど、業務オペレーションの改善を推進いたしています。
複合店舗化 推移
続いてスライド14ページは、複合店化の推移を記載しています。このリテール販売の台数増加には、お客さまとのタッチポイントを増やすことが重要な要素となるため、リテール販売チャネルの拡充を推進いたしました。
その結果、2016年11月期期首には12店舗だった複合店は、3年後に51店舗に拡大し、39店舗増加いたしました。なお、複合店化を推進するにあたっては、各地域の状況を総合的に判断し、店舗の規模や形態を決定しています。
また、アライアンスによる一部既存店舗の好立地への移転や、新規出店を推進いたしました。これにより、当社単独での出店より、集客力や認知度の向上とともに出店時のコストを抑制することができています。
販売台数 推移
なお、複合店の増加に伴うリテール販売台数の成果は、スライド15ページにてご説明いたします。
先ほどご説明いたしましたとおり、複合店化の増加により、リテール販売台数は約1万5,500台まで増加し、リテール販売台数比率は14.1パーセントまで上昇いたしました。なお、一部出店を見合わせたため計画の15パーセントに届いていませんが、これらを考慮いたしますと、ほぼ計画どおりにリテール販売台数を伸ばすことができたと考えています。
また、リテール販売台数比率の上昇にあたって重要なのが、全社販売台数を維持したうえでの上昇となりますが、スライド13ページでご説明いたしましたとおり、仕入台数の増加が図られたことによって、全社販売台数も増加しています。
売上高/経常利益 推移
続いてスライド16ページは、売上高と経常利益の推移を記載しています。
中期経営計画の初年度においては大変厳しい結果となっていましたが、一つひとつの課題に対処しながらリテール販売の拡大を成功させたことによって、最終年度は黒字に転ずることができています。
総評
あらためてスライド17ページにおいて、この最終年度である2018年11月期を総括いたします。
増収増益となったポイントは、仕入車輌の量と質の確保、また仕入価格の適正化、加えてリテール販売台数の増加であり、以上の3つによって収益構造が改善したと考えています。
方針
続きまして、スライド19ページ以降は、今後の取り組みについてご説明いたします。
まず、スライド19ページをご覧ください。今後の方針と取り組みについてご説明いたします。今後の方針として、2018年11月期に増収増益のポイントとなった仕入車輌の量と質の確保とともに、仕入価格の適正化とリテール販売台数の増加によって、持続的な成長と安定した収益構造を構築してまいります。
具体的には、店舗網に合わせた適正な人員配置、継続的に仕入業務オペレーションを強化するほか、広告の媒体構成の最適化を図りながら、バイク王を想起していただける広告宣伝活動を推進することによって、高収益車輌の確保に取り組んでまいります。
また、適正な価格で仕入れるための体制の継続と、当社全58店舗のうち51店舗まで拡大した複合店やバイク用品店とのアライアンスによる集客力向上に加え、複合店に適したマーチャンダイズサイクルの確立や店舗運営の生産性向上を図り、収益性を高めてまいります。
なお、これらの取り組みを実現するための基礎となる人財育成の強化、人事制度の拡充も併せて取り組んでまいります。
①高収益車輌の増加
以上が今後の方針と取り組みの概要となりますが、スライド20ページからは、各取り組みをより深くご理解いただくためにQ&A形式でご説明いたします。
まず、スライド20ページをご覧ください。高収益車輌の増加についてご説明いたします。
仕入を強化する施策としては、店舗網に合わせた適正な人員配置、人財採用・育成の強化に加え、2018年11月期に取り組んで成果が表れている仕入業務オペレーションの継続的な強化と、バイク王を想起していただくための広告宣伝活動に引き続き取り組み、高収益車輌を増加させてまいります。
なお、2019年11月期は、新たなイメージキャラクターとして、マルチな活躍をされていますつるの剛士さんを起用いたします。この詳細につきましては、(2019年)1月18日にPRリリースを配信する予定でございますので、そちらをご確認くださいますようお願いいたします。
②価格決定体制の継続
続いてスライド21ページでは、価格決定体制の継続についてご説明いたします。
2018年11月期第3四半期までは、複合店化による業務負荷により価格決定が煩雑化したことや、リテール販売に向けた車輌の確保に伴い仕入価格のばらつきが発生し、課題となっていました。
しかしながら、第4四半期以降、価格決定者における業務の見直しを行い、価格設定に専念できる体制に変更したほか、バイクライフアドバイザーの商談方法を見直すなどの研修を実施し、その結果、課題は解決に至りました。引き続きこの施策を継続することで、仕入価格の適正化を図ってまいります。
③集客力の向上
続いて、スライド22ページ。集客力の向上について記載しています。
2019年11月期の出店は、十分な利益が見込めない出店は控える方針です。ただし、買取店の複合化や既存店の移転による規模拡大については、個別に検討してまいります。
したがって、集客力の向上は、2018年11月期までに複合化した全58店舗のうち51店舗の充実を中心に行ってまいる所存です。
④複合店に適したMDサイクルの確立
続いてスライド23ページは、複合店に適したマーチャンダイズサイクルの確立について記載しています。
このマーチャンダイズサイクルの確立は、店舗運営の生産性向上とともに、スライド20ページから22ページまででご説明いたしました高収益車輌の増加、価格決定体制の継続、集客力の向上のすべてに関わるものと位置づけています。
そこで、2019年11月期期首からは、新たにマーチャンダイズに特化したチームを新設いたしました。今後においては、収益性を高めるために、商品計画・仕入・品揃え・販売・在庫管理までの業務フローに沿って複合店に適した業務を確立することに加え、競合や顧客ニーズといった市場の変化に応じて最適な商品構成を図り、これを売り場に展開し、仕入から販売においてバイク王の強みを活かした店舗運営を実施してまいります。
⑤店舗運営の生産性向上
次に、スライド24ページ。店舗運営の生産性向上について記載しています。
2018年11月期までは、お客さまとのタッチポイントを増加させるために、ハード面である店舗開発に注力してまいりました。一方、安定的なサービスを提供するためのソフト面においては、まだ課題が残っています。
今後は、よりいっそうソフト面の充実を図るために、自社もしくは他社とのアライアンスによる整備体制の強化や、複合店化による業務負荷を軽減するための業務フローの見直しや、システムの再構築に注力してまいる所存です。
⑥人財育成の強化
続いて、スライド25ページ。ここでは、(今後の取り組みの方針の)1つ目の高収益車輌の増加から5つ目である店舗運営の生産性向上までの施策を実現するための基礎となる、人財育成についてご説明いたします。
育成のポイントとしては、まずサービス意識醸成を目的とした「接客理念」を掲げ、その理念浸透を図る階層別の研修を実施してまいります。これにより、お客さま一人ひとりに応じた期待以上のご提案を通して、お客さまと一体となってより豊かなバイクライフを築いていくマインドを醸成し、よりいっそうお客さま満足度の向上を追求してまいります。
また、ビジョンや計画を実現するためには、中長期的な人事戦略の策定が必要となるため、この度人財育成の判断基準として、「人事理念」を新たに策定いたしました。今後はこの人事理念の浸透によって、社員のモチベーションの向上を図ってまいります。
⑦人事制度の拡充
スライド26ページは、人財育成の強化と同様に重要な、人事制度の拡充について記載しています。
拡充のポイントとしては、働き方改革の一環で、時間外労働の縮減や有給休暇の取得促進などの就労環境を整備し、労働生産性の向上を図ってまいります。
さらに、お客さま満足度の向上としては、従業員の満足度向上とさらなる成長が不可欠と考えていますので、福利厚生の拡充や資格取得支援の充実などの人事制度の改定を実施してまいります。
通期業績予想
次に、2019年11月期通期見通しと配当についてご説明いたします。スライド28ページをご覧ください。2019年11月期の業績予想を記載しています。
通期業績予想数値は、売上高は前期比0.4パーセント増の200億円、営業利益は前期比6.2パーセント増の7,000万円、経常利益は前期比1.5パーセント増の1億9,000万円、当期純利益は前期比3.1パーセント増の9,000万円と想定しています。
配当予想
続いて、スライド29ページ。配当予想についてご説明いたします。
当社は、配当を株主還元における重要な施策と考えており、安定的な配当を行うことを念頭に置きつつ、業績等を勘案したうえで配当金額を決定しています。
この方針に沿い、2018年11月期の期末配当につきましては、期初予想どおり2円を予定しています。また、2019年11月期の配当についても、先ほどの業績予想も踏まえ、中間2円・期末2円の年間4円を予定しています。
最後となりますが、2018年11月期は、複合店化をはじめとしたバイク事業の改革に取り組むことによって収益構造が強化され、各段階利益のすべてにおいて黒字化に至ることができました。
今後においては、持続的な成長と安定した収益構造の構築をますます目指してまいりますので、引き続きご支援ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上をもちまして、2018年11月期決算説明を終了といたします。ご清聴ありがとうございました。