セグメント別事業概要
牧野研二氏:ただいまご紹介いただきました、社長の牧野でございます。よろしくお願いいたします。本日は大変お忙しい中、多くのみなさまにお集まりいただき、誠にありがとうございます。これから2018年7月期の決算概況と、今期の業績見通しについてご説明させていただきます。
本日の説明の順番ですが、まず決算の説明に入る前に、セグメントと事業環境について、簡単にご説明させていただきます。その後、2018年7月期決算の概況、中期経営計画ならびに2019年7月期業績見通し、経営戦略の主な取組み状況について、ご説明させていただきます。
それでは、セグメント別事業概要についてご説明いたします。
包装機械と生産機械の2つのセグメントで、事業展開を行っています。各セグメントの主要品目は、ご覧のとおりであります。包装機械では、中国子会社を連結の範囲に含めておりますが、決算日が異なりますので、6月で仮決算を実施し、連結上必要な調整を行っています。その関係会社につきましては、(2018年)8月1日付で会社分割によりワイ・イー・データからFAMSに移動しております。
事業環境–包装機械
包装機械の事業環境について、ご説明いたします。
ご覧のグラフは、経済産業省の生産動態統計による四半期推移であります。これによりますと、平成30年の上半期の生産金額は、全体で前年同期比10.7パーセント増となっています。包装機械業界の環境は、国内の需要は堅調に推移しているとともに、輸出も好調に推移しています。
当社につきましては、国内市場・海外市場ともに需要が堅調に推移し、機械受注高は前期を上回りました。
事業環境–食品機械
次に、食品機械の事業環境です。
経済産業省の生産動態統計では、平成30年の上半期の生産金額は、全体では前年同期比5.9パーセント増となっています。食品機械業界の環境は、国内の需要は増加基調にあり、輸出は主力のアジア地域向けが回復基調で推移しています。
当社子会社につきましては、大型の設備投資需要がある中で、大型プラントの受注を確保したところから、機械受注高は前期を大幅に上回りました。
2018年7月期 決算のポイント
それでは、2018年7月期決算概況についてご説明いたします。2018年7月期決算のポイントについて、ご説明させていただきます。
売上高は、包装機械・生産機械ともに(案件が)増加したことから、4億4,600万円の増収となりました。営業利益は、増減要因につきましては図で示しておりますが、前期に計上したM&A費用がなくなったことから、7,800万円の増益となりました。
業績予想につきましては、第1四半期決算発表時に下方修正しておりましたが、第4四半期で予想を大きく上回る実績が得られたことから、期初予想に対して3億9,800万円の増収、1,300万円の増益となる結果となりました。
2018年7月期 連結決算概要
当期決算の概要について、対比表でご説明いたします。なお、売上高と営業利益の増減要因につきましては、前のスライドでご説明したとおりであります。
売上総利益率は、包装機械の利益率低下により、前期から低下しました。営業利益率は前期から改善し、5.2パーセントとなりました。経常利益と当期純利益については、計画を上回り、前期に対して増益となりました。
セグメント別業績概要
セグメント別の業績概要について、対比表でご説明いたします。
包装機械では、利益率が低下したことにより、営業利益は前期に対して1,500万円の減益となりました。生産機械では計画を上回り、無形固定資産の償却にて、利益率は1.8パーセントとなりました。
セグメント別売上内訳
次に、増収となりました要因について、売上の内訳にてご説明いたします。
包装機械については、高価格機種及び大型システムの実績が増加し、増収となりました。品目別では、主力の給袋自動包装機が前期比・計画比ともに大きく増加しました。
生産機械については、製菓機械が前期を下回ったものの、保守消耗部品が増加したことから増収となりました。
【包装機械】四半期売上高推移
包装機械の四半期売上高の推移について、ご説明させていただきます。
ご覧の棒グラフのとおり、四半期売上高につきましては、大型案件の有無、高価格機種の販売台数により、大きく変動する傾向にあります。また、販売台数についても、中小型案件の件数の増減により、ご覧のとおり大きく変動しております。
自社で設計・製造している機械の販売台数は、前期比で13台増加し、売上高は高価格機種の増加により、前期比で4億4,800万円の増加となりました。2019年7月期の販売台数については、横ばいの見通しであります。
【包装機械】エンドユーザー業種別機械売上高
次に、包装機械のエンドユーザー業種別についてご説明いたします。
食品業界向けの売上高は、高額案件の実績が増加したことから、前期に比べて7.3パーセントの増加となりました。化学関連業界向けの売上高は、健康食品向けの実績が減少したことから、前期に比べて28.8パーセントの減少となりました。その他業界向けの売上高は、海外のペットフード向け実績が増加したことから、前期に比べて105.7パーセントの増加となりました。
2019年上期は、引き続き食品業界が増加するものの、全体としては前期の下期から減少する見通しであります。
【包装機械】国内/海外市場別機械売上高(エンドユーザー市場)
また、包装機械の売上高を、国内と海外市場別についてご説明いたします。
国内市場向け売上高は、大型システムの実績が増加したことから、前期比で3億800万円の増加となりました。海外市場向けの売上高は、高価格機種の販売台数が増加したことから、前期比で3億7,200万円の増加となりました。2019年上期は、海外市場が高額案件の減少により、前期の下期からは減少する見通しです。
【包装機械】海外市場 エンドユーザー地域別実績
参考までに、包装機械の海外市場のエンドユーザー地域別納入実績は、ご覧の表のとおりであります。
緑色で記載しておりますアジア地域につきましては、今期はASEANで11台、ASEANを除いたアジアで16台、合計で27台の実績となりました。欧州と北米・南米につきましては、ペットフード向けを中心として7台の実績がありました。
2019年上期につきましては、スライド下側に記載しております国への納入を予定しております。
【包装機械】機械の受注動向
包装機械の品目別の受注動向について、ご説明させていただきます。なお、品目別の数値につきましては、補足資料に記載しておりますので、別途ご覧ください。
機械の受注高は、大型案件の受注が増加したことから、前期比で6億9,700万円の増加となりました。期末受注残高につきましても、前期比で6億900万円の増加となっています。
2019年上期の受注につきましては、高額案件の増加で高水準の受注高の確保を目指していきます。
【生産機械】売上高の動向
生産機械の売上高の動向について、ご説明いたします。
製菓機械の売上高については、前期は大型案件が上期に集中し、半期売上高が大きく変動しましたが、今期は変動が少ない実績となりました。保守消耗部品の売上高については、増収となりました。
2019年上期の売上高は、前期の下期に対して増加する見通しであります。
【生産機械】機械の受注動向
次に、生産機械の機械の受注動向についてご説明いたします。
大型プラントの受注により、機械受注高は前期比12億2,600万円の増加となりました。また、機械受注残高につきましても、前期比9億1,900万円の増加となっています。
2019年上期の受注につきましては、高額案件の件数増加を目指していきます。
連結B/S 概況
次に、バランスシートの概況についてご説明いたします。
前期末と比較して、資産合計は約13億1,000万円の増加となりました。主に、棚卸資産の増加によるものであります。負債純資産につきましては、仕入債務と前受金が増加しています。
なお自己資本比率は、前期末から低下し、43.4パーセントとなりました。
第5次中期経営計画
引き続きまして、中期経営計画ならびに2019年7月期の業績見通しについて、ご説明いたします。
第5次中期経営計画は、「連結グループの基礎固めから成長基盤構築の時期」と位置付けて、ご覧の中期経営ビジョンを掲げています。
中期数値目標については、ご覧の表のとおり、すべての項目について、第4次中計の最終年度である2017年7月期の実績から増加させることを目標としております。
業績計画
第5次中計の業績計画は、ご覧のグラフのとおりであります。
利益率の向上と収益の拡大に注力し、経常利益で3期連続の増益を目指すことを計画しております。
第2期(2019年7月期)・第3期(2020年7月期)につきましては、当初計画から変更しておりません。なお、最終期(2020年7月期)の数値については、今後の事業環境と業績動向を踏まえて、ローリングする場合があります。
事業計画モデル(第5次中計)
続きまして、第5次中計の事業計画モデルの売上高の実績と見通しについて、ご説明させていただきます。
包装機械の国内市場については、2018年7月期の実績は期初計画を大きく上回り、前期に対して増加となりましたが、2019年7月期は大型案件が減少することから、減少を計画しております。
包装機械の海外市場については、2018年7月期の実績は期初計画を下回りましたが、2019年7月期は16億円まで増加させることを計画しています。
製菓機械については、2019年7月期は前期比1億円程度の増加を計画しております。
2019年7月期 連結業績見通し(概要)
2019年7月期の連結業績見通しについて、ご説明させていただきます。
売上高は、包装機械・生産機械ともに増収となることから、全体として前期比1億100万円の増加を見込んでいます。なお、前期の売上高は下期に集中しましたが、2019年7月期は上期のほうが高くなる見通しです。
営業利益の増減要因につきまして図で示しておりますが、包装機械・生産機械ともに増加することから、2,600万円の増益となる見通しです。
2019年7月期連結業績予想
業績予想数値は、ご覧の表のとおりです。
売上高は、前期から1億円増の72億円を見込んでいます。
売上総利益率は前期比1ポイント改善し、営業利益率は前期比0.3ポイント改善することを見込んでいます。
経常利益は4億円、当期純利益は2億7,000万円を計画しております。
2019年7月期セグメント別業績予想
セグメント別の業績予想数値は、ご覧の表のとおりです。
包装機械では売上総利益の増加により、営業利益は前期に対して1,800万円の増益を見込んでいます。
生産機械では増収増益となり、利益率は前期より0.7ポイント改善する見込みです。
2019年7月期セグメント別売上内訳予想
次に、セグメント別売上内訳の計画値は表のとおりです。
包装機械については、保守消耗部品の増加により、増収となる見通しです。機械の売上高については、製袋自動包装機は増加するものの、大型システムの減少に伴い放送関連機器などが減少することから、全体としては微減になる見通しであります。
生産機械については、大型プラントの増加により増収となる見通しです。
株主還元
最後に、株主還元についてです。
中期配当政策につきましては、連結配当性向30パーセント、または連結純資産配当率(DOE)2パーセントを目安に安定配当を堅持しつつ、業績動向を見ながら配当金の増加を目指していきたいと考えております。
2018年7月期は、期初の業績予想を達成できましたので、年間配当は期初の配当予想どおりの44円としました。2019年7月期は増益予想により1円増配の、年間で45円を予定しております。
基本戦略①
引き続きまして、経営戦略の主な取り組み状況についてご説明いたします。
基本戦略につきましては、「さらなる成長に向けて海外事業の拡大を目指す」であります。ご覧の図のように、国内市場で安定的な収益と成長を確保しながら、海外市場で成長を加速していく戦略であります。
国内市場では、「新規分野と新規顧客の開拓」に、海外市場では「3極販売体制の確立」と「海外市場向け新機種の投入」に取り組んでいきます。
また、国内市場の既存分野については、「包装機械と生産機械の事業連携」に取り組んでいきます。
基本戦略②
また、基本戦略につきまして、さらに具体的な戦略を策定しております。
ご覧の①~⑤については、先のスライドでご説明した項目を具体化したものであります。これらの戦略に対応する取り組みを強化していきます。
さらに、開発力強化と事業領域拡大のために、アライアンスを推進していきます。
【包装機械】販売戦略①
包装機械の販売戦略の取り組み状況について、ご説明させていただきます。
国内市場については、安定的な収益と成長の確保に取り組んでおります。主力機種として、メカトロハイスペック包装機の拡販に注力しておりますが、受注は好調に推移しており、自社包装機の受注は前期を上回りました。今後は、さらに拡販を強化するとともに、新機種の投入を計画しております。
ソリューションビジネスの拡大につきましては、販売促進活動により、新規納入先の開拓に取り組んでおります。高額システムの受注実績はご覧の表のとおりで、今期の実績は6件であります。なお、高額システムの一部は、資本業務提携先のワイ・イー・データのロボット応用システムを納入しています。
【包装機械】販売戦略②
海外事業の拡大につきましては、中国子会社での生産、アフターサービス体制の確立に取り組んでいます。
中国子会社の売上高は、2億2,000万円となりました。なお、前期は設立後間もないため、売上高は1,000万円以下でありました。
販売体制の強化として、既存代理店の販売支援に取り組んでいますが、今後はさらに新規代理店の開拓にも取り組んでいくとともに、アメリカと中国市場の開拓を強化していきます。
自社包装機の受注は、前期を上回る実績となりました。海外市場の新規顧客開拓の受注実績は、ご覧の表のとおりであります。
【包装機械】開発・技術戦略
次に、開発・技術戦略の取り組み状況です。
開発テーマとしては、第5次中計ではメカトロハイスペック包装機と海外向け新機種の開発・コア技術の強化・ニーズに対応した新機種の開発を推進しています。
メカトロハイスペック包装機のシリーズ開発としては、高速充填包装タイプと、アメリカ規格に対応したタイプを完成させました。業種ニーズに対応した新機種として、記載しております機種の開発に取り組んでいます。
【生産機械】
最後に、生産機械の主な取り組み状況をご説明いたします。
受注体制と新規顧客開拓の強化に取り組んでいます。大型プラントの受注を確保したことから、今後はこのプラントの製造と納入に注力するとともに、生産体制の強化に取り組んでいきます。
包装機械との事業連携として、展示会への共同出展と親会社営業との情報共有、同行訪問に取り組んでいます。また、内部管理体制の強化として、親会社と会計システムの統一化を図るとともに、人材確保と育成などに注力しています。
参考資料
次に、参考資料を添付しておりますのでご覧ください。
参考までに、当社事業の関連業界についてご説明いたします。なお、記載の統計表につきまして、それぞれの工業会で集計方法が異なりますので、ご注意願います。
包装機械業界の全体の市場規模は生産高で4,300億円程度で、需要先としては、食品部門が52.2パーセントを示しています。業界の機種別区分の中では、当社の主力包装機は製袋充填機に位置付けられています。
食品機械業界の全体の市場規模は、販売額で5,214億円となっています。業界の機種別区分の中では、オサ機械のチョコレート製造機械は、製菓機械に位置付けられています。
それぞれの業界での主な上場企業や競合先は、スライドに記載のとおりであります。
会社概要(2018年7月31日現在)
会社概要は、ご覧のとおりであります。
昨年(2017年)10月の株主総会で、監査等委員会設置会社への移行をしております。
事業内容
当社グループの事業内容の概要を、モデル図化したものであります。
主要市場・主要ユーザーとしてはご覧の図のとおりでありますが、包装機械では、高品質で難易度の高い包装分野をターゲットとしております。
販売経路としては、6割以上が直販ですが、各業界の上位を中心に営業活動をしております。
生産機械については、チョコレート製造機械分野で国内で高いシェアを持っており、直販が中心であります。
経営ビジョン
経営ビジョンとして、「オープンイノベーションで応えるソリューションカンパニー」を掲げていますが、図のように包装工程以外の分野についても、ソリューション力の強化に取り組んでいます。製造工程については、オサ機械が担っています。
また、人員推移は表のとおりでありますが、開発・技術部を中心として、継続的に人材の強化を図っています。
以上で決算の説明を終わらせていただきますが、これからも食品や衣料品を安全・確実に包装する技術を通じて、より大きな社会的貢献を果たせるよう、一層の努力を重ねるとともに、業績の向上と企業の健全性に努めていきたいと考えております。
ご清聴、誠にありがとうございました。