2018年3月期決算説明会
吉田正昭氏(以下、吉田):改めまして、おはようございます。2017年度の決算につきましては、昨日(2018年5月10日)開示をさせていただきました。
2017年度におきましては、とくに第1四半期・第2四半期で、大型の店舗を3つ開設いたしました。結果として、開設費用が当然かさむわけで、第1四半期・第2四半期の決算の報告については、前年を若干下回るところからスタートして、そこから前年に追いついていくというような流れがありました。
ただ、そのときにも言ってまいりましたけれど、新しいクラブをつくるということについては、集客の目処がしっかり立ったエリアにしか出店しておりません。確実に集客が果たされて、年度の後半にはプラスに作用する(だろう)という考え方の中で、とくに第2四半期までで、3つ出店いたしました。
第4四半期についても、ユーカリが丘へ(「ルネサンス・ユーカリが丘」を)出店して、2017年度は合計で4つのスポーツクラブをオープンしております。これにつきましても(出店のタイミングが)第4四半期ということで、若干の費用が先行するということもありましたけど、先ほど申し上げたとおり、春にオープンしたクラブ(「ルネサンス 北千住」と「コクール ルネサンス 名古屋JRゲートタワー」)でしっかり集客を果たすことができて、後半には利益貢献のクラブに変わってきたということで、第3四半期の(決算の)数字を開示させていただきました。
みなさんには、とくに中間期が終わった後のこの(決算説明会の)場でお話ししたときに、恐らく「今年はどうやら厳しいかな」という見方も、あったと思います。ただ、そのあたりについては、毎月の数字や進捗は確認しているわけです。(中間決算の)数字を見れば(今年は厳しいと)思われるのは当然のことなのですが、我々は「ゴールにはきっちり到達できる」という意志のもとで、2017年度の経営をしてまいりました。
そのような中で、決算の内容を昨日開示させていただいて、今朝(2018年5月11日)株価を見ていると、珍しく3桁ぐらい上がっていて。今までは、「決算が良かったな」と思っても(株価が)ぜんぜん反応していないときがけっこうありましたが、今回はそのあたりの反応があったので、1つの評価をいただいたかなと思います。株価は一過性のものではないので、ルネサンスがこれから進むべき道をさらに高めていきながら、安定して高いレベルでの株価をどうつくっていくかということが、極めて重要かなと思います。
そのような2017年度の概要を含めまして、数字のご説明をさせていただきます。
業績ハイライト
まず、業績ハイライトでございます。
連結につきましては、売上高が462億2,900万円、前年比較で4パーセントの増。営業利益が40億6,200万円、10.3パーセントの増。経常利益が38億100万円、8.2パーセントの増。当期純利益につきましては、23億7,400万円で、20.6パーセントの増で終えることができました。
若干、経常利益のところには為替差損等が入っていますので、このような数字になっていますが、当初の目標は到達できたという状態でございます。ただし、売上高につきましては、当初の目標に若干足りなかったということについては、環境ならびにそれに対しての対応を2017年度に実施しておりますので、後ほど、ご説明したいと思います。
次に、下段が個別になります。個別も、数字はご覧の通りでございます。売上高につきましては460億2,300万円、3.9パーセント(の増)。営業利益につきましては41億2,200万円、8.7パーセント(の増)。経常利益につきましては38億500万円、4.4パーセント(の増)。当期純利益につきましては23億9,800万円、36.2パーセント(の増)という伸びで、終えることができております。
これも、前年の2016年にベトナム(のスポーツクラブ)で減損の影響がありました。その他の数字を含んでおりますので、連結・個別というかたちで、なかなか安全性の(ある)数字になっております。ベトナムにつきましても、1年間でかなり改善できた結果ということも含めて、連結・個別という数字の表記で(業績ハイライトとして)ご理解いただければと思います。
10期連続増益、6期連続増収増益
これは、過去からの流れ(2007年度〜2017年度の業績推移)をお示ししております。10期連続増益、6期連続増収増益となりました。売上高は東日本大震災等があった影響で、(増収については)一時期横ばいになりましたけど、順調に、このトレンドは進めていけていると思います。
これも、昨今24時間(営業)型のジムとか小型のいろいろな工夫をされたフィットネスが、本当に多く展開されています。それらは、当然総合クラブを経営している会社には影響があるわけです。
その中で当社につきましては、当然新たなクラブならびに小型のジム、当社でいえば(ヨガスタジオの)「ドゥミ ルネサンス」であるとかバイクの(サイクル)スタジオであるとか、そのようなこと(の展開)を率先しながら進めているわけですが、もう1個の大きな柱として、ヘルスケア事業を7年間ぐらい推進してまいりました。
これが(リハビリ特化型デイサービスの)「元氣ジム」や、いろいろな地域の自治体(の健康づくり支援)などに対して7年間取り組んできたということが、1つの成果となって(業績に)現れてきております。そのため、単純に競合クラブがでてきたとか、新たな24時間(営業のジム)がでてきたからというかたちでも、そのようなことはしっかり克服できるような会社の体質になっていると、理解しております。
ただし、油断をしてしまうと、これから先(どうなるか)わからないので、今後も新たな事業や新たな業態ということを研究しながら、いろいろな環境に対応できる会社にしていきたいと考えております。
自己資本比率の推移
自己資本比率につきましては、(2014年度に)自己株式の取得がありますので、若干ここの2014年度は、変則的な動きをしています。直近の2017年度につきましては、41.6パーセント。これを、2020年あたりには50パーセントまでもっていきたいと考えております。
部門別売上高
部門別の売上です。フィットネス部門につきましては、主なところだけお話しさせてもらいますけど、(部門計で、前期比)2.2パーセントというかたちで微増になっていると。
スイミングスクールは、5.2パーセントの伸びを示しております。スイミングスクールは現状、各開設クラスに定員待ちのクラスもけっこうあって、一時期(会員の受け入れを)止めていたのですが、そこを曜日(の調整を)含めた若干の緩和策をとって、2017年度後半からは、会員の受け入れができるようになりました。そのため、ここは堅調に推移していると認識しています。
テニススクールにつきましては、5.7パーセント(の増)。これは全体の話なので、フィットネス・スクールを含めた話になりますので、そのようなご理解でお聞きください。
その他スクールにつきましては、5.8パーセントのマイナスです。これは、ゴルフスクールやカルチャースクールは統廃合しておりますので、若干ここの数字はこのような(前期比でマイナスの)かたちになっています。
ショップにつきましても、3.3パーセントマイナスしております。商品の構成を、サプリメントを中心としたショップとなっています。前期比はマイナス3.3パーセントになりますが、粗利についてはしっかりキープできているという状況になります。
業務受託は、去年はかなりの案件を当社が獲得できたので、48.9パーセントの伸びを示しているということです。
合計として、先ほど(業績ハイライトで)申し上げた4パーセント(の売上高)になっております。
部門別会員数
次に、部門別の会員数になります。これも、フィットネスにつきましては2.2パーセントの増。スイミングスクールが3.9パーセント(の増)。テニスがマイナス3.9パーセント。その他スクールが5.3パーセント(の減)。これは、ゴルフスクールです。
テニスにつきましては、昨年(2017年)ITを駆使した「スマートテニスレッスン」を、当社は新たに導入いたしました。これは、従来のテニススクールのあり方を革命的に変える仕組みです。テニスを習いに来ておられる方の、例えば打つ面とかスピンのあり方とかが、全部データで出て、それを見ながらレッスン中に改善につなげていくような、新しい仕組みを導入しました。そのような取り組みを含めて(単価の)値上げをさせていただきました。一番上げたところで、月に1,800円の値上げをさせてもらいました。
当然、値段が上がって、若干離れた方はおられますが、そのような要素の中で(テニススクールの会員数は)3.9パーセント(の減)。これは、ほぼ当社の想定に近い数字のマイナスとなっています。ただし、先ほど言いましたが(レッスンの)単価が上がっておりますので、売上としては、先ほど(部門別売上高で)テニスが(前期比5.7パーセント増だとご説明が)あったように、売上は増になっているという構造になっております。
会員年齢構成
次に、会員年齢構成です。これ(フィットネス会員)はいつも申し上げている通りでございますが、とくに50代・60代・70代の層については、継続的に増加傾向にあります。
一方で、今の20代・30代の女性は、いろいろな(運動に)特化したところにいかれるということで、なかなか獲得することが厳しかったのですが、当社の既存施設の中にホットヨガができる仕組みを導入いたしました。その結果として(当社から離れた)一定の方については、帰ってくることができています。
次に、30代・40代は、忙しい男性の方が24時間(営業の)のジムへ夜に行かれるとか、そのあたりで、若干影響が出たかなという状態にあります。
スクール会員については、ほぼ変わらずの状況にあります。
既存クラブの動向
結果として、既存クラブの動向でございます。先ほど申し上げましたのは、トータルの数字でございます。
売上高につきましては、0.9パーセント(の増)になります。同業(他社)の数字は十分見ておりませんけど、おそらく、総合型クラブでやっておられるところはかなり、ここの既存(クラブ)の売上については、厳しい状況だったのではないかなと思います。(そのような中で、当社は)なんとか、マイナスではなくプラスで終えることができました。
(2018年)3月末の会員数につきましては、0.71パーセント(の減)。これのほとんどが、先ほど言いましたテニスの(スクール会員について、単価を上げた)影響になります。フィットネス(会員)は横ばいで、去年より若干1,000名程度下回ったなという状況にあります。
(スライドの)右の欄の(会員)単価が75円上がったことが、増収の1つの大きな要素になっております。
当社が、今一番重要な取り組みとしております退会率の推移につきましては、2016年度から比べますと、0.07ポイントの改善を示すことができました。ここについては、(一時キャンセル待ちだった、新規会員の受け入れを再開した)スイミングスクール(の影響)も当然あるわけですが、フィットネスは初期(会員)の利用定着など、長年やってきていることが数字につながってきていると、評価をしております。
施設の状況
施設の状況になります。先ほど申し上げたとおり(2017年の)春、4月・5月に(スポーツクラブをオープンしました。4月は)「スポーツクラブ ルネサンス 北千住」。これも、大型クラブになります。北千住駅前の、東京電機大学の中に開設いたしました。
5月には、名古屋に新しくできましたJRゲートタワー(があり)、そこの13階・14階に「コクール」というブランドで、「コクール ルネサンス 名古屋 JRゲートタワー」の)展開をしています。ここは500坪ほどのクラブなので、非常にコンパクトであるのですが、機能としては短時間で成果が出るトレーニングや、ゆっくり使いたい方はくつろげるクラブです。
次に、8月に「スポーツクラブ ルネサンス 福岡大橋」。これは、当社の福岡大橋クラブを一時休館しまして、同じ場所に建て替えをした物件であります。西鉄の、大橋駅前にございます。ここについても、以前から優良クラブでありましたが、施設の老朽化や機能性の問題を含めて、1年間の休業を経て、新たに建て替えたという状況でございます。
次に、業務受託施設になります。「スポーツクラブ ルネサンス 竜ヶ崎ニュータウン」。従来、竜ヶ崎に当社の施設がありました。施設の老朽化によって、これ以上はなかなか営業を継続できないという中で移転をしました。会員の方は、かなりの確率でここに移行していただいております。
次に、(2018年)1月に開設いたしました「スポーツクラブ ルネサンス・ユーカリが丘」。これは、ユーカリが丘の開発をされております、山万というデベロッパー会社の施設です。街づくりということに関しては独特のコンセプトをお持ちになっていて、なおかつ健康づくりに関しても、かなり強い思いを持たれたデベロッパー会社でございます。そこから「地域を健康にしたい、新しい街づくりのモデルを作りたい」というオーダーが、当社にきました。
(ルネサンス・ユーカリが丘は)実は、以前はコナミスポーツさんが経営されておりました。その施設について、コナミさんとの契約をやめられて、その後で「健康づくりも含めて、一緒にできないか」という相談が、うちにありました。
余談ですが、コナミ時代にこの店を開設した時、私は当時の営業部長です。今回は社長として立ち会っていますから、2回(オープン)させたということです。中身については、いろいろな課題があったのですが、今の施設を見れば(おわかりのように)うちの開発(担当者)が相当悩んで知恵をしぼって、良い施設に作り替えてくれました。
それと、退店につきましては、先ほどあった「スポーツクラブ ルネサンス 竜ヶ崎」が、移転のための退店をしております。
それと、業務受託施設。これも、先ほど売上の構成的には大きく伸びたと思いますが、9施設が加わりました。ここからは「スポーツクラブ ルネサンス 竜ヶ崎ニュータウン」を除いております。
リニューアルにつきましては、先ほど言ったホットヨガができる業態のスタジオへの変更など、機能性を上げるようなリニューアル投資を、27施設で行っていきます。
スポーツクラブ出店実績①
これは、先ほど言いました「スポーツクラブ ルネサンス 北千住」の外観でございます。この外観は、日本の建築家で槇(文彦)さんという有名な方がおられて、その方が全部構成されました。結果として、うちの施設が真っ白になりました。ルネサンスカラーが出なかったのですが、「なんとかここに(ルネサンスの)サインだけは入れさせてくれ」と。サインがなかったら何(の施設か)かわからなくなってしまいます。
そのようなこだわりのある場所で、今回大型施設として「スポーツクラブ ルネサンス 北千住」をオープンできました。以前も、当社は北千住にあったわけですが、お客さまからのニーズが本当に高くて。「ルネサンス、帰ってきてくれ」というオーダーが届いて、ようやくここに帰ってこられたという状況になります。
スポーツクラブ出店実績②
これは「コクール ルネサンス 名古屋JRゲートタワー」です。非常に景色がいいところでございます。ここでは、渋谷の「サイクル&スタジオ アール」のバイクも、導入しております。
スポーツクラブ出店実績③
それと、「スポーツクラブ&スパ ルネサンス 福岡大橋」。ここにつきましては、過去の機能の課題を全部克服した施設として、オープンをしております。
スポーツクラブ出店実績④
これは「スポーツクラブ ルネサンス 竜ヶ崎ニュータウン」です。これは、セブンアンドアイさんのヨーカドーの周りの土地を使わせていただいています。この施設は、当社が長年の中で開発してきました、ローコスト建築の体制で作り上げをしております。中身の機能的には、ローコストだから悪いということはなくて、従来の機能を兼ね備えた施設になっております。
スポーツクラブ出店実績⑤
これは「スポーツクラブ ルネサンス・ユーカリが丘」ですね。リニューアル後の写真になります。
施設数(2018年3月末時点)
結果として、(施設数は)2018年3月末で国内161ヶ所になったということでございます。海外ではベトナムに2ヶ所ございます。
2015~2017年度中期重点取組
2015年から2017年を振り返ります。
これは、前中期計画(2015〜2017年度)の方針でした。「スポーツクラブ単一事業から健康をキーワードとした複合事業への転換を図る」となります。
これも先ほど言いましたように、スポーツクラブ事業だけでいくと、会員数が減ったりすると業績に直結してきます。そのため、世の中の環境ならびにニーズをしっかり取り込んだ中で、ヘルスケアということも一緒にしていきながら、健康を基盤にした複合事業へと転換する。このことを、この3年間をかけてやってまいりました。
スポーツクラブ事業については、収益性の強化(を図り)、新規事業は事業として確立する。本社機能としては、しっかりサポートができる対応をしていくことを目指して、やってまいりました。
主な取り組み
結果として、2014年から2017年にかけての1つの数字的なお示しになりますけれども、会員数は(2014年度末の)395,406名から2017年度末で406,642名。売上高営業利益率は、2014年度時は6.5パーセントでしたが、2017年度については8.8パーセントとなりました。
新規事業(・新業態)につきましては、リハビリ特化型デイサービスの「元氣ジム」が15施設。また、新業態の「R・バニスタ」を開設しました。あと、企業・自治体の健康づくり支援と、地方創生支援の取り組みについても進めてまいりました。
本社機能のところの「組織とヒト」については、業務センター室(社内シェアードサービス)を開設して、各部門にあった事務業務を1つに集約して、効率化を図ることを進めてきました。
それと、今の雇用のトレンドでもある有期社員を無期契約正社員化していくということも実現いたしました。働き方改革ということで、テレワークや柔軟な働き方へ取り組んでまいりました。
収益性の強化 - スポーツクラブの成長 -①
そのようなことで、先ほども言った収益性の強化だけではなくて、既存クラブに対してもいろいろな取り組みをしてきました。
まず来館者があった時に、前回(の決算説明会で)も説明していますけれども、タブレットに会員のトレーニング履歴をインプットしておいて、チェックインされた方の中で、誰を一番最初にサポートする必要があるかということが(スタッフ側に)自動的に出てくる仕組みを実施しております。要するに、重要度とか課題に対して、「この人は1番、次はこの人」ということで、確実に必要な情報をインプットできる体制を進めてきております。
それともう1つ、「カラダかわるNavi for スポーツクラブ」を、各クラブの会員の方に持ってくださいということを、今進めております。法人企業ではすでにやっておりましたけれども、要するに、食事と運動に対してのサポートコメントが出てくるアプリでございます。
フィットネスクラブの新規入会者へのサポートとして、ジンズさんの「JINS MEME」を全国で展開して、(測定結果を活用して)走るであるとか歩くであるとか、そのようなことで体軸のバランスを測定してトレーニングに活かす仕組みでございます。
収益性の強化 - スポーツクラブの成長 -②
先ほど言いましたように、ホットヨガプログラムを、既存クラブのスタジオで対応しています。
サイクルスタジオにつきましては、フィットネスの1つですが、展開している状況でございます。
収益性の強化 - スポーツクラブの成長 -③
スイミングスクールは、(在籍者数が)過去最高の11万人を超えることができたように、順調に成長しております。
「スマートテニスレッスン」は、先ほど申し上げたテニスの(レッスンの)仕組みでございます。非常にすばらしい機能で、ソニーさんと共同開発しています。ソニーさんも、これからこのような新しいものを、世に出していくことをお考えであると聞いております。
収益性の強化 - スポーツクラブの成長 -④
今日みなさんが(決算説明会の会場に)来られた時に前(のスクリーン)に映っておりましたのは、毎年やっている「ベストスタッフコンテスト」(の映像です)。
これは、各店舗から代表者を出して、業種ごとに通常のサービス提供・スキル・プレゼンテーションということ(接客にかかわるスキル)の中で勝ち上がっていき、最終(コンテストでは、全国の予選を勝ち抜いた)各部代表の人が出てきて、全国大会をやる仕組みでございます。
毎年回を重ねてきましたけれども、我々のスタッフのそのような提供サービスについても、見ている側としても感動を覚えることができますし、本当に自慢できるスタッフたちばかりです。
一番大事なのは、どうやって一番高いレベルにしていけるかですので。(当社のスタッフ)全員ができていれば問題ないのですが、(このベストスタッフコンテストでは、とくに)一番レベルが高い人が集まってきますから(当社のスタッフ全員)をいかにそこにもっていくかが、これからの課題じゃないかなと思います。これは、継続的にやっていきたいと思っております。
収益性の強化 - スポーツクラブの成長 -⑤
それと、スポーツクラブの成長の1つとして、経済産業省の「おもてなし規格認証2017」において、「★★(紺認証)」を得ることができました。各クラブに必要項目のチェックがあって、全クラブが紺認証に値することが認定されて、今回取得することができました。
収益性の強化 - スポーツクラブの成長 -⑥
ベトナムで、今2ヶ所(スポーツクラブを)やっている中で、とくにこの1年間につきましては、ハノイ市の「ロンビエンクラブ」。これは、複合型・フルスペックの1,000坪ぐらいあるスポーツクラブです。会員数でいきますと、フィットネスクラブで2,400名。ジュニアスイミングスクールは、1,000名程度まで(会員数を)集めることができました。
ベトナムでスイミングスクールというのは、このような(日本式スイミングスクールという)かたちでは、もちろん初めてなのですが。最近の情報としては、ここに温浴施設も入れています。お風呂と水風呂です。
できたばかりのころは、使い方が浸透しておらず水着のままずっと入っていたり、水風呂に飛び込まれたりしていましたが、現在ではそのようなことも、きっちり日本と同じような使い方をされています。外資系の競合クラブもあるのですが、そこと比較しても「お風呂」というのも、1つの武器になっています。非常にベトナムの方からすると、日本文化に対しての思いということも含めて、活用されている状況です。
それと、(ベトナムで多発している)水難事故の防止についても(このスイミングスクールの)活動は継続的に我々の(泳力向上への)貢献というかたちで、やってきております。
ようやく「ロンビエンクラブ」は黒字が見えましたので、次の3号店も検討していきたいと考えています。
新規事業・新業態 - リハビリ特化型デイサービス ー
「元氣ジム」は、今は当社の施設周辺で展開しており、非常に多くの方に参加をしていただいて、フランチャイズ事業も開始いたしました。
本当に、今世の中に必要である医療介護ということについても、(今のままでは)それ以上進めない。そこから脱却するということを、機能トレーニングと「シナプソロジー(認知機能低下予防プログラム)」を合わせて、しっかりやっていきたいと考えています。
ここに来ることを楽しみにしている対象者の方も、本当に多いです。来たら笑顔になったり、いろいろなお話ができたりというかたちです。そのような場でありながら、しっかり健康(になること)を目指して(運動能力を)取り戻してもらいたいということです。既存クラブにつきましては、すべて当社が描いた収益性モデルにきております。
今後は、そのようなものをもってフランチャイズ展開ということも(スタートしていきます)。ただ店舗を増やすだけじゃなくて、本当にお客さまの成果として、介護に関しての改善とか、そのようなところが出ているがゆえに(フランチャイズ展開をしていきたい)。ルネサンスだけでやっていると、やっぱり店舗数に限りがあるので、そのようなことに賛同する多くの方にフランチャイズとしてやっていただければ、健康が世の中へさらに広がるのではないかと思っております。
新規事業・新業態 - 企業・自治体の健康づくり支援 ー①
毎年500名程度の規模で、経団連会館でやっておりますが、瞬時に満員になって増席ということもやりながら、事務局として進めております。今後ますます、健康経営会議は東京だけではなくて、いろいろな地域に広がってきていますし、世の中のニーズとしてはマストになってくるものだと思っております。
新規事業・新業態 - 企業・自治体の健康づくり支援 ー②
それと、鳥取県西伯郡伯耆町におきまして、ここの町長さんが「町を元気にしたい」という思いをお持ちの方で、「なんとか、今ある町の温浴施設に、フィットネス施設ができないか?」と相談がありました。当社がプロデュースして、「フィットネス&スタジオ パル」を開設しました。
地域の方は安く通えるので、多くの方が来て、そこが1つのコミュニティになって、健康になっていっています。町長が自ら、トレーニングをされています。
町づくりがそのようなかたちで進んでおり、非常にすばらしい町です。多くでそのようなところ(自治体の健康づくり支援)が、できている状況です。
福島県東白川郡棚倉町につきましては、もともと当社の関わりがあった施設です。「健康寿命の延伸」「地域共生社会」の実現に向けて、町づくりということで、当社も貢献しているという状況にあります。
組織とヒト ― 多様な働き方へ対応 ―
働き方につきましては、ここに書いてあるように、有期社員の無期(契約正社員)化ですとか、いろいろ進めてきているわけですが。3つ目の「育児中社員ネットワークプロジェクト~るねふぁみ+~」というのが、実は昨日(2018年5月10日に)ここで開催されました。
今育児をしている約65名程度の当社の社員の方が集まって、今の課題であるとか、そのようなことをしっかり整理をして、会社と一緒に改善していこうという会です。いつもなのですが、お子さま連れでオッケーなので(会の間は)そのあたりを走り回っています。
そのようなことも1つの特徴として、一緒にこのような今の社会的な課題を解決していこうということについては、うちの従業員も本当に多くの意見や思いを伝えてくれています。ぜひ、当社がこのようなことをしっかり手掛けて、世の中から見た時に「このようなこともあるんじゃないか」と発信できるようなことを、これからもしていきたいと思います。
また、本社の隣にあるママスクエアというキッズスペース付きのオフィスを1つ開設して、実験をしております。
組織とヒト - 外部からの評価 ー
「組織とヒト」のところでいきますと、「働きがいのある会社ランキング」で、6年連続でベストカンパニーに選出されました。
ただしここは、いつも言っておりますけど、評価結果については課題があります。ベストカンパニーに選ばれたからいいというものではなくて、いろいろな課題に対してどう改善するかということに、当社は取り組みの軸を置いております。ですから、その結果としてベストカンパニーに選ばれているということであって、ベストカンパニーに入ることが目的じゃないということを、まずここでお話ししたいと思います。
それと、「健康経営優良法人2018~ホワイト500~」に認定されております。
「DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付」は、政策投資銀行さまから最高ランクの格付をいただきました。
それと、スポーツ庁「スポーツエールカンパニー」の認定と、東京都の「東京都スポーツ推進企業」の認定をいただくことができました。
当社の会長をはじめ、単純にフィットネスクラブの経営をして収益だけを上げればいいというのではなくて、世の中の健康であるとかサービス業であるとか、そのようなことに対しての問題提起をできる場を持っているわけです。そのような中で、世の中の必要性ということをしっかり見据えて、当社が選択できるような役割を、一応果たしてもらっている。そのようなことを、我々は情報としてしっかりと出せていて、いろいろな選択に組み立てているというのが、当社の特徴であると思います。
外部環境(人口動態)
これは人口動態です。みなさんも、もうご存じだと思います(ので、ご説明は割愛します)。
ルネサンスの長期ビジョン
「スポーツクラブ運営会社の経験の上に、日本、アジアそして世界から求められ必要とされる『スポーツと健康のソリューションカンパニー』となる」。これを、次の長期ビジョンのテーマにおいております。
2018~2020年度中期経営計画
この(長期ビジョンの)中で、2018年〜2020年度における、中期経営計画ですね。これについては、「既存事業の着実な成長」「新規事業の創出」ということで取り組んでいきます。
既存事業については、今までありましたクラブ単店の周辺を1つの面と捉えて、これからエリア(地域のみなさま)にどのようなものが必要かをしっかり考えて、エリア戦略をとっていきたいと考えています。従来は個店施策をとってきましたけど、そのような意味で「元氣ジム」とか、既存の業態との組み合わせや「新しく、こんなジムができないのか」ということも、エリアで検討していきたいと考えています。
それと、新規事業につきましては、既に新しい事業を従業員から募集しています。事業提案(「事業の芽」)が、既に30件くらいきました。これからもうちょっと増えると思いますけど、このようなことから1つの新しい事業、新しいフィットネスの形態ということを、この中期計画の中ではしっかり作り上げていきたいと考えています。
それと、そのためには、「経営資源の明確な配分」が必要になってきます。ここにプラスアルファで「IT」という言葉がありますから、ITに対しての投資も当然必要ですので推進していきます。
このような中で、この3ヶ年をさらなる成長につなげていきたいと考えております。
既存事業の着実な成長
既存事業は、今申し上げたとおりになります。
既存事業の着実な成長 - 直営スポーツクラブ -①
これは、先日(2018年)4月1日にオープンしました、福島県の「スポーツクラブ ルネサンス 福島」なのですが。これは、以前受託をしていたニットーボーさんがやられていた施設(「ニットーボースポーツ・ルネサンス福島」)を、老朽化で建替えました。街自体は本当に人口も少なくて、通常のフィットネスクラブでは出店できない市場性です。
それを、当社も「厳しい」という話をニットーボーさんにお伝えしてきて、「閉店しなきゃいけないな」という結論になっていたのですが、ニットーボーさんがいろいろな意味で「サポートしたい、地域を健康にしたい」と。長年やってきた、我々の思い入れもありました。
だから、みなさんに「力を貸してくれ」ということでいろいろな工夫をして、ローコスト建築になりますけど、4月1日にオープンすることができました。これは、既存会員の移行率が95パーセントと、ほぼ移行されています。当社にとっても、今までにないモデルのプランとなっております。
既存事業の着実な成長 ー 直営スポーツクラブ -②
それから、これから先の(オープンとなるスポーツクラブのご紹介です)。「スポーツクラブ ルネサンス おおいた」、これは2018年の秋。「スポーツクラブ ルネサンス・ライカム24」。これは沖縄で、2018年の冬。2019年(の春)に「スポーツクラブ ルネサンス 熊本学園大通」。これは、既存の熊本クラブの前に移転する施設でございます。この3つ(のオープン)を予定しております。
既存事業の着実な成長 ー 直営スポーツクラブ -③
それと、既存事業ですね。ここのところは、(本日のご説明の)話としては、重要になると思うのですが。当社の周辺部から24時間(営業の)ジムが出ることによって、今は大きなダメージはないのですが、やっぱり、月々の入会者が該当店舗で5名程度減ったのです。このようなことが、事実として起きています。
その分が(例えば)100店舗重ねたら、月々500人減るわけで、それが1年間では6,000人になるわけで。そのようなことをそのまま放置するんじゃなくて、いろいろなことを研究しながら(トライしています)。
当社の既存施設の中で、機能的に24時間型の運営をできるところについては、挑戦してみようというかたちで(2018年)3月から「スポーツクラブ&スパ ルネサンス国立24」で、24時間型をトライします。6月に「スポーツクラブ&スパ ルネサンス港南中央」「スポーツクラブ Lite! ルネサンス横浜」を、24時間対応にしていく。
ただし、24時間やっていても、深夜はほとんど使われません。今、トレーニングされているのは、ちょっと夜遅い時間や早朝なので「お年寄りが多いのかな」と思うと、けっこう若い方が多くて。5時くらいからトレーニングをしてから、会社に行かれるのですね。
そのような意味でいくと、24時間(運営型にする)だけじゃなくて、営業時間のあり方ですね。(例えば)早朝から始めるプランで、深夜は(営業を)しない。そのようないろいろなプランの組み合わせを実験していきながら、今ある(施設のうち)去年〜一昨年(2016年〜2017年)くらいで、「じわっと(ニーズが)きてるね」というところを、逆に強みとして考えてみたい。
それで、このようなもの(ニーズ)を聞いていると、やっぱり24時間型って、今まで運動してなかった人とか時間なかった方が新たに(利用)しています。業態としては本当に良い仕組みで、参加率も高まってきています。ここは当然(もっと)広がっていくと思います。使う方からすると「平日は忙しいからちょっとトレーニングして帰るけど、(それ以外の時間帯には)ゆっくり使いたいな」というニーズも、当然あります。
あとは、女性のセキュリティの問題等とか。このようなこともしっかり、心してやっていきたいと思っております。あと、ホットヨガプログラムの対応ですね。これは、たくさん推し進めていきたいと考えています。
既存事業の着実な成長 - 介護リハビリ事業 ー
それと、「元氣ジム」。ここについては、フランチャイズを進めていきますということと、直営店もこれからもう少し出していきたいと考えています。
次に、新しく脳卒中特化型デイサービスの「ルネサンス リハビリセンター」を開設します。これも、いろいろな当社の実体験を経て、開設にいたりました。2018年8月に、神奈川県鎌倉市で、最初のリハビリセンターを開設したいと考えています。
新規事業の創出
新たな市場や商品・サービスへの挑戦ということで、健康ソリューション。これは先ほどの伯耆町の(町営温泉施設に、フィットネス施設「フィットネス&スタジオ パル」をオープンした例)であるとか、いろいろなオーダーがきていて。街づくりに対して「『健康』をプロデュースしてほしい」という人たちが、今はけっこうきています。これ(に重点)をおきたいと考えています。
あとは、企業フィットネス(健康経営推進)ですね。このようなことも含めて、やっていきたい。
海外にも、先ほど言いましたように、ようやく収益が取れるようになってきましたので、次の可能性のある店舗(新規市場)を探していきたい。
次に、既成概念にとらわれない、多くの「事業の芽」を創出するために、全従業員からアイデアを集め、事業化する体制の整備をします。これは私の直轄にします。ですから、基本的には出てきたものをプラスの目で見ていきながら、何か(のかたちで)実現していきます。
問題点を探す(マイナスの目で見る)のは、それはいっぱい出てくると思うのですが、それをやっていても、絶対(新しい)事業って出てこないので、プラスの目で見ていきながら、「自分が事業主でやりたい」と言ったら、それをそのままやらせるという話をしています。そのようなことで、働き方を含めて、挑戦していきたいと考えています。
経営資源の明確な配分
これは投資の状況で、それほど大きく変動していません。IT投資は、今年度は若干多いのかなと考えています。
すべてを支える4つの柱 ー IT技術の積極的活用 ー
あと1つ、業務センター室を中心に、Robotic Process Automation(RPA)を導入しました。ここについての取り組みは、業界の中ではかなり進んでいると思います。
それで、将来の(労働)人口減少や人手不足等への対応をするために、(作業の)自動化へトライアルを開始いたしました。年間で65,000時間、業務削減をする。これを1つの目標値として、取り組んでいきたいと考えております。これも、このような(決算説明会などの)会がありましたら、進捗は随時ご報告したいと思います。
経営指標
1つの収益性としては、2020年度までには、売上高営業利益率を10パーセントに到達して、そこから維持できる体制でいく。自己資本比率は、50パーセント。ROEを16.5パーセントと書いていますが、やっぱり世の中で一般的に言われている20パーセントに対しては、しっかり挑戦していきたいと考えています。
競泳選手の活躍
トピックスは、みなさんもご存じだと思うのですが、当社の池江璃花子選手が、先日の第94回日本選手権(水泳競技大会)で4種目で優勝し、日本記録を出しました。そして、持田早智選手もリオの代表選手だったのですが、リオが終わってから2年間、非常に苦しんだようなのですが(今大会で)200メートルバタフライで優勝して、初めて日本選手権で優勝しました。
【速報】シナプソロジー アジアに積極展開
あと、(脳活性化メソッドの)「シナプソロジー」ですね。これも非常に効果が良いということで、先般交渉していますが、韓国法人のチャンネルファクトリーと総代理店契約を締結いたしました。これは、(当社が)韓国でシナプソロジーをしたいという中で、この会社が(認知機能の低下問題に歯止めをかける取り組みを)広げていることで、総代理店契約を締結いたしました。
2019年3月期 連結業績予想・配当予想
最後に、これが今年度(2019年3月期)の(連結業績予想の)数字になります。
売上高は476億円、営業利益は43億円、経常利益は40億円、親会社株主に帰属する当期純利益は25億円になります。1株当たり配当金は、35円を予定したいと考えております。
昨日(2018年5月10日)開示したところ、「今年の伸びは低いんじゃないか」というお問い合わせがけっこうあったらしいのですが。先ほど言いましたように、新規事業の取り組みなどに関して言うと、そうでもないということです。
また、先ほど(ご説明が)あった若干(テニススクールの)会員数で苦戦したところを立て直すための時間も、この1年間は必要じゃないかという中で、当社としては、しっかりこの数字をキープできるように進めていきたいと思います。
お問い合わせの中で、「この数字は絶対、必達ですね?」という、なかなか厳しいお言葉があったのですが、がんばって必達したいと思います。
質疑応答:自己資本比率50パーセント到達後の方針
質問者:日経新聞のサトウといいます。ご説明ありがとうございました。2点ございます。
1点目が、24時間営業化であるとか早朝の営業化への言及があったと思うのですが、今、スポーツクラブの中でどれぐらいのところが転換できるのでしょうか。今は人出不足と言われていると思うのですが、働き方改革とか(を考慮したうえで)どれくらいの店舗で、潜在的に転換できる可能性があると考えておられますか?
岡本利治氏(以下、岡本):既存の中で、24時間営業化するのにハード的な制約がけっこうありまして。そのようなことで「スポーツクラブ&スパ ルネサンス国立24」をモデルに、今年はあと7店舗ぐらいいけるかなと思っています。セキュリティの問題とか構造上の条件がけっこうありますので、なかなかセキュリティの担保は難しいということです。検討できるところで、今年は7店舗ぐらいいけるかと思っています。
質問者:そのあたりはまだ、拡大の可能性はあるのですか?
岡本:ハード的なところがクリアできて、投資の問題と(その)効果の問題で、投資分の利益になるぐらいの会員増が見込めるのであれば、そこに投資をかけていきます。今のところは、まだそこまでの検証ができていませんので、1年をかけて検証していきたいと思います。
質問者:わかりました、ありがとうございます。
2点目なのですが、自己資本比率は(2020年度末までに)50パーセントが目標ということなのですが、到達したあとは、例えば株主還元に回すとか、そのようなご方針はあるのでしょうか?
吉田:はい。当然、株主還元というのは大きなテーマであって、当社は途中(2014年度)で自己株式を取得したようなことでいいますと、配当性向の流れが若干不連続になっている要素があるのですが。そのようなことでいくと、よりこれからいろいろな環境に対して迅速に意思決定をして、いろいろな展開を、例えば、将来はもしかしたら、M&Aもあるかもしれません。
そのような中で、当社としての意思決定が迅速にできる体制については、自己資本比率はしっかりキープしていく必要があるだろうという考えです。その中で、(自己資本比率の50パーセントの到達後の)具体的な使い方は決めておりませんが、そのようなことがくるということを前提で、約10ヶ年の計画を作っております。
株主総会でも、いつも配当性向が(話題に)出ると思うのですが、しっかり業績を上げていくことによって、より配当がしっかりとできるようにしていきます。株主還元ということについては、いろいろなことについて検討していきたいです。