2018年9月期(第2四半期)ハイライト
中村浩二氏:BEENOSの中村でございます。本日はお忙しい中、当社の第2四半期決算説明会にご出席いただきまして、ありがとうございます。
それでは、私から第2四半期の会計期間の決算概要につきまして、説明をさせていただきたいと思います。
まず、第2四半期のハイライトでございます。
流通総額は108億1,000万円、前年同期比で3.3パーセント減。
売上高は52億4,000万円、前年同期比で3.9パーセント増。
営業利益は5億2,000万円、前年同期比で68.5パーセント増。
経常利益は6億1,000万円、前年同期比で64.4パーセント増。
当期純利益は3億3,000万円、前年同期比で73パーセント増となっております。
流通総額は、(スライドの表における)表示は3.3パーセント減となっておりますが、実質的には2.2パーセント増になっています。
昨年(2017年)の12月に、当社はリテール・ライセンス部門の株式会社ネットプライスという子会社を譲渡しており(連結の範囲から除外されており)ます。その譲渡による減少がございますので、それを除いたかたちで比較いたしますと、(流通総額は)実質的に2.2パーセント増となります。売上高も、同様に(実質)18.1パーセント増となっております。
2つ目のハイライトとして、営業投資有価証券の売却です。当社のインキュベーション事業でございますが、そこで3.6億円の売上を計上しております。
第2四半期累計での流通総額の計画に対する進捗率について、ご説明します。今期は430億円の流通総額を予定しておりますけれども、それに対する進捗率は、52.6パーセントとなっております。
連結流通総額の推移
次に、個別の数値につきまして、ご説明させていただきます。
まず、連結流通総額でございます。
流通総額は(スライドを)ご覧の通りでございます。先ほどのご説明の通りですが、実質的に2.2パーセント増となっております。
とくに、当社の中核事業であるクロスボーダー部門、それからバリューサイクル部門につきましては、(流通総額が)四半期ベースで過去最高となっております。
クロスボーダー部門の流通総額の推移
当社では「From Japan」(海外向けEC)と「To Japan」(国内向けEC)と呼んでおります。(クロスボーダー部門の流通総額の推移について)海外向けと国内向けに分けて、ご説明させていただきたいと思います。
ご覧いただいているグレーの折れ線グラフが、為替レートの推移でございます。当社のクロスボーダービジネスについては、少なからず為替の影響を受けております。単価や需要に影響を与えますけれども、この第2四半期につきましては、円高傾向で推移いたしました。
円高(の影響)は、From Japanがアゲインスト、To Japanがフォローなのですけれども、円高傾向の中で、両事業とも堅調に推移いたしました。
(前年同期比で)From Japanは6.9パーセント増、To Japanは9.9パーセント増となっております。
連結売上高の推移
次に、連結売上高の推移でございます。
売上高の流通総額も同様に、実質的には増加しております。とくに、当社の中核事業であるクロスボーダー部門、それからバリューサイクル事業に関しましては、過去最高の売上になっております。
From Japanの流通総額、売上高及びTake Rateの推移
次に、中核事業のクロスボーダー部門です。INとOUTについて、さらに流通総額・売上高・Take Rateでご説明させていただきたいと思います。
円高傾向の中でも、流通総額・売上高ともに、堅調に推移しております。売上高については、過去最高になっております。とくに、Take Rateに関しましては、過去四半期において変動はございません。
To Japanの流通総額、売上高及びTake Rateの推移
To Japanのご説明です。以前から傾向としてはフォローということなのですけれども、流通総額・売上高ともに、堅調に推移いたしました。Take Rateが若干上がっておりますけども、その他収益が加算されている影響であり、とくに(以前からの)体系等に、変更はございません。
連結売上総利益率と販管費の推移
次に、連結売上総利益率と販管費の推移でございます。
このグラフを見ていただきますと(おわかりのように)、販管費のところが総じて減少しており、とくに前四半期(2018年第1四半期)と比べると減少しております。
売上高販管費率を見ても低下しており、広告宣伝費を除いて、総じて低下している傾向でございます。この内容について、次のページでご説明させていただきます。
第1四半期販管費の増減要因(前年同四半期比)
前年同期(2017年第2四半期)の販管費合計の23億4,500万円に対して、この(2018年)第2四半期が23億1,600万円となっております。
主な増減要因として、まず人件費が6,800万円減少しております。これは、リテール・ライセンス部門の株式会社ネットプライスを譲渡したことによって、その分の人件費が減少しているということでございます。
バリューサイクル部門につきましては、例年、第2四半期につきましては広告抑制期なのですけれども、今期につきましては、買取強化を計画しておりましたので、例年よりも積極的に(広告宣伝費・販促費を)投下しております。そのため、広告宣伝費+販促費が6,100万円増加しております。
連結営業利益の推移
以上の結果の、連結営業利益のご説明でございます。
第2四半期の営業利益は5億2,300万円でございます。内訳としまして、Eコマース事業が4億3,300万円、インキュベーション事業が2億1,700万円となっております。
第2四半期につきましては、インキュベーション事業で営業投資有価証券の売却がございました。
営業利益の推移(Eコマース事業の内訳)
Eコマース事業を、さらに3つの部門に分けてご説明させていただきます。
ブルーの(グラフの)クロスボーダー部門は、堅調に推移しまして、前年同期比で17.6パーセント増となっております。
(グリーンのグラフの)リテール・ライセンス部門は、赤字となっております。これは、第1四半期でもご説明させていただいたのですが、もともと第2四半期で予定していたものが、第1四半期に前倒しされておりました。それにより、第1四半期は計画よりも(数値が)よかったわけなのですが、(第2四半期は)その反動がございました。
それから、昨年(2017年)から始めている雑貨ブランド事業です。こちらのリブランディング等にともなう先行投資を積極化しておりまして、その結果(リテール・ライセンス部門は)若干の赤字となっております。
連結:資産・負債の概況
最後に、バランスシートについてご説明させていただきます。
(バランスシートの)赤いハイライト部分は、営業投資有価証券でございます。第2四半期末(2018年3月末)で、26億4,200万円となっております。前四半期末(2018年第1四半期12月末)に比べますと、1億4,200万円減少しております。
この内訳です。まず、新規の投資(による増加)が1億円。売却による減少が5,800万円。引当・評価損の計上が5,800万円。為替変動による影響が1億2,600万円。これらの結果、(前四半期末比で)1億4,200万円の減少となっております。
第2四半期で特筆すべきところとして、商品が2億2,600万円増加、短期借入金が4億7,700万円増加しております。こちらは、新しくバリューサイクル部門におきまして、酒類の買取販売事業(株式会社帝国酒販)を(完全子会社化しました)。
後ほど直井(聖太氏)からご説明させていただきますが、この事業の分が、第2四半期末からバランスシートで連結されております。その影響で、商品と短期借入金が増加しております。
簡単でございますが、決算の内容につきまして、私からご説明させていただきました。
セグメント別ハイライト(2Q)
直井聖太氏:みなさん、こんにちは。BEENOS株式会社、代表取締役社長の直井でございます。続いて、私から事業別のトピックについて、お話をさせていただければと思います。
まず最初に、セグメント別のハイライトでございます。
一番左のクロスボーダー部門においては、先ほども(中村氏から)お話がございましたが、四半期流通総額・売上高として、過去最高を記録しております。
流通総額は59億円で、(前年同期比で)プラス7.4パーセント。売上高は11億円で、(前年同期比で)プラス8.3パーセント。営業利益は1.8億円で、(前年同期比で)プラス17.6パーセントで着地させていただいております。
とくに、この第2四半期においては円高傾向にございましたけれども、その円高が進む中で、しっかりと業績を伸ばせたということです。(詳しくは)この後ご説明させていただきます。約2年前に急激な円高が起こったタイミングで、諸々の準備をしてきたことが、1つの成果として出てきた(決算の)内容かなと考えております。
バリューサイクル部門においては、売上高が過去最高ということで、30億円に着地しております。YonYにおいては、9.6パーセント増というかたちになっております。
続いて、リテール・ライセンス部門のご説明です。リテール・ライセンスにおいては、先ほども(中村氏から)ご説明がありましたけれども、ネットプライスを除いた部分において、実質的には(前年同期比で)売上増収でございますけれども、全体(の流通総額)としては、前年同期比で36.1パーセント減の18億円に着地しております。
また、営業利益においてもマイナス0.1億円に着地しております。これは、後ほどご説明させていただきます。
インキュベーション部門においては、売却益を計上しております。国内外の未上場有価証券の売却をしており、売上高は3.6億円、営業利益は2.1億円に着地しております。
当社のグローバルプラットフォーム構想図
ここからは、事業別のご説明に入ります。あらためまして、当社が目指すグローバルプラットフォーム構想図でございます。
国内においては「Discover(開拓・育成)」ということで、国内のさまざまなユニークな商材を発掘・企画・展開を行っております。
そして、(「Advance」、促進する)クロスボーダー部門を通じて、それを海外につなげていくということです。
(「Expand」、拡げる)海外においては、そのマーケットをさらに拡げるために、海外モールを中心とした会社への投資を行っていくということです。
当社のミッション
最終的には、「日本と世界を繋ぐグローバルプラットフォーマー」を目指しております。
2Qトピック(海外転送事業・代理購入事業)①
そのような中で非常に重要な事業は、当社の中核事業でございますけれども、クロスボーダー部門における輸出事業です。
こちらの状況に関しては、国内連携サイト数や海外ユーザー会員数が、堅調に推移しております。連携サイト数は1,800サイト、会員数は145万人となっております。
2Qトピック(海外転送事業・代理購入事業)②
とくに、この第2四半期にリリースした内容でございます。以前より着手しておりました、サービス開始より9年となる「転送コム」のシステムを、最新のフレームワークにリプレイスして、完了しております。
非常に重要なのですけれども、ITにおいて、10年前のシステムや……下手をすると15年前のシステムを、(それを使い続けながら)改修していく方々が非常に多いです。そうすると、どうしても改修スピードが落ちてしまうことがあります。これは、当社もまったく同じです。
(事象に対して)古くなってくるので、改修や補修コストがどうしても上がってくるのですが。こちらを(「転送コム」において)リプレイスしまして、生産性の向上や維持コストの低減にもつながっております。
現在の「転送コム」は、輸出サービスにおいては中核事業ではなく、代理購入サービス(「Buyee」)が中核となっておりますけれども。このサービス(「転送コム」)においては、できるだけエンジニアの手がかからない状況(を作ること)を、達成したと言えると思います。
昨今のIT業界を見ていると、この10年~15年前に生まれたITサービスは、進化が遅くなってきています。そして、新興の企業さんにマーケットを奪われているケースが、現在は非常に多いと思います。これは、当然10年や20年経ってから(新興の企業さんが)大企業になるというケースもあると思うのですが。
私どもが考えていることは、システム開発速度が遅くなっていると、どうしてもサービス開発速度が落ちていきます。ユーザー(ニーズ)は変化していきますので、そのような中でサービス改修が遅れると競争力がなくなっていくところを、近年見てまいりました。
そのような点も含めて、当社としては先手を打ち、(「転送コム」の)システムのフレームワークを変え、生産性の向上に着手しておりました。
2Qトピック(海外転送事業・代理購入事業)③
流通(総額の推移)や事業の状況のご説明でございます。先ほども申し上げましたが、円高傾向にある中で、安定した収益を持つことができたというところについて、ご説明させていただきます。これも、今までの決算説明会においても、時々触れてきた内容でございます。
当社としては、輸出事業は順調なのですけれども、どうしても為替の影響を受けやすいビジネスとなっております。当然ですけれども、為替レートが変われば、(円ベースでの)流通単価が変わるということですね。(円高・円安で)差がつくということです。
そのような背景があり、為替変動による(流通総額への)変動があった時(その都度)着手するというより、為替変動があった際に、きちんと収益を(安定的に)確保できる体制を(事前に)構築していこうということで、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
まず最初は、(スライドの)一番左に「『Buyee』開始」(2012年12月)と書いてあります。そこから右側に(進むと)「台湾法人設立」とあります。これは、2015年11月に着手させていただきました。当社のカスタマーサポート部門やオペレーション部門などの、海外移転を行いました。
これにより、コスト効率は当然よくなりましたし、より優秀な人材を確保できております。そして、さらに大きいものは、円高がきた際に海外でのコストが、日本円に換算するとコストが減少するというかたちになっております。円高がきて流通(総額)が下がった際に、しっかりとコストも削減できる体制ができているというところでございます。
その後、2016年4月に、今度は倉庫分散を行いました。これも(以前に)一度ご説明させていただいたと思うのですけれども。今までは「中央拠点」ということで、当初は1ヶ所で倉庫の運営を行っておりました。この倉庫を分散させて、現在は4拠点にて運営を行っております。
ここも(成果としては)非常に大きいのですけれども、円高がきた際に……このグラフで言うと、ちょうど2016年第4四半期に、流通総額(折れ線グラフ)がぐっと下がっているのですけれども。
円高がくると、当然取扱個数などが下がり、当初想定していた個数までいかないと(いうことがあります)。(それにより)なにがあるかというと、一番大きいものは、倉庫の固定費が相対的に上がってしまうことですね。次に、準備するための倉庫の販管費などがかかってきます。
そのような際に、円高によって(取扱)個数が減って倉庫の確保(費用)が上がっていくと、どうしても収益を圧迫しやすいところが、2年前(2016年第4四半期の円高時)の課題としてありました。
倉庫分散を行ったことにより、為替変動を敏感に察知して(取扱)個数を縮小する。また、人員を調整することが容易にできる体制をとることができました。
今回の(2018年)第2四半期においては、トップラインはもう少し上(の数字)を目指していたのですけれども、為替変動が起こったタイミングで(円ベースでの流通単価下がることから)倉庫の調整(拡大延期)も行いまして、コストコントロールに成功したということです。
結果として、今回の円高基調でも、流通総額だけではなく利益面においてもしっかりと(数字を)伸ばせたことは、2年前(の円高時)からすると大きな進化だと、当社としては考えております。
これによって、収益を安定的に確保できる体制を構築することができましたので、また新たなチャレンジをしやすいかたちになったと考えております。
2Qトピック(グローバルショッピング事業)①
続いて、グローバルショッピング事業のご説明です。
こちらは、ニュービジネスとなります。前回(の決算説明会で)ご説明をさせていただきましたけれども、ニュービジネスの「セカイモン」において、最も注力して着手させていただいていることが、国際送料を事前に確定するモジュールを構築して、その精度の向上を図るということです。
これは、前回もご説明申し上げましたが、当社は今まで、送料の決済は、商品売買の決済とは別となっておりました。商品代金を最初にお支払いいただいた後に(商品が)倉庫に到着してから、送料が確定するかたちでやらせていただいておりました。
これを第1四半期から、事前に確定させていただくと(いうことです)。日本国内における(一般的な)Eコマースと、同じような状況(商品購入時に送料が確定している)にさせていただくということで、チャレンジしておりました。これに関しては、過去10年分の購買データとマシンラーニング(機械学習)を活用した、当社独自のノウハウになっています。
2Qトピック(グローバルショッピング事業)②
早くも、その結果が出ています。当社が「なぜこれをやったのか?」と言うと、通常のEコマースと同じような体系を提供することで、新規のお客さま・ライトなお客さまが使いやすい状況を作っていこうということです。これによって、新規落札数の増加を狙っておりました。
結果として、2018年3月では、前年同月比1.9倍の(新規)落札数を確保できております。グラフを見ていただくと(おわかりのように)とてもきれいなのですけれども。昨年(2017年)11月に(「国際送料事前確定モジュール導入」を)リリースさせていただいてから順調に成長させていただいておりました。これにより、今年(2018年)の3月においては(前年同月比で)1.9倍というところまできております。
ですから、より簡単にお買い物ができる状況を作り、新規のお客さまを獲得して、トップラインを伸ばしていく。このところにおいて、まずは新規落札数で非常にポジティブな数字が出てきておりますので、こちらをみなさまにご報告・ご共有させていただきたいと思います。
2Qトピック(リテール・ライセンス部門)
続いて、リテール・ライセンス部門のご説明でございます。
リテール・ライセンス部門は、「ネットプライス」に関して(連結対象外となり)控除した比較においては、実質的には13.2パーセントの売上高増となっております。
一方で、第2四半期においては、当初予定をしておりましたエンタメ事業における大規模なイベントが延期になりましたので、結果として、収益面において悪化しております。
これは一時的な要因だと考えておりますので、第3四半期以降はきっちりと結果を出していきたいと考えております。
そして、新規事業である「SWATi(スワティー)」というブランドを展開していくために、積極的な先行投資も行っておりますので、こちらに関しても、ご期待いただきたいと思います。
2Qトピック(バリューサイクル部門)①
続いて、バリューサイクル部門です。
バリューサイクル部門においては、デファクトスタンダード社の(2018年9月期第2四半期)決算説明において、詳しくご説明させていただいているかと思います。私からは、トピックをかいつまんでお話しさせていただきたいと思います。
バリューサイクル部門の「ブランディア」のサービスにおいて、なにに注力してきたかについて、ご説明します。
昨今はCtoCマーケットの変化にともない、各種CtoCのマーケットプレイスはありますけれども、実は数ヶ月前から、そのようなマーケットプレイスに依存しない販売環境をつくっていくことに着手しておりました。
結果として出てきた数字でございますけれども、売上高に関しては、前期の第2四半期と比較すると(売上高は)74パーセント増ということで、自社販路である「ブランディアオークション」での販売が、非常に伸びてきております。
現在の「ブランディア」における販売の構成比でいうと、(売上高の)28.3パーセントが、この「ブランディアオークション」によるものとなっています。
中古の買取ビジネスをローンチされている方は、よくご存じかと思うのですが、中古の買取ビジネスは、独自販路での(販売)比率は低い、もしくは(独自坂路を)持っておらず、ほぼCtoCのマーケットプレイスに依存している状況がございます。
当社も、その(他社のマーケットプレイスにおける販売)比率が非常に高かったわけでございます。そのような中で、以前から着手をしていたのが、1社のマーケットプレイスに特化するのではなく、さまざまなマーケットプレイスに出品を行うことで、リスクヘッジを行ってまいりました。それをさらに強化するべく、自社販路での販売を強化してきた結果、28.3パーセントが当社の自社販路であるというかたちになっています。
結果として、デファクトスタンダード社としては、より強く成長する機会ができたと思っています。こちらに関しては、きっちりと(自社販路での販売を)進めていきながら、またマーケットプレイスとも協調を行いながら、しっかり事業を伸ばしていきたいと思います。
コストの部分に関しては、前回(の決算説明会でも)ご説明させていただきましたけれども、より効率的に(販売を)行うための出品業務の在宅ワーク化比率を63パーセントに維持して、コスト削減に寄与しております。引き続き、(出品業務の在宅ワーク化を)きっちり進めていきたいと思います。
2Qトピック(バリューサイクル部門)②
そしてバリューサイクル部門においては、第2四半期に新たなトピックが1つございます。
株式会社帝国酒販の、完全子会社化を行いました。こちらに関しては、酒類の二次流通、買取・販売事業を展開している会社であります。
当社としては、今まで「ブランディア」を育ててまいりましたけれども、この経験を活かし、また「転送コム」「Buyee」といった輸出事業と連携しながら、海外の販路拡大も目指していきたいと思っています。
こちらのビジネスモデルにおいては、まさしくお酒の買取ビジネスですが、「ブランディア」と違うところとしては、実際の店舗を持って運営をしており、店舗買取を行っています。
全国各地7ヶ所において「JOY LAB(ジョイラボ)」という店舗を運営し、店頭での店舗買取を行っております。
販売形態としては、中古買取ビジネスとしてはメジャーでございますけれども、こちら(スライド中央右下)にあるような、各マーケットプレイスでの販売に注力しております。
2Qトピック(バリューサイクル部門)③
簡単に(帝国酒販の事業を)ご説明をさせていただくと、月間の平均買取点数は約10,000本。買取ジャンルとしては、ワイン・ウイスキーが中心となっており、その2つで(買取点数の)約6割を占めています。そして(メイン)ユーザー層としては、20代~40代の男性となっています。
販売面においては、メイン販売チャネルである「ヤフオク!」でございますが、(ヤフオク! ベストストアアワードの)食品・飲料部門において、4年連続1位となっております。
当社としては、帝国酒販に関しましては、きっちりと育てていきながら、バリューサイクル部門をより強化していき、そして海外に繋げていくということに、今後着手していきたいと思っております。
2Qトピック(インキュベーション事業)
続いて、インキュベーション事業をご説明したいと思います。
国内投資と海外投資に分けて(インキュベーション事業を)行っておりますが、Eコマース事業との連携を行っていくところが、非常に重要でございます。
投資に関しても、やみくもに投資をするのではなく、国内のEコマース事業と密接に連携しながら、お互いに成長できるようなパートナーを探し、投資を行ってまいりました。
さらに、当社独自の新規事業も行っておりますので、この既存Eコマース事業を核として、さまざまな事業を行っていきたいと思っています。
2Qトピック(インキュベーション事業/国内投資)①
そのような中で、国内投資に関しまして、第2四半期に新たに投資をさせていただいたことについて、共有させていただきたいと思います。
新たに投資をさせていただいたのは、宿泊施設と空港間の手荷物を当日配送して、手ぶら観光をサポートする、株式会社Airporterに出資をさせていただいております。
こちらのサービスの流れとしては(スライド)下記にございますけれども、旅行者の方々は、やはり荷物を運んで渋谷や銀座などを歩くのは非常に厳しい。また、コインロッカーも満杯状態で、荷物を預ける先がないと。
一方で、宿泊施設においても同じことが言えまして、「荷物を預かってほしい」というご要望をお客さまからいただいても、実際はバックヤード(のスペース)が埋まっていて、預かる場所がないと。
また、そのオペレーションにも非常に時間がかかるということで、「当日(預けた手荷物を)空港で受け取れるようなサービスが非常に便利だ」という声がある中で、このAirporter社は、そこで勝負をしようというかたちで(サービスを)運営しています。
「手ぶら観光サービス」は、いろいろ(な会社のものが)出てきているのですが、当社がこの(Airporterの)サービスをおもしろいと思った点は、当日配送を行っているというところです。朝ホテルを出る際に、このサービスに申し込んでいただくと、夕方空港で(預けた手荷物を)受け取れるというサービスでございます。
これを実現しているサービスは、当社が調べている限りでは、今のところ(他には)ございませんので、圧倒的な利便性の高さがあると考えております。
2Qトピック(インキュベーション事業/国内投資)②
このようなインバウンド向けのサービスにさまざまな投資を行ってきましたけれども、今日は、そこをまとめて簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
「インバウンド関連投資先とシナジー効果を創出」と書かせていただいていますけれども、まず最初に(スライド)右上にございます「metoro engines」でございます。
最近、さまざまなメディアで取り上げていただく機会が多いのですけれども、こちらに関しては、宿泊施設のレベニューマネジメントを行っているサービスになります。
もともと、民泊系のレベニューマネジメントを行っていたのですが、民泊だけではなく、ホテル業界にも乗り出していっているので、(データの連携)相手として「宿泊施設」というかたちで書かせていただいています。
具体的に申し上げると、人工知能を活用して、ホテルの客室単価をいくらに設定すれば収益の効率性・採算性がとれるかということを、導き出すサービスになっています。
過去の各ホテルの(客室)単価の設定や、それによる空室率を、当社独自に割り出していきながら、宿泊施設の単価を上下させるような、さまざまな情報をこのデータベースの中に入れ、独自のアルゴリズムで分析して、最適な客室単価を割り出すサービスになっています。
近年において、ホテル業界の状況はいろいろ変わってきています。インバウンド旅行客が増え、「ホテルの数が足りないのではないか?」と言われ、それに対応したら、「(ホテルが)供給過多になってきているのではないか?」と言われる。つまり、バランスコントロールができていないわけです。
今後の大きな流れとして、ホテル事業を行っていく際に、非常に重要になってくることが、客室単価をどのようにコントロールするかというところだと考えています。
そのような中で、このmetoro enginesは一番貴重なデータを持ち、そして、それを独自のアルゴリズムで分析して、結果を出しにいくというチャレンジをしています。もうすでに、大手ホテルチェーンさまにどんどん進んでいますので、こちらは今後ウォッチしてしていただければと思います。
結果として、営業先としてはホテルさまが多いわけでございます。Airporter社においても、「手ぶらで観光」サービスを提供して行く提携パートナーとしては、実はホテル業界さまが一番多いわけです。
ホテル(業界)を拠点とさせていただいて、ホテルのみなさまにAirporterサービスをご紹介いただく。ホテルの方々からすると、自分たちのオペレーションが助かるサービスなので、どんどんご紹介いただけるということです。今は実際に営業連携も行って、各ホテルさまに両方のサービスを導入されていくという状況が、生まれてきております。
さらに、宿泊施設事業において(申し上げたいことは)前回ご説明させていただいたスターリゾート社でございます。こちらに関しては、今後さまざまなリゾート地などにおいて、運営を行っていくわけでございます。この際にも、このようなデータが非常に重要になってまいります。
どのような地域に宿泊所が足りず、どの季節にどれぐらいの価格設定でやるべきなのかというところを、日次で変動させていくことのできるmetro enjinesのデータを活用していくことによって、より効率的な宿泊地の運営や、もしくは宿泊施設のオープンに関する提案ができるようになってまいります。このデータをコアにしながら、きっちりと広げていきたいと思っています。
そしてもう1つ、インバウンドにおける通信においては、WAmazing社に投資をさせていただいております。WAmazing社においては、日本に旅行に来られる方々に無料でSIMを配布し、さまざまなサービスの活用につなげていくことに取り組んでいらっしゃいます。
このWAmazing社とも、Airporter社やPayke社も含めた、このようなユーザー向けのサービスをユーザー連携していくところに、今後は期待していくかたちになっております。
当社としては、このインバウンド領域は、日本にとっては数少ない伸びる成長マーケットであると睨みながら、さまざまなインバウンド関連企業に投資をさせていただきます。そして、その関連投資先がシナジー効果を創出していくことで、きっちりと企業として成長していただきたいというところと、この日本のインバウンド業界も盛り上がっていくというところに、寄与していきたいと考えております。
インキュベーション事業/海外投資
続いて、海外投資でございます。
海外投資においては、ネクストチャイナを中心とした新興国のマーケットプレイスやペイメント企業に、投資させていただいております。
ここを見ていただくと(おわかりのように)、一番多いもの(投資先)はインドです。続いて、インドネシアになっております。
今までみなさまにご説明していなかった企業さまの中で、非常に成長株の企業が出てきていますので、本日はこちらをご紹介させていただきたいと思います。
2Qトピック(インキュベーション事業/海外投資)①
本日ご説明させていただくのは、インドネシア最大のBtoBマーケットプレイスである「Ralali(ララリ)」でございます。
こちらは、中小企業事業者向けの間接資材のマーケットプレイスでございます。日本にいらっしゃるみなさまがイメージしやすいのは、「モノタロウ」です。インドネシアにおけるモノタロウと思っていただければと思います。
このRalaliがすごいのは、そのような間接資材だけではなく、例えばセメントのような原材料に関しても販売を開始しているところです。例えば、タイの財閥などと組みながら、そのような資材の販売も行っています。
(インドネシアにおいて)BtoBのマーケットがなぜ必要かと言うと、インドネシアにおいては、やはりさまざま(な背景がある中)で、今後発展していくうえで、さまざまな間接資材が足りていない状況です。そのような中で、効率的な流通場所がなかったのですけれども、このRalaliの存在で飛躍的に(間接資材の調達力が)向上しております。
インドネシアは、とくに島が非常に多いわけですけれども、建設を行う際に、今までであれば、建設資材を取り寄せるのに1ヶ月もかかっていました。しかし、このRalaliは独自の物流網を引きながら、離島であっても1週間で届けることができます。ふだんのマーケットプレイスだけではなくて、足回りをきっちりと持ちながら、資材を確保できていると思います。
成長に関しては、非常に私どもとしても期待しております。(2018年)3月の月間GMV(流通総額)においては900万ドル(約10億円)となっております。つまり、ピッチとして年間で100億円を超えるペースまで成長しております。前年同月比と比較すると、約3倍に成長しています。
「このまま成長していくと(最終的には)どこまで成長していくのか?」と、非常に期待できるところでございます。すでに、インドネシアにおいてこれだけの流通規模を出せる事業にまで成長してきておりますので、当社としても、Ralaliに関しては注目をしながら、支援をしていきたいと考えています。
2Qトピック(インキュベーション事業/海外投資)②
続いて、もう1つご紹介させていただきたいと思います。
ASEANにおけるファッションマーケットプレイスである、「Zilingo(ジリンゴ)」でございます。
これは、インドネシア・タイ・シンガポールを中心に展開しておりますけれども、それ以外のASEANにおいても、きっちりとサービスを展開しているビジネスになっています。
これも、みなさまがイメージしやすいところで申し上げると、ASEANにおける「ZOZOTOWN」を目指しています。
とくにこちらも大きく成長しておりまして、(2018年)3月における月間GMVにおいては(1,700万ドルで)日本円で約19億円まで成長しております。つまり年間では、すでに200億円を超えるところまで成長しております。これは、前年同月比で比較すると、約7倍の急成長をしております。
これは日本にあまりない(成長の仕方な)ので、とくに違和感を感じるのですが、東南アジアだと起こりうるというところでございます。
この会社のサービスが非常に優れているところとしては、やはり、すでにASEANでファッションのコマースを行っていること。そして、すでに越境EC比率(クロスボーダー比率)が約56パーセントで(あること)。半分以上が、もうクロスボーダーなんです。
(この状況は)日本だと考えづらいことです。立ち上げのタイミングから、クロスボーダー比率が50パーセントを超えるEコマースは考えづらいのですが、これが今のASEANの状況です。
当然、輸出入のハードルが非常に高いので、(いずれは)これが当たり前のようになってきます。「ベトナムだけ」「インドネシアだけ」で勝負をしていくことは、とくにバーティカルできたEコマースには、非常に難しいと考えています。そのような中で、Zilingoがきっちりと成長してきているところは、非常に魅力的だと思います。
「なぜ、このクロスボーダーが重要なのか?」ということですけれど、私どもが以前から申し上げている、クロスボーダーにおけるアービトラージです。これをきっちり実現している会社が、実はZilingoです。
いろいろな例があるのですが、非常にわかりやすい例でご説明させていただくと、アジア……ASEANの中で、ファッションが一番進んでいると言えば語弊がありますけれども、例えば、「タイで人気が出たブランドの新商品が販売されます」と。ファッションブランドであれば、必ず新商品が発売されたあとに、ある一定期間を過ぎるとセールが始まって、値崩れが始まるわけです。
タイで人気が落ちてきたものを、インドネシアで売る。逆に、インドネシアで人気が落ちてきたものをベトナムで売るということが可能なんです。
これは、各国のブランドさんによって、新商品の販売時期が間違いなくズレますので。もしくは、そもそも(国内に商品が)売っていない・(ブランドの)店舗がないということもありますので、このアービトラージが起こりまくるわけです。
そこを狙って、在庫をコントロールしながら販売して、一番きっちり高く売れる場所で売るということ。これは商売では当たり前なのですけれども、(それが)きっちりとできているからこそ、この越境EC比率が56パーセントであり、この成長率を実現できているというかたちになっています。
したがって、Zilingoが目指しているところとしましては、ファッションにおける……ASEANにおけるZOZOTOWNでありながら、さらにアービトラージをきっちり体現している会社であるということで、私どもとしては、非常に期待している会社になっております。
2Qハイライト
最後に、第2四半期のハイライトとして、まとめさせていただきました。
今回、ネットプライスが連結対象外となったことで、非常に数字がわかりにくい状況でございますけれども、(その分の)除外を考慮したうえでお話しさせていただくと、連結の流通総額は実質2.2パーセント増、売上高は(実質)18.1パーセント増になっています。
クロスボーダー部門の流通総額・売上高、バリューサイクル部門の売上高が、過去最高になっています。バリューサイクル部門においては、第2四半期で販管費をかけたところもあるのですけれども、しっかりと売上高を伸ばすことができています。
営業投資有価証券の売却においては、売上3億6,000万円を計上しております。
最後に、流通総額の計画対比進捗率は52.6パーセントです。円高が進んで、第2四半期においてきっちり業績を伸ばすことができましたので、下期においても、きっちり事業を伸ばしていきたいと思っております。
以上、私からご説明申し上げました。