2017年12月期 連結決算ハイライト
藤田進一氏:みなさまこんにちは。ただいまご紹介に預かりました、ムゲンエステート社長の藤田でございます。限られた時間ですので、早速始めさせていただきます。
連結決算の概要でございます。まずはハイライト。去年の連結累計期間における売上高・各利益は、過去最高を更新いたしました。
売上高が635億6,800万円、前期比で10.6パーセント増。営業利益が71億2,200万円、前期比で12.9パーセント増。経常利益が64億7,800万円、前期比で13.7パーセント増で終わりました。
セグメント別になりますけれども、(まずは)不動産売買事業です。その中の投資用不動産販売の売上高は、前期比15.5パーセント増の522億300万円。3億円超の投資用不動産販売は、10億円超が7件できまして、それを含む47件(となっております)。前期比で3件アップさせており、順調に推移しております。
平均販売単価は、前期比9.5パーセント減となっております。こちらは、区分投資用不動産……ワンルームマンションの一部屋の、その部分のバルク買いがかなりできまして、その分の単価が下がってしまいました。
件数的には、前期比で81件増加。その部分で、販売単価が下がったというかたちになっております。ただ、一棟投資用不動産を1棟だけ見ますと、前期比12.8パーセント増の2億4,800万円と、着実に大型化もできております。そして粗利益率は、計画値および前期を上回り、順調に推移しております。
一昨年(2016年)の頃には、「去年(2017年)は粗利率がだいぶ下がるだろう」という計画をしていたんですけども、景気も良く、第1四半期から粗利率はけっこう取れてまして、その部分がずっと良い調子で続きました。
次に、居住用不動産販売ですけども、こちらはやはり競争激化などがいろいろありましたので、売上と件数前年を下回っています。ただ、だいたいおおむね計画どおりで、こちらは推移しています。
そして、賃貸その他事業でございますけども、売上高は前期比0.6パーセント増加。前期とおおむね横ばいの水準となっております。
不動産の賃貸収入は、前期比0.1パーセント減少の23億1,700万円。こちらは当社の場合、商品として投資用不動産を持っている間の賃貸収入が関係してくるんですけども、在庫を厳選して仕入をしておりましたので、それからの賃貸収入が計画どおりにはいかなかったといった部分がございます。
2017年12月期 連結損益計算書概要
続いて、連結損益計算書概要でございます。
増収増益をずっと続けているかたちでございます。売上高も10.6パーセント。10パーセント以上(前年同期から増加しており、各)利益も10パーセント以上伸ばして(成長が)続いております。
利益率に関しましては、経常利益率が0.3ポイント上がって、当期純利益率も1.6ポイント上がって終わっております。
報告セグメントごとの 売上高、利益
セグメントごとの売上高・利益です。
不動産売買事業は、2016年の551億円に対しまして、(2017年は)612億円、11パーセント増。そして、賃貸その他事業に関しましては、23億4,100万円から23億5,600万円。こちらがあまり上がらなかった(要因は)先ほどのハイライトの通りでございます。
利益に関しましても、不動産売買事業が69億8,900万円から77億9,200万円。(前期比で)8億200万円、11.5パーセント増。賃貸その他事業に関しましては、9億600万円から9億800万円と、(増加の幅としては)200万円ほど。こちらは、あまり上がっていないという結果で終わっています。
不動産買取再販事業の状況
不動産買取再販事業の状況でございます。
売上高、投資用不動産が(2016年の)451億円から(2017年は)522億円になりました。その内訳は、先ほどのハイライト以外のところですと、物件の大型化を推進したところ、一棟オフィスビルが多くなりました。
こちらは、営業が物件をいろいろ仕入れてくるということはもちろんですけども、金融機関さまの協力により、そういったものを当社が安心して借り入れができるようになった。この効果が大きくあります。
やはり、仕入れの手段と、あとは借り入れ……ファイナンスの両方ができないと、物件の仕入れができませんので、その部分が大きくできたと考えております。
一棟オフィスビルの売上高は、前期比92.9パーセント増の228億8,000万円と、大幅に増加しております。
需要としましては、投資家の方が買われるのももちろんそうなんですけども、法人の方が本社ビルで空ビルを購入するとか、いろんな部分でオフィスビルの需要が強くなっていると考えられております。
投資用不動産の平均販売単価は、先ほども申し上げましたけども、区分マンションの一室ワンルームなどが多かった関係で、前期比81件増加。そして平均販売単価が、一棟投資用不動産のみの場合には、2億4,800万円となっております。居住用不動産販売に関しましては、おおむねだいたい今、計画どおりに進捗しております。
不動産買取再販事業の状況 エリア別販売件数割合
続いて、エリア別の販売件数割合等でございます。
投資用不動産は、全138件中の104件が東京都と、ワンルームの区分の販売がかなり多かった関係がございました。その結果、販売単価がだいぶ下がっております。
他のエリアにつきましても、当社はワンルームマンションを多く買えるようになりましたので、情報がどんどん集まるようになりまして、ほかの地域も販売件数が増えてきております。
居住用不動産に関しましては、東京と神奈川が減少して、埼玉と千葉が増加しています。こちらは、どういったところで仕入れるかによって割合が変わるので、(それに応じて)毎年変わってきてしまっているというのが、現状でございます。
不動産買取再販事業の状況 海外投資家への販売推移
続いて、海外投資家への販売推移でございます。
件数は前期比11件増加、 平均販売単価は前期比29.6パーセントの減少となっております。件数は、海外の方にもワンルーム一室の販売が多くなった関係で件数が増えて、平均販売単価は減っています。
販売件数が増えた関係には、(資料上部の)最後に書いてあります、「ダイバーシティの一環として、外国人社員を活用」といったところです。東京の仲介会社さんで、中華圏の方がいらっしゃるところにどんどん物件を紹介して、中国からのお客さまをどんどん引っ張ってくるということを、今増やしております。
不動産買取再販事業の状況 事業期間の状況
続いて、事業期間の状況でございます。
投資用不動産が(グラフの)赤色の部分ですけども、(通期平均事業期間は)279日。(一方、青色のグラフの)居住用不動産が183日と、動いております。投資用不動産に関しましては、去年は仕入れがなかなか難しい部分がありましたので、安売りはしないという目的のところ、持っている間はきちんと賃貸収入が上がりますので、適正な値段で販売するまで長期化していくというところが(数字に)出ております。
居住用不動産に関しましては、空になっていますので、これはどんどん早く売ってくることを、今後も続けていきたいと考えております。
2017年12月期 連結貸借対照表概要
連結貸借対照表の概要でございます。
販売用不動産が前期末比8.5パーセント減少し、長期借入金が前期末比20.2パーセント減少しております。やはり、厳選した仕入れをしておりましたので、販売用の在庫を減らして、それに合わせた借入金も減っているというかたちでございます。
その結果、現金および預金は、前期末比50.3パーセント増加となっております。仕入れ先行型から変わっておりましたので、この結果になっております。
また、無担保社債を6回、合計16億円発行いたしました。そして3月に契約したタームアウトオプション付のコミットメントライン。契約金額30億円を含め、大型物件の仕入れに活用していく方針でございます。こちらは、今期もいろんなかたちで借入をして、どんどん仕入れできる体制を作っていきたいと考えております。
こちらがいちばん重要なんですけども、財務基盤の安定化を図るため、借入期間の長期化は継続的に実施していくかたちにしています。
商品ですと、だいたい1年とかで売るには売るのですけども、やはりなにかがあったときのために、5年や10年などの長期で借入をさせていただくことは、継続していきたいと思っております。
平均借入期間として、投資用不動産が3年10ヶ月、居住用不動産が12ヶ月というところです(2017年12月31日現在)。居住用不動産は1年以内に全部売り切るようにしますけども、投資用不動産は長期で借りていく方針を続けていきます。
在庫(販売用不動産)の推移
在庫の推移でございます。
こちらは、いちばんみなさんが心配されている部分だと思います。第3四半期は383億円と、少し減りましたけども、去年(2017年)の8月から仕入れの方針を積極的にしていくかたちをとった結果、年度末では416億円に増やすことができました。
こちらは帳簿の在庫として載っている数ですけども、仕入れの契約残としてはまだ増えていて、今後もこれは増やしていくかたちでおります。
自己資本比率及び有利子負債依存度の推移
続きまして、自己資本比率および有利子負債依存度の推移でございます。
自己資本比率は年度末で32.5パーセント、有利子負債依存度は60.9パーセントとなっております。こちら(自己資本比率)は、だいたい30パーセントあればいいかなと思っているんですけれども、利益が積み上がっていきますと、その分自己資本比率が上がっていくかなと思っております。
有利子負債依存度を下げていけば、また借入がしやすい環境になっていくかなとも思っておりますので、この部分は気をつけながら、していきたいと思っております。
2018年12月期連結業績予想
続いて、2018年12月期の連結業績の見通しと今期の取り組みでございます。
連結の業績予想でございます。昨年度(2017年12月期)の635億6,800万円に対して、今期(2018年12月期)は762億8,400万円。(前期比で)127億1,500万円の増加、プラス20パーセントです。利益に関しましては、各々(売上総利益が)プラス14.6パーセント、(営業利益が)プラス11.8パーセント、(経常利益が)プラス11.5パーセント。
当期純利益は、プラス8.5パーセントを目指しております。利益率に関しましては、だいぶ去年よりも高止まり感が出てますので、この分はちょっと抑えたかたちで計画しております。
ですから、これが上振れればいいですし、これを最大限死守するというかたちで、動いていきたいと思っております。
2018年12月期連結業績予想 売上高・経常利益推移 報告セグメント別売上高
売上高・経常利益の推移でございます。
報告セグメント別です。不動産売買事業が、(2017年12月期の)612億1,200万円から(2018年12月期は)738億4,000万円。プラス126億2,700万円です。
賃貸その他事業に関しましては、23億5,600万円から24億4,400万円。プラス8,700万円です。こっちのほう(賃貸その他事業)があまり伸びないかたちになっていますけど、物件の大型化という部分と、空室が多い部分を買ってバリューアップができる物件が、多分多くなりますので、これぐらいで進めていきたいと考えております。
2018年12月期連結業績予想 不動産買取再販事業計画
不動産買取再販事業の計画でございます。
売上高に関しましては、青色の部分の居住用不動産が、だいたい93億6,000万円。100億円にいかないところでずっと推移しながら、(一方で)赤色の部分の投資用不動産を(2017年12月期の)522億円から(2018年12月期の)644億円と、こちらを増やしていくというかたちにしております。
(資料中央の)販売件数に関しましては、青色の部分の居住用不動産が、去年の358件から(今年は)360件と、だいたい同じぐらいです。赤色の部分(投資用不動産)が、(去年の)318件から(今年は)340件に増やすようなかたちで、動いております。
(資料右側の)平均販売単価は、昨年度はワンルームの1部屋の部分が大きかったので、(赤色の投資用不動産が)だいぶ下がりましたけども、今年はそれを含めても大型化をしていくかたちですので、平均販売単価を1億8,900万円にしていきたいと思っております。
居住用不動産(青色の部分)に関しましては、当社の場合は、高級マンション1件で1億円~2億円という分野がちょっと弱いので、平均単価はこの(グラフの)ようになっております。
2018年12月期事業展開方針①
事業展開方針は昨年度から変わらずに、投資用不動産販売を強化していきます。賃貸その他事業に関しましては、これから伸ばすために基礎固め……人員を増やす等(しながら)商品化ももちろん、商品を売り終わったあともきちんと管理できる体制を、今後も作っていくかたちで強化していくと考えております。
不動産販売事業は10億円超の大型化(を推進していきます)。こちらは11~12億ではなく、20億円を超えたもの、30億円以上のものにも挑戦をしていきながら、いろんな商品を作っていき、お客さまのニーズに合わせたものをどんどん買っていくということを考えています。
賃貸その他事業の部分では、昨年度(2017年)はぜんぜん買えなかったのですけど、固定資産の部分は今年(2018年)も良いものがあったら買う。無理して買わないことは引き続きしていき、その分、商品をきちんと購入していくかたちでしていきたいと考えております、
2018年12月期事業展開方針②
事業展開の方針の2番目の、基盤強化のポイントです。
こちらも昨年度(2017年)と変わらずに、首都圏に特化していく。どんどん深掘りをして、いろんな商品を作っていきます。
商品ラインナップ(の充実)。昨年も区分所有マンションをやりましたけど、あとはいろんな仕入れの手段方法を考えながら、どんどん増やしていきたいと思っております。
営業一貫責任制堅持は、やはり相場がだいぶ高くなっていて、1件1件の粗利の管理が難しくなりますので、この部分は変えずに、1件1件の粗利を大事にして、それを積み上げて700件やっていくことを続けていきたいと思っております。
事業機会の拡大は、一筋縄で、半年ほどでは効果は出ませんけども、やはり銀行・信託銀行さんとかの公募物件の売却もそうですし、仕入れの件に関しても少しずつですが増えてきていますので、これを確実に抑えていく。(それだけではなく)違うルートもどんどん開拓しながら、していきたいと考えております。
こちらは、もっといろんな人材を集めて、いろんな分野から仕入れをしていくということも、少しずつ計画しております。
今期の取り組み 販売戦略の強化
販売戦略の強化です。
こちらもあまり変わってはいませんけども、やはり海外投資家の部分の、今までは大きい5億円~10億円の物件が多かった部分がありました。
バルク売りの物件という部分が細かい部分……(資料の)右下の部分になりますけども、そういった部分もどんどん増えてきていますので、いろんなニーズ・チャネルを使って販売していくことは、引き続きしていきたいと思っております。
あとは、国内事業法人です。固定資産として取得する方々、中小企業のオーナーとかが会社として買う部分が増えてきております。
そのようなものに合う物件。(例えば)空ビルもそうですし、投資用としての固定資産の両方がありますので、そのようなものもどんどんニーズを拾って、開拓していきたいと思っております。
今期の取り組み 新規事業の積極推進による新たな収益基盤の構築
今期の新しい取り組みです。
「ムゲンエステートのらくらくリースバック」というものを(リリース)しました。これは正直、ほかの他社さんもいろいろしていると思います。
ただ、「ムゲンエステートもこういうことができるんだよ」と。同じことをずっとしているのではなく、新しいことにチャレンジしているという意味でも、こちらはみなさんに知っていただきたいと思って、作っております。
これはやはり、仕入れの手段として考えております。いろんな今までの他社さんと違って、我々は投資用不動産をけっこう扱っています。
(例えば)上(の階)にオーナーが住まわれていて、下(の階)を賃貸に回しているという物件です。小さい物件では、けっこう1億円~3億円が多いんです。
そういったものにも我々は対応できますので、ただのマンションの1室だけのリースバックではなく、いろんな分野のものを宣伝しながら、これからいろいろ仕入れをしていきたいと考えております。
株主還元 一株当たり配当金
株主還元です。
一株当たり配当金は、2017年12月期の期末配当を(23円から)25円へ、2円増配としております。
中期配当方針として、2020年までに配当性向20パーセント程度を目標に上げていく方針を出させていただいております。
企業価値を上げるために、これ(配当方針)も1つの手段だなと思っておりますので、いろんなことを考えながら、株主還元を進めていきたいと考えております。
株主還元 株主優待制度
株主の優待制度は、引き続き(このように)行っていくと考えております。