2018年3月期第3四半期決算説明会

塩野諭氏:MS&ADホールディングス広報・IR部の塩野でございます。本日は、保険セクター各社の決算発表が立て込む中、弊社の決算電話会議にご参加いただきありがとうございます。なお、本日はこうした理由から、通常より15分短い45分間とさせていただきますことをご了承願います。

資料1 グループ連結(2017年度第3四半期)①業績の概要 1(トップライン)

それでは、「2017年度第3四半期決算電話会議資料」と題したスライドの1ページ目、資料1をご覧ください。まず、グループのトップラインの状況について説明いたします。

損保の正味収入保険料は、海外保険子会社が、引受選別を強化しているMSアムリンなどを主因に減収となりましたが、米州・アジアは増収、国内損保子会社が440億円の増収となり、グループ全体では196億円増収の、2兆6,282億円となりました。生命保険子会社のグロス収入保険料は、MSP生命の商品ラインの入れ替えを主因に、139億円の減収となりました。

資料2 グループ連結(2017年度第3四半期)①業績の概要 2(ボトムライン)

次に、資料2をご覧ください。グループのボトムラインの状況について、説明いたします。四半期純利益は今期、国内・海外とも自然災害が大幅に想定額を上回ったことや、収益力回復取り組み途上のMSアムリンの一般ロス悪化を主因に、前期比53.4パーセントマイナスの976億円となりました。

資料3 グループ連結(2017年度第3四半期)②前年同期との⽐較 1

次に、資料3のグラフをご覧ください。第3四半期純利益の対前年変動要因を説明します。

減益の主因のひとつは、②の国内損保子会社のインカードロスにおいて、海外の自然災害が一連の北米自然災害により、前期比で416億円、国内の自然災害が台風21号を主因に168億円増加したことによるものです。

もう1つは、MSアムリンにおいて同様に北米自然災害のロス、および一般のインカードロス増加などから、⑧の海外保険子会社の四半期純利益が、前期比マイナス1,013億円の減益となったことです。一方、①のアーンド保険料は250億円と堅調に増加、④の資産運用・その他において、政策株式の削減が順調に進んだことにより、売却益が増加しました。

なお、⑦の国内生保が85億円のマイナス寄与となっていますが、これはMSP生命で金利・為替の変動による損益に対して、今期から各四半期においても、価格変動準備金の追加繰入を行っていることが主因であり、同社の業績は、当期も順調に推移しております。

資料5 グループ連結(2017年度第3四半期)③グループコア利益

資料5をご覧ください。グループコア利益は、海外自然災害の国内元受分を取り込み、マイナス1,404億円の減益となった海外事業を主因に、1,449億円減益の650億円となりました。

資料6 ⾃然災害の状況(2017年度第3四半期)①海外⼤⼝⾃然災害の損害額

次に、海外大口自然災害について、資料6をご覧ください。中間期からは、(2017年)10月と12月に発生したカリフォルニア北部および南部の山火事の、合計336億円を織り込むとともに、モデルベースで算出した中間時点の見込み損害額を、順次元受保険会社からの報告に置き換えた結果、第3四半期海外大口自然災害ロスは、1,277億円となりました。

資料8 国内損害保険会社(2017年度第3四半期)①主要2社の業績概要1

次に、国内損保主要2社の保険引受について説明します。資料8の右端の、2社合計の列をご参照ください。トップラインの正味収入保険料は、2.2パーセントの増収となっており、着実に成長しております。

次に、保険引受利益については、634億円減益の513億円となっていますが、自然災害の増加影響など、一過性の要素を除いた利益は、堅調な推移となりました。

資料9 国内損害保険会社(2017年度第3四半期)①主要2社の業績概要2

次に、資料9をご覧ください。資産運用について説明します。スライドの左下にありますとおり、政策株式の削減額は1,203億円と、年初計画値である1,200億円の削減をすでに達成し、修正計画値である1,350億円の削減に向け、順調に進捗しております。この政策株削減の好調な推移などから、資産運用・その他は1,725億円と、前期比382億円の増益となりました。

資料11 国内損害保険会社(2017年度第3四半期)③⾃動⾞保険の状況

次に、資料11をご覧ください。自動車保険の状況を説明いたします。左のグラフの事故受付件数は、年度累計で前期比マイナス0.4パーセント、下表・下段の車両・対物保険金単価は増加、右のグラフのアーンド・インカード損害率は、58.3パーセントとなりました。

資料12 国内⽣命保険会社(三井住友海上あいおい⽣命) 業績概要

次に、MSA生命の状況について説明します。資料12をご覧ください。新商品を投入した収入保障保険の好調な売れ行きを主因に、新契約高が前期比29.3パーセントプラスとなるなど、トップラインは好調です。また、四半期純利益は、標準利率改定による責任準備金負担の増加はあったものの、前期と同水準の61億円となりました。

資料13 国内⽣命保険会社(三井住友海上プライマリー⽣命) 業績概要

続いて、MSP生命の業績を説明いたします。資料13をご覧ください。グロス収入保険料は、変額保険が減収する一方、定額保険の販売が好調に推移した結果、前期比で3.2パーセント減収となりましたが、想定を上回る7,568億円となっております。

四半期純利益は、保有契約増加に伴う利ざや収入の増加なども寄与し、第3四半期は金利・為替のプラス影響を価格変動準備金繰入で取り込んだ上で、すでに通期予想を超える253億円となっています。また、(2018年)2月に三井住友銀行で販売を開始した、いわゆるトンチン年金タイプの「一生涯受け取れる人生応援年金」も、好調なスタートを切っています。

資料14 海外保険⼦会社(2017年度第3四半期)業績概要

次に、海外保険子会社の状況について説明いたします。資料14をご覧ください。アジアおよび米州は、為替影響を除いても前年対比で順調に増収・増益しています。一方、MSアムリンの第3Q末の税後利益は、849億円マイナスとなりました。

第2Q末の税後利益のマイナス465億円から、赤字幅が増加した要因は、まず現地第4四半期に発生した、米国カリフォルニア州の2つの森林火災を、約250億円織り込んだことであります。また、一般種目のロスも第3四半期で見込んでいた水準を上回りました。

これまでの取り組みにより、一部の種目で収支が改善してきたものの、当四半期の個別大口ロスに加えて、引受開始年度の浅い一部の賠責種目について、IBNRを積み増したことなどが主因です。

次に、それぞれの改善取り組みです。まず自然災害リスクについては、2018年1月より1災害に関わる再保険カバーの発動点の引き下げ、同一年度の複数の災害による保有損害額の累積を緩和するカバーの追加設定など、収益の安定性を高めました。

また、これまでの良好な出再成績のおかげで、これらの再保険プログラムをコストを抑制し、更改できたことも、収益力の回復に寄与するものと見込んでおります。

足下の1月の更改状況ですが、北米プロパティの被災のあった契約については、市場対比でも遜色のない18パーセント程度の料率引き上げができております。引き続き、罹災契約の更改本番となる、6月から7月の更改動向を見極めていきます。

一方、一般種目では、収支が悪化した種目の料率の引き上げや引受条件の変更、悪績チャネルの取引解消などの取り組みを進めるとともに、月次で更改状況、経費や運用も含めた成績動向をモニタリングする体制を構築しています。

これらの厳しい引受条件交渉等の結果、足下の1月の更改全体は、目標を上回る3.8パーセントプラス程度の料率引き上げが実施できています。2017年度末決算においては、賠責種目を中心に、より慎重に備金の算出を進めています。これら一連の取り組みを通じて、今後2年での収益回復を見込んでおります。

資料26以降に、昨年11月17日に発表いたしました、2017年度業績予想の資料を付けておりますが、こちらの業績予想に変更はございません。

四半期純利益は976億円と、海外の大口自然災害の増加を主因に、通期予想1,450億円に対して進捗率は67パーセント、第3四半期時点では、想定から約200億円下回る状況です。

MSアムリンについては、年度決算に向けて今後も備金水準の精査を続けてまいりますので、それによるブレの要素は残りますが、国内損保・国内生保事業は堅調に推移しており、さまざまな取り組みにより、通期予想の1,450億円の達成を目指してまいります。

また、グループコア利益につきましては、通期予想1,150億円の達成は厳しい状況ではありますが、株主還元との関係で申し上げれば、10円増配の130円配当予想に変更はなく、また自社株買いについては資本の状況・株価の状況を見て、機動的に行う方針であることを、改めて申し上げておきます。

以上で、私からのご説明を終わります。